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小池委員 それでは、今度本論に入らせていただこうと思いますけれ
ども、本日のテーマ、
中東開銀。
この
地域は、
日本から見まして、この
ペルーの問題のときも、中南米そして同時にこの
中東・
北アフリカ、非常に物理的、地理的にも遠い、そして心理的にも遠い。中南米の方は、むしろ日系人の方がいらっしゃるのでより近い感情を抱く方も多かろうと思いますけれ
ども、
中東というのは、まさに有事のときしかなかなか振り向いてもらえないという
状況でございまして、極めて遠い
地域というふうな、そういう感覚が
日本にあることは否めないと思います。
せんだって、大蔵
委員会の方でも御質問させていただく機会がございまして、その折に申し上げたところでございますが、
世界の火薬庫と言われ続けております
中東、そして
北アフリカのアルジェリアなどでは連日のようにテロが起こっておりまして、年間の死傷者、殺される人の数というのはおびただしい数に上っていますが、それが余りにも日常化しているような
状況で、
日本にはそれはニュースとしてももはや伝わってこないというような
状況でございます。それだけに、この
中東・
北アフリカ地域におきます
和平、そして
経済的な安定が極めて重要であるということを
認識している一人でございます。
また、この
地域につきましては、欧米各国の反応、感覚、そして
日本におけるそれとかなりの差があるわけでございまして、この
中東開銀につきましても、名前、そして目的、趣旨等々、ぱっと聞けば非常にそれは
日本としてよかろうということに素直につながるところではございます。
しかし、歴史的、宗教的、さらにはこれまでの国際政治の大変な渦を考えますと、この
中東開銀の存在というのは非常に深いものがありますし、またそれだけに、今回
日本が参加するということであるならば、それに対して
日本としての主張、その他をしっかりと伝えておかないと、これは
言ってみれば、
先ほども
クウェートの件が挙がっておりましたけれ
ども、
湾岸戦争のときに、
我が国では増税までして百三十億ドルを拠出するといったことをやったわけでございます。しかしながら、私も
湾岸戦争が終わって間もなくのころ
クウェートにも参りました。そして、
クウェートの町の真ん中に広場がございます。そこに、
湾岸戦争記念碑ということでつくられているわけでございますが、そこでお世話になった各国の旗がずっと並べられている。そこには、残念ながら
我が国の国旗を見出すことはできなかったわけでございます。
そういったことで、
我が国がこれまでの地理的な、また歴史的な、宗教的なかかわりがないからこそ、あの
地域における
日本のプレゼンスというのは極めて好意的に受けとめられることも多々ございます。しかしながら一方で、極めて国際政治の現実の辛酸をなめ尽くした
地域だけに、極めて現実的ということも言えるわけでございます。
では、その中において、この
中東開銀に対して
我が国がどういう態度をとらなければならないのか。また今回も、いっときに四百六十八億円を振り込むという、払い込むということではございませんけれ
ども、全体で四百六十八億円、今この財政再建元年と言っているときにこれを国債で出すということになるわけでございますので、そうしますと、
我が国の納税者の観点から見て、この出資についてはどういった点を注意しなければならないか、これもやはりアカウンタビリティーを問われるところでございます。
その
意味でも、この
中東開銀、確かにそのとおりだというようなお声も多いかと思いますが、幾つかの点につきまして明らかにしておかなければならない点がございますので、御質問をさせていただきたいと思います。
まず、極めて大まかな話でございますけれ
ども、
地域の定義なのですけれ
ども、この本条の第十条に、本
銀行の金融業務は域内加盟者の領域内に限られるというふうにございます。一方で、この域内の定義については
協定では触れられておりません。規定されておりません。
外務省でも中近東一課とか二課とか、地理的な分け方をしておられるわけでございますけれ
ども、この
協定におけます域内、そして
中東・
北アフリカ、この範囲は一体どこまで指すのか。もちろん、そこから享受される国々というのはそこに一度加盟しなければならないということもございますが、今後の広がりその他を考えますと、この
地域の定義というのをしっかりと押さえておかなければならないと思いますので、この点、まず伺わせていただきます。