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1997-05-26 第140回国会 衆議院 決算委員会第一分科会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
分科会
は
平成
九年五月十五日(木曜日)
委員会
において、設置することに決した。 五月二十三日 本
分科員
は
委員長
の
指名
で、次のとおり
選任
さ れた。
熊谷
市雄
君
栗本慎一郎
君
柳本
卓治
君
大口
善徳
君
生方
幸夫
君
前田
武志
君 五月二十三日
栗本慎一郎
君が
委員長
の
指名
で、
主査
に
選任
さ れた。 ─────────────
平成
九年五月二十六日(月曜日) 午前九時
開議
出席分科員
主 査
栗本慎一郎
君
熊谷
市雄
君
平沢
勝栄
君
大口
善徳
君
生方
幸夫
君
坂上
富男
君
前田
武志
君
兼務
上田
清司
君
兼務
吉田
治君
兼務
石井
紘基
君
兼務
辻
一彦
君
兼務
瀬古由起子
君
兼務
中島
武敏
君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣
三塚
博君 国 務 大 臣 (
内閣官房長官
)梶山 静六君 国 務 大 臣 (
総務庁長官
) 武藤 嘉文君 国 務 大 臣 (
環境庁長官
)
石井
道子君
出席政府委員
内閣参事官
兼
内閣総理大臣
官房会計課長
吉井 一弥君
宮内庁次長
森
幸男
君
皇室経済主管
角田 素文君
総務庁行政管理
局長
陶山 晧君
科学技術庁原子
力安全局長
池田 要君
環境庁長官官房
長 岡田 康彦君
環境庁企画調整
局長
田中 健次君
環境庁自然保護
局長
澤村 宏君
大蔵大臣官房金
融検査部長
中川 隆進君
大蔵省主計局次
長 細川 興一君
大蔵省理財局次
長 戸恒
東人君
大蔵省銀行局長
山口 公生君
大蔵省銀行局保
険部長
福田 誠君
証券取引等監視
委員会事務局長
若林 勝三君
海上保安庁次長
大森
寿明
君
分科員外
の
出席者
法務省刑事局刑
事課長
藤田 昇三君
大蔵大臣官房会
計
課長
森田 好則君
大蔵省主計局司
計
課長
田頭 基典君
文部大臣官房会
計
部長
矢野 重典君
厚生大臣官房人
事課長
丸田 和夫君
運輸省自動車交
通局保障課長
柴田
耕介
君
運輸省港湾局計
画課長
川島 毅君
郵政大臣官房秘
書課長
清水 英雄君
会計検査院長
疋田
周朗
君
会計検査院事務
総局次長
平岡 哲也君
会計検査院事務
総長官房審議官
関本
匡邦
君
会計検査院事務
総長官房審議官
増田
裕夫君
会計検査院事務
総局
第一
局長
深田
烝治君
会計検査院事務
総局
第二
局長
諸田 敏朗君
最高裁判所事務
総長
泉 徳治君
最高裁判所事務
総局総務局長
涌井 紀夫君
国民金融国庫総
裁 尾崎 護君
日本開発銀行
総 裁 吉野 良彦君
日本輸出入銀行
総裁
保田 博君 参 考 人 (
日本銀行総裁
)松下 康雄君
決算委員会調査
室長 天野 進君 ─────────────
分科員
の異動 五月二十六日
辞任
補欠選任
柳本
卓治
君
平沢
勝栄
君
生方
幸夫
君
坂上
富男
君
前田
武志
君
岩國
哲人
君 同日
辞任
補欠選任
平沢
勝栄
君
柳本
卓治
君
坂上
富男
君
枝野
幸男
君
岩國
哲人
君
前田
武志
君 同日
辞任
補欠選任
枝野
幸男
君
生方
幸夫
君 同日 第二
分科員中島武敏
君、第三
分科員上田清司
君、
石井紘基
君、第四
分科員吉田治
君、
辻一彦
君及び
瀬古由起子
君が本
分科兼務
となった。 本日の
会議
に付した案件
平成
六
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
六
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
六
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
六
年度
政府関係機関決算書
平成
六
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
六
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
平成
七
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
七
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
七
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
七
年度
政府関係機関決算書
平成
七
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
七
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
〔
皇室費
、
裁判所
、
会計検査院
、
内閣
、
総理府
(本府、
総務庁
、
環境庁
)、
大蔵省所管
、
国民
金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
〕 ────◇─────
栗本慎一郎
1
○
栗本主査
これより
決算委員会
第一
分科会
を開会いたします。 私が本
分科会
の
主査
を務めることになりました
栗本慎一郎
です。よろしくお願いいたします。 本
分科会
は、
皇室費
、国会、
裁判所
、
会計検査院
、
内閣
、
総理府
(本府、
総務庁
、
環境庁
)、
法務省
、
大蔵省所管
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行並び
に他の
分科会所管
以外の国の
会計
についての
審査
を行うことになっております。 なお、各省庁の
審査
に当たっては、その冒頭に、
決算概要説明
、
会計検査院
の
検査概要説明
及び
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
についての
説明
を聴取することといたします。
平成
六
年度
決算外
二件及び
平成
七
年度
決算外
二件中、本日は、
大蔵省所管
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
、
日本輸出入銀行並び
に
総理府
(
総務庁
)、
総理府
(本府)、
内閣
、
皇室費
、
裁判所
、
総理府
(
環境庁
)及び
会計検査院所管
について
審査
を行います。 これより
大蔵省所管
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。
三塚大蔵大臣
。
三塚博
2
○
三塚国務大臣
平成
六
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入決算
について申し上げます。
収納済み歳入額
は七十三兆三千二百四十五億二千三百五十三万円余となっております。 このうち、
租税
及び
印紙収入
は四十九兆六千四十五億七千三百四十五万円余となっております。 次に、
一般会計歳出決算
について申し上げます。
歳出予算
現額は十六兆七千二百四十七億八千九百六十六万円余でありまして、
支出済み歳出額
は十六兆五千百五十九億五千七百七十二万円余、翌
年度繰越額
は百二億五千三百九万円余でありまして、差し引き、
不用額
は千九百八十五億七千八百八十四万円余となっております。 このうち、
国債費
は十三兆四千二百二十二億二千五百九十三万円余を
支出
いたしました。 次に、各
特別会計
の
歳入歳出決算
の
概要
を申し上げます。
造幣局特別会計
におきまして、
収納済み歳入額
は二百六十一億二千七百六十六万円余、
支出済み歳出額
は二百三十一億八千百九十七万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は千四百九十万円余であります。 このほか、
印刷局等
の各
特別会計
の
歳入歳出決算
につきましては、
決算書等
によって御了承願いたいと存じます。
最後
に、各
政府関係機関
の
収入支出決算
の
概要
を申し上げます。
国民金融公庫
におきまして、
収入済み額
は五千百三十八億四千七百六十七万円余、
支出済み額
は五千百十三億四千八百九十万円余でありまして、
損益計算
上の
損益
はありません。 このほか、
住宅金融公庫等
の各
政府関係機関
の
収入支出決算
につきましては、
決算書
によって御了承願いたいと存じます。 以上が
平成
六
年度
における
大蔵省関係
の
決算
の
概要
であります。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。 次に、
平成
七
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入決算
について申し上げます。
収納済み歳入額
は七十七兆八千四百七億六千四百五十六万円余となっております。 このうち、
租税
及び
印紙収入
は五十兆三千四百二十三億四千七百五万円余となっております。 次に、
一般会計歳出決算
について申し上げます。
歳出予算
現額は十六兆四千四百五十億六千九百二十四万円余でありまして、
支出済み歳出額
は十六兆二千三十六億三千六百九十一万円余、翌
年度繰越額
は百四十九億四千三十二万円余でありまして、差し引き、
不用額
は二千二百六十四億九千二百一万円余となっております。 このうち、
国債費
は十二兆八千二百四億三千百七十三万円余を
支出
いたしました。 次に、各
特別会計
の
歳入歳出決算
の
概要
を申し上げます。
造幣局特別会計
におきまして、
収納済み歳入額
は二百六十六億一千三百四十五万円余、
支出済み歳出額
は二百九十八億九百十八万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は一千三百三十九万円余であります。 このほか、
印刷局等
の各
特別会計
の
歳入歳出決算
につきましては、
決算書等
によって御了承願いたいと存じます。
最後
に、各
政府関係機関
の
収入支出決算
の
概要
を申し上げます。
国民金融公庫
におきまして、
収入済み額
は五千百二十七億三千六十五万円余、
支出済み額
は四千九百九十八億六千九百七十八万円余でありまして、
損益計算
上の
損益
はありません。 このほか、
住宅金融公庫等
の各
政府関係機関
の
収入支出決算
につきましては、
決算書
によって御了承願いたいと存じます。 以上が
平成
七
年度
における
大蔵省関係
の
決算
の
概要
であります。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
栗本慎一郎
3
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
4
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
大蔵省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
二件であります。
検査報告番号
三号は、
租税
の
徴収
に当たり、
課税資料
の
収集
・
活用
が的確でなかったなどのため、
徴収額
に
過不足
があったものであります。 また、
検査報告番号
四号は、
資金運用部資金
の貸し
付け
において、
資金
の
剰余
が生じているのに、繰り上げ
償還
の
措置
がとられていなかったものであります。 以上、簡単でございますが、
説明
を終わります。 次に、
平成
七
年度
大蔵省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
一件であります。 これは、
租税
の
徴収
に当たり、
課税資料
の
収集
・
活用
が的確でなかったなどのため、
徴収額
に
過不足
があったものであります。 以上、簡単でございますが、
説明
を終わります。
栗本慎一郎
5
○
栗本主査
次に、
増田審議官
。
増田裕夫
6
○
増田会計検査院説明員
平成
六
年度
国民金融公庫
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 また、
平成
七
年度
国民金融公庫
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
六
年度
日本開発銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 また、
平成
七
年度
日本開発銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
六
年度
日本輸出入銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 また、
平成
七
年度
日本輸出入銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
栗本慎一郎
7
○
栗本主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。
三塚大蔵大臣
。
三塚博
8
○
三塚国務大臣
平成
六
年度
に関し、ただいま
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
につきまして、
大蔵省
のとった
措置等
について御
説明
申し上げます。
会計検査院
の
検査
の結果、
不当事項
として、
税務署
における
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったこと等の御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、すべて
徴収
決定等適切な
措置
を講じましたが、今後一層
事務
の
合理化
と
改善
に努めたいと存じます。 次に、
平成
七
年度
に関し、
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
につきまして、
大蔵省
のとった
措置等
について御
説明
申し上げます。
会計検査院
の
検査
の結果、
不当事項
として、
税務署
における
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったこと等の御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、すべて
徴収
決定等適切な
措置
を講じましたが、今後一層
事務
の
合理化
と
改善
に努めたいと存じます。 以上であります。
栗本慎一郎
9
○
栗本主査
この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
栗本慎一郎
10
○
栗本主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ─────────────
平成
六
年度
大蔵省所管
(
一般会計
、
特別会計
及び
政府関係機関
)
決算
に関する
概要説明
大蔵省
平成
六
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関決算書
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入決算
について申し上げます。
平成
六
年度
の
収納済歳入額
は七三兆三、二四五億二、三五三万円余でありまして、これを
歳入予算額
と比較いたしますと二兆八、二七〇億二、五八〇万円余の
増加
となっております。 以下、
歳入決算
のうち、主な
事項
についてその
概要
を申し上げます。 第一に、
租税及印紙収入
でありますが、その
決算額
は四九兆六、〇四五億七、三四五万円余でありまして、これを
予算額
と比較いたしますと一、二八五億七、三四五万円余の
増加
となっております。これは、
法人税等
において
課税額
の伸びが見込みを上回ったこと等によるものであります。 第二に、
公債金
でありますが、
予算予定額
を全額発行することといたしました結果、その
決算額
は一六兆四、八九九億九、七八二万円余となっております。 以上のほか、
官業益金及官業収入
九一億五、八〇六万円余、
政府資産整理収入
九五四億九、一一〇万円余、雑収入四兆四、九六六億一、七七一万円余、前
年度
剰余金受入
二兆六、二八六億八、五三五万円余となっております。 次に、
一般会計歳出決算
について申し上げます。
平成
六
年度
の
歳出予算
現額は一六兆七、二四七億八、九六六万円余でありまして、
支出済歳出額
は一六兆五、一五九億五、七七二万円余、翌
年度繰越額
は一〇二億五、三〇九万円余でありまして、差引き、
不用額
は一、九八五億七、八八四万円余となっております。 以下、
歳出決算
のうち、主な
事項
についてその
概要
を申し上げます。 第一に、
国債費
につきましては、
国債整理基金特別会計
へ繰り入れるため一三兆四、二二二億二、五九三万円余を
支出
いたしましたが、これは、
一般会計
の負担に属する
国債
の
償還
、
国債
及び借入金の
利子等
の支払並びにこれらの
事務取扱費
の
財源
に充てるためのものであります。 第二に、
政府出資
につきましては三、六四二億円を
支出
いたしましたが、これは、
海外経済協力基金等
への
出資
であります。 第三に、
産業投資特別会計
へ繰入につきましては、同
会計
の
社会資本整備勘定等
へ繰り入れるため一、九三五億八、四二一万円余を
支出
いたしましたが、これは、貸
付け等
の
財源
に充てるためのものであります。 第四に、
国民金融公庫補給金
につきましては五二七億三、四〇〇万円を
支出
いたしましたが、これは、
国民金融公庫
の
業務
の円滑な運営に資するための
補給金
であります。 第五に、
経済協力費
につきましては四五〇億三、七五四万円余を
支出
いたしましたが、これは、
国際開発金融機関
を通じて供与する
開発途上国
に対する
経済協力等
のためのものであります。 第六に、
決算調整資金
へ繰入につきましては一兆五、四四七億六、八五一万円余を
支出
いたしましたが、これは、
平成
四
年度
一般会計
の
決算
上の不足を補てんしたことに伴い、
決算調整資金
から
国債整理基金
へ繰り戻すために必要な
資金
を、
決算調整資金
に繰り入れたものであります。 以上申し述べました
経費
のほか、
国家公務員等共済組合連合会等助成費
、
日本鉄道共済組合等助成費
、
国庫受入預託金利子
、
公務員宿舎施設費
、
アジア開発銀行出資
、
欧州復興開発銀行出資
及び
特定国有財産整備費
として一、〇一八億六、八八一万円余、並びに
一般行政
を処理するための
経費
として七、九一五億三、八六九万円余を
支出
いたしました。 なお、以上の
支出
のほか、
公務員宿舎施設費等
につきましては一〇二億五、三〇九万円余が翌
年度
へ繰越しとなっております。 次に、各
特別会計歳入歳出決算
についてその
概要
を申し上げます。 まず、
造幣局特別会計
におきまして
収納済歳入額
は二六一億二、七六六万円余、
支出済歳出額
は三二一億八、一九七万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は一、四九〇万円余であります。 この
会計
の主な
事業
である貨幣の
製造
につきましては、一六億六、〇〇〇万枚、
額面金額
にして一、〇〇九億九、〇〇〇万円を
製造
し、その全額を発行いたしました。 次に、
印刷局特別会計
におきまして
収納済歳入額
は九八六億四二六万円余、
支出済歳出額
は九〇一億五、一〇五万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は一四四億一、六一七万円余であります。 この
会計
の主な
事業
である
日本銀行券
の
製造
につきましては、三四億六、〇〇〇万枚、
額面金額
にして一六兆二、六〇〇億円を
製造
し、その全量を
日本銀行
に引き渡しました。 以上申し述べました各
特別会計
のほか、
資金運用部
、
国債整理基金
、
外国為替資金
、
産業投資
、地震再
保険
及び
特定国有財産整備
の各
特別会計
の
歳入歳出
の
決算
の
内容
につきましては、
特別会計歳入歳出決算
によって御了承願いたいと存じます。
最後
に、各
政府関係機関決算書
についてその
概要
を申し上げます。 まず、
国民金融公庫
におきまして
収入済額
は五、一三八億四、七六七万円余、
支出済額
は五、一一三億四、八九〇万円余でありまして、
損益計算
上の
損益
はありません。 この
公庫
の
貸付
けにつきましては、七六万件余、
金額
にして三兆五、七七八億五、七五五万円余を貸し
付け
ました。 このほか、
住宅金融公庫
、
農林漁業金融公庫
、
中小企業金融公庫
、
北海道東北開発公庫
、
公営企業金融公庫
、
中小企業信用保険公庫
、環境衛生
金融公庫
、
沖縄振興開発金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
の
決算
の
内容
につきましては、それぞれの
決算書
によって御了承願いたいと存じます。 以上が
平成
六
年度
における
大蔵省関係
の
決算
の
概要
であります。これらの詳細につきましては、さきに提出しております
平成
六
年度
歳入決算明細書
及び各省各
庁歳出決算報告書等
によって御了承願いたいと存じます。 何とぞよろしく御
審議
の程お願い申し上げます。 …………………………………
平成
六
年度
決算大蔵省
についての
検査
の
概要
に関する
主管局長
の
説明
会計検査院
平成
六
年度
大蔵省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
二件であります。
検査報告番号
三号は、
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったものであります。 これらの
徴収過不足
の事態は、
納税者
が
申告書等
において
所得金額
や
税額等
を誤っているのに、
課税資料
の
収集
・
活用
が的確でなかったり、法令の育成、工業の
適正配置
の
促進
について特に留意したこと (8) その他については、「
海洋開発
」、「生涯
学習関連施設整備
」、「
国鉄清算事業団用地処分活用促進
」等の
融資
を引き続き行ったこと (9)
社会資本整備促進
については、
日本電信電話株式会社
の株式の
売払収入
の
活用
により、
社会資本
の
整備促進
を図るための
融資
を引き続き行ったこと (10) 更に、これらの
融資項目
のうち阪神・
淡路大震災
により被害を受けた地域における
社会基盤施設
の復旧を
促進
するための
融資
につき、
融資制度
の
低利化等
を図ったことなどがあげられます。 三、次に六
年度
における
既往貸付
の回収は、一兆一千八百二十八億十万円余となっております。 また、六
年度
の、
貸付金
の
債権償却
はございません。 この結果、六
年度
末における
出融資残高
は、十五兆一千六十億九千三百八十九万円余となりました。
貸付金
の
延滞状況
につきましては、六
年度
末におきまして
弁済期限
を六カ月以上経過した
元金残高
は四百七十五億三千七百二十七万円余となっております。
貸付残高
に対する割合は、〇・三二パーセントとなっております。 四、
最後
に、六
年度
決算
の
概要
について
説明
いたしますと、四百六十四億一百七十三万円余の純
利益
を計上し、このうち四百五十一億七千五百二十一万円余を
法定準備金
として積立て、残額十二億二千六百五十一万円余を
国庫
へ納付しました。 以上、六
年度
における
日本開発銀行
の
業務
の
内容
につきましてご
説明
申し上げた次第でございます。 ─────────────
日本輸出入銀行
の
平成
六
年度
業務概況
日本輸出入銀行
一、
平成
六
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務状況
につき
概要
をご
説明
申し上げます。 まず、
平成
六
年度
は
年度
当初の
事業計画
において一兆七千百五十億円の
貸付
、
出資
および
外国公債
の
取得
を予定いたしました。 これに対し
平成
六
年度
においては
出資
および
外国公債
の
取得
はなく、
貸付額
の実績は一兆八百三十二億千三百九万円余で、
年度
当初の
事業計画
においては
貸付等
の
予定額
を三十七パーセント程下回りました。 なお、この
平成
六
年度
の
貸付額
を
平成
五
年度
の
貸付額
一兆三千六百三十九億九千八百八十九万円余に比較いたしますと二十一パーセント程度の
減少
となっております。 以下、
平成
六
年度
の
貸付額
の内訳につきまして、
金融種類別
に前
年度
との比較において申し述べます。 まず、
輸出資金
の
貸付
は、千五百十九億八百八十六万円余で、
平成
五
年度
の千百三億五千七百十九万円余に対し、四百十五億五千百六十七万円余の
増加
となりました。これは、プラントの
輸出
に対する
貸付
が
増加
したことによるものであります。 次に、
輸入
に必要な
資金
の
貸付
は、千七百十七億四千六百四十万円余で、
平成
五
年度
の二千八十二億六千四百六十九万円余に対し、三百六十五億千八百二十八万円余の
減少
となりました。これは、
製品輸入
に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 また、
海外投資資金
の
貸付
は、千九百二十七億五千四百三十万円余となり、
平成
五
年度
の三千四百七十七億五千三十一万円余に対し、千五百四十九億九千六百万円余の
減少
となりました。これは、
製造
業投資等に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 このほか、外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る
貸付
は、五千六百六十八億三百五十一万円余で、
平成
五
年度
の外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る
貸付
および
外国公債
の
取得
六千九百七十六億二千六百六十九万円余に対し、千三百八億二千三百十七万円余の
減少
となりました。これは、アンタイドローン等の
貸付
が
減少
したことによるものであります。 以上の結果、
平成
六
年度
末の
貸付残高
および
外国公債
の
取得
残高は、八兆七千五百三十三億二千三百十七万円余となっております。 なお、この
貸付残高
のうち、
弁済期限
を六箇月以上経過して延滞となっている
貸付
の
元金残高
は、千五百八十億四千八百二十一万円余となっております。
平成
六
年度
の
貸付
資金
の原資といたしましては、
資金運用部資金
からの借入金九千八百五十四億円、簡易生命
保険
及郵便年金の積立金からの借入金四百四十六億円のほか、自己
資金
等五百三十二億千三百九万円余をもってこれにあてました。 以上申し述べました
業務
の運営により
平成
六
年度
の一般勘定の
損益計算
上における
利益
は、五千百四十九億九千百十五万円余、これに対し損失は四千七百十六億六千百五十万円余となりました。 この結果、
平成
六
年度
の一般勘定
利益
金は四百三十三億二千九百六十四万円余となりました。 一般勘定
利益
金は、法令の定めるところに従いうち二百六十二億千百二十八万円余を
法定準備金
として積立て、残額百七十一億千八百三十六万円余を
国庫
に納付いたしました心 なお、既往のインドネシア債務救済
措置
の実施に関する
業務
につきましては、
日本輸出入銀行
法による
貸付金
の利息の特例等に関する法律により一般の
業務
と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、
平成
六
年度
の特別勘定の
損益計算
上、一億六千四百五十四万円余の
利益
金を生じ、法令に定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。 二、以上、
平成
六
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務
の概況につき、ご
説明
申し上げました。 ─────────────
平成
七
年度
大蔵省所管
(
一般会計
、
特別会計
及び
政府関係機関
)
決算
に関する
概要説明
大 蔵 省
平成
七
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関決算書
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入決算
について申し上げます。
平成
七
年度
の
収納済歳入額
は七七兆八、四〇七億六、四五六万円余でありまして、これを
歳入予算額
と比較いたしますと二兆四、一九五億七、〇三八万円余の
増加
となっております。 以下、
歳入決算
のうち、主な
事項
についてその
概要
を申し上げます。 第一に、
租税及印紙収入
でありますが、その
決算額
は五〇兆三、四二三億四、七〇五万円余でありまして、これを
予算額
と比較いたしますと一兆一、一九三億四、七〇五万円余の
増加
となっております。これは、
法人税等
において
課税額
の伸びが見込み上回ったこと等によるものであります。 第二に、
公債金
でありますが、その
決算額
は二一兆二、四七〇億二、九三七万円余でありまして、これを
予算額
と比較いたしますと七、八四九億七、〇六二万円余の
減少
となっております。これは、
租税
収入等が見積りより増収となることが見込まれたこと等により、公債の発行額を予定より減額したことによるものであります。 以上のほか、
官業益金及官業収入
七四億二、一一九万円余、
政府資産整理収入
二、五二〇億四、二七一万円余、雑収入三兆二、六六五億二、二三一万円余、前
年度
剰余金受入
二兆七、二五四億一九一万円余となっております。 次に、
一般会計歳出決算
について申し上げます。
平成
七
年度
の
歳出予算
現額は一六兆四、四五〇億六、九二四万円余でありまして、
支出済歳出額
は一六兆二、〇三六億三、六九一万円余、翌
年度繰越額
は一四九億四、〇三二万円余でありまして、差引き、
不用額
は二、二六四億九、二〇一万円余となっております。の育成、工業の
適正配置
の
促進
について特に留意したこと (8) その他については、「
海洋開発
」、「生涯
学習関連施設整備
」、「
国鉄清算事業団用地処分活用促進
」等の
融資
を引き続き行ったこと (9)
社会資本整備促進
については、
日本電信電話株式会社
の株式の
売払収入
の
活用
により、
社会資本
の
整備促進
を図るための
融資
を引き続き行ったこと (10) 更に、これらの
融資項目
のうち阪神・
淡路大震災
により被害を受けた地域における
社会基盤施設
の復旧を
促進
するための
融資
につき、
融資制度
の
低利化等
を図ったことなどがあげられます。 三、次に六
年度
における
既往貸付
の回収は、一兆一千八百二十八億十万円余となっております。 また、六
年度
の、
貸付金
の
債権償却
はございません。 この結果、六
年度
末における
出融資残高
は、十五兆一千六十億九千三百八十九万円余となりました。
貸付金
の
延滞状況
につきましては、六
年度
末におきまして
弁済期限
を六カ月以上経過した
元金残高
は四百七十五億三千七百二十七万円余となっております。
貸付残高
に対する割合は、〇・三二パーセントとなっております。 四、
最後
に、六
年度
決算
の
概要
について
説明
いたしますと、四百六十四億一百七十三万円余の純
利益
を計上し、このうち四百五十一億七千五百二十一万円余を
法定準備金
として積立て、残額十二億二千六百五十一万円余を
国庫
へ納付しました。 以上、六
年度
における
日本開発銀行
の
業務
の
内容
につきましてご
説明
申し上げた次第でございます。 ─────────────
日本輸出入銀行
の
平成
六
年度
業務概況
日本輸出入銀行
一、
平成
六
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務状況
につき
概要
をご
説明
申し上げます。 まず、
平成
六
年度
は
年度
当初の
事業計画
において一兆七千百五十億円の
貸付
、
出資
および
外国公債
の
取得
を予定いたしました。 これに対し
平成
六
年度
においては
出資
および
外国公債
の
取得
はなく、
貸付額
の実績は一兆八百三十二億千三百九万円余で、
年度
当初の
事業計画
においては
貸付等
の
予定額
を三十七パーセント程下回りました。 なお、この
平成
六
年度
の
貸付額
を
平成
五
年度
の
貸付額
一兆三千六百三十九億九千八百八十九万円余に比較いたしますと二十一パーセント程度の
減少
となっております。 以下、
平成
六
年度
の
貸付額
の内訳につきまして、
金融種類別
に前
年度
との比較において申し述べます。 まず、
輸出資金
の
貸付
は、千五百十九億八百八十六万円余で、
平成
五
年度
の千百三億五千七百十九万円余に対し、四百十五億五千百六十七万円余の
増加
となりました。これは、プラントの
輸出
に対する
貸付
が
増加
したことによるものであります。 次に、
輸入
に必要な
資金
の
貸付
は、千七百十七億四千六百四十万円余で、
平成
五
年度
の二千八十二億六千四百六十九万円余に対し、三百六十五億千八百二十八万円余の
減少
となりました。これは、
製品輸入
に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 また、
海外投資資金
の
貸付
は、千九百二十七億五千四百三十万円余となり、
平成
五
年度
の三千四百七十七億五千三十一万円余に対し、千五百四十九億九千六百万円余の
減少
となりました。これは、
製造
業投資等に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 このほか、外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る
貸付
は、五千六百六十八億三百五十一万円余で、
平成
五
年度
の外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る
貸付
および
外国公債
の
取得
六千九百七十六億二千六百六十九万円余に対し、千三百八億二千三百十七万円余の
減少
となりました。これは、アンタイドローン等の
貸付
が
減少
したことによるものであります。 以上の結果、
平成
六
年度
末の
貸付残高
および
外国公債
の
取得
残高は、八兆七千五百三十三億二千三百十七万円余となっております。 なお、この
貸付残高
のうち、
弁済期限
を六箇月以上経過して延滞となっている
貸付
の
元金残高
は、千五百八十億四千八百二十一万円余となっております。
平成
六
年度
の
貸付
資金
の原資といたしましては、
資金運用部資金
からの借入金九千八百五十四億円、簡易生命
保険
及郵便年金の積立金からの借入金四百四十六億円のほか、自己
資金
等五百三十二億千三百九万円余をもってこれにあてました。 以上申し述べました
業務
の運営により
平成
六
年度
の一般勘定の
損益計算
上における
利益
は、五千百四十九億九千百十五万円余、これに対し損失は四千七百十六億六千百五十万円余となりました。 この結果、
平成
六
年度
の一般勘定
利益
金は四百三十三億二千九百六十四万円余となりました。 一般勘定
利益
金は、法令の定めるところに従いうち二百六十二億千百二十八万円余を
法定準備金
として積立て、残額百七十一億千八百三十六万円余を
国庫
に納付いたしました心 なお、既往のインドネシア債務救済
措置
の実施に関する
業務
につきましては、
日本輸出入銀行
法による
貸付金
の利息の特例等に関する法律により一般の
業務
と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、
平成
六
年度
の特別勘定の
損益計算
上、一億六千四百五十四万円余の
利益
金を生じ、法令に定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。 二、以上、
平成
六
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務
の概況につき、ご
説明
申し上げました。 ─────────────
平成
七
年度
大蔵省所管
(
一般会計
、
特別会計
及び
政府関係機関
)
決算
に関する
概要説明
大 蔵 省
平成
七
年度
大蔵省主管一般会計歳入決算並び
に
大蔵省所管
の
一般会計歳出決算
、各
特別会計歳入歳出決算
及び各
政府関係機関決算書
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入決算
について申し上げます。
平成
七
年度
の
収納済歳入額
は七七兆八、四〇七億六、四五六万円余でありまして、これを
歳入予算額
と比較いたしますと二兆四、一九五億七、〇三八万円余の
増加
となっております。 以下、
歳入決算
のうち、主な
事項
についてその
概要
を申し上げます。 第一に、
租税及印紙収入
でありますが、その
決算額
は五〇兆三、四二三億四、七〇五万円余でありまして、これを
予算額
と比較いたしますと一兆一、一九三億四、七〇五万円余の
増加
となっております。これは、
法人税等
において
