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1997-02-27 第140回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年二月二十七日(木曜日)     午前十時開議  出席委員   委員長 仲村 正治君    理事 安倍 晋三君 理事 鈴木 宗男君    理事 中谷  元君 理事 浜田 靖一君    理事 北村 直人君 理事 白保 台一君    理事 池端 清一君 理事 古堅 実吉君       石崎  岳君    嘉数 知賢君       河井 克行君    下地 幹郎君       新藤 義孝君    林  幹雄君       桧田  仁君    吉川 貴盛君       原口 一博君    丸谷 佳織君       三沢  淳君    鰐淵 俊之君       小平 忠正君    松本 惟子君       上原 康助君    吉田 公一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (沖縄開発庁長         官)      稲垣 実男君  出席政府委員         内閣審議官   及川 耕造君         沖縄開発庁総務         局長      嘉手川 勇君         沖縄開発庁振興         局長      牧  隆壽君  委員外出席者         警察庁長官官房         国際部国際第一         課長      小田村初男君         防衛庁防衛局防         衛政策課長   大古 和雄君         防衛施設庁施設         部連絡調整官  山内 正和君         防衛施設庁労務         部労務企画課長 長島 秀晴君         法務省入国管理         局政策課長   塩口 哲朗君         外務大臣官房領         事移住部外国人         課長      二階 尚人君         外務省北米局北         米第一課長   山本 忠通君         外務省北米局日         米安全保障条約         課長      梅本 和義君         大蔵省主税局税         制第二課長   森信 茂樹君         大蔵省関税局企         画課長     塚原  治君         国税庁課税部酒         税課長     岡本 佳郎君         文部省高等教育         局企画課長   若松 澄夫君         文化庁文化財保         護部長     崎谷 康文君         農林水産省構造         改善局計画部地         域計画課長   武本 俊彦君         農林水産省構造         改善局建設部水         利課長     中島 治郎君         食糧庁総務部企         画課長     宮坂  亘君         工業技術院総務         部総括研究開発         官       杉原  誠君         資源エネルギー         庁長官官房省エ         ネルギー石油代         替エネルギー対         策課長     河野 修一君         運輸省航空局監         理部総務課航空         企画調査室長  桝野 龍二君         運輸省航空局監         理部国際航空課         長       井手 憲文君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 横田 和男君         郵政省通信政策         局政策課情報通         信利用振興室長 勝野 成治君         自治省財政局調         整室長     岡本  保君         特別委員会第一         調査室長    清水 紀洋君     ───────────── 委員の異動 二月二十七日  辞任         補欠選任   桜田 義孝君     桧田  仁君 同日  辞任         補欠選任   桧田  仁君     桜田 義孝君     ───────────── 本日の会議に付した案件  沖縄振興開発特別措置法及び沖縄復帰に伴う  特別措置に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第五号)      ────◇─────
  2. 仲村正治

    仲村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出沖縄振興開発特別措置法及び沖縄復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下地幹郎君。
  3. 下地幹郎

    下地委員 自由民主党を代表して質問をさせていただきます。  最初に、二十五日の全国紙そして二十六日の沖縄夕刊に、沖縄高校生米国に一年間四十人留学をする、そういうふうな大きな政策が書かれてありました。私は、この一年間四十人の高校生留学する、まさに二十一世紀の沖縄人材づくりに大きな貢献をする政策だというふうに高く評価をしております。そういう意味におきましても、総理の並々ならぬ沖縄に対する気持ち、それがこの政策の中でもあらわれていると思うのですけれども総理の意図するもの、そしてその留学制度の内容をまず御説明お願いしたいと思います。外務省によろしくお願いします。
  4. 山本忠通

    山本説明員 御説明いたします。  この留学制度は、総理発案に成るものでございまして、ねらいは、沖縄の将来を担う高校生米国に滞在する機会を与えまして、若いときから広い視野と国際感覚を養成していただきたいというものです。これは、沖縄県の人材育成に大きく寄与するという、沖縄の将来にとって極めて重要な意義を有するものではないかと政府としては考えております。  総理の御発案を受けまして、二十二日には外務大臣より大田知事に訪問された際に詳しく説明しておりまして、今後は外務省文部省で協力して進めてまいりますが、この計画は、常日ごろ下地先生を初め沖縄方々人材育成重要性を強調されているのを受けたものでもありますので、沖縄の将来にとって役立つことを心から望んでおります。
  5. 下地幹郎

    下地委員 この政策は、本当に沖縄県民に喜ばれるといいますか、評価される政策だと思います。ただ、読売新聞のちょっとした欄とか、沖縄新聞でも夕刊だけだ、そういうふうになっておりますから、外務委員会でも述べさせていただきましたコマーシャル活動、もっといいものはいいと大きな声で訴える、そのことも大事だというふうに思うのです。理解をさせるという努力をもっと大きく、大胆にやっていただきたいということも要望させていただきたいと私は思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。  そして二点目でありますけれども、昨年の十二月の予算で、沖縄フリーゾーン調査費が四千二百方今度つきました。私は高く評価をさせてい ただいております。税の優遇措置、そして規制緩和、そのことによって魅力あるゾーニングを沖縄の中でつくる、そしてそれが復興から自立へ向かう沖縄をしっかりと支えていく、そういうふうな政策になっていくのではないかと思っております。そして、私は、沖縄国際化していくということは、沖縄県が今提案しております国際都市構想、これと本当に共通するものだというふうに思っているわけです。国際化をする沖縄をどんどんつくっていかなければいけないと思うのです。  それと並行して、私が一つ非常に心配しますのは、国際化という流れの中で、今、集団密航の問題とか治安の問題とかいろいろな問題が出てくる要素がありますけれども、こういう問題に関して、警察庁の方でしっかりとした考えをお持ちなのかどうなのか、まず御答弁をいただきたい。
  6. 小田村初男

    ○小田村説明員 御指摘のとおり、我が国国際化進展に伴いまして、不法滞在を含めた来日外国人による犯罪深刻化しております。昨年中の刑法犯検挙件数は六千二十六人、一万九千五百十三件でありまして、平成元年以降、人員で二倍以上、件数で五倍以上増加しております。特に近年はその組織化凶悪化が進んで、来日外国人犯罪我が国治安を直接脅かす問題となりつつあります。  そうした国際化進展に伴いまして、沖縄におきましても不法入国者の増加とかあるいは外国人による犯罪深刻化が問題となるというふうに予想されておりまして、そうした予測が困難な面もございますので、今後諸外国の実例をも含めて調査を進めていく必要があるというふうに考えております。
  7. 下地幹郎

    下地委員 フリーゾーン政策を進める観点から、振興局長にも一言その辺に関して御答弁お願いしたいと思うのです。
  8. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 私ども自由貿易地域につきましては、沖縄県の要望も踏まえまして、また沖縄政策協議会に設けられておりますプロジェクトチームにおきまして、関係省庁、大蔵、通産省等とよく連携をとりながら、いろいろな問題はあろうかと存じますが、今後しっかりと検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  9. 下地幹郎

    下地委員 密航団の数でございますけれども平成二年が一件で十八人だったのです。そして昨年、平成八年には二十九件の六百七十九人、三十七倍の数になっているんです。そして、前年度が六百七十九人だったのが、ことし、平成九年に入って二カ月だけでもう五百二十二人なんですね。与那国とか波照間とか、そういうふうな国境を接する町に対しましては、経済国際化というものも進めながら、やはり何といっても県民生活の安全、そのこともしっかりと私ども考えて、両方から進めていかなければいけないと思っておりますので、警察庁もこの部分をもっとしっかりと、経済構想一緒にこのことも大事ですよということを推し進めていただきたいと思うのです。  そしてもう一つ、今度沖縄特別調整費が五十億円ついておりますけれども、その部分において調査費をつけるお考えがあるのかないのか、そういうことを内政審にちょっとお伺いしたいと思います。
  10. 及川耕造

    及川政府委員 先生指摘のとおり、平和な観光都市あるいは国際都市沖縄を目指す上で、治安確保重要性というのは言うまでもないことであると存じております。警察庁からは、この観点から沖縄政策協議会に大変積極的に御参加をいただいておりまして、感謝をいたしているところでございます。  御指摘の五十億円の調整費でございますけれども、その使用につきましては、去る二月十八日の政策協議会で、どのように配分するかという配分の方針を御了承いただきました。したがいまして、この方針に照らしまして、御指摘治安確保という点をどういうふうにしたらいいか、十分警察庁と御相談してまいりたいというふうに思っております。
  11. 下地幹郎

