○松本(善)
委員 これは、
日本の国土の上で起こった凶悪犯罪について
日本側の捜査官憲が身柄を拘束して調べられるかどうかという、やはり
基本問題で、捜査をした現場の警察官にしては、まさに切歯扼腕だと私は思いますね。こういう凶悪事件について、自分のもとに置いて捜査ができない、こういうような
事態をいつまでも放置するわけにいかない。これは女性が気丈な人でしたからこういうふうになりましたけれ
ども、こういうことについて非常に厳しい態度をとらないと、
沖縄の少女暴行事件のようなことが
基地ある限り、全国で起こらないという保証はないのですね。そういう点で厳しい態度をとるべきだし、地位協定の見直し問題も含めて今後の課題になっているということを
指摘して、次の問題を
質問したいと思います。
子
どもの権利
条約の問題、これは批准をされまして、第一回の報告書が
国連の児童権利
委員会に提出をされて、近くその
審議が行われるということであります。これは
条約の四十二条で、この
条約の原則、
規定を成人及び児童に広く知らせることを約束し、そしてその進捗
状況を審査するために
委員会をつくり、そこに報告書を出す、こういう仕組みになって、
条約の実施を保証しよう、こういうことであります。四十二条から四十三条、四十四条にかけて。
第一回の報告書は、拝見をいたしましたが、かなり形式的で、実態が十分反映をされていないように思います。この
条約の趣旨からしますと、やはり現状のリアルな実態を把握して改善する
努力をしている、そういうことを報告するのがやはり大事なのではないかというふうに思うのです。
一例を挙げますが、
外務大臣のところへ事前に届いておるかどうか、岩手県の千厩町というところで、この
条約違反の問題が起こっております。中学校を統合するということで、統合される中学校の地域では圧倒的な住民が反対の意思を表明して、その周辺では、岩手県では大きな問題になっているところです。
その過程で、統合される奥玉中学校というところの生徒が町議会に請願をいたしました。請願の中身は、「痛んでいる校舎・講堂の耐力度をすみやかに診断し、公表して下さい。」これは二十年ぐらい、危険だから直せというふうに言われているけれ
ども、そのままになっている中学校なのです。「母校奥玉中学校を絶対なくさないでください。」というこの請願に中学校の生徒が参加をしたのですね。
ところが、町の教育
委員会がこの生徒たちの身元調査をしたということになりました。岩手県の弁護士会が、これは
人権侵害で、子
どもの権利
条約の十二条の意見表明権の侵害だというふうにしたわけです。これは
一つの大きな実例と私は思います。
きょうは
外務大臣にも改めてNGOの方が陳情されるという機会がありますが、NGOの報告書はこんなに五冊も、子供の権利が
日本で守られていないということが非常に詳細にNGOによって調査をされている。この岩手県の弁護士会が町の教育
委員会に対して
指摘をした問題など、こういうような現状をリアルに把握して、それを改善するという
努力をして、そういうものを第二回の報告書では出すというのがやはり本来ではないだろうか、そういうような
努力を
政府はすべきではないだろうか、こういうふうに私は思いますが、
外務大臣の御見解を伺いたいと思うのでございます。