課税額
の伸びが見込み上回ったこと等によるものであります。 第二に、
公債金
でありますが、その
決算額
は二一兆二、四七〇億二、九三七万円余でありまして、これを
予算額
と比較いたしますと七、八四九億七、〇六二万円余の
減少
となっております。これは、
租税
収入等が見積りより増収となることが見込まれたこと等により、公債の発行額を予定より減額したことによるものであります。 以上のほか、
官業益金及官業収入
七四億二、一一九万円余、
政府資産整理収入
二、五二〇億四、二七一万円余、雑収入三兆二、六六五億二、二三一万円余、前
年度
剰余金受入
二兆七、二五四億一九一万円余となっております。 次に、
一般会計歳出決算
について申し上げます。
平成
七
年度
の
歳出予算
現額は一六兆四、四五〇億六、九二四万円余でありまして、
支出済歳出額
は一六兆二、〇三六億三、六九一万円余、翌
年度繰越額
は一四九億四、〇三二万円余でありまして、差引き、
不用額
は二、二六四億九、二〇一万円余となっております。 以下、
歳出決算
のうち、主な
事項
についてその
概要
を申し上げます。 第一に、
国債費
につきましては、
国債整理基金特別会計
へ繰り入れるため一二兆八、二〇四億三、一七三万円余を
支出
いたしましたが、これは、
一般会計
の負担に属する
国債
の
償還
、
国債
及び借入金の
利子等
の支払並びにこれらの
事務取扱費
の
財源
に充てるためのものであります。 第二に、
産業投資特別会計
へ繰入につきましては、同
会計
の
社会資本整備勘定等
へ繰り入れるため一兆二、五六三億三、六四二万円余を
支出
いたしましたが、これは、貸
付け等
の
財源
に充てるためのものであります。 第三に、
政府出資
につきましては四、九一四億一、四〇〇万円を
支出
いたしましたが、これは、
海外経済協力基金等
への
出資
であります。 第四に、
国民金融公庫補給金
につきましては八九五億二、九〇〇万円を
支出
いたしましたが、これは、
国民金融公庫
の
業務
の円滑な運営に資するための
補給金
であります。 第五に、
経済協力費
につきましては四六八億六、四六一万円余を
支出
いたしましたが、これは、
国際開発金融機関
を通じて供与する
開発途上国
に対する
経済協力等
のためのものであります。 第六に、
決算調整資金
へ繰入につきましては五、六六三億三、四八六万円余を
支出
いたしましたが、これは、
平成
五
年度
一般会計
の
決算
上の不足を補てんしたことに伴い、
決算調整資金
から
国債整理基金
へ繰り戻すために必要な
資金
を、
決算調整資金
に繰り入れたものであります。 以上申し述べました
経費
のほか、
国家公務員等共済組合連合会等助成費
、
日本鉄道共済組合等助成費
、
国庫受入預託金利子
、
公務員宿舎施設費
、
アジア開発銀行出資
、
欧州復興開発銀行出資
及び
特定国有財産整備費
として一、〇五六億四、七九六万円余、並びに
一般行政
を処理するための
経費
として八、二七〇億七、八二九万円余を
支出
いたしました。 なお、以上の
支出
のほか、
公務員宿舎施設費等
につきましては一四九億四、〇三二万円余が翌
年度
へ繰越しとなっております。 次に、各
特別会計歳入歳出決算
についてその
概要
を申し上げます。 まず、
造幣局特別会計
におきまして
収納済歳入額
は二六六億一、三四五万円余、
支出済歳出額
は二九八億九一八万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は一、三三九万円余であります。 この
会計
の主な
事業
である貨幣の
製造
につきましては、二一億二、〇〇〇万枚、
額面金額
にして一、〇六八億四、〇〇〇万円を
製造
し、その全額を発行いたしました。 次に、
印刷局特別会計
におきまして
収納済歳入額
は一、〇〇七億九、五九二万円余、
支出済歳出額
は九二五億一、三五八万円余でありまして、
損益計算
上の
利益
は一二〇億六、四八〇万円余であります。 この
会計
の主な
事業
である
日本銀行券
の
製造
につきましては、三六億三、〇〇〇万枚、
額面金額
にして一九兆二、九〇〇億円を
製造
し、その全量を
日本銀行
に引き渡しました。 以上申し述べました各
特別会計
のほか、
資金運用部
、
国債整理基金
、
外国為替資金
、
産業投資
、地震再
保険
及び
特定国有財産整備
の各
特別会計
の
歳入歳出
の
決算
の
内容
につきましては、
特別会計歳入歳出決算
によって御了承願いたいと存じます。
最後
に、各
政府関係機関決算書
についてその
概要
を申し上げます。 まず、
国民金融公庫
におきまして
収入済額
は五、一二七億三、〇六五万円余、
支出済額
は四、九九八億六、九七八万円余でありまして、
損益計算
上の
損益
はありません。 この
公庫
の
貸付
けにつきましては、七四万件余、
金額
にして三兆六、一二三億二、九一三万円余を貸し
付け
ました。 このほか、
住宅金融公庫
、
農林漁業金融公庫
、
中小企業金融公庫
、
北海道東北開発公庫
、
公営企業金融公庫
、
中小企業信用保険公庫
、環境衛生
金融公庫
、
沖縄振興開発金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
の
決算
の
内容
につきましては、それぞれの
決算書
によって御了承願いたいと存じます。 以上が
平成
七
年度
における
大蔵省関係
の
決算
の
概要
であります。これらの詳細につきましては、さきに提出しております
平成
七
年度
歳入決算明細書
及び各省各
庁歳出決算報告書等
によって御了承願いたいと存じます。 何とぞよろしく御
審議
の程お願い申し上げます。 …………………………………
平成
七
年度
決算大蔵省
についての
検査
の
概要
に関する
主管局長
の
説明
会計検査院
平成
七
年度
大蔵省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
一件であります。 これは、
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったものであります。 これらの
徴収過不足
の事態は、
納税者
が
申告書等
において
所得金額
や
税額等
を誤っているのに、
課税資料
の
収集
・
活用
が的確でなかったり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、これを見過ごしたりして、誤ったままにしてしたことなどにより生じていたものであります。 以上、簡単でございますが
説明
を終わります。 ─────────────
平成
七
年度
業務概況
国民金融公庫
国民金融公庫
の
平成
七
年度
の
業務
の概況についてご
説明
申しあげます。
平成
七
年度
のわが国経済は、円高修正の定着等により緩やかに回復してきました。こうした中で、中小企業の景況も回復の方向にあるものの、国際化の進展による産業構造の変化、親企業からのコストダウンの要請、消費者ニーズの多様化・高度化への対応を迫られるなど、依然として厳しいものとなりました。 このような状況のもとで、当
公庫
は、
貸付
限度の引き上げ等により中小企業金融の円滑化のために積極的に対処いたしました。
平成
七
年度
の
貸付
につきましては、計画四兆一千二百六十億円に対しまして、三兆六千百二十三億二千九百十三万円余の実行をいたしました。
貸付
種類別に
貸付
の実績を申しあげますと、普通
貸付
は、四十八万一千件余三兆三千四百四十九億八千九十八万円余、恩給担保
貸付
は、八万一千件余五百六十七億二千四百八十八万円余、記各
国債
担保
貸付
は、百十九件一億四千百八十九万円余、教育
資金
貸付
は、十八万五千件余二千百一億一千六百十八万円余となりました。 なお、普通
貸付
の
貸付
実績のなかには、生鮮食料品等小売業近代化
資金
貸付
、商業近代化等
資金
貸付等
の特別
貸付
が、一万三千件余一千百八十五億七千二百十六万円余、小企業等経営
改善
資金
貸付
が、十一万一千件余三千七百五十六億八千二百八十四万円含まれております。 一方、
平成
七
年度
において
貸付金
の回収が、三兆八千百四億九千八百九十九万円余、
貸付金
償却が、百十三億七千三十四万円余ありましたので、七
年度
末現在の総
貸付残高
は、二百七十二万六千件余九兆二百億五千百八十七万円余となり、前
年度
末残高に比べますと、二千九十五億四千二十万円余二・三パーセントの
減少
となりました。
貸付金
の
延滞状況
につきましては、
平成
七
年度
末において
弁済期限
を六か月以上経過して延滞となっている
貸付
けの
元金残高
額が、一千九百四十三億九千三百三十七万円余でありまして、総
貸付金
残高に対する割合は、二・二パーセントとなっております。
平成
七
年度
の
貸付
に要した
資金
は、三兆六千百三十一億五千八百三十二万円余でありまして、その原資は、
資金運用部
からの借入金二兆二千五百億円、簡易生命
保険
からの借入金七千五百億円、
一般会計
からの借入金三十億円のほか、
貸付
回収金等六千百一億五千八百三十二万円余をもってこれに充てました。 受託
業務
につきましては、環境衛生
金融公庫
からの受託
貸付
は、七
年度
における
貸付
の実績が、三万七千件余一千八百三十一億六千百三十四万円余、回収額が、二千七十一億一千八十三万円余となり、七
年度
末
貸付残高
は、二十一万二千件余七千五百十一億五千三百七十四万円余となっております。また、労働福祉
事業
団からの受託
貸付
の七
年度
における
貸付
の実績は、二百十九件四億一千十一万円となっており、年金福祉
事業
団からの受託
貸付
の七
年度
における
貸付
の実績は、四千百十二件五十五億三千八百十五万円となっております。
最後
に、
平成
七
年度
の
収入支出決算
及び
損益
の計算について申しあげます。 まず、
収入支出決算
について申しあげますと、
収入済額
は、五千百二十七億三千六十五万円余、
支出済額
は、四千九百九十八億六千九百七十八万円余となりました。 次に、
損益
の計算について申しあげますと、
貸付金
利息等の総益金は、五千百九十七億三千九百四十万円余、借入金利息、
事務
費、貸倒引当金繰入等の総損金は、五千百九十七億三千九百四十万円余となりました。この結果、
利益
金は生じなかったので、
国庫
納付はいたしませんでした。 以上をもちまして、
平成
七
年度
の
業務概況
のご
説明
を終らせていただきます。 ─────────────
日本開発銀行
平成
七
年度
の
業務
概要
日本開発銀行
平成
七
年度
における
日本開発銀行
の
業務
の
概要
についてご
説明
申しあげます。 一、先ず、七
年度
の
資金
運用計画は、当初計画として二兆三千四十億円を予定しておりました。 これに対し、七
年度
中の運用額は、出
融資
実行額が一兆八千百九十四億四千三百万円となっております。 これの項目別内訳は、生活・都市基盤整備五千九百二十七億六千七百万円、資源エネルギー五千七百三十九億三千九百万円、基幹交通体系整備一千九百六十五億六千七百万円、情報・通信基盤整備一千四百九億二千五百万円、国際化・産業構造調整二百七十二億一千万円、産業技術振興三百三十億八百万円、地方開発一千百八十九億六千二百万円、その他百十四億六千万円、
社会資本整備促進
一千二百四十六億五百万円であります。 以上の七
年度
の運用額の原資といたしましては、
資金運用部資金
からの借入金一兆四千五百三十八億円、簡易生命
保険
の積立金からの借入金八百九十二億円と
貸付
回収金等二千七百六十四億四千三百万円をもってこれに充てました。 二、次に七
年度
の出
融資
運用の特色を申しあげますと、 (1) 生活・都市基盤整備については、既成市街地の再開発及び都市機能・産業基盤の総合整備等都市の開発に寄与する
事業
に対する出
融資
、私鉄の輸送力増強等交通条件の
改善
を図るための出
融資
、並びに流通の効率化、食品供給体制の安定化及び環境対策を推進するための
融資
の他、
国民
福祉の向上等を図るための
融資
を引き続き行ったこと (2) 資源エネルギーについては、原子力及び液化ガス発電等電源多様化を図るための
融資
、都市ガス原料の液化天然ガスへの転換を図るための
融資
、石油代替エネルギーの利用
促進
のための
融資
、核燃料サイクルの確立を図るための
融資
及び石油産業集約化の
促進
を図るための
融資
の他、産業の省資源・省エネルギー化等を
促進
するための
融資
を引き続き行ったこと (3) 基幹交通体系整備については、基幹鉄道網の整備に必要な安全防災対策の推進及び輸送力増強を図るための
融資
、外航船舶の
整備促進
を図るための
融資
、航空機の円滑な導入に対する
融資
の他、三大空港プロジェクト等における空港関連施設等に対し引き続き
融資
を行ったこと (4) 情報・通信基盤整備については、産業構造の知識集約化及び高度情報社会の基盤整備を推進するため、情報処理・通信振興
融資
及び情報化基盤高度化
融資
等を引き続き行ったこと (5) 国際化・産業構造調整については、
製品輸入
促進
の基盤強化及び外資系企業による対日投資の
促進
を図るための
融資
、新分野への進出等企業の
事業
革新の円滑化を図るための
融資
、特定地域の活性化を図るための
融資
及び省力化設備の投資
促進
等を図るための
融資
を引き続き行ったこと (6) 産業技術振興については、我が国における技術水準の向上及び新規
事業
の支援に寄与すると認められる新技術開発の推進、航空機国際共同開発の
促進
及び超電導磁気浮上方式鉄道技術の開発
促進
等を図るための出
融資
を引き続き行ったこと (7) 地方開発については、九州、四国、中国、北陸の四地方の開発のため引き続き出
融資
を行うとともに、地方都市圏の機能整備、地方適地産業の育成、工業の
適正配置
の
促進
について特に留意したこと (8) その他については、生涯
学習関連施設整備
、
国鉄清算事業団用地処分活用促進
等の
融資
を引き続き行ったこと (9)
社会資本整備促進
については、
日本電信電話株式会社
の株式の
売払収入
の
活用
により、
社会資本
の
整備促進
を図るための
融資
を引き続き行ったこと (10) 更に、これらの
融資項目
のうち阪神・
淡路大震災
により被害を受けた地域における
社会基盤施設
及び港湾施設の復旧等を推進するための
融資
につき、
融資制度
の
低利化等
を図ったことなどがあげられます。 三、次に七
年度
における
既往貸付
の回収は、一兆三千三百九十九億六千九百九十三万円余となっております。 この他、七
年度
の、
貸付金
の
債権償却
は七十六億一千六百七十八万円余を行っております。 この結果、七
年度
末における
出融資残高
は、十五兆五千七百七十八億一千八百五十一万円余となりました。
貸付金
の
延滞状況
につきましては、七
年度
末におきまして
弁済期限
を六カ月以上経過した
元金残高
は四百八十七億四千三百九十七万円余となっております。
貸付残高
に対する割合は、〇・三一パーセントとなっております。 四、
最後
に、七
年度
決算
の
概要
について
説明
いたしますと、三百九十四億三千百九十二万円余の純
利益
を計上し、このうち三百九十四億三千百九十二万円余を
法定準備金
として積立てました。 以上、七
年度
における
日本開発銀行
の
業務
の
内容
につきましてご
説明
申し上げた次第でございます。 ─────────────
日本輸出入銀行
の
平成
七
年度
業務概況
日本輸出入銀行
一、
平成
七
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務状況
につき
概要
をご
説明
申し上げます。 まず、
平成
七
年度
は
年度
当初の
事業計画
において一兆六千六百七十億円の
貸付
および
出資
を予定いたしました。 これに対し
平成
七
年度
の
貸付額
および
出資
額の実績は一兆二千九百六十二億八十四万円余で、
年度
当初の
事業計画
における
貸付等
の
予定額
を二十二パーセント程下回りました。 なお、この
平成
七
年度
の
貸付額
および
出資
額を
平成
六
年度
の
貸付額
一兆八百三十二億千三百九万円余に比較いたしますと二十パーセント程度の
増加
となっております。 以下、
平成
七
年度
の
貸付額
および
出資
額の内訳につきまして、
金融種類別
に前
年度
との比較において申し述べます。 まず、
輸出資金
の
貸付
は、千百八十四億八千九百五十万円で、
平成
六
年度
の千五百十九億八百八十六万円余に対し、三百三十四億千九百三十六万円余の
減少
となりました。これは、主として船舶の
輸出
に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 次に、
輸入
に必要な
資金
の
貸付
は、八百六億九十五万円余で、
平成
六
年度
の千七百十七億四千六百四十万円余に対し、九百十一億四千五百四十四万円余の
減少
となりました。これは、主として
製品輸入
に対する
貸付
が
減少
したことによるものであります。 また、
海外投資資金
の
貸付
は、千九百八十三億五千七百七十五万円余となり、
平成
六
年度
の千九百二十七億五千四百三十万円余に対し、五十六億三百四十五万円余の
増加
となりました。これは、資源開発投資に対する
貸付
が
増加
したことによるものであります。 このほか、外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る
貸付
は、八千九百七十八億七千八百九十一万円余で、
平成
六
年度
の五千六百六十八億三百五十一万円余に対し、三千三百十億七千五百三十九万円余の
増加
となりました。これは、アンタイドローン等の
貸付
が
増加
したことによるものであります。 また、
出資
は、
平成
七
年度
に始めて行なわれ、その実績は八億七千三百七十一万円余でありました。 以上の結果、
平成
七
年度
末の
貸付
、
出資
および
外国公債
の
取得
の残高は、九兆六十一億五千九百三十九万円余となっております。 なお、この
貸付残高
のうち、
弁済期限
を六箇月以上経過して延滞となっている
貸付
の
元金残高
は、九百四十一億五千五百九十五万円余となっております。
平成
七
年度
の
貸付
資金
および
出資
資金
の原資といたしましては、
資金運用部資金
からの借入金一兆三百六十九億円、簡易生命
保険
及郵便年金の積立金からの借入金四百九十六億円のほか、自己
資金
等二千九十七億八十四万円余をもってこれにあてました。 以上申し述べました
業務
の運営により
平成
七
年度
の一般勘定の
損益計算
上における
利益
は、五千二百四十三億五千七百一万円余、これに対し損失は四千八百十億五千四百三十九万円余となりました。 この結果、
平成
七
年度
の一般勘定
利益
金は四百三十三億二百六十一万円余となりました。 一般勘定
利益
金は、法令の定めるところに従いうち二百六十九億七千百八十万円余を
法定準備金
として積立て、残額百六十三億三千八十万円余を
国庫
に納付いたしました。 なお、既往のインドネシア債務救済
措置
の実施に関する
業務
につきましては、
日本輸出入銀行
法による
貸付金
の利息の特例等に関する法律により一般の
業務
と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、
平成
七
年度
の特別勘定の
損益計算
上、一億三百六十三万円余の
利益
金を生じ、法令の定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。 二、以上、
平成
七
年度
における
日本輸出入銀行
の
業務
の概況につき、ご
説明
申し上げました。 ─────────────
栗本慎一郎
11
○
栗本主査
以上をもちまして
大蔵省所管
、
国民金融公庫
、
日本開発銀行
及び
日本輸出入銀行
の
説明
は終わりました。 ─────────────
栗本慎一郎
12
○
栗本主査
質疑に入るに先立ちまして、
分科員
各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
上田
清司
君。
上田清司
13
○
上田
(清)
分科員
ただいま大蔵大臣におかれましては、
会計検査院
の
指摘
、
説明
につきまして
平成
六
年度
の
徴収過不足
分についての御
説明
はあったようですが、運用部の貸し
付け
についての繰り上げ
償還
ができなかった
説明
の方は何か省略されたんでしょうか。それとも何か手落ちでございますか。突然で申しわけありません。──じゃ、もう一度申し上げます。
平成
六
年度
の
会計検査院
の
指摘
事項
で、
徴収
の
過不足
の部分についての御
説明
は大臣からなさいましたが、
検査報告
第四号の「
資金運用部資金
の貸し
付け
において、
資金
の
剰余
が生じているのに、繰り上げ
償還
の
措置
がとられなかったものであります。」という部分に関しての大臣の御
説明
がなかったんですが、これは何か特別に理由があるのかどうかということをお聞きしております。突然で申しわけありません。ちょっと気になりますので。
森田好則
14
○森田
説明
員 お答えいたします。 大臣の申しました中で、
徴収額
の「不足があったこと等」という意味で「等」の中に含めて御報告申し上げたわけでございます。 実際上は繰り上げ
措置
をちゃんとやっておりますので、よろしく御理解を。
上田清司
15
○
上田
(清)
分科員
わかりました。 それでは、質問通告をさせていただいておりますところの問題から若干の御質疑をさせていただきます。 まず大臣、
特別会計
ですが、三十八特会がございまして、もう大変複雑に入り組んでおりまして、どちらかといえば、
一般会計
よりも
特別会計
の方が数も多いし、
金額
も実は大きいわけでございまして、例えば、
一般会計
が
平成
八
年度
予算でいえば七十五兆だったんですが、
特別会計
の総額は二百五十七兆という大変大きな
金額
になっております。 この
特別会計
の中にも、いろいろな
事業
主体というんでしょうか、管理主体、
事業
主体、あるいは、
保険
、
融資
、整理といろいろな分類ができると思いますが、基本的に物の考え方として、この
特別会計
というものが日本の
会計
あるいは財政赤字の中で、なかなか予算の
審議
にもなじまないような部分もございまして、ある意味では、借金の隠れみのと言っては大変言葉に語弊があるかもしれませんが、わかりづらくしている、したがって非常に整理がしにくいというそういう状況がございますので、できるだけこの
特別会計
のあり方について根本的にメスを入れて整理していく、あるいは統合していく、こういう考え方が必要ではないかというふうに思っておりますが、まず大臣の御所見を承りたいと思います。これは大臣です。
三塚博
16
○
三塚国務大臣
本件は、それぞれの
特別会計
設置の理由は明記をされておるところでございますが、御
指摘
の点については今後も対応していかなければなりません。 一言だけ申し上げますと、
特別会計
の設置は、財政法の規定に基づきまして、その経理を
一般会計
と区分することが特定の行政目的を達成するためということで出ておるわけでありますが、真に必要かどうかにつきましては、
一般会計
の施策との関係、既存の
特別会計
の改廃とあわせまして厳しく検討していくことを基本としているところであります。 既存の
特別会計
についても、社会経済情勢の推移等を踏まえまして、その必要性について御
指摘
のとおり絶えず検討を行っていく必要があると考えておるところであります。
上田清司
17
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございます。 大臣、ところで、
特別会計
で若干意地の悪い質問にもなるかもしれませんが、幾つぐらい名前を挙げられますか。──それはメモを出さないで、出したら意味がないじゃない。いや、いいんです。別にこれは知らなくても恥でも何でもないんです。私も三つか四つぐらいしか挙げられませんので。メモを出さないで、上だけ見てどのくらいイメージが出てくるか、ぜひ伺ってみたいんです。
三塚博
18
○
三塚国務大臣
急にそう言われても、なかなか
特別会計
は広範にわたっておる。アルコールの問題でありますとか、それから整理特会ですとか、地方財政、譲与金に関する
会計
処理とか広範多岐にわたっておりますから、その都度必要で設けてきたのかなということを申し上げながら、とても全部言うことは不可能であります。
上田清司
19
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございます。 もう全く同感でございます。大蔵
委員会
に私も配属というか所属しまして丸四年、きちっと一〇〇%出席をし、一生懸命予算や
決算
について研究をしてきたつもりですが、まさに、
特別会計
三十八ございまして、なかなか所管の大蔵大臣といえどもその名称を挙げていくことが困難だという、いわんや専門の主計局あるいは理財局、それぞれ関係をしているところでもなかなかこれは大変じゃないかなと私は思っております。 主計局の方にお伺いしますが、例えば
特別会計
について、シーリング、歳出の見直しは、それぞれ担当官を通じながらやっておられるのかどうか。まず、この点についてお伺いしたいと思います。
細川興一
20
○細川政府委員
特別会計
につきましては、それぞれ
特別会計
の中での歳出の見直しという問題については、絶えず、不断の努力を重ねているところでございます。 なお、
一般会計
から
特別会計
へ繰り入れるというものにつきましては、
一般会計
の全体の、今委員御
指摘
のようなシーリングの制度、それぞれの中できちっと押さえていくということになっておりますが、単に
一般会計
から
特別会計
へとの関係だけでなく、
特別会計
そのものにつきましても、主計局の査定の作業の中で一つ一つ押さえながら厳しい作業を行っているところでございます。
上田清司
21
○
上田
(清)
分科員
せっかくの御答弁ですが、例えば、三十八
特別会計
がありますし、それぞれ主管が各省庁にまたがっておることもございます。
大蔵省
の主管もございますが、運輸省、厚生省、農水省、いろいろ主管もございますので、それぞれの省庁の担当官と担当主計官が、例えば、何日、何時間ぐらい打ち合わせされますか。
細川興一
22
○細川政府委員
一般会計
と同じように、
特別会計
につきましても八月末までに概算要求が出てまいります。
一般会計
と並行した作業としてというか、全く同じような作業を、通常でありますと十二月までかかって行っているところでございまして、
特別会計
の予算がこうだ、こうだということはなかなか報道はされませんけれども、私どもの作業といたしましては、同程度の、あるいは同深度の厳しい作業をやっているつもりでございます。
上田清司
23
○
上田
(清)
分科員
それでは、主計官は、各
特別会計
の割り振りはどんなふうにやっておりますか。
細川興一
24
○細川政府委員 それぞれ各省の、例えば通産省でいいますと通産担当の主計官が、例えば石油特会とかいうものにつきまして、それぞれの担当全部に張りついております。
上田清司
25
○
上田
(清)
分科員
それでは、特に、先ほど大臣が答弁されましたように、
特別会計
はそれぞれの行政の趣旨に合った形で、わざわざ
特別会計
で独立した形の
会計
体系をつくっておる。もちろん、
国債整理基金
みたいに、
事業
というよりは積み立て、あるいは過去に借りた部分を返していくための蓄積として整理していく基金等もございますが、
事業
特別会計
というのは、わざわざ
一般会計
の中でやらなくても、
事業
として、
事業
体としてそこそこなっていくので、プラスマイナス最小限度ゼロとして、あるいは
利益
が出せればそれにこしたことはないとは思いますが、そういう
会計
でございますので、マイナスよりはプラスの方がいいのは当たり前のことでありますから、そういう趣旨のもとに、当然、
事業
特別会計
はなっているわけでございます。 大臣、この
事業
特別会計
、全部で数は幾つで、もうかっているものともうかっていないもの、これは別に大臣が知らなくても何とも思いませんが、もし御存じであれば、こういうのでは随分うまくいっているよとか、そういう御
指摘
をしていただければ大変にありがたいと思いますし、いや、もうそんなのは細かく知るかいということであれば、どうぞ政府委員の方に回していただいても結構でございますが、同じ趣旨での御答弁を、大臣もしくは主計局次長にお願いしたいと思います。
細川興一
26
○細川政府委員
特別会計
をどのように性格づけして区分するかにつきましては必ずしも一義的なものはございませんが、例えば、大くくりいたしますと、
事業
特会が三十二でございますが、そのうち、企業特会あるいは
保険
事業
特会、公共
事業
といったようなものの特会が含まれております。そのほか分けますと、
資金
特別会計
が二特会、先生御
指摘
のような整理区分
特別会計
が四特会、合わせて三十八特会ございます。 それで、
特別会計
につきまして、三十八のうち、先生御
指摘
のように、それぞれ設置目的により広範な
事業
を行っております。このうち、企業活動に比較的近い活動を行っている
特別会計
につきましては、その性格に着目いたしまして、企業
会計
に準じた貸借対照表等を作成して、予算あるいは
決算
の添付資料として国会に提出させていただいているところでございます。具体的には、三十八特会のうち、二十四
会計
が貸借対照表等を作成して、お示ししているところでございます。 これらにつきまして、七
年度
決算
でその
損益
の状況を見てまいりますと、
利益
を生じている
会計
が十七
会計
、それから、損失を生じている
会計
が六
会計
、
損益
を生じていない
会計
が一
会計
となっております。
上田清司
27
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございます。 それでは、
事業
特別会計
の中でこれを割り振りすると、どんなふうになりますか、プラスマイナスあるいはプラマイ・ゼロという形では。十一の
事業
特別会計
の中では。
細川興一
28
○細川政府委員
事業
特別会計
の中でも、先ほど申し上げましたように、企業的な、企業
特別会計
として我々が整理いたしておりますものは五特会ございまして、例えば、印刷局、造幣局、国有林野、アルコール、郵政
事業
となります。このうち、七
年度
、単
年度
の
損益
で見てまいりますと、損を出しておるものは国有林野
事業
特会だけでございます。
上田清司
29
○
上田
(清)
分科員
そうしますと、大臣にもぜひ考えていただきたいのですが、実は、
一般会計
からも
特別会計
全体に、
平成
八
年度
ベースでいえば四十三兆繰り入れをしておりまして、また、
特別会計
の方から
一般会計
に三兆繰り入れをしております。そういう関係からいくと、利子の
償還
とかありますので、実際、
一般会計
では十四、五兆ぐらいしかお金が出ていない計算になっておりまして、実は、
特別会計
の一つ一つをずっと見ていかないと、結果的には日本の予算あるいは
決算
の仕組みはわからないという形になっているのが実情ではないかなというふうに私は思っておりますが、この点について、大臣は、いや、違うよというような御議論がございましたら、それはそれで承りたいのですが、こういう状況についての御認識についてはいかがなものでございますか。
三塚博
30
○
三塚国務大臣
もうかっているもの、マイナスのあるもの、区々ではありますが、もうかっておるものの中にも相当プールされておるものもある。それぞれ目的を達しておるものもありますが、さらに今後どうするかということになりますと、財政構造の改革が叫ばれておる昨今でありますから、全体の見直しの中で、機能する部分についてはそれは対応しなければなりませんし、さらに、そのあり方について、その分野の中で今がベストなのか、それ以上ベストな道があるのかということで、当然、その作業はするべきであることを申し上げておるところであります。
一般会計
が予算の全部というふうに
国民
的に受けとめられている部分もあります。
特別会計
というのは特別ですから、特別にやりくりをして、全くそれはマイナスになるという前提がないのではないか、ですから安心をして見ている、そういうこともあろうと思いますので、行政組織全般の中で、
会計
制度全般の中でどう進めるかということになれば、極めてわかりやすい形のものを明示をするということが、これからの行政側が
国民
に対して親切にという点からいえば、また、理解をせしめるという、情報開示の中でやっておる中で、わかりいい限界というのがあるんだろうと思うのですね。今後、そのあり方について、工夫がなされなければならぬことは当然であると思います。
上田清司
31
○
上田
(清)
分科員
大臣、今いみじくも財政構造
会議
、総理を議長として歴代総理、大蔵大臣経験者を踏まえての
会議
がございましたが、この
特別会計
のあり方についての御議論というのは、何か一つでも出てきたでしょうか。
三塚博
32
○
三塚国務大臣
これは一部出ておりますけれども、基本的に十三項目で、一般歳出の中の重要項目を絞った形、網羅したわけですね、これに集中をいたしておりますから。一部問題提起として出ております。財投の仕組み、財政投
融資
資金
の仕組み、それはイコール法人等の問題、特殊法人の問題のあり方、こういう連動で、これは第二弾になるのかなと思っております。
上田清司
33
○
上田
(清)
分科員
今申し上げましたように、
一般会計
の方から
特別会計
の方に四十三兆昨
年度
ベースで繰り入れをされておりまして、その
特別会計
からまた特殊法人、認可法人に
出資
がされたり補助金が出されたりして、またその特殊法人から公益法人に
出資
や補助金が出されていったりしております。 こういう非常に複雑なメカニズムになっておる結果、現実的に国の借金が、いろいろな見方もございますが、五百二十一兆。また、先般、私は大蔵
委員会
で、短期証券も入れる見方もございますよ、諸外国ではそれも入れるという見方もありますよということで、四十兆も入れれば五百六十一兆になりますし、あるいは同僚の若松議員が若干御
指摘
されました、いわゆる省庁間の貸し借りだとか未収入金だとか、そんなのも入れていけば、実際五百七十兆ぐらいあるのじゃないか、現実的な借金として。そういう部分もこの
特別会計
との絡みの中で非常に複雑に絡んでおりますので、ぜひ大臣におかれましては、
事務
方にこの問題について全面的に洗い直すようなことを御指示を賜れば大変ありがたいなということをこの
特別会計
、総論の部分で強く大臣に御要望させていただきますので、御所見を承りたいと思います。
三塚博
34
○
三塚国務大臣
先ほどの財政構造改革の検討の中で共通
事項
ということで見直しを行うべき、こういう
指摘
を明示をいたしたところであります。今全体十三項目で全力を尽くすというのは、
平成
十
年度
予算編成の基本をそこでつくり上げる、こういうことであります。 御
指摘
の部分については、当然、問題意識は共通であります。そういう意味で、
特別会計
のあり方、そしてさらに特定
財源
制度、そして
歳入歳出
、この分野の問題を検討を続けながら対応していくことは当然でありますので、さらに本日の論議を踏まえて指示を申し上げます。
上田清司
35
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございます。 大臣の強い決意のもとに、ぜひ
事務
方のレベルではこの問題に厳しくメスを入れていただきたいと思います。 個別のケースで、運輸省所管になるかと思いますが、いわゆる自賠責再
保険
の問題について、ケーススタディーとして、ぜひ大臣にもこういう事例もございますよということを知っていただきたいという意味で取り上げさせていただきたいと思います。 御承知のとおり、自賠責は、特にバブル以降車が一・五倍ぐらいに生産台数がふえたということもございまして大変黒字になってきております。そのこともありまして八四年に
保険
料率も二九%値下げし、あるいは九一年に八%値下げし、九三年一三%値下げするような、ユーザーにとってみれば
保険
料に見合う形できちっとした対応がとられているかどうかというところにいろいろな御
指摘
、疑問もありますが、
特別会計
とすれば、黒字の非常に優良な企業
会計
だというふうに位置づけられるわけでございますが、実は、これが
平成
七
年度
の
決算
でいきますと、
剰余
金が
保険
勘定から約二千九百億、それから保障勘定の方から百九十億、
業務
勘定の方から、極めて少ないのですが、百二十六万、
一般会計
に繰り入れをやっております。約三千億でございます。特例法で繰り入れをやっております。 この自賠責再
保険
の方から三千億、
平成
七
年度
決算
で雑駁に繰り入れをしております。これもわざわざ
保険
勘定、保障勘定、
業務
勘定ということで、それぞれ二千九百億、百九十億、百二十六万と
一般会計
の中に繰り入れをやっておりますが、何でこういうことをするのかな。これも一種の隠れ借金ということで、御
指摘
の一つなのですが、この
保険
勘定というのは、ユーザーに対しての責任からすれば、余ったお金はユーザーに還元するというのがもともとの趣旨じゃないかということなもので、値下げをするか、また違う形で対応することが筋ではないかなというふうに思いますが、物の考え方としてどんなふうにお考えになっておられますか、御答弁を賜りたいと思います。別に大臣じゃなくても結構でございますが、大臣であれば大臣でも結構です。
柴田耕介
36
○柴田
説明
員 お答え申し上げます。 先生御
指摘
のように、自動車の保有台数が大変伸びておりまして、死者数で見ますと、
平成