    下地委員 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。  この治安の問題、大臣の御感想をひとつお願いをしたいと思います。
  12. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 今、下地議員から御指摘のございましたとおり、最近の報道等によりますと、外国人がいろいろな方法で大変入ってきておる、とみに最近は集団的な悪質な犯罪等がある、それらのあれではないかということ等がございますが、何にしましても、離島地域を目指しまして、その警備の緩みといいますか、あるいは夜陰に乗じてというようなことで来るわけであります。あくまでも沖縄県民皆さんたちが安全で過ごされることを期待しておるわけでございますので、そのことに一層努力をいたしたいと思う次第でございます。
  13. 下地幹郎

    下地委員 大臣の御答弁のとおり、これからの振興策一緒治安の問題もしっかりと推し進めて、県民の安全をしっかりとお守りいただきたいというふうに思っております。  話を変えさせていただきますけれども、今沖縄では、昨日のテレビ報道でもおわかりのように、石垣空港問題が大きくクローズアップをされてまいりました。新聞記事ではありますけれども、二十六日の新聞にはこう書いてある。  「「土地は絶対譲らない」 反対派住民県の強行に怒号」「地権者にこんなまねをして、これから合意形成はできるのか」「知事は基地問題で住民土地の大切さを訴えているのに、農民の土地は奪うのか」「サンゴも農地も守るのは一緒」「ひどいやり方。県は今後も強権をもってやるんだろうが、土地は一坪百万円でも絶対に譲らない」。  「不透明な建設への道のり」。  「合意形成は困難に」「何があっても土地は売らない。土地を売らなければ、空港は絶対に建設できない。地権者が一体になって県と闘う」と住民。  「体をチェーンで結ぶ」「「引っ張り出しなさい」と命令する執行官。「ここはわれわれの土地だ」と抵抗する住民ら。」「手は絶対に出さないでください。われわれはあくまで住民運動としての抗議をするだけ」。  こういうふうに一面に今空港問題が書かれています。私は、ある意味では成田闘争地域版、そういう状況になってきているのではないかというふうに危惧をしているわけでございます。  こういう記事を見て、まず長官の御感想を聞かせていただきたい。そして、航空局の方からもその御感想をぜひ聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  14. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 ただいま下地議員から御指摘のありましたとおり、八重山地域産業振興あるいは住民生活向上を図る上におきまして、新石垣空港建設は最も重要なプロジェクトであると考えております。  新石垣空港建設は県が事業主体でありますので、平成四年、沖縄県知事宮良地区建設候補地として選定されましたが、空港計画の前提となる地元合意形成ということを初め、また農政上の課題等、なお県において検討すべき課題が非常に残されておると思っております。  八年度県予算宮良地区での基本計画作成のための調査費が計上され、現地調査に着手したものの中断しておりましたが、このたび民事保全法の手続を経て調査が再開されることは承知しております。調査の再開に当たりまして妨害排除が執行されたという状況も承知しておりますが、今後調査をどのように行うかについては、県において決めるべき問題であると考えております。  いずれにしましても、沖縄開発庁といたしましては、県及び地元関係者が、八重山地域の将来の発展のために、新石垣空港のあるべき姿について大局的見地から十分協議していただきたいと思うわけでございまして、お互いの理解のもとに一日も早く合意形成が図られるよう、一層の努力をしていただくことを期待しておるのであります。
  15. 横田和男

    横田説明員 先ほど長官がされたお話と私ども全く同じような感じを持っておるわけでございま して、その中にも触れられましたように、新石垣空港というのは、これは沖縄県が設置、管理する第三種空港でございまして、その事業の具体的な進展というのは沖縄県が担っているということでございますので、実際の調査やり方等について国としていろいろ口を挟むような立場にはないのじゃないか、そういうふうに思っております。  しかしながら、長官も先ほど申されましたように、新石垣空港整備というのはこの八重山地区にとって非常に重要なものでございますので、我々としましても、ぜひそういう地元合意形成に向けて、関係者の一層の努力というのを期待しているところでございます。
  16. 下地幹郎

    下地委員 長官も今おっしゃいました、そして航空局の方もおっしゃいましたけれども合意形成、これは物すごく大事にしなければいけないと思うのです。  それで、県がそれを施行するというのはよくわかるのですけれども空港計画にのっとって全国空港はスタートするわけです。空港計画は、運輸省の中で策定されてスタートするわけです。六次の空港計画のときには、カラ岳東案皆さんは採択されたと思うのです。そして、第七次の空港計画になったら宮良案に変更しているわけですね。六次のときにはカラ岳東案、七次になったら宮良案、その説明はどういうふうに県から受けられているのか。  それと、空港計画ができてから強引にやっておるわけですけれども、第七次空港計画に入れるか入れないかの段階のときに、あなた方、とにかく強引でもやらないと次の八次には入れませんよ、そういうふうなニュアンスを言っておるから、これだけ県も強引になっておるのかどうなのか。そのことをちょっとお聞きしたいのです。
  17. 横田和男

    横田説明員 新石垣空港建設位置についていろいろな経緯があるということは、我々も十分承知しております。  先生指摘のありました第六次空港整備五カ年計画のときも、もともと白保海岸だったのがカラ岳東というところに変更とか、そういう議論があったのも我々もよく承知しておりましたので、第六次空港整備五カ年計画の中では、そういう計画熟度がまだ非常に課題として残るけれども必要性ということは十分に認められるので、やはりやらなければいけない事業だということで、予定事業ということで第六次空港整備五カ年計画の中で位置づけさせていただきました。  その第六次期間中に大きな進展はなかったわけですけれども、第七次空港整備五カ年計画時点でも新石垣空港必要性はやはり変わらないものではなかろうかということで、第七次空港整備五カ年計画におきましても第六次と同じような位置づけを継続させていただいた、こういう次第でございます。
  18. 下地幹郎

    下地委員 変わった経過は県は何も説明していないのですか。何で変わったのかを説明してください、どういう説明を聞いているのか。
  19. 横田和男

    横田説明員 私どもが承知している範疇では、カラ岳東の案につきましては、環境上の問題があるということで再検討した、こういうふうに聞いております。
  20. 下地幹郎

    下地委員 環境の問題、それも空港をつくる上では非常に大事な観点でありますから、それをしっかりとやっていかなければいけないと思います。  それで、今、宮良案に移りました。宮良牧中に移って、こうやって今強引な形で進めておりますけれども宮良牧中というのは歴史的にいろいろな意味があるのです。  昭和四十六年三月から石垣において連続の干天日が百九十一日続きまして、とにかく農業が打撃を受けてしまったのです。そして、石垣にどうしても農業を、水をしっかりとやった農業をしなければいけない、そういうふうな観点からあの宮良牧中というのをスタートしたのです。  「本土政府へ干害の直訴 桃原市長団長に十団体出発 石垣空港で多数の見送りと激励」、昭和四十六年七月三十日の新聞であります。昭和四十六年七月には、農林省農地局計画部技術課長団長とする石垣島農業開発調査団を派遣、そして宮良流域かんがい計画をまとめる。昭和四十七年五月十五日に、沖縄開発庁沖縄総合事務局石垣島農業開発調査事務所を開設。そういうふうにして、石垣農業を根本からつくり直そうといって農林省はスタートさせたのです。そして、この石垣空港農林省が今現在までに入れているお金が八百七十七億あるのです。それに、農林省が今考えている、あのかんがいが完成して年間どれだけの農産物を売って貢献するかというと、年間六十億と見ているのですね。そういうふうな状況の中であの石垣宮良牧中がスタートしているのです。  農林省、それには間違いありませんね。そして、なぜあの宮良牧中をつくろうとしたのか、今どういう効果宮良牧中に望んでいるのか、そのことをちょっとお答えいただきたいと思います。
  21. 中島治郎

    中島説明員 国営かんがい排水事業については、農業生産にとって必要不可欠な用水安定的確保水利用合理化を通じて生産の安定、生産性向上、作物の多様化などを図るため、我が国食糧の安定的な生産及び供給に不可欠な社会資本整備として、農林水産省としても積極的に推進しているところであります。  先ほど先生指摘宮良地区につきましては、石垣島が毎年恒常的な水不足により干ばつ被害を受けて、特に、御指摘のように昭和四十六年の大干ばつにより多大な農業被害が発生したことと、石垣島農業振興を図るためには亜熱帯の特性を生かした農業振興が極めて重要であることなどから、農業用水確保するための本事業に対する県、石垣市や地元農家の強い要望を受けまして、昭和五十四年に着工し、平成七年度に完了したところであります。  また、先ほど先生が御指摘のように、この事業農業上の効果が毎年約六十億円というふうに見込んでいるところであります。
  22. 下地幹郎

