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中島(武)
委員 今
大臣から、木頭村長が
審議会の場に出席をしないことは遺憾だ、こういう話がありました。
私はそうは思わないのです。といいますのは、今まで見直し
審議会、俗な言葉ですけれ
ども、見直し
審議会が十二ですか、ありまして、そして、かなりのところが結論を
出してきているのですけれ
ども、むつ小川原関係以外は、結論の出たところは大体ゴーサインでしょう。
皆さん、一体こんなことでよいのか。つまり、見直しという形で
審議会は設けられているけれ
ども、初めから結論のわかるような構成になっているのじゃ、やはり公正な
審議とは言えないという気持ちが強いのですよ。だから、そこへ出ていって意見を言えば、もう手続は一つ済んだということで前へ進められてしまうということを非常に懸念しているのですね。
だから、木頭村長は、聞くところによりますと、
審議会を偶数にして、推進とそれから反対と半々にしてやってもらったらどうかというようなことも何か提案しているかのようでございます。私は、これも一理あるなと思うのですね。そういう点では、私は、やはりこの問題については
本当に科学的な、公正な判断ができるような、そういう
審議会にすべきなのじゃないかということを一つ申し上げておきたいと思う。
それから、きょうは時間が少ないもとでうんとやりたいと思っているものだから、そんなことを気にいたしておりますので、ちょっと続けて言わせていただきたい。
実は、私の手元に「細川内ダム
建設事業の促進について」という陳情書が手に入ったのです。四月十五日付のものなんです。これは、細川内ダム
建設促進期成同盟会会長阿南市長を初め連名で出されているのです。
ただ、私は、この
中身を見て、これは
本当なのかということをこの地元に問い合わせをしたのです。そうしたら、非常にこれは違うと言うのですね、書いてあることが。随分具体的な反論が出てきました。
簡潔に申し上げたいと思うのですけれ
ども、ここに出されておるもの、一級
河川那賀川は毎年のように洪水に見舞われている。そんなことはありません、毎年のようではありませんと。
それから、具体的に挙げられている四十六年の、一九七一年ですけれ
ども、台風二十三号の豪雨被害、これは和食地区ですけれ
ども、この問題について、これは確かに大きな被害はあった、だけれ
ども、住民が逆に裁判を起こしたのです。そして、この問題について高松高裁でも非常にはっきりした結論が出されておりまして、長安ロダムの水を一気に流すというダムの操作ミスが洪水の原因となったことを推察するという結論が出ているのですね。
それから、一昨年の五月に、下流域の那賀川水系では、まれに見る局地豪雨に見舞われて、田畑、家屋等が浸水したというのです。どこが浸水したのかといいますと、これは那賀川の支流の加茂谷川だ、本流と合流するところ、そこだというのですね。
加茂谷地区というのは昔から大変低い土地で、そのために一部は川底より低い、そういうところなんです。だから、こういうところこそもう最優先で
堤防をつくってほしいということを長年住民は陳情しているのですね。ところが、いまだにそういうことを何もやってくれない。
無
堤防のところはもっとほかにもたくさんあると言ってきているのですけれ
ども、吉井地区とか楠根地区とか持井地区というような名前を挙げておりますが、これはみんな阿南市なんですね。それで、ここは全部無
堤防地帯なんだ。危険
地域なんだ。
何で早く
堤防をちゃんとつけてくれないのか、こういうふうに言って、何かダムがないからこんな洪水が起きるかのような言い方をされるのじゃ、
本当に本末が転倒しているということを言ってきているわけなんですね。
それから、これはなかなか具体的なことを書いてあるから私も具体的に言うのですけれ
ども、利水の問題でも、企業が操業停止、生産縮小に追い込まれたという問題について、これはもう日本じゅうが一九九五年、二年前のあの大変な渇水。これは何も徳島県だけじゃない、那賀川水系だけじゃない、全国みんなひどい目に遭ったじゃないかということですね。
しかも、そのときは梅雨に備えてダムを空にしておったのです。雨が降ると思って梅雨の前にダムを空にしておいた。そこへ、雨が降らないで、逆に空梅雨が続いたというような
状況だったのじゃないか。
こういう点も、やはりよく現実を見て、無
堤防地帯を解決するとか、あるいはさらに言えば、やはり河道の断面を拡大をしてちゃんと水がよく
流れるようにするとか、受け入れることができるようにするとか、そういうことこそ一緒にやってもらいたい、こういう話なんです。
大臣、この点で、代替案について、いいものがあるかどうか、こういうお話だったのですけれ
ども、私は、緊急に迫られていることを、無
堤防をなくするとかあるいは河床断面を大きくするとかということに力を尽くすべきじゃないかと思うのですけれ
ども、いかがでしょうか。