元年から昨年まで、一万台に対して一・九から一・四。それから昭和六十年代の負傷者数で見ますと、やはり自動車一万台当たりに対しまして昭和六十年代は平均百三十九・三人ということでございますが、
平成
に入って以降は百三十一・八人というふうに着実に低下してきております。こういったことが自動車損害賠償
保険
の
保険
収支の
改善
に役立 ってきているということでございます。 そういう中で、
平成
六
年度
、
平成
七
年度
におきまして、それぞれの
年度
におきます財政運営のための
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰入れの特例等に関する法律、これに基づきまして自賠特会の方から
一般会計
の方に繰り入れが行われております。これは、この間、
平成
三年、
平成
五年、そしてことしの五月からということで、
保険
料が八%、:二%、七・七%というふうに引き下げられております。こういった引き下げに支障のない範囲ということで繰り入れが行われたものでございます。
上田清司
37
○
上田
(清)
分科員
まさにそのとおりでございますが、これは本来ならばユーザーに還元すべきものだというふうに思いますが、とりあえずお金が余っているし、国の
会計
が足りないので、ちょっと済みません、お借りしますという考え方ですね。
柴田耕介
38
○柴田
説明
員 私どもとして、自賠特会を所管する観点から申し上げますと、すべて自賠特会で持っておくというのも一つの考え方だというふうに思いますが、
一般会計
における財政的な制約というものも考慮いたしまして、かつ国会で御
審議
いただいた形におきまして、こういった形で
一般会計
に繰り入れが行われているというふうに理解をしております。
上田清司
39
○
上田
(清)
分科員
主計局にお伺いしますが、これは借りたものですから返すのですよね。八三年の分は返されているのですが、これは無利子ですね。利子はついているのですか。
細川興一
40
○細川政府委員 利子を付して繰り戻すことといたしております。
上田清司
41
○
上田
(清)
分科員
これはどのくらい利子がついているのでしょうか。利子、利率というのでしょうか。
柴田耕介
42
○柴田
説明
員
平成
六年、
平成
七年にお貸ししたものにつきましては利子をつけてお返しいただくということになっておりまして、
平成
八
年度
の補正予算で千五百四十四億が繰り戻しされております。 利子清算については、今後
大蔵省
さんと調整するということになってございますが、法律上に、自賠責特会で運用していればついたであろう利子というふうに法律上書いてございますので、それに沿った形で利子もお返しいただくということになります。
上田清司
43
○
上田
(清)
分科員
利率は。
柴田耕介
44
○柴田
説明
員 利率は、単純に申し上げますと、
資金運用部
に私ども自賠責特会の余裕
資金
は運用してございますので、その利率でございます。時点によってかなり違うということでございますので、今幾らかというふうにはちょっとお答え申し上げられませんが。
上田清司
45
○
上田
(清)
分科員
結構でございます。 そうしますと、
平成
六
年度
で御承知のとおり七千億、そして
平成
七
年度
で約三千億で一兆円、これは、お金のない
大蔵省
の、特に主計のレベルでは大変ありがたいお金でございますが、この部分も、例えばユーザーに対しては全くわからないで、どういう根拠でお借りできるのか。これは、国会で繰り入れを特例で認めたわけですから、私たちも認めたので、これはどうにもならない話でございまして、我々にも責任があるのです。しかし、これをもっと細かく見ていけば、後日予算の定めるところで戻すという非常に大ざっぱな法律なんですね。予算の定めるところで後日戻すと。 大体、お金を借りたら、そういう後日適当に返しますなんというのはないので、何でそういう法律になっているのか。我々もいつの間にか認めてしまったみたいなんですが、そういう事例というのはほかにもたくさんあるのですか、お伺いしたいと思います。
細川興一
46
○細川政府委員 先生今御
指摘
のように、法律でそのように規定されているわけでございますが、私の記憶が間違っていなければ、例えば、政管健保につきましても
国庫
補助の繰り入れ特例というのをやらせていただいておりますが、それも、たしかそのように法律上規定されているかと思います。 将来の財政事情がなかなか見通せない状況もございますのでそのような規定の書き方になっているかと思いますが、いずれにしろ、各特会の
事業
運営に支障が生じないよう繰り入れを行っていくという考え方でございます。
上田清司
47
○
上田
(清)
分科員
大臣、今お話を承られたと思いますが、我々国
会議
員はなめられておりまして、こういう、国の借金あるいは貸し借りが後日予算の定めるところで恣意的にいろいろできるということは、本当ならば通用してはいけないのだと思っているのですね。そういうことが通用することによって、歯どめがなくなる、あるいは返済の計画が立たなくなる、そしてなおかつ借金が膨らむという体質になっていると思いますので、これから私は、こういうことは絶対許されないことだということで、機会あるごとに御
指摘
をさせていただきたいと思います。 大臣の所感として、感想で結構でございますが、過去にもこういうことを我々は認めてきた経緯があるのですが、本来ならばこういうことはいけないことではないかなというふうに私は思いますので、基本的な物の考え方として、大臣の御所見を承りたいと思います。
三塚博
48
○
三塚国務大臣
自賠責特会は、契約者、
保険
者に、定款に基づき、契約に基づき支払われる、そのために積み立てるというものであることは間違いありません。そういう中で、特会が保有するお金を絶えず融通し合うということでありますと、
特別会計
という基本的な性格からいくと、なじむものではないのですね。 そういう点で、緊急にそちらから借り入れを起こす、今言ったとおり預託金利は今二・六ですから、ただいまの瞬間はそういうことで払う、こういうことになるわけでございますが、そういう中で、財政のめり張りをつけるという意味で、継続しなければならぬ特会は特会として、その中で
特別会計
として運営していただかなければなりませんし、必要がある、それに対する
資金
提供については、
一般会計
において論議の末にそれが行われる、こういう格好でなければならぬだろう。 めり張りをつけることは御
指摘
のとおりであると思います。
上田清司
49
○
上田
(清)
分科員
申しわけありません、私の質問があるいは足りなかったのか、若干趣旨がずれてしまったみたいなのです。 要するに借り入れを、特会の
剰余
金から
一般会計
にこの二年間で一兆円お借りしているわけですが、この返し方について、返すのは返しますよということをちゃんと書いてあるのですよ、法律には。 しかし、「後日、予算の定めるところにより、それぞれの繰入金に相当する額及び同項の規定による繰り入れがなかったとした場合に」云々で、保障勘定に繰り入れますというようなことを約束はしてあるのですが、「後日、予算の定めるところにより、」ということですから、「後日」ですから、「後日」というのは、これはわからないことでございます。 普通は法律というのは一年以内に返すとか期限が大体ありまして、そういうことに関して、こういうあり方で、本来ならいけないと。そういうところをきちっと、我々立法府がちょっとぼっとしていまして御
指摘
ができなかったことに関して、私も責を負わなくてはいけないのですが、こういう予算の仕組み、
決算
の仕組みであれば、これはやはり
国民
に対して責任を持てない。借りたらいつ返す、どういう形で返すということがきちっとできていないと、これは膨大な赤字がこのまま膨張していく一つのもとになる。 たまたま自賠責の部分だけを見ておりますけれども、多分、三十八特会をずっと追いかけていけば、こういうことがまだあるのではないかなというふうなことが予想されます。立法府としてこういうことは許されないと私は思いますが、立法府のいわば最高峰におられます大臣からも、今はたまたま行政府の長でございますが、我々の大先輩として、立法府の元老として、考え方として承っておければありがたいなというふうに質問したわけでございますので、再度、大臣、考え方として……。
三塚博
50
○
三塚国務大臣
お金を借りたときには期限を明示する、こういうことが一般社会の常識でありますから、財政においても今後、「後日」という漠としたことではなく、その時点で計算できる返済計画があると思いますから、ぜひそういう点について、最小限そういうめり張りが、けじめが必要だと思います。
細川興一
51
○細川政府委員 先ほど申し上げましたような
一般会計
の状況がございまして、国の
会計
間のことではありますが、「後日」というような規定の仕方をさせていただいているところでございます。 なお、先生よく御承知のように、今、自賠責特会からの
一般会計
の受け入れ等につきまして、それらを、隠れ借金という言葉はございますが、我々の整理といたしましては今後処理を要する
措置
ということで、これだけの
金額
がございますよということは毎年国会へ提出させてもらっております資料できっちり、先ほど申し上げました政管健保なども含めまして、自賠責等を含めまして、これだけのものは後日返さなければならないものであるということは自覚しながら明示させていただいておるところでございます。
上田清司
52
○
上田
(清)
分科員
次長のせっかくの御答弁でございますが、自覚はしてもやはり期限がないと、いっ返せるものか、また、いわば一種のシーリングにならないというのですか、歳出の見直しになかなかなり切れない部分があるので、私どもも注意をいたしますが、皆さんもこれから法律をつくるとき、原案をつくられるときには、こういうあいまいなことをできるだけしないように考えていただきたいというふうに御
指摘
だけさせていただきます。 それから、大臣、時間がもう迫ってまいりましたので、若干国有財産も聞きたいもので、大臣の方にも少し、ぜひ御理解というか、御承知を賜りたいところなんです。
特別会計
の
決算書
ですね、こんなに厚いわけでございまして、それがまた、それぞれの
特別会計
の中で勘定別に分かれておりまして、先ほど御
指摘
しましたように、勘定が三つあるのですね。
保険
勘定、保障勘定、それから一般
事務
会計
費を持つ
業務
勘定、それから、それぞれからまた少しずつ繰り入れを
一般会計
の中にするというような仕掛けになっておりまして、それこそ、
平成
七
年度
でいえば百二十六万円、正確に言えば百二十六万一千円ですが、なぜ
業務
勘定からわざわざ百二十六万一千円という余剰金を
一般会計
に繰り入れなければいけないのか。全体で約三千億ですが、
業務
勘定はまさしく
業務
勘定でありまして、
業務
を見るだけの勘定なのにもかかわらず、その中からほんのわずかの
金額
を
一般会計
に繰り入れするというような、こういうややこしい仕組みをわざわざ何でつくる必要があるのかという根本問題を本当に考えざるを得ない、大変おかしな形になっているなということで、私は大臣にぜひ考えていただきたいというふうに思います。 そういうものは、やはりもっともっと整理して、寄せていくと言ったら語弊があるかもしれませんが、きちっと一本で見えるようにしていかないと、
国民
の目には見えない、立法府にもなかなか見えがたい。そういう意味で、私どもも
国民
に対して責任がなかなか持てないという、こういう
会計
のやりくりを避けていただきたいというふうに申し述べておきます。 それから、大臣に御承知していただきたいのは、例えば自賠責の中でも
平成
七
年度
では九十九億自動車事故対策センターに補助金が出たり、それから、三億七千万、予算ベースでいえば六億九千万
貸付金
が出たりしている。これは運輸省所管の認可法人でございます。また、この認可法人の中で、またこれも時間がかかる話ですが、同じような仕事を警察庁の自動車安全運転センターというようなところでやっておりますし、また、この自動車事故対策センター、運輸省の所管ですが、なぜか病院を持っております。名前は療護センターという、何か厚生省に遠慮されて病院というふうに言えなかったのでしょうか、医療センターと言えなかったのでしょうか、そういうややこしい仕組みを、こういう
特別会計
の中から現実にお金が出ていっている、認可法人の中に。これは
国民
に見えないですね。 そういう意味で、実はこの
決算書
、一つ一つ洗い直していけばわかってくる部分がたくさんあるのですが、御承知のとおり、我々の稼業というか、ビジネスも大変複雑なものをたくさん総合的にやっておりますので、なかなか追っかけができないので、できるだけ丁寧に、というよりも、寄せて、すっと見えるような仕組みをつくらない限りこれは立法府でコントロールできない、こういう考え方を私は大臣に再度申し述べて、次の問題に移らせていただきます。 それで、国有財産についてお尋ねをいたします。 現在、国有財産は、この国会に提出されました
平成
七
年度
の
説明
書によりますと、約八十七兆ということになっております。これは、戦後の台帳からで結構でございますが、例えば、五年置き、十年置きぐらいで結構でございますけれども、実際、ずっとこの数字というのは変化してきているのかどうか。そういう意味で、例えば終戦時においては何兆でした、それから十年たったら何兆でしたということで、若干見えるような形で御
指摘
していただければありがたいのですが。
戸恒東人
53
○戸恒政府委員 お答え申し上げます。 数字がちょっと並びますのであれでございますが、昭和二十
年度
から昭和六十
年度
まで、まず五年置きにちょっと御
説明
をさせていただきます。 終戦直後の昭和二十
年度
末以降の国有財産の国有財産台帳価格の推移を見ていただきますが、二十
年度
末が二百六億六千二百二万円、昭和二十五
年度
末が二千七百十六億四千五百八十三万円、昭和三十
年度
末が一兆九千二百五十三億五百六十二万円、昭和三十五
年度
末が二兆九千三百九十二億七千二百四十二万円、昭和四十
年度
末、五兆八百六十億四千七百二十三万円、昭和四十五
年度
末、九兆百八億八千二百九十五万円、昭和五十
年度
末、十九兆五千八百二十四億八千七百六十七万円、昭和五十五
年度
末、三十三兆六千八百二十六億四千二百六十一万円、六十
年度
末、四十六兆七億一千五百三十六万円、これが六十
年度
末でございまして、以後、一
年度
ごとに申し上げますが……(
上田
(清)
分科員
「五年置きで結構です」と呼ぶ)それでは、
平成
二
年度
末、よろしゅうございましょうか、五年後になります、
平成
二
年度
末が六十七兆八千四百八十億五千三十六万円。それで、
平成
七
年度
末が、先ほど先生がお話しになりましたとおり、八十七兆四千百九十三億六千七百十五万円。 以上でございます。
上田清司
54
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございました。年々国有財産がふえていくということでございますが、これはなぜふえるのですか。
戸恒東人
55
○戸恒政府委員 国有財産の台帳価格につきましては、国有財産法施行令によりまして、その台帳価格の計上方法が記録してございます。それで、まず、新しく国有財産台帳に登録する場合はどうかと申しますと、国有財産法施行令第二十一条に基づきまして、登録すべき価格は、購入に係るものは購入価格、交換に係るものは交換当時における評定価格、収用に関するものは補償
金額
、
租税
の物納に係るものは収納価格、このように書いてございます。 それから、国有財産法施行令第二十三条によりまして、台帳価格の改定のことがございます。それによりますと、「各省各庁の長は、その所管に属する国有財産につき、五年ごとにその年の三月三十一日の現況において、大蔵大臣の定めるところによりこれを評価し、その評価額により国有財産の台帳価格を改定」する、このようになってございます。 したがいまして、国有財産はさまざまな国有財産があるわけですが、例えば土地につきましては、五年ごとにその土地の上昇率等を勘案いたしまして、その上昇率を掛け算して積み上げてまいりますので、おおむね五年ごとに大きくふえているのは、これまで土地の上昇時期にありました土地の価格の上昇、それから、建物等につきましては新規に
取得
されるものが毎年あるわけでございます。そのほかに、マイナスが立ちますのは減価償却費等々でございまして、そのほか、国有財産には
出資
がございますので、そういうものが毎年の財政活動の結果積み上げられていくということでございますので、これまで主として土地の価格の上昇、それから予算によって
取得
された、あるいは予算で
措置
されました建物、
出資
その他の国有財産、そういうものでございますので、ただいま五年ごとにちょっと読み上げましたので、急速にふえておりますけれども、毎年着実にふえている、このようなことでございます。
上田清司
56
○
上田
(清)
分科員
ありがとうございました。 なかなかイメージが出てきませんので、余り選挙区のことでとらえるのは恐縮なんですが、たまたま私の選挙区には、朝霞駐屯地跡また朝霞基地跡地等々がございまして、いろいろ点在しておりますが、たまたま朝霞市役所のすぐそばに、真四角なというんでしょうか長方形の非常に有用な土地がございますが、それが今、約十万か十五万かだったと思いますが、台帳価格ではどのような評価になっているか教えていただきたいのです。
戸恒東人
57
○戸恒政府委員 ただいまの御質問の朝霞駅前にございます土地と申しますのは、米軍基地のキャンプ朝霞の返還跡地でございますが、今の御質問だけでは明確な土地数量とか何かわからないので、私どもちょっと調べたのですが、多分こういうことであろうということでお答え申し上げます。 キャンプ朝霞の返還跡地のうち、今先生のおっしゃられましたのは、駅前にございますやや長方形の土地で、これが一つの団地といいましょうか、我々の言葉で団地で、これが十九ヘクタール、十九・〇ヘクタールでございまして、台帳上は、その長方形の土地のほかにまだ現在売却していない土地も、広い意味で返還用地なんですが、それが三ヘクタールございます。それを足したところで二十二ヘクタールというものが、現在、キャンプ朝霞跡地でございまして、それにつきまして台帳価格の合計、何区画かに分かれて計上されておりますけれども、その合計額が約九十億二千七百万円、九十億余ということでございます。
上田清司
58
○
上田
(清)
分科員
これの評価を査定された年月日というのでしょうか、
年度
末というのでしょうかは、いつになりますか。
戸恒東人
59
○戸恒政府委員 先ほど御
説明
申し上げましたけれども、
平成
七
年度
末で改定作業を行いましたので、この台帳価格は
平成
七
年度
末の台帳価格でございます。
上田清司
60
○
上田
(清)
分科員
実は、昨年の秋口だったような気がいたしますが、もちろん
平成
七
年度
を超えているわけですけれども、そこの十九万部分だけ、実際もし朝霞市役所なりが
取得
する場合には幾らになるかというようなことを理財局の方に、お名前はちょっと忘れましたけれども、承ったことがございます。公的に使うかどうかという、売る、売らないとか、現実はまた別にして、仮定の話で考えれば、私の記憶が間違いでなければ、そのとき六百億ぐらいのお話が出たような気がいたしまして、それが役所ペースで使われるということになれば、多分七割方くらいの掛け算で、四百五十億とか五百億とかその程度の話になるのではないかというようなことを、もちろん概算でございますけれども、お話が出ました。 そうしますと、この九十億との考え方はどんなふうに考えればよろしいのかなと思って、承りたいと思います。
戸恒東人
61
○戸恒政府委員 この土地の件につきまして、台帳価格と、それから先生今お話がありましたように、ちょっと
事務
的に聞いた話、その
金額
の差の件につきまして申し上げますけれども、まず、国有財産の台帳価格につきましては、五年ごとの改定を行っておりますけれども、基本的にそれぞれの台帳につきまして、一件一件の土地について、その土地を例えば評価をして行うという手法はとっておりませんで、基本的にその地域ごとの土地の上昇率などを計算しておりますので、一種の傾向は出ておりますけれども、一件ごとの評価を多額の
経費
をかけてやったものではございません。 それからもう一つ、私どもが自戒しなければならないと思いますのは、やはり評価をすることによって台帳価格と時価が著しく違っている場合には、私どもも内部でそういう時価についてもう一度見直せという内部規定がございます。今回の朝霞の基地について一つ申し上げますと、面積が十九ヘクタールということでございますので、恐らく、私どもの記録によりますと、一番近いところにある住宅宅地、一番近いところにある宅地で計算したら幾らになるかというようなことで、全く単純な掛け算で申し上げたかもしれません。 キャンプ朝霞につきまして、それでは国としてはどういう評価をするか、この十九ヘクタールの土地をどう評価するかといいますと、国有財産の時価については、売り払い処分を行うときに実際に評価をする価格というのが我々がお売りする価格でございます。キャンプ朝霞のこの土地につきましては、実は市街化調整区域でございまして、まさに近くに、市街化調整区域についてそういう売買実例があるとかそういうものではございません。それから、十九ヘクタールと非常に広大な土地であります。土地が広大な場合には、やはりそんなに単純に掛け算をして高く売るということはありません。 それから、キャンプ朝霞のあの土地、私も前に視察したことがございますけれども、古い建物が建っておりますし、また内部がどうかということとかいろいろな面がございますので、六百億、そう申し上げましたのは、近隣にございます住宅地の公示価格に単純に面積を掛けたということでございますから、ちょっとそれは、私どもが仮に掛け算をすれば、こういうことでございます。 実際には、現実にどういう使用をするか。それからどのぐらいの面積をお買いになるか。そうしますと、それの近傍類地がどのくらいの値段であるか、取引事例はどうであるかということを、まず我々、内部のそういう手順に従って計算をいたします。それについて、今度、新たに民間の土地精通者にも意見を聞きます。こういうことをいろいろ修正をいたしまして、実際にどのくらいかというものが出るわけでございますので、ちょっと、単純に計算をしてということでは全くないと思います。 現実に、市の方からお買い上げいただくあるいは買っていただけるということでありましたら、私どもはできるだけその評価というのを進めてまいりますが、台帳価格と実際現実に売るときでは、それから単純に近隣にある宅地と掛け算をした値段というのは少しそごがあろうかと思いますので、その部分御理解いただければありがたいと思います。
上田清司
62
○
上田
(清)
分科員
大変御丁重な御
説明
ありがとうございます。朝霞基地はともかく、また機会がありましたら、丁寧な
説明
を承りたいと思います。 ただ、私も、国有財産はどのくらいあるかというと、八十七兆か、以外に少ないなというふうに思っておりまして、私どもも仲間にどのくらいあるか御存じですかと聞くと、実はみんなもっと多く出すのです。こんなに少ないというふうにみんな思っていないんです。借金が五百二十一兆もあるから、多分そのくらいあるんだと思っているんでしょうか。とにかく少ない感じがしますけれども、多分に、この台帳の価格と実際に使うときの価格というのはやはり差があるのではないかなというようなことを思います。 ちょっと東京大学を聞こうと思ったのですが、余り時間がなさそうですので、例えば東京大学を売却したら、すべての権利を含めてですね、研究所もろもろも、幾らになるのか。これは御承知のとおり、PHP研究所の学者グループがいろいろ研究して
金額
を出したりしているのですけれども、試算で結構ですから、だめだと言うならそれも仕方がないのですが、事前に通告しておりましたので、国立大学をもし売却したら幾らになるのか、価値として承りたいと思いますが、いかがでございますか。
矢野重典
63
○矢野
説明
員 東京大学の所有いたします施設の国有財産台帳価格、これは土地、建物、工作物、トータルででございますが、
平成
八年三月三十一日現在におきまして、約一兆四百一億円となってございます。また、この評価額でございますが、これは先ほど
大蔵省
から御
説明
がございましたとおり、五年ごとに評価がえを行うことになっておりまして、直近では
平成
八年三月三十一日に実施いたしております。こうした評価がえを行うことによりまして、先ほど申し上げた台帳価格、これは極力時価を反映させているものと考えているところでございます。
上田清司
64
○
上田
(清)
分科員
多分、土地建物、そういうハードの部分だけの評価でございますが、東京大学の中にはソフトもたくさん入っておりまして、ソフトとハードの中間みたいなものもたくさんございますので、もし競売とかにすれば十兆円でも売れるかもしれませんね、すべての権利ということで、蓄積された資料だとか学問成果全部含めて。どういうところで仕切りをするかという難しさもあるかもしれませんが。そういう国の持っているノウハウ、権利、そういうものも評価するシステムも、今度改めてぜひ、なかなか難しいとは思いますが、考えてもいいのではないか。それがやはり五百二十一兆あるいは考え方によっては五百七十兆、そうした膨大に膨れ上がった借金を一気に返して、健全な財政を取り戻して、改めて日本の健全な財政の中で経済運営をやっていくということも考えれば、思い切った、大リストラを超えた新たなる発想を考えてもよろしいのではないかなというようなことを私は考えております。
最後
に、もう時間も一、二分しかないかもしれませんが、大臣、今の考え方について、御所見を賜れればと思います。
三塚博
65
○
三塚国務大臣
諸要素が絡み込んで、大変難しい話なのですね。売るという前提であればいかようにも計算が立つだろうし、買い手が、ぜひ売ってくれるなら買いますよと言えば、それだけの価値を認めて買うということでありましょうし、国立大学であり、それぞれの成果を上げている大学を直ちに売却するということでは、国家の役目が果たせなくなるのではないか。その前に見直すべきものがありますね。そういうものに果敢に取り組んで、やり抜くということが基本であろうと思っております。 一つの問題提起ということで出されたものと理解をします。
上田清司
66
○
上田
(清)
分科員
大変ありがとうございました。
特別会計
のあり方については、大臣、ぜひ御丁寧に、御検討を
事務
方に御指示されますことを再度お願い申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
栗本慎一郎
67
○
栗本主査
これにて
上田
清司
君の質疑は終了いたしました。 次に、
中島
武敏
君。
中島武敏
68
○
中島
(武)
分科員
私は、きょうは団体定期生命
保険
の問題について幾つかお尋ねしたいと思っております。 昨年の十一月に発売が開始されました新型団体定期
保険
、これができるまでには、新聞報道によりますと、
大蔵省
と日本生命との間で頻繁に協議が重ねられて、そしてつくられたものだ、こういう報道がなされております。 旧団体生命
保険
の目的というのは、これは生命
保険
各社の宣伝物によると、従業員に万一のことがあった場合、残された遺族の生活保障が目的である、こういうふうにされておりました。 ところで、昨年十一月から発売が始まったこの新商品である総合福祉団体定期
保険
、これは、旧団体定期
保険
がうたっておるところの残された遺族の生活保障、こういう精神を受け継いだものと思うのですけれども、どうでしょうか。 また、この総合福祉団体定期
保険
は
大蔵省
が認可したものだと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
福田誠
69
○福田(誠)政府委員 御
指摘
の総合福祉団体定期
保険
の趣旨につきましては、今の御
指摘
のとおりでございます。 それから、この生命
保険
会社の商品につきましては、
保険
業法第百二十三条第一項の規定により、原則として大蔵大臣の認可を要することとされております。御
指摘
の総合福祉団体定期
保険
につきましても、大蔵大臣認可をしているものでございます。この商品を最初に申請したのは日本生命でございまして、同社には、昨年八月に認可しております。 〔
主査
退席、
大口
主査
代理着席〕
中島武敏
70
○
中島
(武)
分科員
では、具体的にまた伺っていきたいと思うのです。 総合福祉団体定期
保険
ですね、これは弔慰金、死亡退職金、これは企業の規程によるものですけれども、これらの支払い
財源
を保障する部分の主契約と、それから従業員が死亡した場合に企業が負担する諸費用、企業の経済的損失とも書かれておりますけれども、これを保障する部分のヒューマンバリュー特約に区分する点が今度の大きな特徴ではないかというふうに思っております。 そこで、まず伺いたいのは何かというと、主契約で、規程の退職金支払いの
財源
を契約の目的とすることに妥当性があると思われますか。
福田誠
71
○福田(誠)政府委員 妥当性はあると存じます。
中島武敏
72
○
中島
(武)
分科員
理由も言ってください。
福田誠
73
○福田(誠)政府委員 また、もともとこの団体定期
保険
につきましては、従業員が亡くなった際に、企業としては所要の弔慰金規程あるいは死亡退職金規程に基づいて当該お金をお支払いするわけですから、その
財源
の確保のためにこのような制度を、いわば福祉制度の一環として利用してきたものでございまして、
保険
契約として意義のあるものだと存じます。
中島武敏
74
○
中島
(武)
分科員
私たちは、退職金、これを一体どういうふうに見ているかといいますと、これは労働者への賃金の後払いという性格を持っているのではないか。したがって、企業は退職金を積み立てるなど、
利益
を留保して、そしてその支払いに充てるべきものであって、現実にそのようにされているのではないでしょうか。そしてまた、定年退職であれ、あるいは中途退職であれ、企業は規程に基づいて、内部留保したお金をもって退職した従業員に支払うのが本来の姿ではないでしょうか。そして、従業員が死亡した、
保険
金が入らないと退職金を支払えないということは、一般的に言ってあり得ないのではないですか。 ところが、総合福祉団体定期
保険
では、退職金支払いの
財源
確保を主契約で主な目的としているわけですね。そのことによって企業の方は、従業員が亡くなった、それによって得た
保険
金で、これまで積み立てていたお金を退職金として支払うことを免れるということになるのではありませんか。つまり、生きた中途退職よりも、不幸にして、この場合にしばしば過労死などという非常に不幸な場合が見られるのですけれども、不幸にして亡くなった方が会社にとって得であるということになってしまう。つまり、言葉をかえて言えば、会社をやめるのなら生きてやめないでもらいたい、死んでやめてもらいたい、こういうことになるのではありませんか。大変これは不合理だと私は思うのですね。どうでしょうか。
福田誠
75
○福田(誠)政府委員 弔慰金とか死亡退職金の
財源
をどこに求めるかということは、それぞれの企業によって事情が違うかと存じますが、今御
指摘
のように、総合福祉団体定期
保険
における主契約とは、遺族及び従業員の生活保障を目的としまして、企業の弔慰金、死亡退職金等の支払い
財源
に充てるものでございまして、全額遺族などに支払われるものでございます。企業におきましては、このような従業員の死亡という突発的な事故によりまして、急に死亡退職金や弔慰金などの支払いを行うことになるわけでございますが、その
財源
を確保し、速やかに遺族の生活保障のための支払いを行うために
保険
を利用しているものと承知しております。 このように、企業が
保険
料を負担し、一時的な、突発的な給付を支払うという
資金
リスクを補うために
保険
を利用しているということでございますので、生存して退職する方のための
財源
確保とは違っているわけでござします。
中島武敏
76
○
中島
(武)
分科員
それまで生存してきたわけですから、その人についての退職金は当然積み立てられているわけです。それが内部留保として認められているわけですよ。ところが、今お答えのあったようにはならないのですね。なぜかというと、今までの例をたくさん見ますと、裁判にも随分なっています。 それは結局どうか。いろいろ調査を見ますと、これは財団法人労務行政研究所の調査なんですけれども、これによりますと、遺族に全額支給したというのは一九・七%、それから、一定額、一定割合を遺族に支給したというのは二六・九%、そして遺族には全く支給しないというのは四九・七%、ほぼ五〇%ですよ。実際には、
保険
金が会社におりても、それを支給しないで企業の懐にしている、こういう実態なんですよ。 だから、今
局長
が答弁されたのは、どうにもこれは当たらない。やはりここは、片や退職金を積み立てている、片や
保険
金でおりてくるということに、非常に何か不合理な点があるのじゃありませんか。その点、もう一度お伺いします。
福田誠
77
○福田(誠)政府委員 支払われた
保険
金が、例えば遺族には全く支給されていないというような、そのような調査が行われていることは承知しておりますが、この調査機関の解説書によりますと、遺族には全く支給しないという項目の中には、会社が退職金、弔慰金などに充当するもので、いわば企業
保険
的なものを記載したというふうに書いてございます。当局においては、会社によってはこの中から遺族に対して死亡退職金や弔慰金という名目で支払われているものが含まれていると推測しておりまして、遺族に全く支給しないものがあるとは考えておりません。 ただ、いずれにしましても、企業は遺族に対しまして所定の社内の規程に基づいて支払うわけでございまして、それは、基本的には企業と従業員の関係ではないかと存じます。
中島武敏
78
○
中島
(武)
分科員
推測の話も答弁の中に入っているのですけれども、実際に起きていることを私も直接伺ったりなんなりしております。村松事件とかいろいろあります。もう本当に会社のやり口というのは大変なものだということを、私はよく知っているのです。その上に立って、今こうした矛盾について聞いているわけなんです。だから、今
局長
が言ったことは道理があるというふうには、とても納得できるものではありません。 それから、もう一つこのことについて伺いたいと思うのですけれども、退職引当金は全従業員の四割まで非課税ですね。死亡退職金の支払い
財源
を含めて、主契約は全額損金算入できますね。これは二重の優遇
措置
と言わなければならぬのじゃないでしょうか。
福田誠
79
○福田(誠)政府委員 ちょっと税法の考え方は税当局からでないとお答えできないかと存じますが、損金性があるということでそのような扱いになっているのだろうと存じます。
中島武敏
80
○
中島
(武)
分科員
それでは、今のことを
指摘
して、次の問題に入りたいと思います。 今度は、ヒューマンバリュー特約の問題なんです。この特約によって保障される、従業員の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用、それから育成費用等の諸費用というのは、具体的には何を言うのでしょうか。
福田誠
81
○福田(誠)政府委員 従業員が突然亡くなりますと、当然のことでございますが、その方のかわりの職員を採用しなければならない。そして、その方がもし全く経験のない社員であれば、一定のレベルまで育成しなければならない。そのようなものが、企業としては、従業員の死亡に伴って発生する経済的損失というふうに観念されていると存じます。
中島武敏
82
○
中島
(武)
分科員
私は、死んでから後までも、自分の代替の人を、会社の費用を心配してやらなきゃならないものなんだろうかということを思うのですね。ここには一つの大きな無理があるのじゃないかと思います。 まだこれはいろいろと論じたいと思うのですけれども、例えば、特約の
保険
金額
は上限二千万円とされておりますね。従業員が亡くなってこれほど多額の損失が生じるということは考えられますか。
福田誠
83
○福田(誠)政府委員 ただいま申し上げましたように、従業員が死亡した場合の経済的損失につきましては、代替雇用者の採用、育成
経費
とか、あるいはたまたま海外勤務地での死亡の場合の遺族の渡航費用とか、あるいは従業員が生存していたと仮定した場合に生み出されていたであろう期待収益の喪失分まで、さまざまなものがあるわけでございます。 しかしながら、このような要素をすべて数量化することは、現状では困難と存じます。したがいまして、実際のヒューマンバリュー特約につきましては、代替雇用者の採用と育成
経費
程度のものに限定して、これを経済的損失としてとらえることとしたものでございますが、いずれにしましても、商品を開発しました日本生命側から二千万円の上限額を示されたものでございまして、当局としても、特に問題ないと考えて認可したものでございます。 なお、このヒューマンバリュー特約につきましても、当然のことながら、主契約に付随して契約されるものでございまして、契約に当たりましては従業員の同意が必要とされているわけでございます。
中島武敏
84
○
中島
(武)
分科員
この問題、定額
保険
なんですけれども、例えば、定額五百万円のヒューマンバリュー特約だとして、会社が実際に受けた損害というのは百万円だったとしますと、五百万円出るわけですから、四百万円は不労利得ということになるのじゃありませんか。それから、限度額いっぱいの定額二千万円だということになりましたら、千九百万円が不労利得になってしまうということになりますね。 私には、先ほどの
局長
の
説明
なんだけれども、どうにも脇に落ちない。それは、やはり人の死を利用して不労利得を得ることはあってはならないことだと思うのですけれども、どうですか。
福田誠
85
○福田(誠)政府委員 御案内のとおり、
保険
業法上、生命
保険
とは、人の生死に関して
保険
金を支払うものでございます。ヒューマンバリュー特約も、従業員の死亡により支払われるもので、生命
保険
でございます。生命