    下地委員 だから、課長、やはり意義あるものなのでしょう。宮良牧中は八百七十七億も投下をして五年前に完成しているわけですよ。  そして、当時の農林大臣落成式あいさつがありますけれども、「本日ここに、」から始まりまして、国民共通農業を守るためにと書いてありまして、沖縄八重山群島石垣島中央以南に広がる三千七百ヘクタールの農地農業用水安定供給を図る国営かんがい排水事業宮良地区が完成の運びとなりましたことはまことに意義深いものがあります。そして、本事業によって造成されました施設を十分に活用され、さらなる創意と工夫により豊かで潤いのある農村の建設が図られるよう念願いたしております。大臣は、こうあいさつで述べているのですよ。  そういうような観点からすると、やはり農林省としては、今の案は非常に不愉快な思いで認められない、そういうようなものじゃないですか。
  23. 武本俊彦

    武本説明員 今の御質問にお答えします。  先生も御案内かと思いますけれども農業面での公共事業を行った場所につきましては、優良農地でございますので、農振法あるいは農地法という法律によって転用が難しくなるような、そういう制度にしておるところでございます。これは食糧安定供給とかそういう観点から当然、税金を使ったということもありますので、そういうことにしてあるわけでありますけれども、他方、我が国の場合には国土が狭うございますので、いろいろな意味経済活動なり社会整備を進めていくために土地が必要になってまいります。そうしますと、土地利用調整をしなければならないというところがございますので、全く転用を認めないというわけではないわけでございまして、必要性のある部分については転用していくということになります。  空港は、御案内のように公益性の高い施設でございますから、一般論で申し上げれば、農振法なり農地法規制の外といいましょうか、そういう位置づけになっております。ですから、国営の土 地改良事業あるいは県営の圃場整備事業を行ったようなところでありましても、そのような空港建設そのものは認められる、そういう扱いになっているところでございます。  ただ、それはもちろん、食糧政策立場からいえば優良な農地は最後に使っていただきたい、そういう形にはしておりまして、なるべく整備をしていないどころから、そういうところに土地がないのかどうか、それから、整備をした場合であっても要するにやっている最中とか終わった直後みたいなものは避けてもらうとか、そういうことで運用をしていただくことになっています。  それで、本案件の場合には、県の方でいろいろと検討されて当該地区選定されたのだろうなと思っておりますけれども、この候補地選定された直後の平成四年十一月時点においては、当時の私ども京谷事務次官からは、知事に対して、その地区選定についてはやはり納得はできませんよということは申し上げたところでございますし、同年の十二月の当委員会におきましては、当時の地域計画課長から、この選定についてはやはり得心がいきませんという答弁をさせていただいたところでございまして、その点につきましては、基本的に農林水産省として認識としては同じところがございます。  ただ、いずれにしましても、空港建設そのものは、この八重山地区産業振興といいましょうか、民生の安定にとって必要不可欠であるという認識もいたしておりますので、地域方々の十分な理解と協力が得られるような中で事業が進められることを私どもは強く期待するものであります。
  24. 下地幹郎

    下地委員 やはり私は、財政再建、そしてこれだけお金を投下して年間六十億の増産を生んでいくというふうな観点農業政策がスタートした、これは重く受けとめるべきだと思うのです。私は、逆に言えば農業政策そのものを否定している事業だと思う。石垣にもうここでしか空港ができないというなら、それはそれでいいのですけれども、そうじゃないのです。そのことをしっかりと考えて、農林省もきっちりと言ってもらわなければ困るというふうなことを思っているのです。この問題はこれからも大きくなってまいりますので、私は、委員会ごとに取り上げて、皆さん考えをどんどん聞いていきたいというふうに思っております。  時間がありませんからちょっと言わせていただきますけれども石垣空港調査費昭和五十年から平成八年までに九・八億、もう十億近く使われているのです。宮良川の土地改良に使った国のお金が八百七十七億、そして県が白保皆さんに払って、それで移転をしましたから、それに払っているお金が約五億、そして空港建設に、あの土地をつぶしてつくるのに四百三十億ぐらいかかるという、二千メートルの空港で。一つの空港をつくるのに、財政再建というのに……
  25. 仲村正治

    仲村委員長 下地君に申し上げます。  質疑時間が既に経過しておりますので、質疑を終了してください。
  26. 下地幹郎

    下地委員 はい。一千三百億かかるということを頭に入れておいてもらいたいのです。ぜひそのことを頭に入れて財政再建の中で考えていただきたいというふうなことを思っております。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  27. 仲村正治

    仲村委員長 嘉数知賢君。
  28. 嘉数知賢

    ○嘉数委員 自民党の嘉数でございます。きょうは、わずか二十分ではありますけれども、これまでいつも沖特委というのは米軍のしりぬぐいばかりしているような感じがあるものですから、少し夢のある話をしたいなと思っておりますが、どれだけできるか、なかなか時間がないですから基本的なことだけお伺いしたいと思っています。  まず、私ども沖縄県はこれで二度目の転換期を迎える、私はそのように思っています。一つは復帰のとき。復帰時点で、沖縄振興開発をどのようにするかということで真剣に国で取り組んでいただいた。そして二十五年たった今、改めてこれまでとってきた国の政策、あるいはまた基地問題等も含めて再度沖縄問題が国政の中心の議題となっている、これから振興開発をどのように進めていくか。そういう意味では、県民にとりましては今回は千載一遇のチャンスだという考え方を持っています。この時期をしっかりと組み立てることによって、ぜひ将来的に沖縄振興開発の足がかりを、しっかりと土台固めをしたいという考え方を持っています。  復帰時に一次振興開発計画、二次振興開発計画、今度三次振興開発計画の途中ですが、一次については、御承知のように社会資本整備で本土に追いつき追い越せということで、社会資本整備というハードの面あるいは教育面。第二次振興開発計画でそれを引き継ぎながら、なお経済の自立的発展を目指してということで、企業誘致等含めて進んできた。第三次は、もうそろそろソフトの部分に入っていこうという形で実は進んできた。  ただ、私は、それぞれの目的で相当の成果を上げてきた、特に社会資本整備については本土にまさるとも劣らないぐらいに整備をされてきた、あるいはまた教育面で相当レベルアップをしてきたと思っていますけれども、それでもなおかつやっていけない部分があります。これは、二十五年間かかっていろいろ企業誘致をしようと努力をしたけれども、企業らしい企業を誘致をすることができなかった。そのために、沖縄の青少年の失業率あるいは潜在失業率を含めて本土の約二倍、七%、高水準をずっと維持している。もうそろそろ振興開発計画の中で限界が見えてきたのかなという気もしないではない。  それで、そのときにまさに千載一遇のチャンスといいますか、国としていろいろな形で振興開発を進めようという、その中で私も一番期待をしておるのは、経済特区という一つの部分。それで新たな制度を創設していただいて、フリーポート等いろいろな形で進めようということ。もう一つはマルチメディア特区。これは総理沖縄に行ったときにわざわざ発言をしていただいて、マルチメディア特区ということで沖縄振興を進めようじゃないかという、二つの開発構想がある。  その中で、特にマルチメディア構想についてここで郵政省にお伺いしたいのですが、たしか、マルチメディア特区を置こう、そしてそれが沖縄県の振興、雇用創出にいろいろな形でリードしていこうという構想で今話が進んでいますけれども、その中身がなかなか見えてこない。一体郵政省としてマルチメディア特区にどのようなことを期待しておるのか、沖縄県にどのようなリーディング産業を持ってきて、マルチメディア特区をやって、それを引っ張っていく機関というのですか、それをどのような形で設置をしていくのか、それによってどの程度、どのような形で企業創出が見込まれるか、あるいはまた青少年のいわゆる雇用の場の創設を含めて、今まだまだ構想段階だと思うんですが、郵政省で答えられる範囲で結構です、ひとつマルチメディア特区についての夢のある話をお願いいたしたいと思います。
  29. 勝野成治

    ○勝野説明員 郵政省が沖縄振興策として取りまとめて、今沖縄政策協議会に提案させていただいております沖縄マルチメディア特区構想は、言うなれば、沖縄をアジア・太平洋地域における情報通信のハブ基地にしていこう、こういうものでございます。  具体的には、情報の受信、発信あるいは情報通信分野の技術、人材の交流あるいは情報通信関連の企業の活動が盛んに行われる拠点として、沖縄を二十一世紀のアジア・太平洋地域における情報通信のハブの機能を有する国際都市として形成していきたいな、こういうことで考えておるわけでございます。  さらに具体的に申し上げますと、低料金で利用可能な、例えば衛星回線とか光ファイバーとか、そういった研究開発用のネットワークをまず整備をします。さらに、内外の企業等が自由に使えるような研究開発施設整備をしましょう。そういった通信のインフラを整備した上で、沖縄の特 性を生かしました、例えば離島が多いとかそういうこともございますので、遠隔医療とか遠隔教育といった先進的な最先端の情報通信を活用したアプリケーションのモデルを集中的に展開をしまして、沖縄に企業とか技術、人材、施設、そういうものを集中していこう、こういうことを考えておるわけでございます。  これらの施策を推進することによりまして、沖縄県が地域経済として将来自立をしていくでしょうし、雇用も確保され、さらに離島をも含めた県民生活向上し、さらには我が国の発展に寄与する地域として沖縄整備されていくということが期待されるものと考えております。  全体的には、五カ年計画というようなことで、郵政省のあらゆるノウハウを結集して沖縄に投下して取り組んでいこうと思っておりますが、当面は、この二月五日に沖縄政策協議会に対して、このマルチメディア特区構想は大きな構想でありますが、その中でも特に、人材育成とか雇用の確保の点で大きな効果が期待できると思われるような研究開発施設整備だとか、あるいは雇用につながるような研究開発プロジェクト、こういったものをぜひ実施したいということで経費の配分要求をさせていただいておるところであります。  この構想につきましては、地元経済界、それから市町村、大学等からも大変強い要望が寄せられているところでございまして、今後とも引き続き、沖縄県及び関係省庁と連携をさせていただきながら、沖縄の情報通信ハブ基地化の実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  30. 嘉数知賢

