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小川政府委員 ただいま三点の御指摘がございました。
まず、斜線制限あるいは前面道路幅員による
容積率の制限でございますが、よく言われますように、
指定容積率を一〇〇%使い切れない
制度的要因の何がしかは、今御指摘のございました、前面道路の幅員が狭いことによって斜線制限なり
容積率のカットを食うというふうな点にあろうかと思います。
今回は、単に、
容積率を表向き何割を増すということだけではなくて、その裏側として、基準法を
改正いたしまして、斜線制限あるいは前面道路幅員による
容積率制限を
緩和したという点が
一つございます。
その
基本的な
考え方でございますが、基準法の
基本的な
考え方は、
住居系の
地域とそうではない
地域によって、斜線制限の厳しさ、あるいは、幅員による
容積率カットの厳しさが異なっております。
今回の
改正のポイントを一言で申し上げますと、
住居系の基準でございます、前面道路幅員掛ける〇・四、ないしは、斜線制限の比率は一対一・二五、これをすべて、
商業系、
住宅以外のゾーニングの比率、つまり、幅員については掛ける〇・六、斜線制限については一対一・五というように置きかえたというふうな点がございます。
したがいまして、町並みのつくり方からいたしますと、とてつもない町をつくろうというわけではなくて、非
住居系のような町の景観、形態というところが
住宅としてきちっと使われることを
制度的には想定しているというふうなくらいのイメージで御理解いただければと思います。
それから、もう
一つは、
マンションについての
容積率不算入の
考え方でございます。
これについてはいろいろな
議論がございます。例えば、今回措置いたしましたのは、共同
住宅の共用の廊下、階段部分でございます。例えばエレベーターはどうだ、あるいは、
マンションでございますと、集会室とか管理人室等々、共用部分というのはほかにもいろいろございます。そういうふうな場合に、一体どこまでを不算入の対象にするのかというふうなのは、実は、極めて難しい問題でございます。
ただ、
一つ言えるのは、
容積率そのものの
基本的な
考え方の枠組みというのがございますので、それを不算入というふうな形で特例を設けるには、おのずからの限界がございます。
例えば、エレベーターについて申し上げますと、超
高層の場合には、廊下とエレベーターと階段、これだけで、恐らく五割近くを占めます。全体の容積の半分近くがエレベーターと階段と廊下で消えてしまう。そうしますと、単純な特例措置というだけで五割違う。一〇〇〇%の超
高層の容積が一五〇〇%になってしまうというふうなことは、通常の特例措置というふうな範囲から
考えますと、やや行政側としては厳しいというふうな面がございます。
そういうふうなことから、算定し得る最大公約数というふうなことで、今御提案申し上げております共用の廊下とか階段を全国適用の
制度として不算入にさせていただいたという点でございます。御理解いただきたいと思います。
それから、日影の関係の話でございますが、確かに今回の御提案申し上げている
法律制度では、日影
規制は
法律上適用除外にするというふうにしております。これは、ただ社会的実態としては、いろいろな
意味で日影をめぐる紛争というのがございます。これについて一言で申し上げますと、恐らく社会的事実でございますので、
制度的な決め手はないというのが本音でございます。
ただ、
一つ言えることは、やはり住まい方についてのコンセンサスというか、共通の認識をどうやって醸成していくのかというふうなことの積み上げが
基本的に必要だろうと思います。そういうふうな場合には、
法律制度として、こういうふうな場合の住み方の問題として日影は法的には保護されないというふうなこと、一国の
法制度としてやはりきちっと位置づけるような場合もあるというふうなことは、きちっとした形で
制度上表現させていただきたい。そういうふうなことを踏まえながら、やはり社会的実態としての
考え方、これの機運を盛り上げていくというふうなことが
基本的に必要じゃないかというふうに
考えております。