保険
は、一般的に、人の生命に経済的な価格を査定するわけにまいりませんので、通常定額になっているというふうに存じております。
中島武敏
86
○
中島
(武)
分科員
それなら損害
保険
でやったらいいのじゃないかという気がしますね。 それで、今はどうかというと、今は、リストラ、リストラと言われて、リストラと称して中高年層の退職強要が随分やられております。死亡によって新人育成という企業の損失があるというような言いわけが多くの人に通用するでしょうか。全くそういうのは通用しないのじゃないか。まして、二千万円というのは全く合理性がないと思うのですね。何で二千万円でなきゃならないのか。百万円であっては何でいけないのか。そういう基準なんかも、ちっともこれははっきりしているものじゃないと思うのですね。 私は、そういう点からいうと、やはりこの問題は大変不合理なものじゃないかというふうに思うのですけれども、そんなふうには全然思いませんか。
福田誠
87
○福田(誠)政府委員 先ほど来御
指摘
の二千万円というのは上限でございますから、
保険
料を支払う企業においてそのような必要がないとなれば五百万円の契約もあるでございましょうし、その辺は契約の
内容
の話ではないかと存じます。
中島武敏
88
○
中島
(武)
分科員
私は、二千万というのは一番最上限だから言っているのであって、それ以上のものじゃないんですよ。 それで、現在は、中途退職は死亡退職より圧倒的に多いのですね。死亡退職はむしろ例外なんです。死んでからも会社の
経費
を見てやらなきゃいかぬ、これは本当にだれもが納得しない理屈じゃないでしょうかね。企業の損失があれば、新人の採用、育成費用、さっきからお話あったもの、これは本来の企業の
経費
として計上されるべきものであって、私は、さっきから言っておりますように、
保険
で賄うという性質のものではないということをはっきり申し上げておきたいと思うのです。 次の問題は、被
保険
者本人の同意のとり方の問題です。 実は、これはJR東海についてなんですけれども、ここでは「総合福祉団体定期
保険
加入のお知らせについて」という社報が各個人個人に配られました。ところが、そこにはどこにも契約
金額
が書いてないのです。契約金は書いてない。それから、どこと契約するのかという、生命
保険
会社の名前も書いてないのですね。これも書いてない。それにもかかわらず、一番
最後
のところに「本人からの特段の申し出がない場合には、当
保険
への加入手続きを進めさせていただきます。」と書いてある。 こんな同意のとり方というのは正しいのか。特段の申し出がなければ同意したものとみなすということでしょう。これは相当むちゃくちゃじゃないかと私は思うのですけれども、どうですか。 〔
大口
主査
代理退席、
主査
着席〕
福田誠
89
○福田(誠)政府委員 その文書自体はまだ拝見したことがございませんので、
内容
について問題があるかどうかは差し控えさせていただきますが、同意のとり方についてのお尋ねにつきましてお答えいたします。 御案内のとおり、商法六百七十四条におきまして、「他人ノ死亡ニ因リテ
保険
金額
ノ支払ヲ為スベキコトヲ定ムル
保険
契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス」と規定されております。ただ、商法上は、同意の方式については格別の制限は設けておりません。しかし、今回の新しい総合福祉団体定期
保険
につきましては、今までのいろいろな問題にかんがみまして、被
保険
者の同意の取りつけに関しては、原則として被
保険
者、すなわち従業員個々から署名捺印を徴求することとしております。 また、弔慰金規程や死亡退職金規程が存在する場合につきましては、企業の従業員全員に
保険
の
内容
を記載した通知文書を個々に配付することにより契約
内容
を周知徹底して、その上で企業が不同意の方から署名捺印を徴求するという形になっておりまして、また、不同意の方の名簿は
保険
会社に提出されるとともに、通知文書を全従業員に配付した旨の確認文書も
保険
会社に提出されることとしております。 やり方についての具体的なお話は今つまびらかでございませんが、したがいまして、被
保険
者からの同意、不同意の確認をきちっとやっているということであれば、法令上問題はないと考えております。
中島武敏
90
○
中島
(武)
分科員
これは社報なんですね。この社報は、JR東海では一人一人がみんな読まなきゃならないということが前提とされているそうです。こういうものが配られているのです。 それで、今申し上げたとおりなんです。相手の
保険
契約の会社もわからなければ、契約金も書いてないのです。今あなたがるる
説明
をなされたことの中には、やはり契約
内容
、つまり、どこの会社とどれだけの
金額
の契約をしているのかということをやらなきゃならぬのじゃありませんか。そういうふうにお答えだったでしょう。ところが、実際にはこういうものですよ。これが配られているのです、個々人に。こういうことが現在の実態なんだ。これは新しく
保険
が切りかわったものですよ。今度、旧型の
保険
から新型に切りかわって、まだこんなことがやられているのです。 だから、本当によく周知徹底方を図る必要があるのじゃありませんか。こういう実態なんですから、ぜひひとつ、この実態を調べて、これを是正するような、そして周知徹底するような、そういうことを生命
保険
の協会なりなんなりに指導すべきじゃないかと思うのですけれども、どうですか、やってくれますか。
福田誠
91
○福田(誠)政府委員 ただいま申し上げましたように、従業員の同意につきましては、あくまでも契約者としての企業が契約申し込みの際に被
保険
者の同意をとって申し込むことになっております。当局といたしましては、ただいま御
指摘
のような企業内における個別具体的なケースについては承知しておらず、また、そのような一般企業に対して直接指導できる立場にはございませんので、その件についてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じますが、あえて申し上げれば、そのような例はやはり企業のビヘービアの問題ではないかと存じます。 ただ、新しい商品であるこの新型の福祉定期
保険
の運用については、
保険
業界に対しましても、その新商品の趣旨が徹底できるように、引き続き指導してまいりたいと存じます。
中島武敏
92
○
中島
(武)
分科員
ちょっと大臣に伺いたいのです。別に大臣に聞くつもりじゃなかったのだけれども、こういう実態になっているわけですね。これに対しては、やはり個別具体のという話じゃなくて、そういうところはやりませんが、一般的にその業界に対して指導してまいりますというお話なんですけれども、今までだって、せっかくこういうやり方を決めたのでしょう。決めたにもかかわらず実行されていない。もう早々実行されないわけですよ。 だから、それに対しては、大臣どうですか、やはり、ちょっとおまえ調べてみろと、そしてちゃんと是正を言わにゃいかぬ、こういうふうに思いませんか。
福田誠
93
○福田(誠)政府委員 御
指摘
のように、新しい商品が開発された趣旨の一つは、従来の不明確な点をできるだけ改めるという面もございました。もし新しい商品の趣旨が損なわれているような事態があると問題だと存じます。そういう意味でも、新しい商品の趣旨にのっとった販売なりが行われるように、また常時指導してまいりたいと存じます。
中島武敏
94
○
中島
(武)
分科員
これに関連して私もう一つ伺いたいのだけれども、実はこういう同意のとり方、不同意のとり方という問題にもかかわるのですけれども、従業員というのは、一般的に言いますと、会社に対して実態的には従属的立場にあるのですよね。思うことをはっきり言いにくい、そういう立場にあることはもう御存じのとおりだと思うのです。 ところで、今度のものでいいますと、主契約には同意だ、まあいいわと。だけれども、ヒューマンバリュー特約、これはどうも納得できぬなと思った場合に、これについて本当は不同意、同意ではありません、こう言いたいのだけれども、覚えがめでたくなくなっちゃったり、仕返しされたりするんじゃたまんねえなという気持ちから、やはり余りはっきり言わないで、同意しないということを言わないでいる。つまり、そうすると同意したということにみなされる、こうなるわけですよね。 同意はとらなきゃいかぬですよ。だけれども、同意のとり方、ここで果たして何かいい方法はないのかということを考えるのですけれども、問題はやはり、方法をあれこれという問題もあるのですけれども、結局このヒューマンバリュー特約なるものがどうもみんな腑に落ちないんですよ。だから、私は、こういう部分を外してしまうというふうにするのが一番いいんじゃないかなと。結局、幾ら形の上で本人が同意したものだとはいいながら、主契約と同額まで、それで主契約が大きければ二千万円が限度、こういうふうになっているわけですけれども、どうもこれがぐあいが悪いと思うのですね。
三塚
さん、あなたの率直な見解を聞きたいと思います。
福田誠
95
○福田(誠)政府委員 従来、その辺の
保険
商品としての性格がややあいまいだったわけでございますが、今般は、主契約と特約という形ではっきり分離いたしております。しかも、
保険
の商品の目的はあくまで主契約の方に重点があるわけでございます。 ただ、現実問題として、急に従業員が亡くなったときに企業が経済的損失をこうむることもこれまた事実でございますので、被
保険
者が同意した場合に限り一定の制限のもとで取り扱うこととしたということでございまして、法律的にもそのような契約はあり得るということだろうと存じます。
三塚博
96
○
三塚国務大臣
いろいろ質疑を聞いておりました。私も不敏にしてこの契約を知りませんでしたが、
大蔵省
認可であります以上、問題が起こりませんように周知徹底をしていかなければならない、こう思っています。
中島武敏
97
○
中島
(武)
分科員
時間がだんだん窮屈になってきたので、もっと聞きたいことがあったのですけれども、ちょっと飛ばしまして、大臣にぜひお尋ねしたいのです。 人間の命に会社が
保険
を掛けて、それで労働者が死んでからももうける。つまり、企業に対して退職金の二重の優遇
措置
、先ほど申し上げました、
保険
料を損金扱いするとともに退職金引当金の非課税、こういう
措置
ですね。さらに、ヒューマンバリューでも
保険
料を損金扱いできる。さっきから言っておりますように、上限は二千万円は許される、それでその二千万円がおりてくる。まあ二千万円でなくてもいいんですよ、おりてくる。しかし、実際にはそんなにかからなかったというような場合に、私はこんなひどい総合福祉団体定期
保険
というのは改めるべきではないかと思うのですね。それで、逆に、悲しみに暮れている遺族の人はどうかというと、
保険
では会社規程の弔慰金と死亡退職金しか出なくなったのですから、これまでのものよりも大改悪されたというふうに言わなきゃいけないんじゃないでしょうか。 不幸にして在職死亡した人の遺族に、弔慰金、死亡退職金規程による退職金だけではなくて、それに上積みされた弔慰金と退職金が出される
保険
であってこそ、初めて人間の命に掛ける値打ちというものが出てくるんじゃないでしょうか。私は、そういう点では、政治家である大蔵大臣にしかとした答弁をいただきたいと思うのです。これが一つです。 それからもう一つは、アメリカは、企業にお金が渡るんじゃなくて、御存じのようにこれは全額遺族の人に直接渡るようになっております。また、フランスはどうかといえば、社会保障の補完という位置づけから、決まった社会保障に上積みされるというようになっているのですね。ヒューマンバリュー特約なんかで企業の懐に入るのは日本だけだ。私は、そういう点からいっても、もう一度この問題についてのあり方をアメリカ並みに、あるいはフランス並みに考え直すということが必要じゃないかと思うのです。どうかひとつ、その点について、
三塚
さん、あなたの答えを聞きたいと思っているのです。
福田誠
98
○福田(誠)政府委員 済みません、やや実務的な点も含めて、ちょっと大臣の前に答弁させていただきます。 先ほど来申し上げておりますように、第三者を被
保険
者とする
保険
自体は、商法上規定があるわけでございます。被
保険
者の同意が必要であるということでございますが、そのようなものは既に商法上想定されているものでございます。したがって、この規定に沿って
保険
契約が締結されているものと考えておりまして、個々の契約上だれを
保険
金受取人にするかは、契約者と被
保険
者の間において決められるべき事柄であると承知しております。 そして、先ほど来、企業がもうけるというような御
指摘
でございますが、
保険
金は
保険
事故が発生しなければ受け取れないわけでございますし、その
保険
金を受け取る前提として、
保険
料は企業が支払っているわけでございます。リストラの中で、企業としてもそれほどむだな
保険
料は払えないかと存じます。いずれにしても、
保険
料は企業が払っておるわけでございますが、企業が
利益
を常に得ているということは言えないのではないかと存じております。 いずれにしましても、この団体定期
保険
は、長年、企業の福利厚生制度とかあるいは労災対策などの社会保障制度の充実強化に多大な役割を果たしてきておりますので、この
保険
が適切に利用されることが重要であると考えております。
三塚博
99
○
三塚国務大臣
今、保
険部長
からその仕組みのお話がありました。今後に対応するポイントの言明もありました。 契約者と被契約者ということでこの社会は成り立っております。よって、その契約について強制力を発したり、不法なことはあり得ないわけでございまして、そんなことをやれば、そういうことをやる会社の社会的存在はなくなることは間違いございません。よって、ただいまいろいろな御
指摘
がございました。前段申し上げましたとおり、周知いたしまして、そのことについて対応をしてまいりたい、こういうぐあいにいたしたいと思います。
中島武敏
100
○
中島
(武)
分科員
終わります。
栗本慎一郎
101
○
栗本主査
これにて
中島
武敏
君の質疑は終了いたしました。 次に、
坂上
富男
君。
坂上富男
102
○
坂上
分科員
坂上
富男
でございます。 大蔵大臣、御苦労さんでございます。日銀
総裁
もお見えでございますか、御苦労さんでございます。また、監視
委員会
の
事務
局長
でございますか、御苦労さんでございます。また、各省庁の皆さん方、大変恐縮でございますが、わからないところや私の意見を申し上げましてひとつ質問にお答えをいただきたい、こう思っておるわけでございます。 まず、簡単に率直にお答えいただきたいのでございます、イエスかノーかで。それで、理由はまた別途必要なときに聞きますから、時間がありませんので、よろしくひとつお願いをいたしたいと思うのであります。
証券取引等監視
委員会
は、本年の五月十三日に野村証券と藤倉、松木元常務、それから藤田元総務部付
部長
を東京地検に告発をされました。野村証券に対しましては両罰規定による告発のようでございまして、酒巻前社長やあるいは前の社長さんらのこれらにかかわりがあると思われるこういう部分について、なぜ告発がなされなかったのか。それからまた、本件調査はいつごろから開始をされましたのか。それからまた、調査の端緒となったのは何なのか。それからまた、本件についていわば監視
委員会
としては強制捜査、これをなさって証拠の保全をなさったものかどうか。その点を簡単にお答えください。
若林勝三
103
○若林政府委員 お答え申し上げます。 今、委員の方から御
指摘
ございましたように、五月十三日、野村証券ほか、証券取引法違反の嫌疑で
証券取引等監視
委員会
は告発をいたしたわけでございますけれども、昨年来これまで、野村証券について、いろいろ今回のことについて
検査
、調査をいたしておりました。そういった事実関係を解明した結果を踏まえまして、今回の告発に至ったわけでございます。 先ほど、野村証券そのものを告発したことについては両罰規定という、先生御
指摘
のとおりでございまして、告発いたしました三名の元役員等が、多数の部下職員等に指示するというようなことで野村証券の
業務
または財産に関して、一連の損失補てんを行っていたということが明らかなことから会社も告発をいたしたわけでございます。 また、この調査について、いつからやっておったかということでございます。
証券取引等監視
委員会
では、日ごろから市場取引に関するいろいろな資料情報を
収集
をいたしておりますし、またそれを分析いたして市場取引の監視をいたしておるわけでございますけれども、今回の野村証券の事件につきましては、一昨年の末までにこうした
委員会
の市場監視活動の中でやや不自然と思われる取引を把握いたしましたことから、直ちに関係先より資料を徴取するなどの情報
収集
活動を開始いたしたわけでございます。こういう情報
収集
等を通じまして次第に不正な取引が行われておる疑いが強まったということから、昨年の夏ごろより関係者に直接事情を聞くというようなことから深度ある調査を始め、鋭意事実関係の解明に努め、先般の五月十三日に告発するに至ったわけでございます。その過程におきまして、本年の三月の二十五日に東京地方検察庁とともに関係箇所の強制捜査も実施をいたしたわけでございます。
坂上富男
104
○
坂上
分科員
我々の目に触れるようになりましたのが昨年の九月でございます。今のお話を聞きますと、その前の年の暮れあたりからおかしな状況があるなということで、
委員会
の方で判断をされまして任意にその資料の提出等を求めた、こういうことでございますが、私の質問は、いわゆる強制捜査、いわゆる
裁判所
から許可状をもらって捜索・差し押さえ等をされたかどうかということを聞いているんです。
栗本慎一郎
105
○
栗本主査
若林
証券取引等監視
委員会事務局長
。 なお、申し上げておきますが、
分科会
当初に
主査
の方からお願いしております。非常に時間が限られておりますので、簡潔、明瞭に御答弁願いたいと思います。
若林勝三
106
○若林政府委員 ただいま御答弁申し上げました、ことしの三月二十五日に東京地検特捜部と合同で強制捜査を行っております。ただ、その前の段階ではまだ
裁判所
から令状をとるに至るまでの証拠固めが進んでおりませんので、その間においては当然ながら任意で進めたわけでございます。
坂上富男
107
○
坂上
分科員
最初の調査、捜査というのが一番大事なんですね。しかも、ことしに入って告発したというんでしょう。告発するというのは、犯罪の嫌疑ありとして告発なんだ。そこまでの状況が得られなかったから、ようよう三月になって地検と一体になってやりました、こういうお話なんでございまして、だから、やはり私は、相当証拠隠滅があるんじゃなかろうか、こう実は思っているのでございますが、それはまた別の問題として、これはもうやはり
委員会
といたしましては、臨検、捜索、差し押さえ、きちっと強制捜査をやって、この真相を究明をしていただかなければいけない問題じゃなかろうかと私は実は思っているわけであります。この間、もう大変な証拠隠滅がなされていたんじゃないでしょうか、失礼ですが。私はそう思いますよ。 さて、そこで、いろいろの情報の
収集
に当たられたそうでございますが、「BOSS」という雑誌がございます。この中の特に本年の二月、三月、それから五月というようなものの、いわゆるこれに関連する情報というのは
収集
されて検討なさったんでしょうか。
若林勝三
108
○若林政府委員 我々日ごろから、資料情報を
収集
するに当たりましては、いろいろマスコミ等の報道もすべて含めて、貴重な資料として我々としては参考にいたしておるわけでございます。
坂上富男
109
○
坂上
分科員
そうだといたしますと、いわゆるこの「BOSS」という雑誌に書かれております、元野村の社員の方でいわゆる内部告発をなさった方の大体の覚えをこの二月、三月号に書かれているようでございます。したがいまして、この中にありますところの状況をいろいろと調査をなさったようでございますし、去年の九月というお話のようでございますが、この告発者、私は名前申しませんが、Oさんと申しましょうか、Oさんについてもお調べをいただいた、意見聴取をなさったように聞いておるわけでございます。 特に、これはいかがでございますか。池田特別調査官という方、おられますか。この池田調査官が、いわゆる
総務庁
ビルにおいてこの方に事情をお聞きになっておるんじゃなかろうかと思います。しかも、時間としては三時間ぐらい。いかがです。
若林勝三
110
○若林政府委員 特別調査官に池田という調査官は在籍いたしております。
坂上富男
111
○
坂上
分科員
事情聴取なさったかどうかと聞いているんですが、お答えがいただけない。あるいはと思うので答弁がないのかとも思いますが、この雑誌二つ、それからO君を調べてみますると、いろいろのことがやはりわかったんじゃないでしょうか。 そこで、大変重要な発言になろうかと思いますので、私がこの根拠を申し上げたいと思います。 私と私の同僚であります海江田万里議員と二人で、私はこの雑誌に書かれておる方とお会いをいたしました。約四十分から五十分の間でございます。そして、お互いにメモをいたしました。翌日二人で会いまして、万一間違いがあってはいかぬということで一つ一つ検討いたしました。そして、その結果、お互いに間違いがないということで確認をいたしまして、そのときのメモをお互いに取り交わしてあります。 したがいまして、私は大体そういうような根拠をもとにいたしましてお聞きをするわけでございますし、また、その他の雑誌、その他の報道、いろいろのものを私は私の立場において調査をいたしまして、最終的にこの「BOSS」という雑誌に書かれていることの不明な点、問題点を
指摘
いたしましてお聞きをしたつもりでございます。したがいまして、その根拠に基づいて御質問をいたしますので、あるいは捜査上、あるいは調査上お答えできないかもしれませんが、できるだけお答え いただきたいと思います。 特に、捜査当局の答弁を聞いておりますと、捜査上の秘密だとか守秘義務があって答えられませんと言うけれども、それはそれに籍口して、とかく答弁したくなくて逃げているおそれもありまするから、これはきちっとひとつ御答弁をさせていただきたいと思っております。しかし、また本当に、これをお話をすることが今後の公判維持の上に重大な影響があるものだから、漏れたら影響あるというならば、それはお答えにならなくても結構でございますから、きちっと御答弁をいただきたいと思います。 まず、この雑誌の中に書かれておりますいわゆる野村と取引のあったところの政治家、野村と取引のあったところの高級官僚の方が四名書かれております。一つは駐英大使、それから中国大使、それから派閥の領袖で故人の方、それから元首相、こう書かれておりますが、私は、これは本人に確認しました。捜査当局としても知っているでしょう、これは。答えられなければ、わかるけれども答えないと言ってください。わかりませんだったら、わかりませんと言ってください。どうぞ。
若林勝三
112
○若林政府委員 資料情報の
収集
をいたしまして、それで問題があれば告発等の適正な法的
措置
をとるわけでございますけれども、そういう過程でどういう資料情報を
収集
したか、その
収集
した資料情報の有無、また
内容
についてお答えすることは、調査に影響があるということで差し控えさせていただきたいと思います。
坂上富男
113
○
坂上
分科員
それでは、後でこれは聞きますよ。 今度は、言われておりますVIP口座のデータですが、VIP口座というのは大体こういうふうに書かれているんじゃないですか。これぐらい答えられるでしょう。一般的、抽象的なことです、答えてくださいよ。氏名、住所、連絡先、職業、社名、官公庁役員、官公庁役員というのは役所の
局長
以上だそうです。それから職員の動き、課税関係、これは証券ですから分離か総合か。それから取引銀行、いわゆる振り込み先。こういうものがVIP口座としてデータとして出ているそうでございますが、いかがです。
若林勝三
114
○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、資料情報、
収集
した中身について、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
坂上富男
115
○
坂上
分科員
こんなのは一般的、抽象的なことなのだ。物を持ってこれかと言っているわけじゃないのですよ。いわゆる、世上言われておりますVIP口座というのはこういうものでございますと、それぐらいのことは
国民
の前に答弁すべき義務があるのじゃないですか。だけれども、これがどうして捜査上にどう影響するのです。こんなことをやっていたら時間がないからあれですが、そういうような態度だったら、私は言わざるを得ません。 お聞きしますが、駐英大使というのは北村さんでございませんか。中国大使というのは国広さんでございませんか。派閥の領袖というのは金丸先生じゃないですか。元首相というのは宮澤元首相じゃございませんか。これは間違いなく、私と海江田君が本当にその理由も聞いたことなのです。根拠も聞いたことなのです。これは、まだ、VIP口座というのは不正があったとかなかったとかということを私は申していない。野村と取引があったかどうか、あったとすればこれはVIP口座としての取り扱いでなかったか、こう聞いているわけですよ。これぐらい答えなさい。
若林勝三
116
○若林政府委員 たびたび同じ答えで恐縮でございますけれども、個別のことに関しましてコメントすることはお許しいただきたいと思います。
坂上富男
117
○
坂上
分科員
さて今度は、小池側の払い込み銀行というのは第一勧銀の六本木支店じゃございませんか。それで、年間約三億二千万円の
利益
供与があったと世上言われております。これもきっとお答えにならぬと思いますが、これは一回なのか、あるいは一年に数回、何回かあったのではなかろうか。いわゆる三億二千万近い金が三回か四回ここへ払い込まれているのじゃなかろうか。しかも、これは固めて払っていなくて、その都度
利益
を上げて払っているのじゃないですか。 これもお答えできませんか。しかし、口座ぐらいしゃべれるでしょう。どうぞ。
若林勝三
118
○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、五月十三日に野村証券ほか元役員等三名を東京地方検察庁に告発いたしておりまして、今東京地検において捜査が行われていると思います。そういう捜査にかかわることということで、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
坂上富男
119
○
坂上
分科員
大変不満ですが、時間がありませんから進めます。 いわゆる
利益
供与の手口というのは、この「BOSS」という本に大変詳しく書いてあるのですね。ちょっと確認をしたことだけを申し上げますと、五億ぐらいの
資金
でやったのだそうですね。五億の
資金
ということで株の取引をする場合は、五億だと一億円単位で五つの銘柄ぐらいの取引をするのが普通だそうです。一回で一銘柄五億も動かすというのは、少しこれはおかしいのじゃないか、こう普通の社員ならば頭が働くそうでございます。しかも、この事実を目撃をしておる、知っておるという社員は約十名ぐらいいるそうでございます。 この取引の
内容
ぐらいは言えるでしょう、取引の仕方ぐらいは。こんなのは何の捜査の影響もないのだ。お答えください。
若林勝三
120
○若林政府委員 調査上得たいろいろな事実関係等個別問題については、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
坂上富男
121
○
坂上
分科員
あなたのその答弁が適正であるかどうかというのは、もっと時間があったとき私が
指摘
をしながら申し上げることにいたしまして、そう抵抗されればやむを得ないから、今後もさらに進みます。 そこで、さっき私は質問したのです。
利益
供与、損失補てんは、その指示をなさったのは最高の立場にある方でないか、こう私は質問をしたつもりなのです。しかしそれにお答えがない。多分、私の非公式の話では、証拠が挙がらなかったからトップを告発することができなかったとお聞きを実はしているわけでございます。しかし、私が調査をいたしましたところでは、これは最高の上層部からの指示だと。具体的に申しますと、酒巻社長さんに当たられるでしょう。あるいはその前の社長さんに当たられるでしょうか。そして、これをやった人は今まだ野村におられるそうです。私、名前はわかっております。今ここでは申し上げません。申し上げませんが、全貌を知っている方がいるのじゃないかと私は思っております。彼はそう言っていました。どうですか。
若林勝三
122
○若林政府委員 五月十三日に東京地検に告発いたしましたのは、我々として、今回の問題について事実解明を行った、そういった結果を踏まえて野村証券及び元役員等三名を告発いたしたわけでございます。
坂上富男
123
○
坂上
分科員
さて、その次、私がお会いした方は、法人営業管理部、この営業管理部というのは、こういうような不正が社内にないかということを調査をする部門なのですね。そこで、
平成
四年、どうもこれはおかしい、こういうようなことに気がついて、これは「BOSS」という雑誌にも書いてありますよ、それで
部長
に彼は相談したそうだ。 そうしたら、それは大変だ、こういうお話になって、小甚ビル、彼がやっているビルですね、この取引
内容
を見直さなければならぬ、こう言いましたら、やはり別の部門の方が、顧客から五億円運用したいという場合は、通常、一億円ずつ五銘柄ぐらいでやるのが普通なんだ、確かにこれはおかしいと。また、ほかのことをすると、どうも確かに変だと。しかも、第一勧銀の六本木支店に金が、その都度
利益
が上がって送られている。どうもおかしいのじゃないか、こういうことが月例報告
会議
というもので議論になったのじゃなかろうか、こう思われます。 月例報告会というのは、私はちょっと聞きませんでした。
会議
のときというふうに。どうも、いろいろ調べてみると月例報告
会議
のようでございます。そういたしましたら、上司の方が、これには口を挟むな、私がどうこうできることじゃない、上から降ってきた話だと上を指した、こういうことのようでございますが、これはどうですか。
若林勝三
124
○若林政府委員 先般御
指摘
いただきました雑誌の中にそういった記事があることは承知いたしておりますけれども、そういったことについてコメントすることは差し控えたいと思います。
坂上富男
125
○
坂上
分科員
さて、郵政省、厚生省、いらっしゃいますか。これも、これを仲持ちをした人がいるのです。 まず最初、運送会社を担当している人が仲持ちをしたそうですが、郵政省、厚生省、
事務
次官クラス、あるいは
局長
クラス、接待しておりませんでしたか。これは田淵さんが社長時代でございまして、田淵さん、これはいかがですか。それから、酒巻さん時代、これは場所を指定しました。日商岩井の上のフランス料理店、クルド赤坂というのがあるそうです。私は、実はあるかどうかまで確認をしない質問で、甚だ質問者としては準備不足なのでございますが、クルド赤坂というところに、これも仲を取り持った方がいるのです。これは、あるファイナンス会社の監査役で、野村の役員待遇を受けている人でございます。この方が、このフランス料理店で郵政、厚生の皆様方と、いろいろ接待をしながら懇談がなされておったという。 日時、回数、それからどのような規模か私はわかりません。しかし、そういう話が私のところに情報として入っておりますが、これはしかし、もう気がついておられたのでしょうか、厚生省。あるいは郵政省、これに関して何か御存じだったのでしょうか。いかがですか。簡単に。
丸田和夫
126
○丸田
説明
員 今委員御
指摘
の件につきましては、現時点では厚生省としては承知しておりませんが、今後調査してまいりたいと思います。
清水英雄
127
○清水
説明
員 先生御
指摘
の点でございますけれども、私ども、事実関係を承知いたしておりません。 私ども、事実関係を承知しておりませんので、さらに今後事実関係を把握したいと思っております。
坂上富男
128
○
坂上
分科員
ぜひ調査してください。私も、これを出す以上はやはり責任を持って言っているわけでございまして、私の
指摘
が間違いであることを願うだけです。 さて、大蔵大臣、そんなような状況でございますが、これは本当に真剣に検討していただきませんともう本当にいかぬと思いますよ、二度あることは三度あるといいますから。この点の御所見、率直に賜りたいと思います。
三塚博
129
○
三塚国務大臣
二度あることは三度あってはならないのが今日の時代であります。特に、金融システム改革ということで、
国民
各位から、また世界から信認を得る金融機関確立に全力を尽くしておるところであります。あってはならぬ事態が起きた、極めて遺憾千万であります。 今、
証券取引等監視
委員会
、全力を尽くしてやっておるものと理解をいたしております。激励もいたしております。勧告がありますれば、厳正に対処をしてまいります。
坂上富男
130
○
坂上
分科員
総裁
、御質問させてもらいます。
日本銀行
は、第一勧銀に関連して調査を一番最近なさったのはいつなのでございましょうか。そして、こういうような総会屋かかわりの
融資
を一体発見できなかったものか。
検査
されたのか。されたとしたら、発見できなかったのか。わかっていたのだけれども実はこうだったのだ、こうなるのでしょうか。どうですか。いつでございますか。
松下康雄
131
○松下参考人 私どもが第一勧銀に対して考査を行いました最近の例は、昨年の初めでございます。このとき、小甚ビルディング及び小池嘉矩向けの貸し出しにつきましては、銀行が所定の調査表に記載、提出をいたしましたので、私どももその
内容
の調査はいたしました。 ただ、本件に関しましては、その調査表に債務者の属性などにつきましての記載がなく、また、この貸し出し調査の席上でも、遺憾ながら、同行からは一般
融資
案件としての与信
内容
の
説明
しかわれませんでしたために、
日本銀行
としましては、これらの先が総会屋関係の先であるとは認識していなかった次第でございます。
坂上富男
132
○
坂上
分科員
それで、こういう問題が出まして から、再度
検査
なさいましたか。
松下康雄
133
○松下参考人 私どもといたしましては、一勧に対しまして、本件関連
融資
の処理の詳細や、また他の同種案件の有無につきまして、現在報告を求めております。 私どもとしましては、この報告を検討しました上で、必要があると認められた場合には、適切な対処を図ってまいりたいと考えております。
坂上富男
134
○
坂上
分科員
いつまでに報告を求めるのでしょうか。
松下康雄
135
○松下参考人 できるだけ早期にということで求めております。
坂上富男
136
○
坂上
分科員
今月以内と思っていいですか。
松下康雄
137
○松下参考人 今月以内には結果を求めるつもりであります。
坂上富男
138
○
坂上
分科員
大臣にお伺いいたします。 第一勧銀でございますが、報ずるところによりますと、銀行法による刑事行政上の告発を行うと言われております。ぜひこれは厳重にやっていただかぬといけないのでございますが、いつごろなさる予定でございますか。
山口公生
139
○山口政府委員 その点につきましては、私どもも重大な関心を持っておりますが、一方で、野村損失補てん事件のかかわりでの捜査も行われておりますので、そういうことをよく見ながら、適切に判断してまいりたいと思っております。
坂上富男
140
○
坂上
分科員
法務省
、検察庁、おりますか。
法務省
、おられますね。
法務省
、小池嘉矩というのですか、四十四億三千九百万円償却なのですね。それから小甚ビル、これは二十六億四千万円の償却なのですね。もう償却せざるを得ない状態。ほかのものも取れっこないのですね、きっと。こういう貸し出し方をして、普通だったらこれは商法の特別背任罪なんじゃなかろうかと思いますが、こういう点、検察の方はどういう点に着目していますか。 それから、野村証券、今言ったように、なかなか監視
委員会
としては限界があるとは私は思いますよ。検察の方は、やはりこういうような大きな仕事はトップの指示がなければできない。これはまさに私の推測が、たまたま多くあって、私もやっぱりなと思ったのでございますが、検察はそういう点に対する捜査の目をどういうふうに向けておられるのかもお聞きをしたいと思っておるわけでございます。どうぞ。
藤田昇三
141
○藤田
説明
員 検察当局がどのような
事項
について捜査を行っておるか、あるいは今後どういう状況にあるかというようなことにつきましては、捜査の秘密にかかわることでございますので、お答えは控えさせていただきたいと存じますけれども、現在の強制捜査の対象になっておりますのは、野村証券とその関係者それから総会屋の合計五名の人間と一名の法人でございます。 これに関連して鋭意東京地検は捜査を行っておると承知をいたしておりまして、一般論として申し上げますと、その捜査の過程において十分な事案の解明というものを行うであろうというふうに考えております。
坂上富男
142
○
坂上
分科員
今私が
指摘
した点を検察が乗り越えてやれなければ、行政機関の監視
委員会
と変わりがなくなるわけでございます。ぜひ、監視
委員会
を乗り越えまして、告発の範囲内で処理することのないように、本当にこういうばかばかしいことがあって、このことのために、私は外国から規制緩和の圧力が加わると思いますよ。それから、投資者それからその株に対する信頼、金融全体に対する信頼、甚だしいものがあると思います。ひいては、私は日本経済に大きな影響を及ぼすと思っておるわけであります。期待するのは検察でございます。ぜひ、監視
委員会
を乗り越えまして、
国民