    ○嘉数委員 このマルチメディア特区構想については、沖縄県では新たな企業を創出できる、あるいは雇用を創出できるプロジェクトだということで大変期待をしておりますので、途中で腰砕けにならぬように、予算がありませんなんて言わないように、しっかりと永続的にこの事業を進められるように取り組んでいただきたい、そのように思っています。  それから、今度は内政審議室に、長官には後でまとめて質問させていただきますけれども、五十億の調整費、これはある意味で私ども沖縄県民に別の形で夢を与えたものだと思っています。この五十億をうまく活用することによって、五百億になり五千億になりあるいは五兆円になるかもしれないという夢を持たせている大きなプロジェクトだというふうに理解しております。ただ、逆に、それをあけてみて何だこんなものだったのかということになりかねないという部分もまたあろうかと思うのです。  これは、沖縄県から出されているのは、八十八のプロジェクトを整理をして三十四のプロジェクトにまとめて、それを政策プロジェクトチームでいろいろな配分等についても考えておられるということなんですが、この五十億をいかにして活用するかということで、十分な配慮をしながら審議室はやっていただかなければ、ここでやり方を間違うと、これは正直言って夢が夢でなくなってしまう、夢破れたりということになりかねません。そういう意味で、その五十億の有効な生かし方、あるいはその配分等についての基本的な考え方、具体的な話になりますとちょっと時間がないでしょうから、基本的な考え方について御説明いただきたいと思っています。
  31. 及川耕造

    及川政府委員 先生のお考えは私どももごもっともだと思っております。  去る二月十八日の政策協議会におきまして、この五十億円の配分方針につきまして御了承いただいたところでございまして、まずその配分の基本的な考え方といたしましては、昨年の九月十日に閣議決定をいたしました総理談話に基づきまして、四つの目標と申しますか理念に基づいて配分いたしたいと思っております。御案内のとおりでございますが、沖縄県が地域経済として自立し、雇用が確保され、県民生活向上に資するとともに、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備される、この四つの理念に基づいて配分を行いたいというのが基本方針でございます。  さらに、その配分に当たりましては、留意事項といたしまして、調査の全体像が明確にされることでございますとか、関連政策とのバランスをとりながら一つの目的達成のために各省庁が力を合わせて連携して行う事項、あるいは先ほど申し上げました総理談話等で具体的に検討が表明されている事項、あるいは今先生指摘ございましたように、調査後のビジョンが明確で県民に夢を与えられるようなもの、そういったものに注意しながら配分をさせていただきたい、かように考えているところでございます。
  32. 嘉数知賢

    ○嘉数委員 五十億について、本当の意味で夢の持てるような配分、あるいはまた事業の創出をやっていただきたいなと思っています。  開発庁長官にお伺いいたしたいと思うのですが、今沖縄振興開発計画については、従来の振興開発計画があります。それ以外に、これは政策協議会で今進めている部分であります。もう一つは、島田懇でやっている基地所在市町村に対するプロジェクト。この三つがあります。今、その三つが一遍に飛び込んでいく格好になっている。それをうまく調整しなければ、沖縄県内で消化不良を起こして、せっかくの事業計画がなかなかうまくいかない、むしろある意味では下痢をしなきゃいかぬような形になる可能性も十分ある。  そういう意味で、その元締めになるのは、やはり当然のこととして開発庁であり、開発庁長官だと思っているんです。そういう意味で、これからの沖縄振興開発計画沖縄振興開発を進める中で、十分にその部分を配慮していただいて、調整機能として、あるいはまた沖縄の本当の意味での開発に長官の御努力お願いいたしたいと思います。  あと一つ、全く別の話なんですが、沖縄で唯一残っているというのは、これは泡盛産業だと思っています。その泡盛の産業が今大変な危機に瀕しているということ、これは、WTOにおける酒税の改定等に従って、今のままでいくならば沖縄の泡盛産業は壊滅的打撃を受けなきゃいかぬという懸念がされております。  そういう意味で、唯一生き残る道として、一つは業界内でのいわゆる合理化推進ということがあろうかと思います。もう一つは、これは食糧庁にも御答弁いただきたいんですが、原料米を安く買い入れる、仕入れする方法がないものかということです。現在ある程度安くしていただいていますけれども、それでもまだ丸米が十万三千円、あるいはAースーパーが八万四千円前後と、まだまだ高い水準にある。それを少なくとも丸米が七万円前後にまで落とせたら何とか生き残れるんじゃないかというのが業界の考え方です。沖縄県の唯一残っていると言ってもいい産業、どうしても保護していただきたい。  そういう意味で、食糧庁にはその原料に対しての考え方、それから長官に対しては総体的な沖縄振興策について、今私が話しました消化不良を起こさないとかいろんな調整を含めて、御感想というか、御決意というんですか、お伺いしたいと思っています。
  33. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 今嘉数議員から御指摘されたように、沖縄振興開発においては、もう既に本土復帰してから三次にわたっての振興開発計画も各般の施策を実施してきたところでございますが、時代の変遷に従ってハードを中心とした時代からソフト面を重要視したというような、確かに御指摘にあるように時代の変遷もございますし、それからまた、御指摘のあった三つの機関、それぞれこれからどうこれを生かしていくかということでありますが、その結果、施設整備の面では本土との格差は次第に縮小されておるのは事実でございますし、沖縄経済社会全体として着実に発展してきておるのは議員御承知のとおりでございます。  しかし、今御指摘があったとおり、生活産業基盤の面で、これからなお一層整備を要するものが多く見られる。あるいは、産業振興や雇用の問題など、解決していかなければならぬ問題はも ちろんあるわけでございまして、こういった面で、開発庁としては引き続いて、まず第三次の沖縄振興開発計画に基づく諸事業の推進に努めてまいりたいということが一つでございますし、また、御承知のとおり、昨年の沖縄問題の内閣総理大臣談話に基づきまして、空港、港湾等の社会資本や観光関連施設整備をさらに積極的に進めていく、そして、自由貿易地域の拡充等によります産業や貿易の振興について一層検討を進めていこうということでございますが、先ほど御指摘のありましたとおり、沖縄政策協議会に設置された十のすべてのプロジェクトチームに積極的に加わりまして、関係の省庁あるいはまた沖縄県と連絡をとりながら、自立経済をしっかりと打ち立てられるように、また、雇用が十二分に確保されるように、特に若年の雇用ということが非常に問題でありますので、新たに卒業される人たちが県内に職を求めるのがほとんどでございますので、そのためには、自立経済を目指した産業の基盤を強化して新たな事業も起こしていかなければならぬ、こういうこともございます。  そういった面で、県民生活向上に資していきたい、我が国経済社会の発展にさらに寄与する地域として整備されるように沖縄振興開発に全力を傾注してまいる所存でございますが、先ほど指摘のありましたとおり、昨年出されました沖縄米軍基地所在市町村懇談会の提言についても、私どもとしては真剣に検討し、その地域のために最大限の努力を傾注していかなければならぬということでございます。  例の、昨年皆さんたちから強い要望があり、唯一の産業と言ってはあれかもしれませんが、泡盛業界が伝統ある地場産業である、これをぜひ育成していただきたい、こういう陳情も私ども随分受けておるわけでありますが、そのときに当たりまして、今回の税の改正等の問題、酒税の大幅引き上げが予定されておる。ほとんどの製造業者は中小零細企業でありますし、経営基盤が非常に脆弱なものでありますので、そうした業界の現状、また、それを取り巻く環境にかんがみまして、復帰特別措置の延長をお願いしておるところでございます。  政府がとり得る措置としては、しょうちゅう乙類業の対策基金の泡盛業界への活用や、先ほど御指摘のありました原料米の価格引き下げ、これもまた質という問題もあるわけでありますので、現地できちっと、泡盛に向くような、そういった質のお米の確保というものも必要であろうと私は思うし、さらに創意工夫をして、かつて清酒業界が悩んでおりましたときに、新たな展開というようなことでいろいろな工夫をして努力をされておるということも伺っておるわけでございますので、沖縄開発庁といたしましても、泡盛業界の活性化のために、特に自助努力を図っていただく、そのことによって合理化を一層進めていただくということが必要ではないのかと思うわけでございまして、私も議員と全く同感でありまして、この業界が何とか立ち行くように全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  私もいろいろお伺いしまして、何か清酒における吟醸酒のような、ああいうような方法でもないのかといろいろ聞いておりましたが、なかなかそれも難しい。貯蔵の期間に長い間かかる。古酒になればなるほど値打ちが高まるということでありますと、貯蔵に要する費用とかそういった面も考えていかなければいかぬだろう、こんなふうにも思うわけでございますので、これから一層全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
  34. 宮坂亘

