○上原
委員 これまでの御答弁と余りかわりばえしないのですが、やはり抜本的に新しい
制度をつくる、法律を立法化するということでないと、この問題はできないと思うのですね。ノービザ問題についても確かにいろいろなハンディがあるでしょう、障害があるでしょう。しかし、
予算委員会で答弁なさっておった外務大臣の御見解と最近は大分後退しているような印象を受けました。それは後で聞きますから。
それで、私は連休を利用してフィリピンのスービック・ベイを見てまいりました。これは見事に軍事基地が跡利用をされておりまして、シアゾン外務大臣にもお会いしたし、ゴードン・スービック
開発庁長官にも幸いお会いできて、意見交換をする機会がありましたが、条件が全然違うのですね。スービックの場合は全部国有地なのです。国が基本法をつくって、法律をつくり、
予算をつくって、きちっとやっているものですから、それはうまくいくはずです。だから、あそこは
沖縄の参考にはなってもまねはできない。参考にはできるが、規模も違うし条件が全然違う。
そういうことも念頭に置いて、まず大事なことは、よく言われているように、
税制、税関係をどうするかということです。
向こうは原則的にあらゆる税は免除ですよ、国税、地方税。ただし、総収益に対するいわゆる
事業税的なものを五%支払うということになっているわけですね。収入を上げる場合になって五%。
日本の
事業税とは全然雲泥の差がある。その程度のことです。外国為替管理も、自由港内では自由な外国為替、金、証券及び先物の取引が認められている。これも自由。外国送金、資本引き揚げも自由。外貨勘定及び比国通貨勘定でやる。永住権も認める。
関税については防護
地域に限り無税というように、この自由貿易港内、
経済特区内ではすべて自由なのですよね。
雇用の問題では、
外国人の
雇用をやる場合にはいろいろ条件をつけて、労働センターというのを設けて、そこで入ってくる
企業とフィリピンのスービック
開発庁との調整で
雇用とか労使関係というものも持していく。あるいはエコロジーセンターという面で、環境問題、生態系等々のことについても行う。
大体九つぐらいのメニューをきちっとつくって、それを法律で規制をする、あるいは自由化していくという
制度なのですね。だから、今政府がやろうとしている、あるいは
沖縄側もそのことについては、私はもっと具体的に提言をしなければいかないという段階だと見ております。
そこで、少なくとも
沖縄の自由貿易港、
経済特区というものを考えていく場合には、
制度、法律を新しく立法化するなり制定化しないとできないと思うのですよね。
皆さんが
調査をなさる中にはそういったことも構想しておられるのか、お考えになった上で進めておられるのか、この点もぜひ明らかにしていただきたいと思います。