が納得のできるような捜査と処置を期待をいたしたいと思っておるわけでございます。 特に、私は、こういうばかなことがあるかと思って腹立たしい思いです。歴代頭取と交流のある出版社社長の要求を断り切れない、社長の死後も社長の存在感が大きくなる。死んでから大きくなってきたと言うんだ。これは一体、死んだんだったらほっとすればいいのに、亡霊の呪縛を断ち切れなかったと言うんだ。何かオウムのようなお話だ、これは。こういうことを記者会見で堂々と言っているわけでございます。こんなことに大臣、証券取引なんか任せていいんでしょうかね、こんな程度の考え方。あるいは、第一勧銀の方へ金融取引を任せていいんでしょうかね。これ、どっちかの方が言った。これはたしか野村だと思うんでございますが、こういうようなことを平然と皆さんの前で言う。ぼおっとしちゃってやっていると言うんですね。しかも、のろわれてやっていると言うんです。こんなことを
国民
が納得できるはずはないわけでございます。 大臣、御所感を。それから
総裁
の方からも。一般銀行を指導されるお立場なんだろうと思いますが、ひとつ御所感をお述べください。
栗本慎一郎
143
○
栗本主査
質疑時間は終了しておりますので、短くお願いいたします。
三塚博
144
○
三塚国務大臣
公共性の高い金融機関の経営者として、極めて遺憾な言動であります。
松下康雄
145
○松下参考人 金融機関の信頼を保持するために、銀行は適切な努力をすべきであると思っております。そのような考え方で今後も対応してまいります。
坂上富男
146
○
坂上
分科員
どうもありがとうございます。
栗本慎一郎
147
○
栗本主査
これにて
坂上
富男
君の質疑は終了いたしました。 次に、
吉田
治君。
吉田治
148
○
吉田
(治)
分科員
大臣以下、質問させていただきますけれども、本当に何かこう毎日、先ほどからの一連の質問の中で、金融不安というのですか、銀行であるとか信用組合であるとかの、銀行については阪和銀行一行のみ、それが信用組合、信用金庫ぐらいになってきますと、これは
業務
停止命令というのが非常によく出てくる。 そういう中において、よく預金者の保護──保護は、これは何も預金で預けているお金と利息を保護するというのみならず、例えば私が聞いた範囲では、阪和銀行の銀行取引
業務
停止命令が出た後に非常な不安感が出た、これは何もお金が云々ではなく、例えば預けてある貸し金庫、あそこまだ使えるのかなとか、銀行
業務
というのは何もお金を預金者からすると預けるだけじゃなくて、そういうさまざまな利便、サービスをされている、そういうふうなものをすべて含めてどうなるのかなという不安が不安を呼ぶというふうなことがあるやに聞いております。 まず一点目、こういう不安というふうなもの、こういうことに対して
大蔵省
はどう考えていられるのか。そして、また今後、金融自由化、ビッグバンと言われる中において、金融機関の
業務
停止命令等々が出ていく場合の金融不安に対する防止策というふうなもの。よく言われているように、もうポスターで張っているよぐらいでは、そんなことはわかっているんだ、それ以外に何で教えてくれるんだというのが私は正直な預金者の気持ちではないかと思うんですが、その辺は今どういうふうにされているのか。その辺をまずお聞かせをいただきたいと思います。
山口公生
149
○山口政府委員 お答え申し上げます。 今先生御
指摘
になりましたように、預金者の保護ということは最も大切なことでございますが、それだけで済むものではございません。金融
業務
というのは、信用秩序を維持しておりますので、いろいろな形での不安というのがついて回るわけでございます。全く私どももその問題意識は共有させていただきたいと思います。 それで、阪和銀行についての例を挙げながら御
説明
申し上げますと、預金につきましては、受け皿として新銀行を設立しまして、阪和銀行の損失を埋めるために預金
保険
制度を
活用
しまして、新銀行へ営業譲渡を行い、すべての預金を保護することとしたところでございます。こういう意味では、先生の御
指摘
の預金の方は一応守ったと。 また、取引先でございますが、取引先につきましては、阪和銀行の健全な取引先に重大な影響が生じないよう、
大蔵省
としては、政府系金融機関及び民間金融機関等に対して適切な支援、協力の要請を行いました。特に、近隣の金融機関等により
融資
の肩がわりあるいは給与の振り込み口座の移管等が着実に実施されたわけでございます。さらに、和歌山県等におきましても、中小企業の経営安定策としまして特別
融資制度
が創設され、適切に
活用
されていると聞いております。 したがって、現状において地域経済に重大な影響は生じておらないというふうに考えておりますが、ただ、一般論として、こうした
業務
停止命令等の破綻が生じたときに、私どもとしてはできるだけのそういった配慮をしていくということは必要であろうというふうに思っております。 預金者につきましては、さきの通常国会でお認めいただきました金融三法によって当面は全額を保護できるという制度をお認めいただきましたので、それを十分に
活用
して金融不安というものが預金者に広がらないようにしてまいりたいというふうに考えております。
吉田治
150
○
吉田
(治)
分科員
その一番大きな、一番不安を起こさないというのは金融機関が健全に運営されているということになると思うんですけれども、よくこのごろ郵政の民営化の議論の中で、官業による民業の圧迫ということが言われますよね。ですから、阪和銀行のみならず、先ほどからずうっと各同僚の先
生方
がいろいろ質問されている。そういうふうな民間経営の金融機関が、官業があるから、郵政があるから、郵貯があるから私たちは圧迫されているんだという論理展開というのをよく聞くんですね。じゃ果たして銀行
局長
のお立場として、あの官のものが民になったらすこぶる健全な経営がされているのか、ああいうふうな問題は一切起こらないのかと。 また二点目、この阪和銀行にしても、市中のさまざまな信用組合にしても、また金融機関が悪化している、不良債権をたくさんこさえた、これは郵貯が、官業があるから民業が圧迫されてだめなのか。 この二点、お答えください。
山口公生
151
○山口政府委員 官業と民業とのかかわりで問題提起をいただきましたが、仮に、官業である郵貯あるいは簡保等が民営化されたらどうなるかという問題提起でございますが、それはいろいろな議論が今行われつつございますけれども、具体的にどういうふうな形になるのかというのはなかなか一概にはお答えしづらい問題だというふうに思うわけでございます。 それから、悪化した原因が官業かという話になりますと、まあいろいろな御意見はあると思いますけれども、民間金融機関の今現在におきます不良債権問題の最大の問題は、いわゆるバブルの崩壊というものの影響を強く受けたということではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。バブルの崩壊の資産価格の低落によるツケというものが金融機関にかなり重くのしかかっている、それを今、懸命に解決しようとしているということが主因ではないかというふうに思うわけでございます。
吉田治
152
○
吉田
(治)
分科員
では、官業による民業の圧迫だという議論に対しては、どうお考えですか。
山口公生
153
○山口政府委員 いろいろ民業側からそういった議論があることも承知しておりますし、いろいろな御議論が各界においてあることも承知しております。民業、官業というとらえ方だけではなくて、官業そのものの、また本来の行政としてのあり方という問題もあると思います。ただ、それなりのまた存在意義というのもいろいろ御
指摘
されておるところでございまして、一概にこれを私の立場でどうこう言うのは適切ではないのではないかというふうに思っております。
吉田治
154
○
吉田
(治)
分科員
では、銀行
局長
、こう私なりに整理させていただいたらいいのですね。官による民の圧迫だとか郵貯の問題の中において、今、民間の金融機関が持つさまざまな不良債権であるとか問題というのは、これは別のものだ。そして、官による民の圧迫ということに関しては、これは業界が議論していることであって、銀行局なり
大蔵省
なり、国家、政府としては、それは議論は議論でしていただいたら結構だ、圧迫だと言うことはできない。この二点、確認ですけれども、よろしゅうございますか。
山口公生
155
○山口政府委員 不良債権問題の一番大きい理由は、バブルの崩壊の影響だということが言えようかと思うわけです。そのほか、ではそれだけかと言われると、いろいろな議論があるだろう。 それから、官業、民業の議論というのはいろいろな角度から議論をされる話でありまして、私の方でそれを一つの結論として決めつけるというのは適切ではないというふうに思います。
吉田治
156
○
吉田
(治)
分科員
きょう、このことを話の本質で言うつもりはなかったのですけれども、今までの同僚議員の話を聞いておりますと、果たして何でも民に任せることが善なのか。民に任せた途端に、VIP口座というのですか、総会屋さんが出てきて、何かしなければいけない、そういうふうになるのであれば、そして
局長
、今、バブル、不良債権と言われました。不良債権のときの民間金融機関、確かな数字ではございませんが、それぞれのトップの責任のとり方というのは、それぞれ判断がおありでしょうけれども、
局長
から見ていかがだったのですか。私、一
国民
、一有権者から見た場合に、好き勝手、し放題しておいて、結果は知らないよ、国に何とかしてくださいというふうな意識の方が強かったのではないかな。一
国民
として非常に怒りを感じるというふうに思うのですけれども、そういうふうな意見、多分議論の中にあると思うのですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。
山口公生
157
○山口政府委員 民間金融機関を初め民間企業のトップの責任のとり方、あり方というのは大変いろいろな考え方があろうかと思います。私どもの当局の方から、こうあるべきだとか、あるいはあれは不十分だとかと言うのは、いささか行き過ぎたことだというふうに思います。 先生が御
指摘
のような御意見が住専問題等のときにもいろいろあったことは十分承知しておりますけれども、その辺は、私どもの方からオフィシャルに物を言うべき問題ではないというふうに思うわけでございます。
吉田治
158
○
吉田
(治)
分科員
そうはいいながら、日本全国の都市銀行、地方銀行を含めて、
大蔵省
の御意向を聞くために、MOF担当者が東京に行っていて、非常に優秀な方がいて、あることでやめなさった大手都市銀行の頭取さんなんというのは、MOF担当で
大蔵省
とのパイプが太くなったから、頭取になるときにあっと驚くような人事でなれたというふうな話も聞くのですよね。でも、片一方ではそういうふうにしておきながら、いざ責任問題になると、いや、それはもう民間企業で、俗に言う護送船団方式でという中において、果たしてそれで
大蔵省
として関係ないよと言っていいのかなというのは私は正直言って気持ちとしてある。 そして、もう一方は、官民の話でいいますと、よくこのごろ私は例え話で言うのです。皆さん、
局長
でもいいです、銀行の戸をあけられて、都市銀行の支店に一歩入られます。大きい声で、ここで年収一千万円以上の人間、手を挙げてみなさいと。たくさんの人が手を挙げると思うのですね。では、郵便局に一歩入られて、ここで年収一千万円以上の人、手を挙げてみてと。挙げられる人が何人いられるか。一人いるかどうか。 そういうふうにして、私は、何も郵政を守るとかそういう意味じゃなくて、極論すれば、一人一人そういうふうにやっているのであれば、例えば官から民にするのであればそういうふうな要求を、私、例えば郵便局に勤めている友達なんかに、おまえら、民間になったら年収一千万円もらうように組合を通じてやれよというふうなことも言うのですね。そういうふうなこともしんしゃくして、これからの金融の自由化という中における金融機関、官と民の役割分担というのを考えていただきたい、私はこういうふうに思う次第でございます。 さて、金融機関というものに対しましては、毎週どの週刊誌、また月刊誌を読んでも、それから町のスタンドで売っている夕刊紙等を含めても、危ない金融機関、金融機関のランクづけというのはいっぱい出てきまして、うちの母親なんか、どこそこへ預けているけれども、ここは危ないらしいなと。そうなると今度は、先ほどの官の話じゃございませんけれども、では郵便局に預けるのが一番安心なのかな。 簡単に言いますと、官と民の議論に戻ってしまうかもしれませんけれども、民間が信用に値するようなことをしていないから官にお金が集まるという現実もあるということは理解されていると思いますけれども、ここで、なぜ急に、報道されるように、危ない金融機関というのですか、金融機関のランクづけ、点数がいっぱい出てきたり、何々が出てきたと。 これについてまず一点お聞きしたいのは、これは
大蔵省
なり銀行局なりが、また、日銀さんはきょう呼んでおりませんけれども、これは私、ある友人に聞いたのですけれども、そういう資料があるらしいのですね。ある銀行の頭取の性格まで書いてある、こんな人だよと。私、知っているだけに思わず笑ってしまったという、そういう資料があるらしいのですけれども、そういうふうなものがひそかに出ているのかどうか。それとも、いやいや、財政金融当局が一切知らないところで、勝手に週刊誌なりそういうマスコミ等がつくっているんだよとはっきり言い切れるのか、どちらでしょうか。
山口公生
159
○山口政府委員 個別の銀行等の情報が、
大蔵省
からそういった形で出ているということはありません。 マスコミ等でいろいろな報道がなされておりますけれども、私どもとしては、一つ一つそういったふうにコメントは差し控えるのが適切ではないかと思っておりますけれども、一般論として、それでもって預金者が非常に必要以上に不安をもたらされるということは余りいいことではないなというふうに思っております。
吉田治
160
○
吉田
(治)
分科員
では、あの資料というのはプロから見てどういうふうにできているとお考えですか。
山口公生
161
○山口政府委員 私はマスコミに関する造詣も余り深くありませんので、その辺はちょっとよくわかりません。
吉田治
162
○
吉田
(治)
分科員
造詣じゃなくて、ああいうふうなランクづけとかが出れば、では、銀行
局長
、それは見たことないと言うのですか。
山口公生
163
○山口政府委員 時々目にすることがございますけれども、一つ一つマスコミの情報についてコメントするのは適当ではないというふうに思います。
吉田治
164
○
吉田
(治)
分科員
では、言い方を変えまして、推測するところ、マスコミがどういうふうな情報で書かれている、それは推測できますか。
山口公生
165
○山口政府委員 それはわかりません。
吉田治
166
○
吉田
(治)
分科員
では、それらに対して、言論の自由とはいいながら、個別企業だからコメントを差し控えたい、金融機関だから差し控えたいというのであれば、何らかの、例えば経済記者クラブであるとか金融記者クラブを通じて、そういうふうなものをなぜ出さないのですか。
国民
としては、ああいうふうなものに踊らされ、びっくりし、だからお金をおろしてとなるんじゃないのですか。そういうことをせずして、知りません、存じませんというのであれば、この議論はできないですよ。
山口公生
167
○山口政府委員 各金融機関はそれぞれ今、ディスクロージャーに努めてきております。さらに、来年の四月の早期是正
措置
の導入を控えまして、不良債権の早期処理、経営の
合理化
、自己資本の充実等に努めております。こういったことを各金融機関がきちんとディスクローズして、そういう形でそういった面での正しい情報を提供していくことによりまして、正確な情報が
国民
の皆様に伝わっていくということになろうかと思うわけであります。
吉田治
168
○
吉田
(治)
分科員
ディスクロージャーされた資料から推測してつくったのだろうというふうなことになるのかもしれません。その辺は今
局長
言われたとおりかなという感じもしているのですけれども、反対言うと、これだけ情報があふれると、聞く方も、またか、大体そうだねと。言われた順番にだんだん
業務
停止になっていきますので、まさにそのとおりだというふうなことになる。ただ、私は
国民
はある意味で賢いなと思うのは、幾ら幾らまでは預けるのだとか、幾ら幾らまではこうするのだというのを、自分らで自衛本能がこれだけできている。まさにこのごろ霞が関の議論で出てくる自己責任というのが妙に広がっている。いいのか悪いのか、これはわかりません、判断できません。後世歴史が判断するのでしょう。そういうふうになっていると思うのですね。 その中で、私は、金融機関の中で一つこのごろ非常に大きく疑問を感じるというのですか、こんなことでいいのかと。たまたま私、支持、応援していただいている方々には働く仲間の方が多うございますので、いろいろな方に聞くと、多重債務者の問題、要するに金融機関という大きな機関と同時に、非常に借金を抱えた方がたくさんいらっしゃる。そうすると、私は、こんな言い方はよくないですけれども、弁護士さんとも話していますと感じるのは、ある弁護士さんが言っていました。いや、
吉田
さん、町じゆうに高利貸しの機械が置いてあるのだ。何のことかなと思ったら、無人
貸付
機というのですか、あの正式名称。弁護士さんも言われるのですね。昔だったら、俗に言う高利貸しさんというところにいろいろな債権債務関係で頼まれて行くと、向こうも少しは後ろめたいという気持ちで、じゃ、先生ここでと。しかし、今やそうじゃないらしいですね。私たちはノンバンクだ、キャッシング会社だ、クレジット会社だと胸を張って出てきて、やってくる。 それは法律に基づいて適法にやられていることですから、そういう意味でいったら問題はないのかもしれませんけれども、そういう中においてこの無人
貸付
機の規制というもの、またこれは、規制の方法は、機械自身もあるでしょうし、またそれプラスアルファさまざまな機会に広報活動というのですか、こういうものがあるよということ。これは別の機会に質問しなければならないと思うのですけれども、やはり出てくるのは、痛い目に遭って初めてわかるのではなくて、どう痛い目に遭わないのかという消費者教育というのですか、何かそこのところは私はごそっと抜けているような気がするのですね。 ですから、何か安易に、銀行のキャッシングマシンでお金を出すかのように、クレジット会社であるとか、俗にサラ金と言われるのですか、そういうふうなところの機械で、ぱっと入れたらお金が出てきた、しかも相手は、人はいない、じろじろ見られることもないというふうになれば、何か自分の銀行口座はふえていないのに、ふえたかのようになってしまう。だれがそういう教育をするのかというと、昔はお商売屋さんのお子さんだとか、そういうことが多ければ、親が判この怖さ、お金を借りることの怖さというのを教えたのでしょうけれども、ほとんどの家がサラリーマン化していったこの現実の中においては、なかなかそういう機会もない。 話が長くなりましたけれども、まずお聞かせいただきたいのは、無人
貸付
機等を含めた一連のものに対する現状の規制と今後の対応、そして検討
事項
というもの、これをまずお聞かせいただきたいと思います。
山口公生
169
○山口政府委員 大手の貸金業者を中心に導入されております無人契約機が過剰貸し
付け
を助長しているのではないかという
指摘
があることも十分に承知しております。この無人契約機におきましても、店頭での貸し
付け
と同様に顧客の返済能力等の
審査
が行われていることは事実でございます。 ただ、当局としましては、貸金業規制法に基づき、自動契約受け
付け
機による顧客
審査
に当たっても過剰貸し
付け
を行わないよう指導を行っているほか、利便性を強調する余り、結果として、通常より借りやすい、今先生御
指摘
になったような、そういった誤解を与えるような広告については、その是正を指導しております。 それで、無人契約機の利用が
増加
していることは事実でありまして、今後もこういった与信
業務
の適正化が確保されるよう引き続き指導をしていきたいというふうに思っております。
吉田治
170
○
吉田
(治)
分科員
そこで、議論を深めますと、じゃ、大手のそういう機関というところに、会社に対して何人
大蔵省
のOBの方が行っていられるのですかという質問をしたり、消費者教育というのはどうされているのですかという質問をしたいところですけれども、これは別の機会に置いておきまして、私はそのもう一つ先に、これは大臣もちょっと聞いていただきたいのです。 大臣は、経世済民の志を有する学生の集まりの御出身ですよね。そのフレーズを聞いたらわかると思います。私もそうなのです。ですから、一連のこの金融機関のさまざまな問題の中で、私は正直言って日銀の
総裁
の肖像画が何千万円かかったというのは、反対言ったら、項末なことかな、日本の国自身がちゃんと運営されているのであれば、それはお礼としてそれぐらいしてもしかるべきじゃないかな、できていないからこそその肖像画が幾らかかったという形がマスコミに大きく出される、これは同意していただけると思うのですけれども。 その中で私はこのごろ思うのは、この金融機関の問題にしても、多重債務者を含めたさまざまな問題にしても、日本で、住専のときもそうでしたけれども、行政と政治がすべて解決していく。司法はどうなったのかな。手元の資料からしますと、確実に民事訴訟の関係は、
平成
二年、まさにバブルが終わろうとしたときから昨年の
平成
八年まで、指数でいいましたら、
平成
二年を一〇〇としましたら
平成
八年が一三四。ほかの、刑事、家事調停、少年一般よりも随分高い民事訴訟の伸びをしている。 これは、単なる多重債務者がふえたというよりも、金融機関を含めたさまざまな権利関係等々の整理が必要だというふうに思うのですけれども、その中で司法の果たす役割について、まず私はお考えを述べていただきたいな。今後、金融機関等々の整理を進めていくのであれば、この司法の果たす役割というのは私は非常に重要になってくると思うのですけれども、その辺について御所見をちょうだいしたいと思います。
三塚博
171
○
三塚国務大臣
司法の問題は、紛争が起き、解決ができない場合、最終手段という
裁判所
制度、それともう一つは制定された法律を忠実に実行せしめるよう対応していくという二つの面があろうと思いますが、ただいま
吉田
議員の言われる債務の問題について、多重債務という表現になりますか、今後どうするのかということでありますと、行政はそれなりのもの、司法は、本件については直接起きた事案について対応するということでありますものですから、三権分立の中で孤高を守るというのですか、法の独立、こういうことなのでしょうか、そういうことであろうと思います。 それ以上司法をとやかく言うことは控えるといたしまして、問題は、政治、行政、それをカバーしていかなければならない。これだけは言い得ることだなと思っております。
吉田治
172
○
吉田
(治)
分科員
きょうは最高裁の方にも来ていただいていますけれども、私、問題意識として、非常に裁判官の数、一億二千万のこの
国民
の中で、たしか私の聞いた話では裁判官は二千人だと聞いております。今、大臣がいみじくも、司法問題は司法でやってくださいという中で、では、二千人でこれからのさまざまな問題が起こってくるものができるのかな。 これは裁判官のみではございません、一緒に書記官というものもペアで考えていただかなければならない。裁判官だけでは仕事はできません、書記官ももちろんふやしていただかなければならない。私どもが日弁連さんからいただいた資料によると、大都市部においては裁判官の方はお一人二百数十件の案件を抱えて、昔私たち法学部のときに、裁判官になられる人というのは、こんなことを言ってはよくないですけれども、自宅で処理される日もあって、割と余裕あるなというのですけれども、このごろはそういうこともなくなり、過労死に近いという状況にも追いやられる裁判官の方もたくさんいらっしゃる。パンク寸前だという声もあるのですけれども、その辺について、まず最高裁の人の御所見を賜りたいと思います。
涌井紀夫
173
○涌井最高
裁判所
長官代理者 委員御
指摘
のとおり、
平成
三年ごろから民事の事件が非常にふえてまいりまして、特に、大都市部の民事事件担当の部署が非常に忙しくなっておりまして、裁判官によりましては、今御
指摘
ありましたような非常に多くの事件を抱えて非常に忙しい思いをしておるというところが出てきております。 私どもとしては、こういう事態に対処するために、人員の配置を見直しをしましたり、あるいは、毎年このところ着実な増員をお願いしておりますので、増員されました裁判官あるいは書記官をそういう忙しい部署に重点的に振り向けるというような施策をずっと講じてきておりまして、事態は一時に比べるとかなりよくなっているというふうに認識しております。 ただ、今後ともこういう繁忙な部署にはできるだけ人員面の手当てを行っていく必要があるだろうと考えているところでございます。
吉田治
174
○
吉田
(治)
分科員
司法修習生というのですか、司法試験の合格者は五百人から七百人、千人、今度千五百人まで持っていくという話です。 裁判官というのは定員規制があるということですけれども、国家財政の中で、これから
大蔵省
として裁判官の増員問題についてどういうふうにお考えですか。
細川興一
175
○細川政府委員
裁判所
の方の御事情を踏まえながら、
裁判所
から出ました要求についてしっかりと議論しながら検討してまいりたいと思います。
吉田治
176
○
吉田
(治)
分科員
最後
になりましたけれども、このごろ、行財政改革という中では一律削減という言葉がよく出てくる。これは、浜口雄幸
内閣
のときから、あのときの超緊縮予算のときも一律カットという形で随分進められたやに、財政史でそういうふうに書かれておりますけれども、私は、財政の問題を考えたときに、どこも切れないからみんなで切ろうという発想が一つだと思うのですね、これは縮小均衡の理論ですけれども。 大臣は、まさに運輸大臣のときに国鉄の民営化等々で大変御苦労なさったと聞いております。そうなってきますと、やはり行財政の改革の中で、私みたいな者が言うことではないかもしれませんけれども、こういうときを機会に、必要なところにはこれからの二十一世紀のことを考えて、例えば公共
事業
にしても、今言った政府の予算の中での定員の配分にしましても、どかんとする。そして、今や過去の遺物になったもの、どこの省の何とかそうしうことは申しません、そういうものはどんどん減らしていく。 公共
事業
も、単に公共
事業
全部一律カットではなくて、こういうところに非常に必要だと。空港が日本全国にあるのが本当にいいことかどうかわかりません、整備新幹線が全国にあるのがいいことかどうかわかりませんけれども、必要なものにはどかんとする、そういうふうな公共投資というものも必要。まさに二十一世紀をこれから考えると、めり張りという言葉がよく言われるのですけれども、そういうことが必要ではないかなと思う次第でございます。 もう時間になりましたので、これで終了させていただきます。ありがとうございます。
栗本慎一郎
177
○
栗本主査
これにて
吉田
治君の質疑は終了いたしました。 午後一時から本
分科会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ────◇───── 午後一時一分
開議
熊谷市雄
178
○
熊谷
(市)
主査
代理 休憩前に引き続き
会議
を開きます。 これより
総務庁
所管について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。武藤
総務庁長官
。
武藤嘉文
179
○武藤国務大臣
平成
六
年度
及び
平成
七
年度
総務庁
関係
歳出決算
の
概要
につきまして御
説明
を申し上げます。 まず、
平成
六
年度
における
総務庁
関係の
歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
平成
六
年度
の
歳出予算
現額は一兆七千三百五十八億九千八百八十九万円余でありまして、
支出済み歳出額
は一兆七千六億七千二百十六万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額に比較いたしますと、三百五十二億二千六百七十三万円余の差額を生じます。 この差額のうち、翌
年度
へ繰り越した額は三百四十四億八百三十四万円余であります。これは、恩給費でありまして、文官等恩給及び旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと並びに支給
事務
の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したことにより、
年度
内に
支出
を終わらなかったためであります。 また、不用となった額は八億一千八百三十九万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。 次に、
平成
七
年度
における
総務庁
関係の
歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
平成
七
年度
の
歳出予算
現額は一兆七千五百三十億三千六十五万円余でありまして、
支出済み歳出額
は一兆七千四十一億七千九百十一万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額に比較いたしますと、四百八十八億五千百五十三万円余の差額を生じます。 この差額のうち、翌
年度
へ繰り越した額は四百七十九億三千百九十九万円余であります。これは、恩給費でありまして、文官等恩給及び旧軍人遺族等恩給の請求が遅延したこと並びに支給
事務
の処理に当たっての調査確認に不測の日数を要したことにより、
年度
内に
支出
を終わらなかったためであります。 また、不用となった額は九億一千九百五十三万円余であります。これは、人件費を要することが少なかったこと等のためであります。 以上をもちまして
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願いをいたします。
熊谷市雄
180
○
熊谷
(市)
主査
代理 次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
181
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
総務庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
七
年度
総務庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
熊谷市雄
182
○
熊谷
(市)
主査
代理 以上をもちまして
総務庁
所管の
説明
は終わりました。 ─────────────
熊谷市雄
183
○
熊谷
(市)
主査
代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
栗本慎一郎
君。
栗本慎一郎
184
○栗本
分科員
御苦労さまでございます。 私は、
総務庁長官
が、現橋本
内閣
の行革担当大臣でもあらせられるということを含めまして、この間の、
総務庁
が主としてリードしてまいられました行政改革の実績及び今後の展望についてお聞き申し上げたいと思います。 まず、大臣にお聞きする前に、行政管理
局長
に、ポイントは公務員の定数あるいは総数でありますけれども、現状はどのようになっているのか、あるいは、おおむね流れの中でどういうふうな傾向があるのか、ちょっと実情を御報告願いたいと思います。
陶山晧
185
○陶山政府委員 まず、国家公務員の定員につきまして、一番新しい数字、
平成
九
年度
末の
年度
末定員で数字の御
説明
を申し上げます。 現業と非現業の合計で、
平成
九
年度
末定員は八十五万二千八百七十七でございます。なお、これ以外に自衛官、特別職、つまり大臣、委員等でございます。それから、国会、
裁判所
、
会計検査院
、人事院、以上を合わせますと、八十五万二千八百七十七にただいま申し上げましたような自衛官以下の数字を合計いたしますと、国家公務員総計では百十五万六千二百九十人という数字でございます。 なお、推移というお話がございましたが、総定員法施行直前の昭和四十二
年度
末定員に対比して申し上げますと、現業、非現業の合計では、マイナス四万六千四百五十六人、定員が
減少
しておるということでございます。国家公務員総計で申しますと、この間、同じ期間の対比では、二万二千八百二十人のマイナスというのが国家公務員の定員の推移でございます。
栗本慎一郎
186
○栗本
分科員
今のは国家公務員のお話でありますけれども、地方公務員についてはどうなっておられますか。
陶山晧
187
○陶山政府委員 地方公務員につきましては、一番新しい公式データは、
平成
八年四月一日現在の自治省による地方公務員定員管理実態調査の数字でございます。この数字を申し上げますと、三百二十七万四千四百八十一という数字でございまして、先ほど国家公務員で申し上げました四十二
年度
末という段階の公式数字では、四十二年四月一日現在の地方公務員定員管理実態調査の数字がございますが、その数字では二百三十二万三千四百九十八でございますから、この間、九十五万九百八十三という
増加
の数字になっております。
栗本慎一郎
188
○栗本
分科員
ここでもう少しお聞きしたがったのは、公務員の数というのは、いわゆる行政改革と一体どういう結びつきがあるのか。俗論といたしまして、公務員数は少ない方がいいんだということでございまして、私自身も、俗論ではなくて、選挙の公約で公務員数の削減を挙げて戦ってきたわけでございますが、しかし、どうも私の言っているような意味とは違う俗論で、少ない方がいいんだというふうな話がある。行政改革というものとこの公務員数、地方、国家、これは含めてぜひお願いしたいと思います。
総務庁
は国家公務員のことしか知らないんだからというお話があったならば、日本国の行革担当大臣でございますから、そこのところはぜひ外さないようにということでございますけれども、公務員の定数、総数と行政改革と一体どういうかかわりがあるのか、大臣にお答えを願いたいと思います。
武藤嘉文
189
○武藤国務大臣 今たまたま、国家公務員と地方公務員の両方の御質問に対して
局長
の方からお答えをしたわけでございますが、私ども、地方自治という立場から申しまして、強制的にはできませんので、大変その辺はつらしわけでございます。 もちろん、我々が今目指しておる行政改革というのは、国、地方ともあわせて行政改革をやっていかなければならないわけでございますし、私どもが常々お願いをいたしておりますのは、行政改革の一つの方向はスリム、いわゆる簡素にして効率のよい行政機構をつくっていこうということでございます。もちろんいろいろそのほかにありますけれども、とりあえず今の公務員の数という点からいけば、私どもは国家がどういうことをしていかなければならないのか、また
国民
に対してどういう御要請に応じてサービスをしていかなければならないのか、それをしっかりとっかみながら、その仕事を遂行していく上において人が必要だということであるわけでございますが、当然それも、できるだけ合理的な考え方に基づき、できるだけむだのないように、こういう形で仕事も減らしていかなければならないし、当然人も減らしていくというのが、そういう人の問題からの行政改革だろうと私は思っております。
栗本慎一郎
190
○栗本
分科員
そこで、もう一度役所の方にちょっとお伺いしたいのです。 先ほどの数字を言われてもぴんとこない。わかりますのは地方公務員はふえているのだな、それも約百万人である。これはふえ方としては相当な数であります。国家公務員の方は総定員法実施以来減ってきているのだな、横ばいに近いけれども減ってきているのだな。これはわかりますね。しかし、今の大臣のお話とあわせましても、一体どの程度減るのがいいのか。あるいは部署によってはふえるのがいいのかといったこともあるのじゃないかと思うのです。 その国際比較というふうな点でわかりやすく
説明
していただきたいのですが、今、日本の公務員数というのは一体どういうような位置にあるのだ。比較だけが問題ではありませんが、まずその辺のところをお答えいただきたいと思います。
陶山晧
191
○陶山政府委員 人口千人当たりの公務員数の国際比較というデータを、私ども例年外務省の協力を得まして調査をいたしております。この結果によりますと、結論を先に申し上げて恐縮でございますが、先進諸国に比べまして、地方公務員、特殊法人を含めたいわゆる行政部門の職員数の人口比の数字は極めて低い数字になっているという結果が出ております。 ちなみに、以下申し上げる数字は国家公務員と地方公務員及び政府企業職員を含むというカテゴリーで押さえた数字でございますけれども、イギリスについては、防衛部門、行政職員を含めて、人口千人当たり八十三、フランスについては同じく百四、アメリカについては八十、ドイツにつきましては約七十という数字でございますけれども、日本は人口千人当たり、防衛部門を含めて四十人という数字に相なっております。
栗本慎一郎
192
○栗本
分科員
それでもまだよくわかりませんのは、例えば防衛に関しては、日本は人口千人当たりの数が少ないわけですね。ということは、他国は当たり前ですけれども多いということになります。それを除きました数字でいったら、今大体傾向は変わらないのかどうか。 それと、今先進諸国、特に欧米をお話しになられたけれども、近隣の韓国とかあるいは北朝鮮とか、そういったところについての数字の比較はできませんか。
陶山晧
193
○陶山政府委員 防衛部門といわゆる行政職員とは区分をして数字を出しておるわけでございますが、先ほど御
説明
した数字は
平成
七
年度
の調査の一番新しい数字でございますけれども、行政部門だけをとりましても、日本が三十七に対してイギリスが七十七、フランスは九十三、アメリカは七十一、ドイツが六十一という数字で、いずれも日本が先進諸国の中では一番低い数字になっております。 なお、アジア諸国等というお話でございますが、私ども、ただいま申し上げましたようないわゆる先進各国については例年フォローアップをしながら数字を押さえておりますけれども、アジア諸国を含むその他の国については必ずしも詳細なデータを持っておるわけではございません。今後必要に応じ、その他の諸国の同じような状況についても把握をすべく努力をいたしたいと考えております。