    ○宮坂説明員 御説明申し上げます。  沖縄泡盛用のタイ産米の売り渡し価格につきましては、輸入される米の品質、国内での市場評価、それから加工原材料米穀全体の価格との整合性、これを勘案するとともに、泡盛と競合関係にございますしょうちゅう用の売り渡し価格とのバランスにも配慮して適正に設定をしているところでございます。  なお、沖縄泡盛用の売り渡し価格につきましては、泡盛業者の約半数が沖縄本島以外の離島に所在をしているという事情にかんがみまして、運送コスト等が増嵩するといった事情もあることにかんがみまして、それを配慮いたしまして設定をしているところでございます。  以上でございます。
  35. 嘉数知賢

    ○嘉数委員 終わります。
  36. 仲村正治

    仲村委員長 白保台一君。
  37. 白保台一

    白保委員 長官委員会が何回も開かれて、長官にも何度か質問する機会があったんですが、私は突っ込んでしまうたちなものですから、時間が足りなくて、長官の方にお話を伺うことができませんでした。大変失礼いたしました。きょうは時間がございますので、開発庁長官にいろいろとお伺いをしていきたいと思います。  ことしは、御存じのように、復帰二十五年という大きな節目の年になりました。そしてまた、きょうは沖振法や特別措置法の一部改正ということでございますが、一つは、長官沖縄に相当何人も友人もいらっしゃるようで、長官の御存じの人たちが私のところにも来まして、友達ですという人もおりました。個人的にたびたび行かれておると思いますが、長官として行かれて、その御感想をまず聞いておきたいと思います。
  38. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 私は、沖縄復帰する前にも一度、二度ほどですか、参ったことがございます。その当時と、しばらくずっと行かなかったわけでありますが、長官に任命されましてまず足をあそこにとどめたときに、昔の面影とはえらい違いがあるなと率直に感じた次第であります。同時に、空港へおりる直前に、基地が非常に主要なところを占めておるな、何とかこれらの問題の解決をつけていかないといかぬな。また、これがあるがゆえに大変お悩みを、いろいろと苦しんでおられることも承っております。  そういった問題で、振興開発を中心とした沖縄開発庁長官でございますだけに、一層心を引き締めて、沖縄県民の心を心として、また、沖縄県民の人たちが見える視線に立って、県民立場に立って物事を判断してやらなければいかぬな、こんなふうに強く痛感した次第です。
  39. 白保台一

    白保委員 先ほども申し上げましたように、二十五年、大きな節目を迎えました。もうそろそろ、かつての異民族支配の二十七年と匹敵するぐらいの年数を重ねてきたわけであります。そしてまた、開発庁も、きょうの審議をしておる本法も含めて、大きな使命を持ってこの二十五年間頑張っていただいた。一定の計画を立て、その計画を一生懸命遂行して、現在の沖縄をつくってきた、こう思うわけでございますが、開発庁の目的、そしてまた法の目的、そういった面から見て、今評価をするとどのあたりにあるというふうに二十五年目の節目に立って考えられますか。
  40. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 率直に申し上げまして、今日まで振興開発につきまして、沖縄が本土復帰して以来、三次にわたります沖縄振興開発計画に基づいて各般の施策を実施してきたのは議員御承知のとおりでございます。その結果、施設整備の面を中心に考えますと、本土との格差は次第に縮小されつつあると思っておりますし、沖縄経済社会は総体として着実に発展してきているのではないかと思っております。  しかしながら、生活産業基盤の面ではなお整備を要するものが多く見られると思いますし、産業振興や、沖縄の若い人たちが新たな就職先を求めたときに県内ではなかなかない、こういう点も伺いまして、この雇用の問題、解決していかなければならない非常に多くの課題を抱えておるというふうに認識しております。  そのために、開発庁としては、引き続いて第三次の沖縄振興開発計画に基づく諸事業の推進に努めるとともに、先ほどから申し上げておりますが、沖縄問題の内閣総理大臣談話に基づいての空港や港湾等の社会資本や観光関連施設整備をさらに進めていかないといかぬな、こんなふうに思っておるわけでございまして、自由貿易地域の拡充等による産業と貿易の振興について一層検討を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。まだ道半ばだな、こういう感じがしておるわ けであります。  以上でございます。
  41. 白保台一

    白保委員 非常に的確に、道半ば、こういう評価をされて、まさにそのとおりで、残された問題というのはいっぱいあります。大臣の今の答弁の中にもたびたび出てまいりましたが、格差是正の問題については、格差是正というのは沖縄県と本土との間の格差の問題、これもあります。しかしまた、地域間格差、いわゆる本島の中でも中南・北、そういう本島におけるところの地域間格差というものもありますし、また、本島と離島、島々との間の島間の格差という問題もある。こういった面では、格差是正といっても、大きくは本土との格差是正の問題になっていこうかと思いますが、それぞれの地域間格差、島間格差、そういったものも含めてどうやってこれを埋めていくのかという極めて重要な問題なんですね。その辺については、大臣、どのように受けとめておられますか。
  42. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 白保議員がおっしゃるとおりに、格差の視点、いろいろ見てまいりますと、本土と沖縄本島との格差もあるし、それから本島の中でもいわゆる中南部と北部との間、それから本島と離島との間もある、そのとおりでございます。  沖縄の中の格差是正の問題については、第三次の沖縄振興開発計画においても地域間格差の是正に配慮をしているのでございまして、例えば、圏域別の開発の方向として各圏域の均衡ある発展に十分配慮をしていきたい、離島の振興につきましても、離島の持つ不利性の克服を図って県土の均衡ある発展に努めるものとして考えておるわけでございます。三次にわたります沖縄振興開発計画に基づきまして、交通、通信体系、それからまた生活環境施設整備、あるいは産業の新たな振興といいますか、そういうものを行いまして各般の事業や施策を推進してまいりたいと思う次第でございます。  その結果、地域間格差の改善が生まれる点もいろいろございますが、例えば北部圏は、豊かな自然環境を有するものの、中南部に比べて人口あるいは諸機能の集積に相対的に立ちおくれが見られておりますので、人口の減少が幾分続いている地域もございます。また、離島については、地理的、自然的条件により経済社会の発展が制約を受けておりますので、本島に比べましても、生活の水準また生産機能の面でいわゆる格差が存在している、過疎化が進んでいるという点も見受けられるわけであります。今後ともこの第三次振興開発計画に基づきまして、地域の特性を生かして、そして各圏域の均衡ある発展を図って、離島の振興を図るとともに県全域を通じての均衡ある発展が実現できるように、これは我が省庁だけではなくて、他省庁との問題もいろいろございますので、そういった関係省庁とも連携をとりながら施策を推進してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
  43. 白保台一

    白保委員 非常に細々と、ぜひ頑張っていただきたい、こう思うわけですが、当面する極めて重要な問題というのは、先ほど大臣の御答弁の中にもございましたが、若年層の雇用の問題ですね。若年層の失業率が極めて高いというこの現実。一方では県は国際都市形成、こういった大きな柱を持って頑張っていくわけですけれども、またもう一方では島々におけるところの格差の問題、そしてその中で若年層の失業率が非常に大きいというこの実態を考えたときに、雇用拡大というのは極めて重要な喫緊の問題なんです。この喫緊の問題について、大臣、どういうふうにされるか。当然、地域地域で頑張るわけですが、政府としてどういうふうにしていくのか、この辺についてもまた御答弁お願いしたいと思います。
  44. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 沖縄県におきまする雇用失業状況を見てまいりますと、完全失業率が全国平均の約二倍でありますし、有効求人倍率は全国平均の約三分の一であり、平成七年度の時点でございますが、完全失業者が約三万三千人ある。そのうち約半数は、先ほどから申し上げており、また議員から御指摘がありましたとおり、三十歳未満の若年層となっておる。このような厳しい状況の中で、労働省においても新たに沖縄若年者雇用開発推進事業予算計上がなされていることは、私としても大変意を強くしておるところでございます。  そういうことで、沖縄開発庁といたしましても、今後とも、第三次の沖縄振興開発計画に基づきまして、道路、空港、港湾、水資源等沖縄産業振興の基盤となる施設整備を図っていかなければならぬ、また、観光リゾートの振興に資する交通の基盤施設整備を推進するとともに、春、冬季の野菜とかあるいは果実、花卉等亜熱帯農業振興を新たに図っていこう、南における観光リゾート地の形成や観光リゾート産業の育成を図る、あるいは製造業の生産力の向上及び製造業相互間また製造業と他の産業との連携強化等、沖縄の特性を生かした特徴ある産業振興を図って、そして雇用の増大を図っていこう。雇用機会の増大を図りませんとこれはできないわけでありますので、そういったこと等を行いまして雇用の場の拡大に努めてまいりたい。
  45. 白保台一

