○山本(孝)
政府委員 私
ども再発防止対策として必要であると考えておりますのは、先生が御
指摘ございました、構造基準が基準として十分なものであるのか、また定期的な検査が十分に行われて補修もされているのかといったようなことを明らかにして、それが適切に行われるようにするということで進めておるのは、私
どももそのような
方向では進めております。このナホトカ号の事故原因の究明というところで、現在ロシア側から実際に提供を受けておりますもともとの設計
状況とかそういったようなこと、これからまず見ていかないといけませんですが、実はこのナホトカ号の当初の設計は、
我が国の現状のルールから照らしましても、十分に強度を有する設計がなされておるという
状況でございます。
それは、
先ほど来御
指摘いただいております衰耗率との関係でいいますと、もとの板の厚さというのは、二十六年前の設計ですから、かなり現状の設計基準よりか厚目にといいますか、余裕を持った設計の
部分もございます。そういったことからいきますと、現在の衰耗
状況で残っている
部分の強度がいかがであるのか、こういうことについては、なお解析を進めないときちんとした断定的な答えは出てこなしという
状況でございます。
そういった点と、それから激しく衰耗している場所がございましたが、この場所が本当に今回の起こった事故のような態様にどれだけの重要な強度を分担している
部分であるのか、こういったようなこともやはり詳細な分析をしないと、突き詰めて断定的に物を申すこともできない
状況でございます。
そういったところからいいまして、私
どもが目指しております原因究明は、もともと設計基準が正しく設定されているのかどうか、これが一点目ですが、これについては
調査委員会の最終報告を待たないと何とも申し上げられませんが、この点についてはいわば国際的な常識の範疇にあるであろうということは、この
時点で言い切るのは問題一がありますが、大きな問題かどうかという点はちょっとまだ言い切れない。要するに、問題は少なかったんではないかなという感じは持っております。
次、残る問題ですが、このような衰耗
状況で、あのようなあらしの中で十分であったかなかったのかわからないまま走っていた、このことについては、もう既にこれは、それ自体は大変私
どもが追及すべき問題、課題でございますので、この点を今追及しているわけです。
こういった
状況に先立ちまして、こういった
状況といいますのはこの原因究明が断定的に明らかになるような
状況に先立ちまして、これまで得られましたこの事故の態様から考えてこの再発防止のために何をすべきか、これは仮にこの事故の原因がこの老朽船の衰耗によって起こされた事故とするという前提に立っての話ではございますが、既に、こういった事故防止のために国際的な
枠組みの中で何をすべきかについて
我が国政府はしかるべき提案を行い、現在、この
検討を国際的な
機関で前向きに進めてもらっているところでございまして、再発防止のために打つべき手は的確に全部打っておると考えております。
加えて、ちょっと最終的にもう一回申し上げたいと思いますが、この事故を起こした直接の原因者はだれであってどのような責めを負うべきかについては、私
ども日本政府としてそこまで立ち入って追及するというのは、ちょっとまだそこまでは考えておりません。