栗本慎一郎
194
○栗本
分科員
今、大臣の御答弁でもどのくらいかという話はありませんでしたが、とにかくこれは減らしていくのだ。ということは、現状では多過ぎるというニュアンスにもなります。 それに関連して、今諸外国と比較して少ないという話があった。それは当然、
局長
は必要に応じてと、必要ですよ、そんなもの。韓国がどうなっているのだ。北朝鮮がどうなっているのだ。既に、私が質問しなくたってそんなこと必要であって、そこにも何とか白書に類するものが出ているので、何も外務省を通じなければ入手できないというふうなものでもないでしょうし、外務省にも電話一本で多分来るようなもので、そんな大げさな、外務省との共同作業によってなんてものじゃないと思うのですね。それはちょっと怠慢じゃありませんか。もうちょっと、現在なければ、ないものを出せとは言いませんが、すぐに主要近隣諸国、国連加盟百八十何カ国と言いませんが、でもあってもいいですよね。そのくらいのものを出していただきたいというふうにお願いいたします。 それで、それも含めて、要するに人口千人比では少ないのですよね、大臣。それもかなり少ない。例えばアメリカの半分。アメリカが千人に八十人、日本が千人に四十人。アメリカはいわゆる軍人、我が国でいいます防衛関係要員が人口比で日本の三倍おりますから、純粋に二倍になりませんが、しかし比率で二倍になっている。 これは、実際にアメリカに住んだときの感覚でいっても、ガバメントと呼ばれるもの、こちらの方では区役所、市役所、それから何とか役場という言い方をしますけれども、ガバメントというのはどうも感じとして我が国政府だけに使う。地方政府というだけでもちょっと、例えば東京都は政府なのかなというふうな一般の印象があるかと思いますけれども、向こうでガバメントというものは八万もある。ということで、行政職員が多いのですよ。それは必要とされているというふうに人々によって意識されている。 ただし、行き過ぎまして、もうちょっと減らそうじゃないかという議論はもう八〇年前後から出てきている。でも、少なくとも日本の二倍。これでなおかつ減らすという話には、私は減らせと言ってきた上で申し上げているのですけれども、よほど確固たる理屈がなければ、ただただ役人がむだにいるじゃないかという話になってしまう。そういう議論が出ていると思う。 また、行革というのは、政府が肥大化したからだ。これは人員よりも財政だと私は思うのですね。人員は数えたら少ないのですから。肥大しているから減らすのだ。確かに減らせばそのまま人件費は、ただただ生首を切れば減るのかもしれませんけれども、どうもこの辺が俗論に過ぎるのじゃないか。この俗論でいけば、結局真の行政改革はできないのじゃないかというようなことでお聞きしているわけです。 途中で繰り返しますけれども、
局長
、韓国が何とかぐらいすぐここでそらで答えられるようじゃなければ
局長
なんかしていてもだめですよ。いいですね。すぐにお調べ賜りたいと思います。 改めてお伺いいたします。 大臣も国
会議
員であり、私も国
会議
員でございますが、今の数字というのは実は国
会議
員の数にも当てはまるのですね。英独仏、いわゆるヨーロッパ先進国というところでは、イギリスの場合は約八万人に対して一人の下院議員、我々の衆議院議員に当たるものを選出しております。こちらが二十五万人に一人です。つまり、イギリス、ドイツ、フランスの方は多いわけです。私どもは少ない。それでも、五百十一人から五百人になるし、なおかつ、新聞を読みますと、多い。私ははっきり俗論だと言っていますが、これはまた別の意味で定数削減を主張している。 というのは、こうした議論を整理するためにも、むしろそれを率先して血を流すのが国
会議
員だという話はおかししと思っている、少な過ぎて。だから、
決算
も
分科会
にしなければならないというぐらいになっている。本当にそう思うのですね。という中で、しかし、これをもうちょっとふやした方がいいとはとても言える状況ではないから、政治的な判断としてこれは減らしていこうということを主張しているのだということであります。哲学といたしましては、必要なところには必要な国家公務員が、地方公務員がということだと思うのですね。 改めまして、それでもなおかつ減らさなければならない、それが行革の一つの柱だとお考えの大臣の中心的な哲学をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
武藤嘉文
195
○武藤国務大臣 私は、率直に言って、日本の今の数の中に、日本には特殊法人というのがあります。こういう数も当然、外国と比較するときには、国によっては日本の特殊法人的なものが公務員のままでやっている、例えばイギリスなんかそうだろうと私は思うのですけれども、そういうことをやはり一つは考えていかなきゃいけないのじゃないか。 それから、もう一つの考え方からいけば、日本の場合には、民間で、世界の企業と日本の企業で、どれだけ生産の
合理化
が進んでいるか、こういう観点も見るべきではないかなと。私は、必ずしも正確ではありませんけれども、ざっと考えると、日本の経済がどうして強くなったかといえば、やはり一人当たりの仕事量が非常にふえたということではないか。要は、企業が
合理化
した。その辺で日本は比較をしていかないと、
国民
から見ると、民間がリストラをやっているのに行政の方はなかなかリストラをやっていないじゃないかという感覚になってくるのじゃないか。 だから、今栗本さんは国際比較からお話がありました。それも一つの判断材料だとは私は思いますけれども、もう少し日本の民間の仕事、そして役所の仕事、特に先ほども、具体的な数字からあらわれておりますように、私は率直に言って、霞が関かいわいはリストラが相当進んでいるのじゃないかなと、今定削をやっていますから。地方へ行くと、中央政府の地方の出先機関も必ずしもリストラがどこまで進んでいるか疑問だと私は思うし、あるいはまた、先ほどの、地方の公務員というのが約百万人近くもふえてしまった、これはやはり問題があるのじゃないか。もちろん、いろいろの仕事を地方にお願いするものもありますけれども、そのお願いした仕事量に対して、少し人間の数が多過ぎるのじゃないかと私は思っております。 ですから、行政改革は、先ほど申し上げましたように、地方自治という建前からいくと我々はつらいのですけれども、本当に、国家公務員以上に地方公務員をもっと減らしていただいて、そしてまた、今ちょうど市町村合併とかいろいろな話が出てきていますけれども、やはり地方の行政というものの機構は思い切って
合理化
していかなきゃいけないのではないかというふうに私は思っております。 哲学としては、ですから、決して今ので十分ではなくて、そういういろいろな角度から検討していけばまだまだスリムになる可能性はある、こういうふうに私は思っております。
栗本慎一郎
196
○栗本
分科員
よくわかりました。 そこで、今度は、公務員数ではなく、官庁の分離と統合という問題についてお伺いしたいのですけれども、その前に、行革担当大臣でいらっしゃいますけれども、国家公務員に関してはかなりいろいろなことを直接言える立場でもあるし、
指摘
もできる立場である。そこで、沖縄開発庁の問題とかへいろいろ伺っております。ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っているところであります。 地方公務員の今の話、これは管轄でいうと自治大臣ということになりますね。同じ
内閣
の閣僚でありますので、自治大臣が、地方の旧弊に立脚いたしまして、これは要るんだと、昭和四十二年の段階で二百二十何万人ですから、半分ではありませんけれども、四〇%もふえているのですが、これはおかしいのじゃないかというふうなことを自治大臣にも言えるような、そういうあれがなくちゃいけないと思うのですが、そこはやはり
内閣
の中で、
総務庁長官
と自治大臣は別だからということになってしまうのでしょうか。もしなっているならばこれは総理の問題だと思うのですけれども、その辺について、垣根を越えてやっていける、やっていこうという、自治大臣が何だというお話でもいいのですけれども、ちょっとお答えを賜りたいと思います。
武藤嘉文
197
○武藤国務大臣 やはり非常に難しいのは、地方自治という建前からいきますと、たとえ自治大臣といえども、地方にこうしなさいというふうに決定づけることが果たしてどこまでできるのか。自治省というものは、各地方自治体を管理して、管理というか、見ているわけですけれども、例えば、地方で条例をつくるとかいうような形で、これは地方独自でやれるわけですね。だから、自治大臣といえどもそれは阻止できないという点、地方自治というものが、こういう問題になってくると一つのネックになる点があるのじゃなかろうか。 もちろん、地方の自治体のそれぞれ長が、あるいは地方住民が、思い切ってリストラをやろうということになればいいのでございますけれども、どうも今
国民
の声は、リストラをやれ、こういう声なんですが、果たしてそれは、中央の政府に対して言っておられるのか、地方に対しても言っておられるのかというところが、現実に
国民
の声自身がはっきりしていない。 私は、もっとこういう実態を
国民
の皆さんが知っていただいて、それぞれの皆さんが地方で、例えば、市役所とか県庁へ行くと、どうも人が多過ぎるのではないか、こういう印象はあるだろうと思うのです。そういうところをもっと地方の方から、地方自治体についても思い切ったリストラをやるべきだという声が出てくることが私は大変ありがたいのであって、
内閣
の中で、私は自治大臣に御協力は幾らでもお願いをいたしますけれども、自治大臣といえども強制はなかなか難しい。では、総理が全体を把握しているからといっても、これもまた今の
内閣
法なり憲法の解釈からいけば、どこまで、地方自治体の末端まで総理大臣が、それでは思い切ってこうやれというところまでできるかというと、なかなか問題が、やはり地方自治という一つの壁があって難しいのではないかな、今の憲法上の解釈からいくと、その辺はなかなか壁があるのじゃないかというのが、私が率直に感じていることであります。
栗本慎一郎
198
○栗本
分科員
ということになりますと、もしも公務員数を削減することが行革の一つの柱である、主要な柱であるということになれば、そのまた中身は、国家公務員よりも地方公務員ということになっていくだろう。その地方公務員に関しまして、なかなか
内閣
といえども、
総務庁長官
といえども、あるいは自治大臣といえどもできないということになれば、できなくなってしまうのですね。行革を柱に掲げた
内閣
であれば、それならば、それをどうするんだということをぜひとも打ち出していただきたいと思うわけであります。 一つの例といたしましては、私は大学で大学教授をやっておりましたが、大学の自治ということを地方自治と同じような意味で使われているのか、自治という言葉がよくあります。国立大学をとりましても、例えば東大の法学部は何人の教授、ちょっと今正確に何人だか忘れましたけれども、これをうちの都合だから五人ふやそう、一割ふやそう、これはできないのですね。それなりのルールがあって、これは文部省がお金をやっているから、いや、
国民
が税金を出しているわけですけれども、これは、おまえのところはいいから出す、だめだから出さないよというふうな話になる部分が非常に少なくて、基本的には決まった格好でいってまいります。つまり、うちはもうちょっと教授がたくさんいた方がいいから百人にしようということはできない。 だけれども、今、日本の地方政府はいわばできるわけですね。それを提案した地方政府の
内閣
であるところの市長、市議会、大統領と
内閣
であるところの市長、市議会がリコールをされたりしない限りはできる。これはやはりおかしいのではないか。地方交付税交付金というのは、これはもう大変な
金額
が行っているわけであります。将来の見通しでも結構でございますが、私は、このままの格好にしておいて、なおかつ、公務員数を減らすのが行革の柱なんだなんと言うのはおかしいと思いますので、ひとつ御見解を賜りたいと思います。
武藤嘉文
199
○武藤国務大臣 例えば、今私ども、一つの考え方として、地方分権を進めてまいりましても、当然、今のような市町村の現状では、それを受け入れるだけの体制ができ上がっていないと私は思うのですね。ですから、我々が今言っているのは、市町村をできるだけ合併していただいて、少なくとも人口十万とか人口二十万とか、あるいは人口三十万という方もいらっしゃいますが、少なくともそういう二けた台の人口ぐらいの形のものにしていって、そしてそれに対応した仕事をしていける機構をつくっていくというふうにしないと、地方分権が、受け入れようとしても、実際にはなかなか難しいのではないかと思っています。 それと、例えば、今法律でこれをやるかどうかという議論があるわけです。要は、市町村合併法というのをつくって、そして、一つの地方自治体の受け入れ体制は人口十万以上でなければだめですよと。それで、人口十万ならば大体仕事はこのくらいだから、その定員はこのぐらいでなければだめですよというふうな法律まで果たしてつくれるのかどうか、これがやはり非常に問題ではないか。憲法上許されれば、そういう法律をつくってしまえば、本当はこれが一番簡単だろうと思うのです。地方自治体の単位は最低十万以上でなきゃいけない、そうするとその仕事量は大体これぐらいだから、その定員はこれぐらいでなきゃいかぬというような形の法律ができれば、私は、おっしゃるようなことは解決すると思うのです。 ただ、法律をつくる上において憲法上のいろいろな、法制局と相談していくと、果たしてそれができるのかどうかというのは、私はやりたいのですけれども、なかなかそこまでいけるかどうかというのはこれからの問題だと思っております。
栗本慎一郎
200
○栗本
分科員
将来の憲法改正の時期にこのことも含めて私も御協力し、ぜひとも直していきたいと思っているところでございますが、実は、そうしたことがその前にもできないのは、私は、行革イコール公務員数削減という話がかなりの俗説から論じられているからだと思うのですね。 踏み入ってみますと、そういうことを言っている人たちも、国家公務員と地方公務員との区別、その傾向というものを十分考えていない、それから地方自治というのは一体何なんだということを考えていない。昨今の大きな問題になっております公共
事業
であるとか補助金の問題も、ある面でいうとこちらなんです。お金の問題よりも、地方自治というのは、どこまでが地方の財政、
財源
であり、どこまでが国が補助すべきものなのかということの議論が分明にされない。むだだからやめろという話とこれは全然違う話なんですね。ですから、なかなか政治家が理解しても先に行けないのはここにポイントがあるのだろうと思っているわけであります。 時間がございませんので、分離と統合の話をしたのでそこに移るのですけれども、これは
決算委員会
でありますからこれからのことは余り言えないとして、一つの例として申し上げますが、金融監督庁というのが今問題として出されてきている。これは、これまで
大蔵省
の中にありました金融行政で企画立案と監督、
検査
というもの、これは三つある、あるいは最初の一つ、後ろの二つが一緒で二つある、こう考えられていたのが一つになったわけですね。効率からいったらこの方がいいわけです。ところが、これに対して批判が集中して分けなければならなくなったのは、平たい言葉で言うと、お行儀が悪かった、力があるのをむだに使って、最終的に税金も投入しなきゃいけないという事態を招いたから、それに対する批判がある。 当時、今から約一年前だと思います、そのときにこういう案が、最初、金融
検査
監督庁というふうな名前であったかと思いますけれども、いずれにしても、現在の金監庁法案が出るベースのときに、全世界の
大蔵省
に当たるところには全部これが一つで入っているんだ、この方が効率的なんだ、だからこれを分断すると行革に逆行する、こういう議論がありました。自民党の財政部会でも大体、これは行革に逆行するという意見でありました。私は、もしも官庁が少ない方がいい、公務員数が少ない方がいいといえば逆行しますね、でも賛成ですと言った覚えがある。その合意は、行革というものが単に人数を減らすだけじゃなく、歴史的段階、段階がある、今、日本のやらなきゃいけないことは、行政の恣意的な発動、これが結果として大きなマイナスや負担を招くから、またそれに対する
国民
の批判なり疑念なりがあるから、それをすっきりさせていくことがまず行革の第一歩だ、だから企画立案と監督は分けた方がいい、こういうことで言ったわけです。しかし、数はふえますと。 ところで、これは余談でありますけれども、そのとき
説明
に回られまして、我々は
大蔵省
がそう言っているからそうかなと思って、私も学者でありますが、比較財政論とかそういうものをやっておりませんでしたから特に調べなかったけれども、全世界で全部
大蔵省
の内部にありますというのはうそだったのですね、内部にはないですよ。関連したところ、外局が持っているとか、イギリスのようにイングランド銀行がやっているとか、日本のように
大蔵省
の内部にすぱんとあるのは日本だけだ。だから、ある意味で世界に冠たる最先端的な効率的な金融行政の形であったわけで、それがうまくいっていれば世界に冠たる金融行政及び日本の金融システムができていたのが、そうじゃないから、結果、非効率だったからこういう問題になってきた。ということの中でいいますと、この統合にもだから疑問があるという話になります。統合していけばいいんだ、ある程度似たようなものが二つ、三つあることは、うまく使えば相互チェック機能等々がある。 そういうことで、もう時間がなくなりましたので、哲学をお伺いすることになりますけれども、統合だけじゃなく分離を考えなければいけないという場面が今の日本には結構あるのじゃないか。規制緩和といっても、これは規制緩和は別ですけれども、ハーバード大学のスティーブン・ボーゲル準教授が、規制を緩和したら自由競争になる、自由競争を監督する規制が必要だけれども、日本にはそれがない、こう言っておりますけれども、そういうような点で、分離の論理といいますか、あるいは統合の価値というか、その辺について哲学をお伺いしたいと思います。
武藤嘉文
201
○武藤国務大臣 今お話の中にございました規制緩和、これもどれだけ人が減るかは別として、私は、これは分離の一つの原理だろうと思います。要は、役所でやる必要はないのじゃないかという形で分離していこう、この部分は役所、これはもう必要ないと。同じように私は、仕事に対しましても、今、官民の仕事分担をどうするかということをいろいろ議論していただいておりますが、役所でやらなければならない仕事なのか、これはもう民間へ回していい仕事なのか、やはりそれも分離の原理だろうと思います。 そういうことをやっていく上において、もう一つ、今度は統合の原理というのは、私は、必ずしも今の役所をそのままにしてこっちとこっちをくっつけるなんということはおかしいと思っています。やはりこれからは統合とか分離ではなくて、新しい二十一世紀において日本の国が国家としてどういうことをやっていかなければいけないのか、あるいは
国民
のためにはこういう行政サービスだけは国がやらなければならない、そういう仕事を考えて、その仕事をするためにはどういう機構をつくったらいいのか、そして、その機構をつくってそれを実行するためにどれだけの人が要るのか、私は、こういう手法でこの行政改革というものをつくり上げていかなければならないと思っております。 その中で一つだけ、これは哲学というわけではございませんが、現実の姿として、縦割りというものが非常に批判を受けてきている。だから、やはり同じような仕事は統合の原理で一緒の役所にしてしまった方がいいのではないか。同じような例えば経済問題をやっている。通産省は通産省でやっている。郵政省は郵政省で情報通信をやっている。私は、こんなようなものは一つでいいのじゃないかと。あるいは
社会資本
の充実をするためには、運輸省で港をつくったり飛行場をつくったりしている、建設省では道路をつくったり河川改修したりしている、あるいは農水省へいったら構造
改善
で土地基盤整備をやっている、これは一つの役所でいいのじゃないか。こういう考え方に立って、多少統合の原理というのはそこに働いてくるのではないかなと。 共通した同じような仕事のものは統合して一つの役所をつくり上げていくというのがいいのじゃないか、こんな考え方で行政改革の機構というものはつくり上げていきたいと思っております。
栗本慎一郎
202
○栗本
分科員
ありがとうございました。質問を終わります。
熊谷市雄
203
○
熊谷
(市)
主査
代理 これにて
栗本慎一郎
君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
総務庁
所管の質疑は終了いたしました。 〔
熊谷
(市)
主査
代理退席、
主査
着席〕 ─────────────
栗本慎一郎
204
○
栗本主査
これより
総理府
本府所管について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。梶山官房長官。
梶山静六
205
○梶山国務大臣
平成
六
年度
における
総理府
所管の
一般会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
総理府
主管の歳入につきまして、
歳入予算額
は四百四十九億七千五百三十万円余でありまして、これを
収納済み歳入額
四百九十二億一千三百三十四万円余に比較いたしますと、四十二億三千八百四万円余の
増加
となっております。 次に、
総理府
所管の歳出につきまして、
歳出予算
現額は八兆六千五百十億六千八百八十万円余でありまして、
支出済み歳出額
は八兆五千百五億八千八十七万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額に比較いたしますと、一千四百四億八千七百九十三万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌
年度繰越額
は一千百八十九億二千三百七十八万円余であり、
不用額
は二百十五億六千四百十五万円余であります。
総理府
所管の
歳出決算
のうち、警察庁、
総務庁
、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、
環境庁
、沖縄開発庁及び国土庁については、各担当大臣から御
説明
申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、
総理府
本府、公正取引
委員会
、公害等調整
委員会
及び宮内庁関係について申し上げますと、
歳出予算
現額は五百七十四億九千五百九万円余でありまして、これを
支出済み歳出額
五百三十四億六千七十九万円余に比較いたしますと、四十億三千四百三十万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌
年度繰越額
は三十一億六千八百六十五万円余であり、
不用額
は八億六千五百六十四万円余でありますが、これは契約価格が予定を下回ったこと等により施設整備費を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 引き続き、
平成
七
年度
における
総理府
所管の
一般会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
総理府
主管の歳入につきまして、
歳入予算額
は三百九十六億六千三十一万円余でありまして、これを
収納済み歳入額
四百三十七億二千五百四十七万円余に比較いたしますと、四十億六千五百十五万円余の
増加
となっております。 次に、
総理府
所管の歳出につきまして、
歳出予算
現額は九兆六百七十二億六千二百二十六万円余でありまして、
支出済み歳出額
は八兆八千七百五十四億六千四十一万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額に比較いたしますと、千九百十八億百八十四万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌
年度繰越額
は千五百八十四億六千四百五十万円余であり、
不用額
は三百三十三億三千七百三十四万円余であります。
総理府
所管の
歳出決算
のうち、警察庁、
総務庁
、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、
環境庁
、沖縄開発庁及び国土庁については、各担当大臣から御
説明
申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、
総理府
本府、公正取引
委員会
、公害等調整
委員会
及び宮内庁関係について申し上げますと、
歳出予算
現額は五百八十八億千九百五十三万円余でありまして、これを
支出済み歳出額
五百四十二億五千六百三万円余に比較いたしますと、四十五億六千三百四十九万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌
年度繰越額
は二十四億五千百四十一万円余であり、
不用額
は二十一億千二百七万円余でありますが、これは敷地造成計画の変更により施設整備費を要することが少なかったこと等のため、不用となったものであります。 以上をもちまして
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願いいたします。
栗本慎一郎
206
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
207
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
総理府
の
決算
のうち、歳入並びに総理本府、公正取引
委員会
、公害等調整
委員会
及び宮内庁関係の歳出につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
七
年度
総理府
の
決算
のうち、歳入並びに総理本府、公正取引
委員会
、公害等調整
委員会
及び宮内庁関係の歳出につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
栗本慎一郎
208
○
栗本主査
以上をもちまして
総理府
本府所管の
説明
は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、
総理府
本府所管については終了いたしました。 ─────────────
栗本慎一郎
209
○
栗本主査
これより
内閣
所管について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。梶山官房長官。
梶山静六
210
○梶山国務大臣
平成
六
年度
における
内閣
所管の
一般会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
内閣
主管の歳入につきまして、
歳入予算額
は六千二百四十万円余でありまして、これを
収納済み歳入額
五千七百九万円余に比較いたしますと、五百三十万円余の
減少
となっております。 次に、
内閣
所管の歳出につきまして、
歳出予算
現額は百五十五億八千九百十三万円余でありまして、これを
支出済み歳出額
百五十億七千八十八万円余に比較いたしますと、五億一千八百二十四万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 引き続き、
平成
七
年度
における
内閣
所管の
一般会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
内閣
主管の歳入につきまして、
歳入予算額
は四千五百四十四万円余でありまして、これを
収納済み歳入額
四千三百五十四万円余に比較いたしますと、百八十九万円余の
減少
となっております。 次に、
内閣
所管の歳出につきまして、
歳出予算
現額は百六十七億九千八百七十一万円余でありまして、これを
支出済み歳出額
百六十五億千六百五十九万円余に比較いたしますと、二億八千二百十二万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして
決算
の
概要説明
を終わります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願いいたします。
栗本慎一郎
211
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
212
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
内閣
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
平成
七
年度
内閣
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
栗本慎一郎
213
○
栗本主査
以上をもちまして
内閣
所管の
説明
は終わりました。 ─────────────
栗本慎一郎
214
○
栗本主査
これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
辻一彦
君。
辻一彦
215
○辻(一)
分科員
私、きょうは官房長官に、主として重油流出に伴う危機管理として油回収船の配置問題と、それから原子力防災の二点について少しお伺いしたいと思います。 まず第一に、ようやく政府当局も、各関係部局非常に努力をいただいて、越前海岸の、三国海岸における重油問題は大体終息という状況になって、現地も災害対策本部を一応解いたわけでありまして、大変努力をいただいたことに敬意を表したいと思います。また、海上保安庁も、三十一名の人命救助という非常な努力をしてもらい、いろいろと努力をいただいたボランティアを含めて、この機会に敬意を表したいと思います。 ただ、あれを振り返ってみますと、初動の時期においてやはりいろいろと問題を残しておると思います。大体重油は流出してから二日間が勝負と言われておるのでありますが、この二日間に、第一は、初期において油の回収が、荒天の関係がありましてできなかったということ、第二は、島根の沖から三国まで七日間かかって船首部が三千トンの重油を詰めて漂流している、これを押し返すということがとうとうできずに海岸まで来てしまったということ。もう一つは、船首部が三国海岸に漂着してから後、海が割とないだ静かなときがあったのでありますが、なかなか初期の対策、方針等が調査等も含めて確定せずにおくれたということ。こういう点で、初動の点においていろいろと、十分な努力はしてもらいましたが、問題を残し、今後の大きな教訓を導き出すべきであると思いますが、政府でどういう教訓を学び取っていらっしゃるか、それを冒頭にちょっとお尋ねしたい。
梶山静六
216
○梶山国務大臣 大変長きにわたりまして関係者各位に大変な御尽力をちょうだいいたしましたことに対して、改めて謝意を表する次第であります。 今委員御
指摘
のように、ナホトカ号事故の教訓としては、外洋における油流出事故においては、時間の経過とともに油は拡散をし、被害が広域化するとともに、油が高粘度化し回収が困難となることから、排出油を迅速かつ的確に回収することが大切であるということであります。 従前、どちらかというと外洋、特に日本海に対する対応準備あるいは対応能力、そして対応すべき機材、どの分野を見ましても、残念ながら不十分のきわみであったという反省をいたさなければなりません。このような事故が再び起きないように、今回の教訓を踏まえて早急に即応態勢の確立を図る必要があるというために、関係省庁で構成するプロジェクトチームにおいてあらゆる角度から現在の防除体制等について検討を行っているところであり、これらの検討結果を踏まえて適切に対応しなければならない、このように考えております。
辻一彦
217
○辻(一)
分科員
大事なポイントは、今御答弁がありましたが、あえて敷衍しますが、私は、一番大事な問題は、当初申し上げたように、やはり重油は二日間が勝負、初期に薬剤を散布して、そして中和をして拡散するとか、あるいは油を早く回収してしまう。時間がたてば表面に厚い膜を張って薬剤も効かないし、それからポンプにも詰まってしまってとてもポンプが動かない、こういう問題があるので、いかに早く処理するかが非常に大事だと思うのです。 油回収船は名古屋に配置をされておって、若狭湾の沖合に来るまでに四日間を要している。土日が勝負というのに、四日かかって来たのでは、もう既に大事な時期を逸しているということにまず第一になるのです。 それから、清龍丸という外洋向けに一応役に立つと言われてつくられたのは、波の高さ二メーター以下であって、二メーターを超える波の中ではほとんど役に立たない。非常に効果がない。それは、大体清龍丸は、見ると、喫水線に穴をあけて、油と水を取り込んで分離をするのですから、四メーターも五メーターも六メーターもこうやって船が上下をすれば、ほとんど働かないということになります。そういう意味で、波の高い荒天の日本海にも対応できるような能力を持っていなかったということが大変大きな問題だと思いますね。 そこで、七年前にリベリアの船が京都府の経ケ岬で座礁して、そして一千キロリッターの重油が流れて、量はそれほど多くなかったのですが、同様な事故が起こった。そのときに、実は近畿ブロック
会議
の知事さん、福井や北陸、近畿の知事さんが知事
会議
を開いて、そして日本海にぜひ油回収船を配備してほしいということを決議して政府に申し入れた。私も、七年前に農水
委員会
あるいは災害
委員会
で、二回国会でこの問題を取り上げた。 海上保安庁は、十分検討して配備をこれから考えていきたいと答えておったのですが、あれから七年間、今長官答弁のとおり、残念ながらマニュアルを見ても、これは静穏な、静かな海、それから港の中で対応できるようなマニュアルではあったけれども、波の非常に高いところにどうするかというマニュアルにはなっていない。対応がない。それは、もともと船がそういうような対応ができない。四メーター、五メーター、日本海の冬は五メーターくらいがもう普通ですから、それに対応できないからマニュアルもできなかったと思うのですが、しかし、結果としては七年間対応できずに時間がたっておったということになると思います。 翻って、これから起こる可能性は非常に高い。古いロシアの船があそこを行ったり来たりしょっちゅうしているわけですから、これからも重油事故は多分に起こる可能性が強い。そうなれば、日本海に重点的に油回収船を配備する、しかもそれは四メーター、五メーターの波にも耐えるような新鋭船を建造して配備する。 日本の造船技術界でも、私は造船界の皆さんとも海事振興連盟で懇談をしたことがありますが、日本の造船技術をもってすれば五メーター、六メーターの中での回収船をつくることは可能だということを言っており、また既に一部には設計も検討しているということも聞いたのであります。 この時期にこのような、近畿圏、北陸、そして今回は一府七県の知事の連名でも同様の要請がされておりますが、高性能の油回収船を建造して日本海に配備すべきと思いますが、これは危機管理という観点からもひとつ長官のお考えを伺いたい。
梶山静六
218
○梶山国務大臣 冒頭に反省を込めて申し上げましたけれども、確かに、外洋の油汚濁、なかんずく日本海、しかも荒天時というものを想定しての実際的な対応というものに対する研さんが足りなかったことは率直に認めざるを得ません。 しかし、今の外洋における油の処理船というか回収船、これは世界各国を見ましても、二メートル以上の波に対応する、そういう採取船を現実に持っているところはございません。そういうことを考えますと、この日本海の荒天ということを考慮に入れると、果たしてどういうものがいいのか。まず船でやるべきなのか、あるいは先ほど委員が言われたような中和剤その他のものが果たして有効なのかどうなのか、あるいは揮発させる方法があるのかどうなのか、あるいはトロール漁法よろしく両方に網を張って、若干固まったものならばそうやってとった方がよかったのではないかという、今になってのいろいろな反省もあるわけであります。 ただ、この一点で考えますと、今から、例えば相当な波高があってもやれる処理船というもの、多分に私は能力が落ちると思うんですが、そういうものをつくる時間的な余裕がないというか、絶えず災難はあるわけでありますから、それ以外の方法をもって今々応急的な対策ができるのかどうなのか。それから、現実にそういう荒天時における油の採取が可能な艦船を建造する技術があるのかどうなのか。それから、それは採算的に、災難ですから採算を考える必要はないといえばそれきりなんですが、幾らも回収ができなくてまた母港に、繰り返し繰り返しやらなければだめだというのならば、何か別な科学的な処理方法等がないのかどうなのか。それから、もう一つには、日本海で特にロシアに老朽船が多いという現実があります。いろいろな外交上というか、危機管理、そういうものを諸外国と打ち合わせをいたしながらこの油の流出の除去対策をやってまいらなければならないという気がいたします。 いずれにしても、人命に影響はなかったものの、しかし、ボランティア活動を行われた方々がお亡くなりになったということもこれありますが、なるたけそういう災害を早く防ぐにはどうするかということに、もうちょっと技術的な知見あるいはその組織的なもの、あるいは外交的なルートを通じて老朽船の航行をどうやって、特に波の荒い地域で運航させないかどうか、こういうものに交渉を行いながら、一日も早くその対応の
措置
をまとめてまいりたい、このように思います。
辻一彦
219
○辻(一)
分科員
二月二十一日に本院の運輸
委員会
でこの問題について集中
審議
をやりました。あのときは三十人ぐらいの方が、一月三十日だったと思いますが、衆議院各
委員会