    白保委員 私もずっと見ていまして、人間は生まれて育ったところが一番いいわけですけれども、特に沖縄の青年は、ほかの地域の青年以上に自分のふるさとが好きなのではないかな、こんなような感じを強く受けます。したがって、県内でへ地域で雇用の拡大を図っていかないとこの問題の根本的な解決にはならないだろう、こう思うのです。  そこで、実は現状を考えたときに、何でこういうような経済基盤の弱い、雇用拡大できない、失業者が多い、こういう状況になっているのかと考えたときに、今の状況というのは二つあるわけです。この現実の問題と、もう一つは、先ほども議論になりましたが、島田懇談会や、あるいはいろいろなところの計画がいっぱい出ています。出ているものをきちっと整理しませんと、残ったものはという話も先ほどありましたが、海洋博当時に、勢いハードウェアといいますか、建設を進めるんだといってみんな手を広げていった、そこで多くの倒産が出てきたり環境破壊が出てきたり、極めて深刻な事態になりました。そして、その後ずっと箱物的なものの進めをやってきて、結果として今日の状況というものができ上がっています。  そこで、さまざまな提案がなされておりますが、今後それは整理をされるということで、その際に、まさに環境等も含めてそういったソフトウェアの辺も配慮する、そしてハードウエアも配慮する、そして、ヒューマンウエアといいますか人間の安全といいますか、そういったものも配慮する、そういう三位一体の配慮をした上で新たな施策の展開をしていかないとこれまでの二の舞になりかねない、私はこういう考え方を持っております。  そこで、長官、私の頭の中でなかなか整理できませんが、官房長官沖縄担当大臣という話になっています、そして開発庁長官がいらっしゃいます、この辺の役割はどういうふうに分担をされておるのですか。
  46. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 今回、官房長官沖縄担当大臣に任命されましたのは、内閣を挙げて、沖縄の問題は我が内閣の最大の課題である、したがって、沖縄に係る諸問題に取り組む姿勢を仕組みの上で担保する、こういうものでございまして、基地の整理とか縮小、また雇用とか産業振興など幅広い施策を総合的に推進するためには、委員御承知のとおり、外務省とか防衛庁とか、あるいは沖縄開発庁だけではなかなかはかり知れない問題がいろいろありますし、関係省庁等との調整をとるという点も非常に大切でありますので、沖縄担当大臣として官房長官が省庁の枠を超えた調整を行う、このように理解をしておるところでございます。  私も、沖縄振興開発の所管大臣として、官房長官に協力をしたい、あるいは相互に協力をし合うということで、積極的に努力してまいりたいと 考えております。
  47. 白保台一

    白保委員 先ほど申し上げましたように、多くの提案がなされておりますので、その辺の整理を体系的にきちっとやっていただく。どうも、あっちにもいろいろなものが出てきている、こっちにもいっぱい出てきている、県からも出てくる、島田懇談会からも出てくる、官房長官のもとにも集まる、皆さんも法に基づいて一生懸命やっていらっしゃるので、この辺の整理がきちっとなされませんと、私が一番危惧するのは、これまでのようなハードウエア中心で環境破壊につながるようなことがあったり、体系的な発展の形になっていかない。この辺の整理をきちっとやっていただきたい。  当然、皆さん全員が我が沖縄県のために一生懸命頑張っていただくことですから、それはありがたいことなんですけれども、終わってみたらとんでもない形になっていたという話じゃいけませんし、みんな一生懸命なためにいろいろなところに走っていって、結果としてよくなかったということじゃ困りますし、二十一世紀に向けて新たな展開をするための仕組みだと思いますので、ぜひその辺のことを整理をされて、先ほど申し上げました、ヒューマン、ハード、ソフト、この辺がきちっと組み込まれた形での健全な発展につながるようにお願いしたい、こういうふうに思います。  今回の法改正の一つで、航空運賃の問題が出ております。近年、観光産業が非常に盛んになりまして、年々着実に伸びてきております。内容の問題についてはさまざまに言われることもございますが、入域観光客は着実に伸びていっておる、そしてまた、宮古八重山、先島方面も着実に伸びていい方向で展開をしていっておるというのが現状です。そういった中で、沖縄本島と本土間の航空運賃の低減は非常にいいことだ、こう思うわけですが、素朴な意見として、先島の宮古八重山はどうするのですか。当然、皆さんも何回も聞かれていると思いますが、この辺の仕組みについて、ざっと説明をしていただけませんか。
  48. 桝野龍二

    ○桝野説明員 お答えいたします。  沖縄振興対策ということで航空運賃を値下げをする、そのためにコストを下げよう、そういうことで空港使用料の値下げをずっと検討してまいりました。これにつきまして、先生おっしゃいましたように、沖縄振興観点などから沖縄政策協議会等の場でいろいろ御議論がございまして、今回、本土−本島ということで成案をいただきました。  離島につきましては、従来より離島対策ということで措置をしてまいっておりまして、御指摘石垣、宮古につきましても、本島とは別に、従来より離島航空路として折衝してまいりまして、そういう観点の措置をしていただいた。昨年も、六月から使用料を下げておりまして、それについて対策を講じてきたということでございます。
  49. 白保台一

    白保委員 要するに、従来から先島についてはやっておりますので今回の対象にはなりませんでしたということですね。  航空運賃の形成の中で、積み上げていく中で、今回は公租公課の部分、いわゆる企業側、エアラインの努力部分ではないわけですね。今回は、公租公課の部分政府が頑張って下げた、したがって、先島については既に前にも下げていますからこれだけですという話なんですが、これだけ政府が頑張ってやっていただいたわけですから、エアライン、各航空会社についてはどういうようなことを求めて、求めてというとおかしいのですけれども、やっていらっしゃいますか。
  50. 桝野龍二

    ○桝野説明員 繰り返しになりますが、今回の措置は、沖縄振興に資するために運賃値下げをしよう、そのために空港使用料、航空機燃料税を特例的に引き下げよう、こういう措置でございまして、今回の措置の趣旨につきまして、昨年の十二月十八日に、運輸大臣が各航空会社、五社ございますが、この社長に対しまして説明をいたしました。その際、各航空会社側からは、今回の政府の措置の趣旨を重く受けとめて適切に対処したい、こういう旨の表明がございました。  こういうことでございますので、予算の成立、法律の成立がございました後、各航空会社により、運航コストの低減の率とかあるいは需要喚起の効果などを勘案していただきまして、おのおの適切な対応がなされるものと期待をいたしておるところでございます。
  51. 白保台一

    白保委員 今の答弁、非常にすばらしい答弁ですが、それでは、公租公課の部分と別に、エアラインの方もそれなりに努力をして期待を持てるのではないかというふうに受けとめてよろしいですね。
  52. 桝野龍二

    ○桝野説明員 繰り返しになりますが、今回の措置を重く受けとめて適切に対処する、こういうことでございますので、そのように期待しているところでございます。
  53. 白保台一

    白保委員 さて、最近、最近に限らず、日本の航空運賃は高い、こういうことで、そういったことをテーマに航空行政を批判するような本がいっぱい出ています。「日本の空はだれのものか」とかいろいろ。私も何冊か読みましたが、そういった中で、最近、新規会社が名乗りを上げていますが、今何社ぐらい名乗りを上げておりますか。
  54. 桝野龍二

    ○桝野説明員 実は幾つかございます。私ども今把握しているところでは、四社程度の御意見を伺っているという状況でございます。
  55. 白保台一

    白保委員 この四社は、いろいろ取りざたされていますが、航空運賃については皆さんが認可制度をとっておられる。この新規会社は、恐らく相当の安い値段での航空会社ということで期待されていると思うのですが、この会社の航空運賃、こういった場合の審査といいますか認可といいますか、これはどういう形になるのですか。
  56. 桝野龍二

