○岩國
委員 我々今
審議中のこの
南極条約、こうした
我が国から非常に遠い
南極の問題も大切でありますけれ
ども、自分の国の中のこと、そして我々にとって一番大切な納税者の間に、むだ遣いだとか
環境破壊だとか、いろいろな
意見が高まっている、それに対して対応できないような
環境行政では、私は、こうした国際
条約に加盟する資格さえもない国ではないか、そのような懸念を持っております。
こうした公共
事業、特に大型公共
事業の中止の手順だとか、あるいは中止した場合の負担の
あり方について、早急に
政府としてもそのようなものをまとめていかないと、結局は、批判があっても中止できない。そして国民は、政治は何をしている、
行政は何をしている、そのような政治不信、
行政不信の象徴となってしまう。
環境庁としても、
環境の問題がありと
新聞等でこれだけ
指摘を受けながらアクションもとれない。仮にとったとしても、
事業官庁として中止することはできない。中止する手順そのものができていない。あるいは、中止した場合、国と自治体との負担の問題がきちんと
整備されていない。だから、中止ができない。中止ができないだろうから、
環境庁も動きをしない。こうした悪循環に陥っているのが、この
日本の
環境問題の、あるいは大型公共
事業の悲劇ではないかと思います。
ちょうど自動車の運転に例えれば、
環境庁という交通信号はあっても、走っている車にブレーキがない、したがって赤信号が出てもそこへ突っ込んでいかざるを得ない、このような事態になっているのではないかと思います。京都の重要な国際
会議を控えて、一日も早く、大型公共
事業に問題があるときには、合理的な手順、そして負担の方法というものをまとめておくこと、これが大切であるということを
指摘したいと思います。
環境アセス、そして
南極条約とこの
委員会の
審議が進んでおりますけれ
ども、こうした
環境問題にこの
委員会の各
委員も積極的に行動しておられますし、また
政府にも協力してきているわけです。そしてまた、有言実行という言葉はありますけれ
ども、この諌早、中海については、これは有言実行どころか有害実行じゃないか。害があるということをわかりながらとにかく実行している。こういう諫早、中海という非常に恵まれた反面教師のような存在もあるわけですから、こういう国民の関心と批判の強いときに、今
長官はその重大な責任を引き受けておられるわけです。先ほど
桑原委員が
指摘されましたけれ
ども、
最後の頼りは
環境庁だ、そういう国民の期待が今非常に高まっております。
環境庁の長い長い歴史の中で、これだけ国民から期待されたときがあったでしょうか。
長官としても恐らく、
大臣なら、
長官なら何でも引き受けますという気持ちで引き受けられたのではないと思います。こうした内外の非常に大きな批判があるとき、そしてこれだけ大きな仕事をしなければならないというときにこの
環境庁長官をあえてお引き受けになったそのお気持ちを再度お伺いしたいと思います。