○藤田(幸)
委員 ありがとうございます。
地雷の
議定書について御
質問を申し上げる前に、先日カンボジアに関する御
質問を幾つかいたしましたが、最近の報道で、
総理の親書を携えて高村外務次官がカンボジアに派遣をされて、カンボジアの指導者に
総理、
日本政府の意向をお伝えし、和平及びその後の復興及び来年の総選挙に至るいろいろな
日本政府の意思を表明されるという報道を拝見しておりますけれども、カンボジア和平に対する
日本の姿勢を示すものとして大変評価を申し上げたいと思います。
地雷の件について御
質問をいたします。
まず、
池田外務大臣にお伺いをしたいと思いますが、
大臣は、この本を御存じでございますでしょうか。遠くて見えませんですかね。ちょっと申し上げますが、この本は英語と
日本語の対訳の絵本でございまして、「
地雷ではなく花をください」という本でございます。実は昨日の新聞にも出ておりましたけれども、
外務省でもいろいろな方が二百冊買われて、大変人気が出ている。それから、実は国会の中で現在この本がベストセラーになっておりまして、私が調べた範囲では三千五百冊くらい売れております。しかも、ほとんどすべての党を網羅する国
会議員の方々がこの本を買われまして、
地雷の
全面禁止、それからリハビリ等に大変な関心を持って動かれておるわけです。
この本は定価千五百円でございますけれども、純益が六百円出ます。この六百円でもってカンボジアの十平方メートルの
地雷原の除去に役立つわけです。昨年の九月にこの本が出ましてから、約七カ月出ておりますけれども、十四万部売れておりまして、したがいまして、十四万部掛ける十平
米のカンボジアの
地雷原の除去がされておるわけでございます。
しかも、
地雷原の除去を請け負ってくださっております方々が、イギリスの退役軍人から成るヘイロー・トラストというNGOでございます。つまり、軍人というのはもちろん戦争で戦うわけでございますけれども、本来の軍人の役割というのは平和を構築するのだという
趣旨で、この兵士の方々が、
日本の方々が集めた浄財でもって
地雷の除去という具体的な活動をしておるわけでございます。
それから、ちなみに、この「
地雷ではなく花をください」という、こういった
趣旨に賛同するチャリティーコンサート、中村紘子さんと、それから前のアメリカ大使の奥さん、アマコスト夫人がピアノを弾いていただきましたチャリティーコンサートが十三日、
外務省の後援で開かれまして、小杉文部
大臣御夫妻でありますとか政治家の方もお越しいただいておりましたし、きょうもいらっしゃる
柿澤先生の奥さんも来ていらっしゃいました。それから皇后陛下も御参席をされておりました。
地雷に関しましては、
世界じゅうで女性の方の影響が非常に多いようでございまして、アメリカが
対人地雷の
禁止の
方向性を打ち出しました非常に大きなきっかけに、ヒラリー夫人の存在があるというふうに言われております。
それから、三月に
外務省が主催をされました
東京の
対人地雷の
会議、その直後に行われました民間の団体が開きましたNGOの
地雷会議には、イギリスのダイアナ妃から大変丁重なメッセージが来ております。
そういうわけで、この
地雷の問題というものは、いわゆる軍縮の問題という以上に
世界的な人道問題、それから環境問題、ちなみに、このNGOの
会議には石井環境庁長官も御出席されておりましたが、いわゆる環境問題あるいは女性問題という
観点からもこの
地雷というものに対する取り組みが出ておることが、従来の軍縮問題という角度とは違った
意味での広がりがあるというふうに認識をしております。
地雷でカンボジアの話を申し上げた関連で申し上げますと、先週の外務
委員会で、民主党の井上一成議員が
質問された中に、
日本のODAを受けた国の
輸出した
武器で
日本人が殺されたという
質問がございました。
非常に似ておりますのは、このカンボジアにおきまして、
先ほど申しましたように
日本のたくさんの、国
会議員や
外務省の方も含めて買っていただいたこの浄財でもってイギリスの退役軍人が
地雷の除去をしているわけです。除去をしている
地雷そのものはいろいろな国から来ておるわけですけれども、恐らくその中に、
日本がODAで経済援助をした国の
地雷も来ておるのではないか。ということは、
日本国民がODAで税金を払う、そして経済援助をする、その国が
輸出した
地雷、その
地雷を除去するためにこれまた
日本の方々がポケットマネーを払って、いろいろな立場の方々がお金を払って除去をしている。
御
承知のとおり、きょう自民党、新進党のいろいろな方が午前中
質問されましたように、
地雷の大きな問題は、
国連の明石さんに言わせますと、いろいろなギャップがある。つくるコストは非常に少ないけれども除去するコストと時間が膨大であるということを
考えますと、今私が申し上げましたそのカンボジアの問題というのは非常に大きな
意味を持っておるような気がいたします。
日本がODAで援助をしている、それから非常に甚大なお金、人の犠牲も払ったカンボジア、そしてその国における
地雷に、
日本のいろいろな浄財で支援した退役軍人による除去活動が行われているという、ある
意味では非常に
矛盾した
状況になっておるわけですが、この
状況について、まず
外務大臣の方からコメントをいただければ幸いです。