    ○桝野説明員 規制緩和の中で幾つか、これからどうしていくかということでございますが、現在の制度は幅運賃になってございまして、私どもが標準運賃と決めておりますものから二五%以内でございましたら御自由に決めていただくという制度になっておりまして、現状でございますれば、この枠の中で御議論していただくことになると思います。
  57. 白保台一

    白保委員 そうすると、これはやはり皆さんと相談をして、きちっと審査をして、そういう面で認可をもらっていく、そういうことですね。
  58. 桝野龍二

    ○桝野説明員 具体的な会社が出てまいりましたときに、具体的にお話をしていくことだと考えております。
  59. 白保台一

    白保委員 航空運賃は何で高いんだというような話をいろいろと聞きますと、運輸省は、公共交通機関ですから安全面ということが一番大事だと。安全の審査ということがきちっと通るかどうかという問題が一つある。もう一つは、たえられる、安定的にやっていけるだけの運営ができる形の運賃の構成になっているのか、こういった面と両方見ていくわけですね。  ところが、今回新規参入しようという会社は、恐らく安全という面では、これは空を飛ばすことですからいいかげんなことはできないと思いますけれども、それでも航空局としては、こういう安全面の問題についてしっかりと審査をしていくんだろうと思います。  今度は、残された幅というのは運賃の問題、この部分だと思うのです。この部分については、先ほどお話がありましたように、二五%の幅の中でやっていくとなると、これは消費者から見たら、利用者から見たら余り幅がないぎりぎりのところということで、どれだけの期待が持てるのかなという感じがするのです。  ですから、今皆さんは、出てこなければわからないということですが、出てきた場合に、室長、従来どおりの形での審査をやられるのかということです。
  60. 桝野龍二

    ○桝野説明員 具体的に会社が出てまいりましたときにいろいろお話させていただきます。  当然、安全の問題は重要でございますので、安全がしっかりしているかということを見させていただきたいと思っています。  それから、先ほど先生指摘のように、きょうやってあしたやめる、こういうことでなかなか安 定的な需要がないと利用者に迷惑をかけますので、それもやはり見させていただきたいと思っておるのですが、具体的にその会社がやっていけるということでございまして、いろいろ個別に議論をさせていただきます中で、二五%の枠を超えても、これは御議論させていただく余地はあろうかと思っていまして、そういう立場で議論をしていきたいと思っております。
  61. 白保台一

    白保委員 利用客は安全で安い方が一番いいわけですから、航空行政で余り手を入れ過ぎて高くなったというようなことのないように、一般の人は期待を持って見ておりますので、その辺のことはぜひお願いしたい、こういうふうに思っております。  そこで、実はせんだって、私の出身であります石垣の方の市長さんが、観光協会の事務局長あるいは観光課長等を伴って来られました。恐らく皆さんのところに寄ってこられたと思いますが、今、石垣と台北の間の航空路の開設を非常に積極的にやっておられます。  何だ、石垣と台北か、皆さん全国を見ていますから、こういうふうな感じで見られるかもしれませんが、石垣−台北、台湾というのは、そもそも私ども子供のころから、戦前から台湾の人が石垣の方に移住してこられて、ずっと開拓をされて、そういう人たちと一緒に学校で学んだという、言ってみればみんな仲間なんです。また、台湾と石垣というのは非常に近い、そういう関係にありまして、親子であったり兄弟であったり、それぞれが台湾と石垣に住んでおる、こういうような関係もありまして、石垣−台北間の交流というのは常々言われていますし、船では常にやっておりますが、そういうことがあるわけです。  実は、この石垣−台北間の路線の問題で、市長やその他何人かが台北へ行って直接交渉をやったとかなんとかいうことで、運輸省が大変怒っていらっしゃるということが報道にあったとかいう話もあるのですが、こういうのは、順番としてどういうふうな段取りでやるのですか。
  62. 井手憲文

    ○井手説明員 お答えいたします。  先生おっしゃったとおり、私どもの方にも石垣と台北の間で国際航空サービスをやるということにつきましての御要望地元の方からしかと承っております。  台湾と日本との間での航空サービスにつきましてはどういう段取りかという御質問でございますが、通常の国際航空サービスとは、台湾の関係は御案内のとおりやや特殊でございまして、民間の団体でございます、日本側は財団法人交流協会という団体がございますが、そちらと、台湾側にはそれにちょうど相応する団体がございまして、この両方の協会が台湾と日本との間の国際航空サービスにつきましていろいろな協議をし、それからそういったことについての取り決めをし、その取り決めに従って運営される、こういうことになっております。
  63. 白保台一

    白保委員 そうしますと、これはこれから先の話ですが、大変声も高いことですし、要望も強いことですから、ぜひ出てまいりましたらオーケーを出していただきたいな、こう思っています。  御存じのように沖縄は、政治的ないろいろな状況が日本の中ではありますが、台湾との交流が非常に大きいのです。これからも幾つか台北に限らず高雄も含めて出てくる可能性が十分あるので、これはそれぞれの地域の中で、お互いの地域また外国との交流というものはいっぱい行われていますので、その辺のことも勘案をして、ぜひ皆さん方の方でいい判断をしていただきたいと思います。
  64. 井手憲文

    ○井手説明員 お答えいたします。  先ほど一点だけ申しおくれましたが、国際航空サービスということにつきましては、当然のことながら、内外の航空企業の方に具体的にその運航をしたいという計画があることがもちろん大前提でございますが、そのほかには、日本側の受け入れの体制といたしまして、石垣は残念ながらまだ国際定期便の就航していない空港でございますから、内外の航空企業がどの程度の航空サービスの頻度でありますとかそういう計画を持っているかにもよりますが、CIQ、検疫とか関税それから出入国管理、こういったサイドでの受け入れの体制も検討を要する事項になるかと思います。  私どもといたしましては、そういった受け入れの諸体制というふうな対応ぶりも考慮に入れて、また内外の航空企業の運航の考え方についてよく今後もフォローをしてまいりまして、先ほどお話し申し上げました日本側の交流協会と先方のそれに相応する団体との間の取り決めとの関係を今後どういうふうにしていくのかというふうなことを誠意を持って検討してまいりたいと思っております。
  65. 白保台一

    白保委員 今の問題は結構です。ありがとうございました。  実は、暮れに、十一月末に平良港の港湾で座礁船が出まして、十二月のこちらの委員会でも申し上げたわけですが、民間同士の話ですから政府が出るのはどうなのかという話がありましたが、こちらで皆さんに申し上げたら、開発庁が非常によく頑張っていただいて、特に振興局長が頑張っていただきまして、きのう来た新聞を見ますと、三月初旬に航路が回復、こういうふうに出ておりまして、平良港の座礁船撤去ということになりました。大変頑張っていただいた皆さん方に、質問をしましたので、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。  そこで、これはもう既に大分前から、この平良港に入る航路については拡張していかないと、広げていかないと百メーター以上の船はなかなか入れない、こういうふうに言っていました。聞いてみますと、どうも操縦室から見ていますと、あれだけの幅ですと、陸上でいえば大きい車で狭い道路を走っているようなもので、身動きがとれない、怖い、ちょっと波が立つとずっと寄せられていきますから、しかも百メーターも長い船でしたら波でずっと寄せられていきますし、座礁する危険性というのは常にはらんでおる、こういうふうに言っておるわけですね。したがって、これは地元の方も、この間の要請の中にもありましたように、既に六年、七年前に決議をしておりますが、この拡幅をしていただきたいというような要請がございました。  私も、ひとり宮古群島に限らず、今平良港に入る貨物船等は、大きな物資を載せて、平良であり、石垣でありあるいは台湾であり、そういったところをぐるぐる回りながらお互い物資の交流をしておるわけですね。そういう面では非常に重要な生活港なんですよ。陸上でいえば生活道路と言ってもいいくらいのところですから、そこの拡幅は極めて重要である。今回こうやって回復しましたので、これを機に、ぜひ早急にこの問題については取り組んでいただきたいな、こう思っておるのですが、いかがでございましょうか。
  66. 牧隆壽

    ○牧政府委員 ただいまお話ございましたように、宮古圏域の経済活動あるいは生活基盤、また観光リゾートの拠点としての平良港の果たす役割は非常に大きいものがあるというふうに私ども考えております。  私どもとしましても、座礁船の撤去による航路の早期原状回復ということを望んでいるわけでございますが、ただいまこれに関連しまして、航路の安全確保という点につきまして御質問がございました。航路の一部が使用できない状況というのは、住民生活に多大な影響を及ぼすということを私どもも承知しております。今後とも、航路の安全確保が図られるよう検討してまいる所存でございます。
  67. 白保台一