合同で調査団を派遣して、その結果に基づいて一日集中
審議
をやった。そのときに、運輸大臣あるいはその担当政策
局長
の方は、運輸省では夏の概算要求までに何としても検討を重ねて方向を出したい、こういうように言っておったのでありますが、私は、これは
内閣
は一体であるし、また官房長官は油対策の関係閣僚
会議
の中心でもありましたから、このような運輸省の検討というものは今どういうふうになっているのか、それをちょっと伺いたい。
梶山静六
220
○梶山国務大臣 先ほど申しましたように、再び起こさないための教訓を踏まえて即応態勢をということを図ることは何よりも大切だということで、関係省庁で構成するプロジェクトチームにおいて、あらゆる角度から現行の防除体制についての検討、再編を考えている。これは具体的には六月末にこの検討結果を公表するというか、出し合って、そしてその対策。ですから、それは当然概算要求時期に間に合うようにということは、六月末ということにも相なっているわけでありますので、その結果を踏まえて検討してまいりたいと思います。
辻一彦
221
○辻(一)
分科員
六月末ということは伺いましたが、今の油回収船をどうするかという結論もそのときに出すことになっていますか、いかがですか。
梶山静六
222
○梶山国務大臣 残念ながら、私はその技術的な知見がございませんので、そういう船が本当にできるのかどうなのか、そして、できるとすれば、どのぐらいの費用で、どういう能力を持って、それよりはこっちの方がいいではないかという比較検討論まで私は残念ながら承知をいたしておりませんので、政府委員の方から答弁を願います。
大森寿明
223
○大森(寿)政府委員 お答え申し上げます。 今官房長官が申し上げましたように、六月末を目途に鋭憲政府部内で検討をいたしておるところでございます。 それで、油回収船の問題だけではないわけでございますけれども、油回収船を含め資機材の配備について、今御
指摘
のように、非常に皆さん方の関心を呼んでおりますので検討しているところでございます。具体的に、日本海の荒波に対処できる船あるいは資機材をどのように配備できればいいのかということについては、先ほど官房長官からお答えがありましたように、関係省庁でつくっておりますプロジェクトチームのほかに、運輸大臣の諮問機関であります運輸技術
審議
会で総合検討
委員会
というものを設けておりまして、ここで、関係業界、関係団体あるいは学識経験者の方々の御意見を踏まえながら、現在総合的に検討しているところでございます。 それで、御
指摘
のように、日本海側にどのような施設、船を配備するのかということについてもその中で検討されておりますので、それを踏まえて海上保安庁としても対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
辻一彦
224
○辻(一)
分科員
十分検討してもらいたいと思いますが、そのときに特に強調しておきたい一点があります。 海上保安庁は、太平洋、瀬戸内海側にはタンカーの九割、日本海側は一割、だから数の多いところにより多く配備するんだとこう言って、百隻のいわゆる油回収船が、いろいろ大小ありますが、若狭湾を含むところのあの第八管区には一隻しか配置していないですね。確かに、日本の港に寄るところの船は一割かもわからない。しかし、領海を離れて外洋、日本海を行ったり来たりしょっちゅうしているわけですよ。ナホトカに推定四十隻のタンカーがあって、一月に一回動くと大体四百八十回ですね。四百八十隻。往復をしたら一千隻の船が一年に我々の点検できない外洋、日本海で往復しておるんです。しかも、それは非常に古い船。我が国の船籍は八年。耐用年数は税法上でも十四年ですね。ところが向こうは、これが二十六年という二十年以上の船がいっぱいいるわけですよ。だから、一遍にこれをかえろと言うと、ロシアの方は、もうそれは会社はほとんど倒産すると言うので、なかなか簡単にそんなものを全部国際的な働きかけをしても一遍にかわるわけではない。そうすれば、そういう古い船がしょっちゅう行き来すれば必ずいろいろな対策が必要ですが、この油の事故はこれからも起こる可能性がある。そのときに、それは静かな海や内海や、あるいは太平洋側の瀬戸内海とは違った要素が日本海の方にあるということを、これはひとつ官房長官も海保の次長の方も、しかと頭に置いていただきたいんですが、いかがでしょうか。
梶山静六
225
○梶山国務大臣 確かに、今具体的に委員が御
指摘
になったように、ロシアの老朽船、私はこれは大変な国際的な問題であろう。ですから、これをどうチェックをし、どういう運航をとらせることができるのか、なかなか規制すべき方法はございません。 いずれにしても、今事故調査
委員会
でも、我が方はほとんど老朽化による船尾部の折損ということになっていますが、ロシアはいまだに、そうではなくて何らか漂流物による衝撃が加わってという、いわば外部の条件、そういうものによるということを言っているわけであります。いずれにしても、そういうときにお互いに国際の機関を通じて、特に荒天の海はこんなものはいけないとか何かの方法がないと、まさか彼らもわざとということはありませんから、まあ大丈夫だろうというぎりぎりまで船腹が足りないということで使うのでありましょうけれども、この対策だけはちゃんとしなければやっていけません。 そういうことを踏まえ、なおかつ技術の向上というか造船技術、あるいはそういうバキュームというか吸い込む技術、それから油の固化をどうやったら緩めることができるか、そういうものをやはり総合的にこれから検討してまいることが私たち素人でも考えなければならないことだと思いますので、厳重にその点のチェックをしながらこの対策を進めてまいりたい、このように思います。
辻一彦
226
○辻(一)
分科員
海保の方は、もうこのことは随分論議をしてよくわかっていることと思いますから、答弁は要りません。 七年前にもあって、そしてまた今回あって、この次に同じことを言わぬで済むようにぜひしっかりやっていただきたいと思います。 そこで、私は、危機管理といいますか、官房長官にもう一点伺いたいのは原子力防災法の問題でありまして、先日、
決算
の総括で総理も含めて論議したので、長官にも答弁してもらったので、これは前の質問はもうやったということを前提にして、その続きをちょっと聞きたいのです。 東海村の村長さんも、この間会ったら、いや、今度は目に見えぬし、どういうので被害が出てくるかわからないから、ぜひ防災法を、特別
措置
法をつくってくれというお話だったのですね。それから、福井、福島、新潟の三県知事、今度は茨城の橋本知事も、今福井の方に、やはり力を合わせてこの防災法、特別
措置
法をやろうじゃないか、こういう申し入れをいただいているということも新聞で報道されておりますね。 そういう中で、やはり私は、一つは安全の問題と、もう一つは、安全は限りなく追求しなくてはいかないが、今日災害が起きないということは、これは断言できない。起こり得る可能性を十分考えなければいかぬ。それと防災という、この二つがどうしても必要ですが、そういう意味で、原子力災害の五感に感じないという特性からして、災害基本法のもとに例えば活火山対策特別
措置
法があり、あるいは大地震特別
措置
法がありますが、同様に、ひとつこの原子力災害の特殊性にかんがみて、原子力災害あるいは防災特別
措置
法を制定してこれらの声にこたえるべきである、このように思いますが、長官、いかがでしょうか。これは茨城で、長官の方も集中地帯ですから御存じのとおりですから。
梶山静六
227
○梶山国務大臣 辻委員には、昔からというか大変古くからこの原子力、特にこの防災の面で御卓見を持っていることは重々承知をいたしております。 私も、東海村は自分の住まいの十キロのところにあるわけですから、関心は極めて高いわけであります。ただ、今までの私の概念にあったものは、安全であれば、ゼロは何倍掛けてもゼロだという極めてアバウトな議論をやっていたのですが、過信をしていたという一つの反省を私はいたしております。 それから、なぜ今まで信頼できたものが信頼できなくなったかというと、やはり緊張感がなくなって、なれに過ぎてしまっているということと、一般のことと若干違った感覚を持ちがちだという気がいたします。信じたものに何か裏切られたという感じすら私はしているわけですが、今それをとやかく申し上げる立場にはございません。 いずれにしても、我が茨城県でも五月二十二日に知事からその問題の、防災というかあれを出したわけであります。東海の須藤村長も、これまで極めて強力な推進論者であったけれども、推進をすると同時にこのチェックをどうしなければならないかということに関しては、私と意見を同じゅういたしております。 ただ、私は、防災という、いわば彼らの言う判断の基準。どんなものでも、一の事故でも全部一〇〇%知らなければいけないのか、百の事故でも同じかという、その彼らのランクづけが、科学技術庁も、例えば動燃も、極めてこれはあいまいだつたというのは、一の事故もありませんということを言ってきたわけです。私も、ゼロは何倍掛けてもゼロだ、こう言っていたのですが、一の事故があるという現実を、しかも一の事故を隠してしまったという現実、これは何とやっても私の不信をぬぐうわけにはまいりません。 確かに段階があると思います。あの中の何人かに行って聞きますと、梶山さん、そんな事故は日常茶飯事と言っては失礼だけれども──それじゃ、なぜ、このぐらいの事故はこの程度で、このぐらいのものはあるのですという言い方をしないのだ。そうすれば我々は、それもなくしろというか、あるいはその程度のものはいいというか、そういうことにもうちょっと敏感であったはずであります。確かに東海へ行きましても、梶山さん、このぐらいの事故で我々に直接被害があるとは思いませんと。干し芋が売れなくなったという現実はありますが。しかし、彼らはそう言ってくれますが、一の被害があって、事故があって、十の事故がないという保証はどこにもない。今まで一も十も同じなのだから、一の事故があるということは、十、百の事故につながる危険性があるという
指摘
を彼らはいたしております。私も、もっともだと思います。 そういうものに向けて、この災害特別
措置
法、そういうものに対してこれから検討を加えて、今やっている防災基本計画にも、この中に原子力の一項を入れるということでもありますが、もうちょっと厳密な取り上げ方をしなければいけない。私自身も大きな反省をいたしております。 そういうものが一体になって私は進んでいくというか、いや、進まなきゃならないと思いましたけれども、これが意外と
検査
とかそういう防災という全くさめた目で開発行政と相対峙をしてやらなければだめになってしまうということは、今このことだけではなくてその他にも言えるわけでありますから、とことんこれは委員と力を合わせて、いわば健全な振興、それからあくまでも徹底した防災管理、これを両立させて、両々相まっていかなければ大変なことになるという気がいたしますので、その趣旨を生かしながら私も懸命に頑張りたい、このように思います。
辻一彦
228
○辻(一)
分科員
もう時間がだんだん来たのですが…… 中央防災
会議
も今原子力防災計画を検討して、海の事故、陸の事故、航空機の事故、あわせて検討していられますね。私は、そういう防災計画の裏づけは、やはり法律をもっときちっとやらなくちゃいかない。 私は、例えばその特別
措置
法等にも、法的にはどんな体系か難しいのですが、三点盛り込まなくてはならない点があると思うのですが、一つは、やはり今国とそれから地方公共団体はダブルチェックの制度によって非常に有効な働きをしている。例えば「もんじゅ」のあのビデオ隠しであるとか、ああいう問題も福井県と敦賀市が立入調査を夜中にやらなかったらわからなかったかもわからぬのですね。あのときには科学技術庁は、非常な夜中に非常識なという批判をしましたが、あれによって問題はこれだけ大きく拡大といいますか、真相が明らかになってきた。そういう意味で、地方公共団体の持つ立入調査権は非常に安全や防災の上に有効であると思う。こういうものに法的根拠を与えなくてはならない。 もう一つは、通報を義務づけるということ。これもさっぱり。科学技術庁には一番先に、おくれても行く。それから今度は県は、一定の時間がおくれている。今度は町村になると、またおくれている。隣接になるとさらにおくれる。もう明くる日になっちゃう。こういうことは、専門の役所に聞くと、いや、法律があればすぐ掲げて、原子炉規制法で、放射線障害防止法で報告します、だけれども自治体にはそんなこと、法的に言いますと裏づけがない、紳士協定で立入
検査
を認めたり通報することを決めておりますからやっているということですね。これは、法で裏づけをしなくてはならない。 もう一つは、住民の避難訓練であります。 長官もこの防災住民訓練のことを論議したことがかつてありますが、私が六十二年にチェルノブイリ、現地へ行ったときに、チェルノブイリの副所長、これは出張しておって、明くる日帰ってきたそうですが、所長さんは逃げてしまったわけです。その体験からいうと、ああいう事故が起きたら、もう従業員がどうしていいかわからぬから、やはり従業員によく教育をして、そして訓練をしておく。それから住民にも訓練をしなくちゃいかない。 それから私は、スリーマイルも行って、現場を見て、アメリカの原子力規制
委員会
にも、ゼック
委員長
とも随分論議をしましたが、あの現場では制御の中央に四百の警告灯とブザーが一遍に鳴って、そんなものが四百点滅したら、どうしていいかわからなくなった。 事故が起こるとすると、そういうことが、パニック状況が来る。だから、やはり住民がちゃんと避難をする、どういうことが起こるかを勉強して避難をする、こういうことをきちっと日常訓練をしていくということが大事だ。こういう問題はやはり法律の根拠がないと私はいかないと思う。 アメリカは非常にシビアだったですね。住民の避難計画や訓練計画がなかったら、もう一〇〇%運転は認めぬと言って、五千億もかけた原子力発電所が二年赤字で動かずにつぶれてしまった例もあります。これはさすがに大統領命令である程度訂正をしております。 各国はそういう厳しさを持っている中で、我が国もこの防災に対する
措置
法等の中に、今言った三点ぐらいは、法的にどうするかはいろいろ難しい問題があると思いますが、盛り込むべきである。 こういうことをぜひひとつ頭に入れて、これからは長官のもとにこれは行政庁の方で取り組んでいただくように希望して、時間がもう来ましたので、もう一遍長官に一言だけ決意を伺って終わりたいと思います。
梶山静六
229
○梶山国務大臣 重要な問題でありますから、全力を挙げて検討をして早期にいい結論を出したいと思います。
辻一彦
230
○辻(一)
分科員
では終わります。
栗本慎一郎
231
○
栗本主査
これにて
辻一彦
君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
内閣
所管の質疑は終了いたしました。 ─────────────
栗本慎一郎
232
○
栗本主査
これより
皇室費
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。森
宮内庁次長
。
森幸男
233
○森政府委員
平成
六
年度
及び
平成
七
年度
における
皇室費
歳出決算
について、その
概要
を御
説明
いたします。 まず、
平成
六
年度
の
皇室費
歳出予算
現額は、五十三億八千二百三十万円余でありまして、
支出済み歳出額
は、五十三億八千一万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額と比べますと、二百二十九万円余の差額がありますが、これは不用となった額であります。 なお、
歳出予算
現額五十三億八千二百三十万円余を、
歳出予算
額五十二億八千五百二十八万円余と比べますと、九千七百二万円の
増加
となっておりますが、これは、宮廷費におきまして、皇太子同妃両殿下のサウジアラビア国、オマーン国、カタール国及びバハレーン国御訪問等に必要な
経費
四千六百四十二万円余、同じく皇太子同妃両殿下のクウェート国、アラブ首長国連邦及びジョルダン国御訪問等に必要な
経費
四千九百六十八万円余、また、皇族費におきまして、文仁親王第二女子御誕生による皇族に必要な
経費
九十万円余について、予備費を使用したことによるものであります。 以上が、
平成
六
年度
皇室費
歳出決算
の
説明
でございます。 引き続きまして、
平成
七
年度
の
皇室費
歳出決算
の御
説明
に移らせていただきます。
平成
七
年度
の
皇室費
の
歳出予算
現額は、五十八億一千四百三十一万円余でありまして、
支出済み歳出額
は、五十六億四千三百二万円余であります。 この
支出済み歳出額
を
歳出予算
現額と比べますと、一億七千百二十九万円余の差額がありますが、これは国際親善に必要な
経費
を要することが少なかったこと等のため、不用となった額であります。 以上をもちまして、
平成
六
年度
及び
平成
七
年度
の
皇室費
歳出決算
の
説明
を終わります。 よろしく御
審議
くださるようお願いいたします。
栗本慎一郎
234
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
235
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
皇室費
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
平成
七
年度
皇室費
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
栗本慎一郎
236
○
栗本主査
以上をもちまして
皇室費
の
説明
は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、
皇室費
については終了いたしました。 ─────────────
栗本慎一郎
237
○
栗本主査
これより
裁判所
所管について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。泉
最高裁判所事務
総長
。
泉徳治
238
○泉最高
裁判所
長官代理者 まず、
平成
六
年度
裁判所
所管
一般会計歳入歳出決算
の
概要
を御
説明
申し上げます。
裁判所
所管の歳出につきましては、当初
予算額
は二千八百八十三億一千九百七十九万円余でありますが、これに
大蔵省所管
からの移しかえ額三億二千五百八十三万円、
平成
五
年度
からの繰越額五十二億五千五百三十八万円余、予算補正追加額七億一千七百十五万円余、予算補正修正
減少
額四十五億五千六百二十一万円余、予備費使用額三億四千六十八万円、差し引き二十億八千二百八十三万円余が
増加
されましたので、
歳出予算
現額は二千九百四億二百六十三万円余となっております。 これに対しまして、
支出済み歳出額
は二千八百五十九億七千三百五十八万円余であり、
歳出予算
現額との差額は四十四億二千九百四万円余であります。 この差額のうち、翌
年度
へ繰り越した額は二十七億九千六百九万円余、
不用額
は十六億三千二百九十四万円余であります。
不用額
となった
経費
は、人件費十四億二千五百二万円余とその他の
経費
二億七百九十一万円余であります。
裁判所
主管の歳入につきましては、
歳入予算額
は五十四億六百六万円余であります。 これに対しまして、
収納済み歳入額
は七十六億百三十五万円余であり、
歳入予算額
に対し二十一億九千五百二十八万円余の
増加
となっております。 この
増加
は、相続財産で相続人不存在のため
国庫
帰属となった収入金の
増加
等によるものであります。 以上、
平成
六
年度
裁判所
所管
一般会計歳入歳出決算
について御
説明
申し上げました。 次に、
平成
七
年度
裁判所
所管
一般会計歳入歳出決算
の
概要
を御
説明
申し上げます。
裁判所
所管の歳出につきましては、当初
予算額
は二千九百五十億四千七百九十四万円でありますが、これに
大蔵省所管
からの移しかえ額三億三千二百四十六万円、
平成
六
年度
からの繰越額二十七億九千六百九万円余、予算補正追加額百三億四千九百七十万円余、予算補正修正
減少
額三十八億七千三百九万円余、差し引き九十六億五百十七万円余が
増加
されましたので、
歳出予算
現額は三千四十六億五千三百十一万円余となっております。 これに対しまして、
支出済み歳出額
は二千九百六十二億四千六百十六万円余であり、
歳出予算
現額との差額は八十四億六百九十五万円余であります。 この差額のうち、翌
年度
へ繰り越した額は五十九億三千四百七十一万円余、
不用額
は二十四億七千二百二十三万円余であります。
不用額
となった
経費
は、人件費十九億九千二百七十八万円余とその他の
経費
四億七千九百四十五万円余であります。
裁判所
主管の歳入につきましては、
歳入予算額
は五十五億七千二百六万円であります。 これに対しまして、
収納済み歳入額
は六十七億四千六百十二万円余であり、
歳入予算額
に対し十一億七千四百六万円余の
増加
となっております。 この
増加
は、相続財産で相続人不存在のため
国庫
帰属となった収入金の
増加
等によるものであります。 以上、
平成
七
年度
裁判所
所管
一般会計歳入歳出決算
について御
説明
申し上げました。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
栗本慎一郎
239
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
240
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
裁判所
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
七
年度
裁判所
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
栗本慎一郎
241
○
栗本主査
以上をもちまして
裁判所
所管の
説明
は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、
裁判所
所管については終了いたしました。 ─────────────
栗本慎一郎
242
○
栗本主査
これより
環境庁
所管について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。
石井
環境庁長官
。
石井道子
243
○
石井
国務大臣
環境庁
の
平成
六
年度
及び
平成
七
年度
歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
平成
六
年度
の当初
予算額
は六百七十三億一千七百十六万円でありましたが、これに、予算補正追加額一億九千百六十六万円余、予算補正修正
減少
額十五億五千七百十九万円余、予算移しかえ
増加
額三億三千二十五万円余、予算移しかえ
減少
額二十六億七千七百六十三万円余、前
年度
からの繰越額百六億四百一万円余、予備費使用額二十億円を増減いたしますと、
平成
六
年度
歳出予算
現額は七百六十二億八百二十六万円余となります。この予算現額に対し、
支出済み歳出額
七百二十四億三千二百六十四万円余、翌
年度
への繰越額三十億九千十六万円余、
不用額
六億八千五百四十五万円余となっております。 次に、
平成
七
年度
の当初
予算額
は七百十四億五千六百十五万円余でありましたが、これに、予算補正追加額九十二億八千四百四十六万円余、予算補正修正
減少
額十五億八千九百六十八万円、予算移しかえ
増加
額六億一千五百三十九万円余、予算移しかえ
減少
額二十七億九千二百六十七万円余、前
年度
からの繰越額三十億九千十六万円余、予備費使用額二百五十億一千四百三十三万円余を増減いたしますと、
平成
七
年度
歳出予算
現額は一千五十億七千八百十六万円余となります。この予算現額に対し、
支出済み歳出額
九百六十億八千四百四十九万円余、翌
年度
への繰越額八十三億四百四十四万円余、
不用額
六億八千九百二十二万円余となっております。 以上、簡単ではありますが、
平成
六
年度
及び
平成
七
年度
の
決算
の
概要
を御
説明
申し上げました。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
栗本慎一郎
244
○
栗本主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院
諸田第二
局長
。
諸田敏朗
245
○諸田
会計検査院
説明
員
平成
六
年度
環境庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
平成
七
年度
環境庁
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 〔
主査
退席、
大口
主査
代理着席〕
大口善徳
246
○
大口
主査
代理 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大口善徳
247
○
大口
主査
代理 御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ─────────────
平成
六
年度
総理府
所管
一般会計
環境庁
決算
に関する
概要説明
環 境 庁
環境庁
の
平成
六
年度
歳出決算
につきましてその
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
平成
六
年度
の当初
予算額
は、六七三億一、七一六万円でありましたが、これに予算補正追加額一億九、一六六万円余、予算補正修正
減少
額一五億五、七一九万円余、予算移替
増加
額三億三、〇二五万円余、予算移替
減少
額二六億七、七六三万円余、前
年度
からの繰越額一〇六億四〇一万円余、予備費使用額二〇億円を増減いたしますと、
平成
六
年度
歳出予算
現額は、七六二億八二六万円余となります。この予算現額に対し、
支出済歳出額
七二四億三、二六四万円余、翌
年度
への繰越額三〇億九、〇一六万円余、
不用額
六億八、五四五万円余となっております。 次に、
支出済歳出額
の主なる費途につきまして、その大略を御
説明
申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係
経費
といたしまして、一四五億五、九六一万円余を
支出
いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための
経費
、地球環境研究計画に基づいた地球環境保全のための総合的研究を推進するための
経費
、国立環境研究所及び国立水俣病研究センターの運営及び施設整備等の
経費
として
支出
したものであります。 第二に、自然公園関係
経費
といたしまして、一二五億六、六三六万余を
支出
いたしました。これは、自然公園等における管理及び自然公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の調査、絶滅のおそれのある鳥獣等の保護対策等の
経費
として
支出
したものであります。 第三に、
環境庁
の一般
事務
経費
といたしまして、四五三億六六六万円余を
支出
いたしました。これは、公害防止を図るための施策の推進に必要な調査費、地方公共団体等に対する各種補助金、環境
事業
団及び公害健康被害補償予防協会に対する交付金並びに
環境庁
一般行政
事務
等の
経費
として
支出
したものであります。
最後
に、翌
年度繰越額
について主なるものを御
説明
いたしますと、自然公園等
事業
費及び
環境庁
研究所施設費等において、計画又は設計の変更及び用地の確保困難などによって
事業
の実施に不測の日時を要したこと等により
年度
内に完了しなかったものであります。 以上、簡単ではありますが、
平成
六
年度
の
決算
の
概要
を御
説明
申し上げました。 よろしく御
審議
のほどお願いいたします。 ─────────────
平成
七
年度
総理府
所管
一般会計
環境庁
決算
に関する
概要説明
環 境 庁
環境庁
の
平成
七
年度
歳出決算
につきましてその
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
平成
七
年度
の当初
予算額
は、七一四億五、六一五万円余でありましたが、これに予算補正追加額九二億八、四四六万円余、予算補正修正
減少
額一五億八、九六八万円、予算移替
増加
額六億一、五三九万円余、予算移替
減少
額二七億九、二六七万円余、前
年度
からの繰越額三〇億九、〇二八万円余、予備費使用額二五〇億一、四三三万円余を増減いたしますと、
平成
七
年度
歳出予算
現額は、一、〇五〇億七、八一六万円余となります。この予算現額に対し、
支出済歳出額
九六〇億八、四四九万円余、翌
年度
への繰越額八三億四四四万円余、
不用額
六億八、九二二万円余となっております。 次に、
支出済歳出額
の主な費途につきまして、その大略を御
説明
申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係
経費
といたしまして、一三九億四、五八七万円余を
支出
いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための
経費
、地球環境研究計画に基づいた地球環境保全のための総合的研究を推進するための
経費
、国立環境研究所及び国立水俣病研究センターの運営及び施設整備等の
経費
として
支出
したものであります。 第二に、自然公園関係
経費
といたしまして、一三〇億四、二九〇万円余を
支出
いたしました。これは、自然公園等における管理及び自然公園等の利用施設や長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の調査、絶滅のおそれのある鳥獣等の保護対策等の
経費
として
支出
したものであります。 第三に、
環境庁
の一般
事務
経費
といたしまして、六九〇億九、五七一万円余を
支出
いたしました。これは、公害防止を図るための施策の推進に必要な調査費、地方公共団体等に対する各種補助金、環境
事業
団及び公害健康被害補償予防協会に対する交付金並びに
環境庁
一般行政
事務
等の
経費
として
支出
したものであります。
最後
に、翌
年度繰越額
について主なものを御
説明
いたしますと、自然公園等
事業
費において、計画又は設計の変更及び用地の確保困難などによって
事業
の実施に不測の日時を要したことにより
年度
内に完了しなかったものであります。 以上、簡単ではありますが、
平成
七
年度
の
決算
の
概要
を御
説明
申し上げました。 よろしく御
審議
のほどお願いいたします。 ─────────────
大口善徳
248
○
大口
主査
代理 以上をもちまして
環境庁
所管の
説明
は終わりました。 ─────────────
大口善徳
249
○
大口
主査
代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
瀬古由起子
君。
瀬古由起子
250
○瀬古
分科員
日本共産党の
瀬古由起子
でございます。私は、名古屋港にございます藤前干潟について質問させていただきます。 この藤前干潟は、九五年三月の
環境庁
委託調査の定点調査報告におきましても、シギ、チドリ類の重要渡来地として、諌早干潟に次ぐ場所として位置づけられております。また、日本は、オーストラリアとともにシギ、チドリ類に関する湿地ネットワークを提案しております。恒久的なシギ、チドリ類及び生息地の保全を図る、このことを進めているわけです。 現在、藤前干潟は、名古屋港に残された唯一の干潟となっております。この干潟は、渡り鳥の飛来地として保全が求められる湿地であると思いますけれども、いかがでしょうか。
澤村宏
251
○澤村政府委員 藤前干潟を含みます、庄内川、新川、日光川河口部は、東海地域では数少ないシギ、チドリ類を初めとする渡り鳥の渡来する干潟として重要なものであると考えております。
瀬古由起子
252
○瀬古
分科員
九四年の自然環境保全基礎調査によりますと、七八年以降ですけれども、三千八百五十七ヘクタールの干潟が消滅して、現在、五万一千四百四十三ヘクタールしか干潟は存在しておりません。この消滅の理由は、埋め立てが千八百九十ヘクタールと何と四六・四%も占めているわけです。そうしますと、消滅した干潟の半分は埋め立てということになって、人工的に失われているわけです。今、諌早の干潟の埋め立ても大きな問題になっております。藤前干潟も今、埋立計画が進められているわけです。
環境庁
はこの干潟の重要性、どんどんなくなっていくわけですけれども、一体どのように考えてみえるでしょうか。
石井道子
253
○
石井
国務大臣 御
指摘
の干潟の重要性につきましては、まず、豊富な底生生物を初め多様な生物が生息する独特の生態系を形成しているということ、次に、干潟を中継地や渡来地として利用する渡り鳥を初めとした水鳥類の採餌、休息等の場を提供していること、そしてさらに、水質浄化の役割も果たしているということ等にその重要性があると考えております。
瀬古由起子
254
○瀬古
分科員
大変重要な干潟の位置づけだというふうに思うんですけれども、そうしますと、今どんどん干潟が減ってきている、何とかしてこれを保全しなければならないというふうに思うんですね。 それで、それぞれの国々が保存のためのいろいろな努力などもしているわけですけれども、例えば
環境庁
でいいまして、重要なところは特別鳥獣保護区のような網をかける、こういうことも重要ではないかというふうに思うんですね。今答弁でも藤前干潟の重要性というのが述べられましたけれども、この藤前干潟を鳥獣保護区にしていく意向、こういうものはお持ちでしょうか。
澤村宏
255
○澤村政府委員 お答え申し上げます。 藤前干潟を含む庄内川、新川、日光川河口部は、東海地域では数少ないシギ、チドリ類を初めとする渡り鳥の渡来する干潟として重要であることから、
環境庁
といたしましては、国設鳥獣保護区の設定を含め、国として対策を講じていく必要があると考えているところでございます。
瀬古由起子
256
○瀬古
分科員
ぜひその意向を進めていただきたいと思うんですけれども、実際には、あの地域にその鳥獣保護区にしていくための困難といいますか、そういうものはあるんでしょうか。
澤村宏
257
○澤村政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、この地域には開発計画があることから、その保護対策につきましては今後地元と協議を進めてまいりたい、そのように考えております。
瀬古由起子
258
○瀬古
分科員
大体、干潟があるところというのは往々にして開発計画があるわけですね。そういう場合に、
環境庁
の意向と地元の開発計画がぶつかっていくというケースが幾つか出ていると思うんです。もちろんそれぞれの地元の事情もあるでしょう、しかし、少なくともここはどうしても
環境庁
としては重要な干潟だ、残していきたいんだ、そういう網かけも考えているんだというように明らかにしていくということが、また地元の中でも、開発をする場合にもいろいろな考慮をされる条件が出てくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点、例えば日本でいう諌早もそうです。 日本湿地ネットワークシギ・チドリ
委員会
の調査によりますと、例えば諌早の干潟は、最大の飛来数が、春と夏で違うんですけれども、春でいいますと八千八百、それから秋では四千二百。それから、その次に藤前干潟がありまして、八千。春には藤前干潟は八千七百、それから秋は五千百、こういうふうにほかの地域と比べましても大変飛来地としては重要で、もちろん全部やれるかどうかというのは幾つかの考慮が必要だと思うんですけれども、少なくともここは大事だというところは、当然こういう鳥獣保護区として設定をするということを、ある意味では
環境庁
としては明らかにしていくということが必要ではないかと思うんですね、名前も挙げてここは大事じゃないかと。その点、長官いかがでしょうか。長官、ぜひその決意のほどをお願いします。
石井道子
259
○
石井
国務大臣 確かに昔と違いまして、自然保護の観点から、また特に干潟などの問題、また生物多様性の問題などに対する関心が高まってまいりましたし、その面についての対策を
環境庁
としても強力に推し進める必要があるということを痛感しております。 ですから、先ほども
局長
が申し上げましたように、この地域を鳥獣保護区に指定するということを含めて保護対策を考えていくということでございますが、地元の開発計画との調整という点については、今後も十分に地元と協議をして進めていかなければならないというふうに考えております。
瀬古由起子
260
○瀬古
分科員
地元との調整という場合に、少なくとも
環境庁
としては、ここが大事なんだということをはっきりと示す中で、ぜひ地元との調整というのが必要ではないかというふうに思うんですね。それなしに、ともかく地元の意向をといいますと、次々と干潟がなくなっている現状というのがございますので、その点ぜひ御配慮をお願いしたいというふうに思います。 そこで、この藤前干潟の問題なんですけれども、ここの環境影響評価を見ますと、
事業
者は名古屋市長がなっているわけですね。ところが、この環境影響評価を
審査
するのも名古屋市長、こういうふうになるわけですね。 そうしますと、こういう問題がこの地域で起きました。昨年の八月の五日なんですけれども、記者会見で、まだ公聴会が開かれていない段階で、市長は、環境アセスメント手続を年内に終える、このように言われたわけですね。それで随分市民から批判の声が上がったわけです。本来、公正な
審査
を行うという場合には、当然、こういう一方的にもう年内に終えますよなんて言えないはずなんですね。こういう点では公正な
審査
というのは、私は、この環境影響評価の場合には大変大事ではないかというふうに思うんです。 そこで、環境影響評価の
審査
の公平性としての第三者性といいますか、この点はどのように担保されているというふうに考えていいんでしょうか。
田中健次
261
○田中(健)政府委員 御
指摘
の点につきましては、まず、先生おっしゃったのは、名古屋市の環境影響評価の指導要綱の手続に係るものと思いますけれども、この制度につきましては、地方公共団体が地域の環境を保全する、こういう観点からみずからの判断で実施をしておる、要綱をつくって実施をしているということでございまして、地方自治の観点から見ましても、その
内容
の当否については私ども国は述べる立場ではない、基本的にはこう思いますが、一般的に申しますと、地方公共団体の長がそのアセス制度によりまして行います準備書等の
審査
は、地域の環境保全に責任を有しております行政の責任者の立場で行われるものでございまして、当然のことながら、十分慎重な
審査
が行われるものというふうに考えておりまして、また、名古屋市のアセスの指導要綱でも、環境影響評価
審査
委員会
、こういう制度も設けられておりまして、
審査
の公正が期待されているというふうに私ども伺っております。 なお、この
事業
につきましては、昭和五十九年にできました閣議決定によりますアセスの対象にもなるわけでございまして、廃棄物の最終処分場の設置の届け出、これは知事に対して行うものでございますけれども、この届け出の際に、知事が
審査
を行うということになるわけでございます。また、公有水面埋立法に基づきます手続もあるわけでございまして、この手続によりまして、
環境庁
といたしましても、意見を述べる機会があるものでございまして、その際には、
環境庁
といたしましても適切に対処してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
瀬古由起子
262
○瀬古
分科員
ぜひ公平な
審査
が行われるようなことをしなければならないというふうに思うわけですけれども、その際に、やはり住民の参加だとか情報公開だとか、こういうものが積極的に取り入れられていくということが今後のこうした環境影響評価には大変重要ではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
田中健次
263
○田中(健)政府委員 先生も御案内と思いますが、ただいま私どもは環境影響評価法案を提出をいたしまして、国会で御
審議
をいただいておる過程でございます。その中で、私どもといたしましては、環境の保全に関する一般の人々の意見を幅広く取り入れるということで、地域を限定しないで一般の方々も意見は申し出ていただく、こういうふうな制度も法制をしておりますし、また情報の公開も大切でございます。 私どもの制度では、準備書なり評価書というものもございます。これは皆、公告縦覧をして広く公開する、こういうことにもなっておりまして、そういうことで、ただいまお話しになりましたような趣旨をできるだけ取り入れて新たな制度を構築してただいま御
審議
をいただいておる、こういうところでございます。
瀬古由起子
264
○瀬古
分科員
きょうは運輸省に来ていただいておりますので、運輸省に質問をさせていただきます。 この名古屋港の港湾計画について、名古屋市は、埋め立ての面積、これが環境にかなり大きな影響があるという市民団体等の
指摘
で、今回この埋立面積の縮小の計画変更をするということで提案がされているわけです。そこで、実際には名古屋港の港湾計画そのものは変更しなければならないわけですけれども、名古屋市自身は、関係機関と調整する、このように言っているわけですが、運輸省、この計画変更の打診は名古屋市から来ているでしょうか。
川島毅
265
○川島
説明
員 現段階におきましては、名古屋港の港湾管理者であります名古屋港管理組合から、当該地区の港湾計画の縮小についての打診は受けておりません。
瀬古由起子
266
○瀬古
分科員
もう一点お聞きします。 最初の名古屋港の港湾計画は百五ヘクタールだったわけですけれども、これを変更して、四十六・五ヘクタールに埋め立てをするということで提案がされております。そうしますと、これは名古屋港の港湾計画の変更がなくても、この埋め立てというのはできるものなのでしょうか。いかがですか。
川島毅
267
○川島
説明
員 現在の港湾計画の中において、その埋め立てというのは基本的には可能かと思います。いずれにしましても、公有水面の埋め立てにつきましては、公有水面埋立法の手順に従いまして適切な判断が行われるべきかと考えております。港湾計画上は基本的に可能でございます。
瀬古由起子
268
○瀬古
分科員
そうしますと、名古屋市はこの縮小に当たって関係機関と調整すると言っていますけれども、実際には調整はしなくても、この計画区域内ならこれを実施する、埋立
事業
をやるということは可能なのですね。そのように理解してよろしいでしょうか。
川島毅
269
○川島
説明
員 公有水面の埋め立てに当たりましては、公有水面埋立法の手続がございます。その手続は今後でございます。申し上げましたのは、基本的に港湾計画において決定された埋め立て、その一部を埋め立てることが可能かということにつきましては、可能だという点でございます。
瀬古由起子
270
○瀬古
分科員
そうしますと、名古屋市が関係機関と調整するというのは、例えば運輸省でいいますと、この港湾計画についてはどのような調整があるというふうに考えていいのでしょうか。
川島毅
271
○川島
説明
員 港湾計画につきましては、名古屋港は重要港湾でございますので、重要港湾の港湾管理者として、名古屋港管理組合が必要に応じた港湾の計画策定あるいは変更等を行います。それにつきまして、運輸省との関係で申し上げますれば、港湾管理者が策定した港湾計画、これが運輸大臣に提出をされますので、その段階で運輸省として適切に対応していく、こういうことでございます。
瀬古由起子
272
○瀬古
分科員
今、当面はすぐ調整をしなくてもやれるということでよろしいですね。──はい。結構です。 では、次に質問させていただきます。 環境影響評価書の
内容
についてなのですけれども、藤前干潟の問題なのですけれども、今回出されております環境影響評価書の、例えば鳥類の利用可能な程度の算定については、行動パターン調査がわずか四日間、こういうようになっています。それから、重要な春の渡り鳥の季節はピークが四月中ですけれども、下旬を外れた五月中旬の一日だけ、こういう状況になっています。また、干潟の浄化能力はほとんどないというようにされていますけれども、実は、夏冬の一回の調査だけで結論づけている。この藤前干潟の環境影響評価書の
内容
について、大変乱暴だという批判が出ているわけでございます。 それで、名古屋市の環境影響評価
審査
委員会
の第二
分科会
は、市のアセス調査は不十分だとして、追加調査を検討するような要請もされているわけです。先ほど答弁もありましたように、この藤前干潟は、シギ、チドリ類の主要な渡来地であって、この干潟の特性から見ても、正しく環境影響評価をすることが重要だというふうに考えているわけです。ずさんなやり方ではだめだと思うのですね。 実はこの藤前干潟の問題で、港湾
審議
会のときに、
審議
された件に関して
環境庁
自身は意見を述べられております。名古屋港の計画について、事前に鳥類の生息に与える影響をよく調査し、検討し、その結果に基づいた鳥類の生息環境の保全のための対策に万全を期すこと、
環境庁
はこの名古屋港の計画についてもこのように意見を出されているわけです。 そうしますと、実際には、鳥類の調査をやったら、専門家から、大変ずさんな調査だということがいろいろな団体から御
指摘
があるわけですね。この点で
環境庁
は、御意見を出された責任から、この調査のやり方についてきちんと見守っていく必要があると私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
田中健次
273
○田中(健)政府委員 ただいま先生お話しになられましたように、
平成
二年の六月に中央港湾
審議
会がございまして、私どもとしてはその
審議
会の中で御意見を申し上げたところでございます。それは、今先生から御披露がございましたように、港湾区域のうちの庄内川、新川、日光川の河口一帯、これに残存する干潟を中心にシギ、チドリ等の渡り鳥の重要な渡来地となっている、こういうことで、
事業
の具体化に際して、事前に鳥類の生息に与える影響について十分に調査検討を行い、その結果に基づいた鳥類の生息環境の保全のための対策に万全を期すこと、こういうふうに意見を申し上げております。 私どもといたしましては、こうした意見も踏まえまして、一つは、埋め立ての面積を縮小しておりますけれども、そういう効果はあった、こういうふうに見ております。 さらに、先ほども申し上げましたように、現在アセスメントが行われておりますけれども、名古屋市の要綱、それから閣議のアセスも、これは制度として県知事が
審査
をする、こういうふうになっておりまして、私ども
環境庁
にはまだこの辺のことは届いてきておりません。したがいまして、先ほども申し上げましたように、今後、公有水面埋立法に基づきまして私どもの意見が求められる、こういうことになるわけでございまして、この際には、これまでの経過等を踏まえまして慎重に
審査
をやりたい、こういうふうに思っております。
瀬古由起子
274
○瀬古
分科員
特にシギ、チドリ類については、その時期を外せば、当然、幾ら調査しても鳥は飛んでこないよなどという結果になっちゃうわけです。一体どの時期にどれだけの鳥が来ているのかという時期もよく考えて調査をしなければなりませんし、例えば、先ほど言いましたように、干潟の浄化能力というのも、夏冬一回だけやって、はい、これで調査をやりましたなどというのは、やはり余りにもずさんだというふうに思うのですね。その点では、きちんとした、その実態に見合った調査方法がやられるかどうか、その点をよく配慮して
審査
していただきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
田中健次
275
○田中(健)政府委員 私ども、公有水面埋立法で意見が求められた際には、十分の意見をいろいろ申しておりますので、その点も踏まえて適切な
審査
を行っていきたい、こういうふうに考えております。
瀬古由起子
276
○瀬古
分科員
干潟、湿地、その重要性にふさわしい保全のための施策というのを、私は今どうしても必要だというように思うのですね。 干潟は、その地理的な要因とも相まちまして、御存じのように開発計画がどこにでもあるわけです。それで干潟や湿地がどんどん失われてきている。共生していくにはどう保全していくのかという計画とか目標とかがなければ、私は、守っていけないという段階に来ているのではないか、いわゆる干潟、湿地の保全対策というのは、今までの延長線上ではやれないのではないかというふうに思うわけですね。 その点では、例えば数値目標まで明らかにする、ある意味では、もうこれ以上今ある干潟は絶対に後退させない、前進させてやることはあっても後退させない、こういう
環境庁
の姿勢だとか、先ほど言いましたように、こことここはどんなことがあっても
減少
させてはならないというように、
環境庁
としてはその意向を明らかにしていくとか、そういうことが必要ではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
澤村宏
277
○澤村政府委員 干潟につきましては、例えば環境基本計画や生物多様性の国家戦略におきましても、その重要性につきまして明らかにしているところでございます。
環境庁
といたしましては、鳥類の渡来地や生息地等の観点から、谷津干潟や蒲生干潟等を国設鳥獣保護区に指定するなど、これまでも干潟の保全に努めてきているところでございます。また、今
年度
から新たに、海の自然環境保全の基礎的資料を整備するという目的で、全国の代表的なサンゴ礁、干潟、藻場等を対象とした海域自然環境保全基礎調査を始めております。 これらの結果も踏まえまして、干潟の保全策を今後一層充実してまいりたい、そのように考えております。
瀬古由起子
278
○瀬古
分科員
一九九三年に釧路で開かれましたラムサール条約締約国
会議
で、日本の干潟の危機が公式に論議されているわけですね。そこで、東アジアの渡り鳥航路にある湿地、特に干潟の登録地指定を
促進
するという勧告まで出されている。 むしろ、
環境庁
は、オーストラリアと一緒に、特に日本湿地ネットワークでシギ、チドリを守る、この呼びかけもしてみえるわけです。そういう点では、調査はそのために必要です。しかし、今の段階では、あの諌早でいえば、諌早をやはり国際的な位置づけから言ったって守らなければいかぬ。藤前はどうしても──この藤前だけがだめになっても全体が渡り鳥の場合はだめになっていくということがあるわけですから、そういう点では、私はこの事態にはっきり物を言わなければいかぬのではないかと思うのです。 では、
環境庁
が何も物を言っていないかというと、実は昨年行われましたラムサールのシンポジウムの新潟の基調講演の中で、
環境庁
は、渡りのルートのうち、このどれ一つ欠けても渡りをする水鳥の存続にとっては致命的である、このように発表してみえますし、日本ではさらに参加干潟をふやして、ネットワークの充実に貢献することが必要だ、こういうところまでかなり踏み込んで
環境庁
は述べられているわけです。 そういう意味では、私は率直に言いまして、具体的に今名前が、大きな問題になっていますあの諌早の干潟の問題、それから藤前の干潟ですね、こういうものについても、文字どおり湿地行政を、今までの延長線上でない、ある意味では転換する、こういう立場をぜひ明らかにしていただきたいと思うのですが、
最後
に
環境庁長官
の御意見を伺いたいと思います。
石井道子
279
○
石井
国務大臣 いろいろ御
指摘
がございましたように、最近の多くの方々の考え方も随分変わってまいりました。 それで、今後も、
環境庁
といたしましては、環境保全の立場、自然保護の立場から、十分にこのような干潟の問題あるいはさまざまな問題について、先ほど
局長
が答弁されましたように調査も行うわけでございますが、その結果に基づきまして、それをいかにして保全していくかという点で、あるいは鳥獣保護区に指定するとか、またラムサール条約登録地にするとか、そのような方法も考えながら、自然保護の立場で十分に保全ができるように、さらに鋭意努力をしていきたいというふうに思っております。
瀬古由起子
280
○瀬古
分科員
今後いろいろなところを調査していただくというのはいいわけですが、諌早は、当面、瀕死の状態といいますかせつぱ詰まった事態になっています。その点では、今当面水を入れて、まず生物の死滅を防ぐ、その上できちんと論議をする、検討する、こういうことが必要ではないかと言われていますが、今当面必要なものについてはそれなりの手を打たなければならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
石井道子
281
○
石井
国務大臣 諌早湾の問題が今大変クローズアップをされておりますが、この諌早湾をラムサール条約に基づく湿地の登録ができたかどうかという点につきましては、このラムサール条約に登録するための条件として、国際的に重要な湿地であること、そして鳥獣保護区、特別保護地区の地域指定があって将来にわたり自然環境の保全が図られているということ、そして地元自治体等から登録への賛意が得られたところについて登録をするという一つの条件がございます。 その条件が満たされていなかったということでラムサール条約に関係なかったということでございますが、諌早湾につきましても、シギとかチドリ類、カモ類の渡来地として重要な湿地と認識はしておりますが、現在、干拓計画が進められておりまして、登録に対します地元の合意もなかったわけでございます。そして、国内法による湿地保全の担保
措置
も整っていないものですから現在に至っているわけでございまして、諌早湾につきましてはそのような状況の中でやむを得ないということでありますが、このような状況、事情というものを十分にこれからも生かして、そして取り組んでいくべきではないかというふうに思っております。
瀬古由起子
282
○瀬古
分科員
ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思います。 以上、終わります。ありがとうございました。
大口善徳
283
○
大口
主査
代理 これにて
瀬古由起子
君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
環境庁
所管の質疑は終了いたしました。
大口善徳
284
○
大口
主査
代理 これより
会計検査院所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。疋田
会計検査院長
。
疋田周朗
285
○疋田
会計検査院長
平成
六
年度
会計検査院
主管
一般会計歳入決算
及び
会計検査院所管
一般会計歳出決算
につきまして、その大要を御
説明
申し上げます。
会計検査院
主管の歳入につきましては、
予算額
二千八百三十二万余円に対しまして、
収納済み歳入額
は三千十一万余円であり、差し引き百七十八万余円の
増加
となっております。
収納済み歳入額
の主なものは、公務員宿舎
貸付
料等の国有財産
貸付
収入二千六百九十六万余円であります。 次に、
会計検査院所管
の歳出につきましては、当初
予算額
百四十八億八千五百三十七万余円でありますが、これに予算補正修正
減少
額三億六千二百八万余円を除いた予算現額百四十五億二千三百二十八万余円に対しまして、
支出済み歳出額
は百四十一億七千九百九十四万余円でありますので、その差額三億四千三百三十三万余円を
不用額
といたしました。
支出済み歳出額
の主なものは、人件費百二十一億九千八百九十二万余円、
検査
旅費六億九千三百四十三万余円となっております。 以上、簡単でございますが、
平成
六
年度
における
会計検査院
関係の
決算
の
説明
を終わります。 よろしく御
審議
のほどお願いいたします。 続きまして、
平成
七
年度
会計検査院
主管
一般会計歳入決算
及び
会計検査院所管
一般会計歳出決算
につきまして、その大要を御
説明
申し上げます。
会計検査院
主管の歳入につきましては、
予算額
二千八百五十万余円に対しまして、
収納済み歳入額
は二千九百六万余円であり、差し引き五十六万余円の
増加
となっております。
収納済み歳入額
の主なものは、国有財産
貸付
収入二千六百四十六万余円であります。 次に、
会計検査院所管
の歳出につきましては、当初
予算額
百五十一億二千二百二万余円でありますが、これに予算補正追加額及び予算補正修正
減少
額差し引き一億三十九万余円を加えた予算現額百五十二億二千二百四十一万余円に対しまして、
支出済み歳出額
は百四十七億六千百七十九万余円でありますので、その差額四億六千六十二万余円を
不用額
といたしました。
支出済み歳出額
の主なものは、人件費百二十三億八千四百二十八万余円、
検査
旅費六億九千七百四十六万余円となっております。 以上、簡単でございますが、
平成
七
年度
における
会計検査院
関係の
決算
の
説明
を終わります。 よろしく御
審議
のほどお願いいたします。
大口善徳
286
○
大口
主査
代理 次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院深田
第一
局長
。
深田烝治
287
○
深田会計検査院説明員
平成
六
年度
会計検査院
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 次に、
平成
七
年度
会計検査院
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
大口善徳
288
○
大口
主査
代理 以上をもちまして
会計検査院所管
の
説明
は終わりました。 ─────────────
大口善徳
289
○
大口
主査
代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。
石井紘基
君。
石井紘基
290
○
石井
(紘)
分科員
石井紘基
でございます。 日本の
決算
制度の中で
会計検査院
の果たす役割といいますか、予算が執行される、それをフォローして、正しく予算が使われたかどうかということの
決算
というものがあるわけですが、そういう中で
会計検査院
の果たす役割、任務というものはどういうことでございますか。
疋田周朗
291
○疋田
会計検査院長
会計検査院
は、委員御承知のとおり、憲法第九十条の規定によりまして国の収入
支出
の
決算
を
検査
するということによりまして国の財政を監督することを本旨として設置されているわけでございます。
石井紘基
292
○
石井
(紘)
分科員
我が国の
決算
制度というものは、国の予算の執行をことごとく網羅し、一銭たりとも残らず正しく使われているか使われていないかということについて
検査
をするという建前になっているのでしょうか。
疋田周朗
293
○疋田
会計検査院長
基本的には今委員御
指摘
のとおりでございます。
石井紘基
294
○
石井
(紘)
分科員
検査
院法の中には、
検査
院の任務として、必要的
検査
対象並びに選択的
検査
対象というものがありまして、国が直接
支出
をするものはほぼ現行の体制の中でフォローできる仕組みになっているわけです。しかし、かなり以前から、我が国は
特別会計
なりあるいは特殊法人なんという制度を設けてやってまいりまして、特にその特殊法人さらには公益法人といったものが大変数を増しているのと同時に、それぞれが肥大化しているわけであります。 そういう中で、それぞれの特殊法人等が
出資
をして子会社あるいは関連会社をつくり、形成していくという形をとっているわけですが、
検査
院法の中にも、例えば国が二分の一以上
出資
している団体については、これは基本的に必要的
検査
対象、さらにまた、二分の一以上
出資
している会社がさらに
出資
しているという場合等々、選択的
検査
対象というふうに定められているわけです。 そのように、どんどん派生して、子会社、孫会社、ひ孫会社、あるいは財団法人というような公益法人がその子会社、孫会社というものをつくっていくという場合に、これは直接間接に国の予算にかかわっている
支出
として
出資
がなされている、あるいは国の予算が
出資
という形以外の方法をとって動いている、こういう状況にあるわけですが、そうしたものをすべて網羅して
検査
できるのでしょうか。
疋田周朗
295
○疋田
会計検査院長
私ども
会計検査院
の
検査
対象につきましては、先ほど申し上げましたように、憲法の規定に基づきまして国の収入
支出
の
決算
を
検査
するということは基本的な私どもの
検査
活動の本旨となっておるわけでございますが、さらに、具体的に私どもの
検査
活動を行っていく場合に、国の収入
支出
の
決算
の
検査
に万全を期するためにはどうあるべきかということで、基本的には
会計検査院
法というものが定められているわけでございます。
会計検査院
法によりますと、国の
会計
につきましては当然私どもの
検査
対象であるわけでございますが、そのほかに、これと実体的に同様なもの、あるいは国の政策と結びつきが強い、こういう団体などを選びまして、出
資金
が全体の二分の一以上出されているものにつきましては必ず
会計検査院
の方で
検査
をするということになっております。出
資金
が二分の一未満のもの、あるいは先ほど委員がおっしゃいました孫
出資
法人、あるいは財政援助先、さらには公益法人、こういったものにつきましては、国あるいは国が二分の一以上
出資
をしております必要的
検査
対象になっている
会計
の
検査
で必要があった場合に、その中から適切に選択をいたしまして、
検査
指定というものを行って
検査
を実施する、こういう仕組みになっているわけでございます。
石井紘基
296
○
石井
(紘)
分科員
今伺いますと、二分の一以上の
出資
についてのみ言われましたけれども、その二分の一以上
出資
したところがさらに
出資
して団体をつくっているという中には、出
資金
の割合においてさまざまなものがあるわけです。 仮に二分の一以上
出資
しているものがさらに
出資
したのが孫会社だとすれば、その孫会社の中での
出資
割合が、二分の一から見て、その企業あるいはその団体の一割であるとか五%であるとか、そういうものもたくさんあるわけですね。 それからまた、財団法人というようなものに対しては
出資
というものはありません。ないけれども、財団法人というものは、これもまた多種多様であります。主として国の政策を遂行するというような目的を持った財団法人がありまして、そしてそれが相当たくさんの株式会社をつくって、国の
事業
をそこに委託をする、契約をする、こういう実態があるわけであります。 そうした財団法人とか、あるいは先ほど申し上げた割合の少ない孫
出資
会社とかひ孫
出資
会社とか、そうしたものについての
検査
は一〇〇%できるというものではない。それどころか、
検査
ができないというのが相当あるわけでありますが、それはお認めになられますか。
疋田周朗
297
○疋田
会計検査院長
ただいま委員から御
指摘
がございました、国が二分の一以上
出資
している団体がさらに孫
出資
を行いまして、その孫
出資
を受けた団体の
出資
比率がごくわずかだというような団体につきまして、もし仮に、私ども
会計検査院
の方で法律上これについても
検査
権限があるということになりますと、私企業の活動に対して国の公権力の不当な介入が行われるのではないかというような問題が生じてくるおそれもございます。そういった関係もございまして、私ども
会計検査院
といたしましては、必要的
検査
対象の
検査
にかかわるどうしても必要な部分だけを
検査
していく、こういう取り組み方をしているわけでございます。 先ほど委員お示しの財団法人などにつきましては、私どもの
検査
対象からいろいろな委託が行われておりましたり、あるいは取引が行われているケースがあるわけでございますが、そういったものにつきましては、私どもの
検査
対象でございます団体の協力を得ながら、その財団法人なりの
事業
運営、
会計
経理のやり方、こういったものについて可能な限り調査をさせていただきまして、私どもの
検査
対象が、適切な
会計
経理を行っている、こういう心証を得るように努めているところでございます。 したがいまして、先ほどの御質問の結論といたしましては、孫
出資
法人あるいは直接
出資
の関係がない財団法人などにつきまして私どもの
検査
の手が及んでいないものがあることは、委員御
指摘
のとおりでございます。
石井紘基
298
○
石井
(紘)
分科員
そうしますと、地方公共団体の場合には、さまざまな住民の方からの請求の制度があったりして、基本的には予算の執行の隅々にわたってチェックが一応できる、そういう制度になっているわけですが、国の場合には、隅々にわたって
検査
をし切れない、予算が一部どこへ行っているのかチェックできない、こういう仕組みになっているということが今の御答弁から明らかだと思うのです。そういう点がまず制度として不備であるということを、一つ私はこの際申し上げておきたいと思います。 次の問題ですが、昨今、特に企業経営的な政府系の団体というものがふえているわけでありますけれども、こうした企業経営に対するチェックというのは、
検査
の仕方が、
内容
的に、直接国が
支出
をする予算とまた大分違った性格を持っているわけですね。 例えば、国が地方交付金あるいは補助金を直接出すという場合には、それが正しく使われたかどうかということのチェックでありますけれども、企業経営的な団体に
出資
をされ、あるいは
事業
なりの予算が行っているという場合には、これは企業経営として適切であるかどうか、効率性の問題だとか、その他一般の民間の企業においてチェックをされるべきそうした要素というものが必要なわけですが、現在の
会計検査院
に、そうした収益
事業
等における採算性だとか効率性だとか、あるいは個々の
事業
単位あるいはプロジェクト単位での経営の手法が適切であるかどうかというような点を
検査
をする、そういう機能が十分におありでしょうか。
疋田周朗
299
○疋田
会計検査院長
会計検査院
の
検査
対象となっております団体の中で、企業経営を旨としている団体は多数ございます。戦後二十年代に、委員御承知のとおり、昔の三公社と申しますか、日本専売公社、日本国有鉄道、日本電信電話公社、こういった公社が新しく国から分離独立いたしまして企業経営的な運営が行われてきたわけでございます。私どもといたしましても、こういった
出資
法人の
検査
は一つの重要な領域だと受けとめまして、鋭意その後、今日に至るまで
検査
に取り組んできたわけでございます。 私どもの
検査
の取り組みに当たりまして、いろいろな見方、観点と申しますか、そういうものがございます。正確性の観点あるいは合規性の観点、それからさらには経済性、効率性の観点、それから最近特に力を入れてきておりますのが有効性の観点からの
検査
でございます。 それで、今御議論になっております企業経営を旨とする団体につきましては、正確性、合規性ももちろん重要ではございますけれども、とりわけ経済性、効率性あるいは有効性の観点からの
検査
に取り組んでいくというのが従来からの
会計検査院
の取り組み方でございまして、今後も引き続きそういった形で、企業経営的な形態に即したより的確な
検査
活動を行っていきたい、このように考えておるところでございます。
石井紘基
300
○
石井
(紘)
分科員
そうした
検査
に取り組む姿勢についてはよく理解できるわけですけれども、しかし、企業経営のチェックということになりますとこれは非常に難しい問題でありまして、例えば、住都公団なり道路公団なりあるいはその他の特殊法人が、例えば、今
年度
はこうしたプロジェクトを組んで、あるところに一定の面積で団地をつくるといった場合に、そこに投下される
資金
がどうなのか、その投下資本に対する計画と、その後の
利益
というものがどうなのか、それを生み出す区分ごとの職員の数がどうなのか。 そうした点の
検査
、一般に民間では、私も詳しくはないのですけれども、ほぼそうした今の国の行政とは大分違う経営のチェックのポイントがあるわけでありますけれども、そうした、例えば効率性をはかるといった場合、どういうチェックポイントでもってはかるのか。一つのプロジェクトごとに、どれだけそこに資本を投下して、どれだけ
利益
が上がって、そのためにどれだけの職員の数を必要とするか、そういうようなことについてチェックをされておられるのでしょうか。
疋田周朗
301
○疋田
会計検査院長
今委員御
指摘
の点は、恐らく、企業経営的な活動を行っております団体等の活動状況につきまして、
会計検査院
がいろいろな機能を分析し、経営分析などをきちんと行っているかという御質問かと思いますけれども、私どもも、職員の採用に当たりましては、大学で経営学あるいは商学などを専攻した職員を多数採用いたしているところでございまして、また、採用後もいろいろ研修に力を入れて職員の養成を行っているところでございます。 先ほど申し上げましたように、三公社を初め公団、
事業
団、企業経営的な活動を行っている
検査
対象は非常に多数ございますので、私どももさらに
検査
を的確なものにしていくように、手法の開発あるいは研修の充実、こういったことに力を注いできているところでございまして、今後ともにそういった点についてより努力してまいりたい、このように考えております。
石井紘基
302
○
石井
(紘)
分科員
研修の充実等で
検査
院が大変御努力をいただいているということは私も存じておりますが、そうはいっても、
検査報告
等でどれだけの団体をチェックしたかというのを見ますと、やはり企業経営の部分については全体から見れば非常に微々たる数でありまして、割合の問題ですが、幾つかの特殊法人でありますが、その子会社とか孫会社とかというのはほとんどといっていいぐらいチェックされていない。 そういうような実態を見ますと、やはりそうした
検査
院の
検査
官、調査官の数だとか人員の問題、あるいはまた技能といいますか能力といいますか、そうした企業経営を、民間の企業といったような性格の企業をチェックできる、そうした技能を備えた職員というものも相当なければ、やはり子会社、孫会社関連の企業体についての十分な
検査
というものは非常に限界があるのではないかと思いますが、
検査
院長、御感想はいかがでございますか。
疋田周朗
303
○疋田
会計検査院長
例えば、私どもの実際に
検査
に携わっている職員の中に公認
会計
士の資格を持った者などがいれば、企業経営的な活動を行っている
検査
対象に対する
検査
が非常に適切に行われるのではないだろうかというような御趣旨の御質問かと思いますけれども、私どもといたしましても、任用制度上は民間の方々の途中採用の道も開けていないわけではございませんので、公認
会計
士のようなその道の精通者が採用できるといたしますと、
会計
検査
の場で活躍していただきたいところでございます。 ただ、現実の問題として、このような方たちの採用を具体化できるかどうかということになりますと、給与など処遇の面の問題もございまして、なかなか難しい面があるのではないかと考えております。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、公認
会計
士の資格は持ってはおりませんけれども、経営学とか商学を学生時代に履修いたしまして、採用後、いろいろ研修を深めまして、公認
会計
士の方でおやりになっておられるような企業経営の分析なども十分できるような職員を養成していくということに努めているところでございます。
石井紘基
304
○
石井
(紘)
分科員
大学で経営学を専攻した卒業生もいいのですけれども、何といっても、世界最大の不動産会社である住都公団だとか、世界最大の土木会社である道路公団とか、世界最大の
保険
会社とか、そういうものをチェックしなければならないわけでありますから、大学の経営学を専攻した人を採用しても、
検査
院の能力をもって養成すればできるとお思いかもしれませんけれども、それだけでは非常に不十分だと私は思うのです。 それからまた、身分制度の、任用の問題がございます。これも、
検査
院の皆さんは、経営あるいは財政のいろいろな多岐にわたるチェックをしていただかなければならないわけですから、もっと人材を豊富に集められる、しかも
検査
、調査を実行する上でも思い切った
検査
ができる、こういう体制にするには、やはり今の一般職の公務員で、一律にほかの省庁と同じような採用の中で
検査
院の職員をというのは、そういった趣旨の上からは必ずしも十分にそのニーズを満たすことができないのではないかと私は思うわけです。 そうした任用あるいは
検査
院の職員のあり方、それからまた職員の数、こういった点について、
検査
対象というのはもう六万、七万とあるわけですから、それを
検査
するのには、今の陣容、体制では非常にきつ過ぎる。そういう意味で、
検査
院のあり方について、何か
検査
院長の御所見があれば伺いたいと思います。
疋田周朗
305
○疋田
会計検査院長
私ども
会計検査院
に対しましていろいろ非常に貴重な御意見を賜りまして、大変ありがとうございます。 私といたしましては、現在
会計検査院
に与えられております職務をより充実したものとして果たしていくことがやはり何よりも大切ではないかと思っております。そのためには、より適切な要員の確保、それから、採用しました職員につきましても、いろいろな段階で研修活動を行いましてそういった力をより持った職員集団に育てていくこと、そういったことを地道に積み上げることによりまして必ずや
国民
の皆様方の御期待に沿えるのではないか、このように考えているところでございます。 ただいま委員から賜りましたいろいろな御意見につきましても、真摯に受けとめさせていただきまして、今後の
会計検査院
の
業務
運営の貴重な参考にさせていただきたい、このように思っているところでございます。
石井紘基
306
○
石井
(紘)
分科員
これで終わりますけれども、やはり
会計検査院
というのは、今、現状でどれだけの役割を果たしているかというのは、先ほど来るる申し上げましたように、制度上の限界等々がいろいろございまして十分となっていないと私は思いますので、やはり
検査
院の権限とかあるいはその
検査
能力とか、こうしたものをさらに高めるために今後とも私どもは大いに奮闘していきたいと思っておるのです。
検査
院自体としても、小さなところ、隅っこの方に小さくなっているのではなくて、
指摘
事項
にしてもあるいは特記
事項
等にしても、ただ単に何か書いて報告するというだけではなしに、そうした
指摘
事項
を出してそれが守られなかったらやはりもう一回繰り返して言うというところはやっているわけですけれども、ただ言うだけじゃなくて、何かアクションを起こすぐらいのことはやはりもっとどんどんやってもらいたい。 そういうことで、ぜひ
検査
院も、今や財政状況がもう極めて破綻状態に近いわけでありますので、ひとつ
検査
院の大きな役割というものをさらに自覚をしていただいて頑張ってもらいたい、こういうふうに申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
大口善徳
307
○
大口
主査
代理 これにて
石井紘基
君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして
会計検査院所管
の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前九時三十分から本
分科会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十五分散会