    白保委員 よくわかります。今後とも検討してまいりますと言うのですが、計画として、どういう形でという目途みたいなものは出てまいりませんか。
  68. 牧隆壽

    ○牧政府委員 具体的にどういうことということじゃございませんけれども、航路の安全確保という点からあらゆることを含んで検討してまいりたいというふうに考えております。
  69. 白保台一

    白保委員 もう一点、先ほど振興局長は、平良港は宮古圏域のという話になりましたが、その前に私は、ひとり宮古に限らず、八重山、台湾、その他沖縄に向かっても、経済港としても非常に重要なところでございますので、その辺の認識をしっかりと持っていただきたいと思います。  もう一点申し上げたいことは、実はこれまた石垣港なんですけれども、既に御存じだと思いますが、来月三月十四日から、マレーシア船籍でスタークルーズ、観光船ですが、二万八千トン、これが基隆、石垣、那覇を週三便、八百人乗せて、ぐるぐる観光で回ることになりました。三月十四日、初めての船が入る。  現在、石垣港は水深九メーターです。九メーターですから、二万八千トンぐらいですと、十分とは言えませんけれども、何とかなるという状況にあります。ところが、計画を聞いていますと、倍以上の船を今計画をしておりまして、こういった倍以上の大きな船が出入りするようになってまいりますと、今後の問題として、今の九メーターを水深十二メーターに持っていく必要がだんだん生じてくるのじゃないか。  御存じのように、今三角貿易といいますか、台湾船籍、中国船籍、これが石垣島と竹富島の間に毎日三そう、四そう泊まっています。こういうものが交流、交易の中で十分行き来するような形になってまいりますので、この辺のことも含めて御検討をしていただきたい。  経済活動というのは非常にテンポが速いわけでありまして、いいということになるとどっと押し寄せるというようなこともございますので、そういったことも含めて、特に、前にも申し上げましたように、島嶼県というのは港や空港、そういったところが極めて重要な位置づけになりますし、そして空とか海というのは生活道と同じですから、そういう面でその辺の整備を進めていただきたいと思いますが、この件について振興局長よろしくお願いします。
  70. 牧隆壽

    ○牧政府委員 三月から大型クルーズ船が石垣港へ寄港するという計画、私ども新聞報道等で承知しておりますが、地元八重山圏の観光振興に大変寄与するのじゃないかと期待しております。かつて日本の最大級のクルーズ船でございます飛鳥が数度寄港したことがありました。私も担当者に直接どうだったですかというようなことをお聞きしましたら、乗客の方々が大変喜んでおられたというようなことを確かめたことがございます。  御質問石垣港でございますが、最も深い水深の岸壁として、現在九メーターの岸壁が御指摘のとおり一バースございます。この岸壁を使いまして、本島、宮古、石垣あるいは台湾等の定期フェリーあるいは貨客船等が利用しております。また、平成九年度から利用船舶が増大しておりまして、新たに、これは九年度の新規事業としまして、水深九メーターの岸壁の整備に着手するということになっております。  石垣港に寄港します予定の大型クルーズ船というのは、既存の九メーター岸壁、あるいは新たに計画しております九メーターの岸壁で対応可能と現在のところ考えております。今後、このクルーズ船事業が順調に推移しまして、現在の岸壁で対応できないような大型クルーズ船が就航する計画が将来どうなるのかというふうなことはあろうかと思いますが、またそれは計画熟度と申しますか確実性と申しますか、そこらを見ながら対応、検討させていただきたいというふうに考えております。
  71. 白保台一

    白保委員 それでは、次の問題に移りたいと思います。  今回、自由貿易地域を対象とした改正も出されておりますので、その件について若干質問をしていきたいと思います。  まず第一点、申し上げる前に、今や沖縄経済自立、そのためにはこの自由貿易地域、フリーポート、そういった問題が盛んに議論をされている。これはもう御存じのように、なぜ基地があるかといえば、地理的条件がいいからだ。同じように、経済的にも地理的条件のよさというのが言われているわけでありまして、そういう面では、過去の歴史がそれを物語っているわけであります。  したがって、勢い新聞や何かもずっと特集を組んでやっておりますが、現行の自由貿易地域の問題点、県からも上がっておりますけれども、例えば新聞などで報道した中で見ますと、選択課税の問題について大きく取り上げています。  例えば、選択できるというふうにしていながら、しかし高い方の原料課税を払わなければいけない、製品課税であれば安くなる。例えば牛肉そのものの関税率は四六・二%でありますけれども、これをコンビーフやハンバーグなどに加工すると二三・八%と低くなる。あるいはまた革などもそうです。原料のなめし革の関税率は五二・五%。それを革製ハンドバッグにした製品は一六・六%。選択課税ができるということであるならば、肉などの場合には二三・八%の加工したもの、そして、革などで言えばハンドバッグの一六・六%、そうなるのが当然でありますが、そうならない。  これは、大蔵省、来られていると思いますが、関税基本通達によって、製品課税が原料課税を下回った場合には原料課税を選択する、選択するのじゃなくて払う、こういうふうになっておる、こういうことです。どうですか。
  72. 塚原治

    ○塚原説明員 お答えを申し上げます。  原料と製品のいずれの税率なり課税価格で課税するかという、いわゆる選択課税の議論でございますが、現在の取り扱いは今委員指摘のとおりでございます。その趣旨は、原料に課している関税の保護機能を減殺させることのないように、原料の方の関税が高い場合には原料の方で課税をするという現在の取り扱いでございます。
  73. 白保台一

    白保委員 これは皆さんの方でよく言われていますが、高い関税率で保護されている国内の原料関連業界への悪影響を及ぼさないためだ、こういう考え方でしょう。そういうことですね。
  74. 塚原治

    ○塚原説明員 原料に課している関税の保護機能を相殺させないためという趣旨でございます。
  75. 白保台一

    白保委員 実は、国内というふうに言うのですけれども、確かに国内業者も非常に大事なのです、全体で。日本ですから。しかし、復帰のときに、フリーゾーンを、自由貿易地域を沖振法でつくるのだ、こういうふうに言ってスタートさせた意味は一体何だったのか。  だから、この間も予算委員会の一般質問質問した際に、佐藤通産大臣は、私が考えていることと違うような趣旨の御答弁をなさいましたけれども、こういう状況であったならば、これはあそこの一角につくったものが、せっかくそこで沖縄県の経済の自立を目指して、そしてまた活性化を目指して頑張ろうとして入っても、全体の保護のために小さなものが生きてこない。しかもそれが、やれると言いながら通達でもってやれない。では、それは一体何なのかな、こういう思いが強いのですよ。開発庁もそんな考え方ですか。
  76. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 御答弁申し上げます。  この原料課税か製品課税かの問題につきましては、私どもも大変関心を持っているところでございますが、この問題の解決に当たりましては、所管省におきましていろいろな面を考慮して御判断されるべきもの、このように考えております。
  77. 白保台一

    白保委員 実はそういった問題について一つ一つ解決をしていかないと、自由貿易地域という名前だけあって実体は伴わない、こういう状況になります。だからこそ、沖縄から、規制緩和あるいはまた現行の自由貿易地域を大きく広げていくための要望が出ているわけであります。時間がありませんから、余りここで議論をしてもあれですから、もう一回また改めてこの問題については議論をしていきたいと思いますが、まだほかにも、優遇措置だと言われている問題について、まだまだこれは十分に生かされていないという問題もあります。そういったことも含めてやっていきませんと、今回これだけ改正しましたから、継続しましたからよかったですねという話にはなりにくいの です。そのことをぜひわかってもらいたい、こう思います。  そこで、沖縄県の国際都市形成、これを形成していく中で極めて重要なことは、先ほども議論がありましたが、マルチメディア、これは国際都市形成をしていく中にあってどういう施設を配置するのかという問題、そしてそれに対してどういう人材を集めるのかという問題。これはある地域で既に始まっているものを参考に見てみますと、非常に膨大な計画になっています。  国際都市形成ということになれば、当然情報がここに集約されてまいります。その情報を世界に発信できるようなそれだけの施設設備というものがつくられていかなければなりませんし、そこにたえ得るだけの人材をつくっていかなければならないということも当然のことです。これは極めて重要な大きな仕事でございますので、これは県の方からも出ておると思いますが、このことについてお答えをいただくと時間がありませんから、それは私の方の要望として申し上げておきます。  国際都市形成をしていく場合にもう一つ大事なことは、情報は大変重要ですが、ここで長く継続的に仕事をしていこうとなってきたら、情報と同時に当然人が集まるわけですから、今出ているノービザの問題が必要となってくると思います。  外務省、もう沖縄県の方から要請が出されていると思いますが、これはどのようになっておりますか。外務省と、それから法務省も続けて……。
  78. 二階尚人

    ○二階説明員 御説明申し上げます。  御指摘沖縄県についてノービザ制度を導入することに関しましては、確かに沖縄県側より国際都市形成構想プロジェクトの一環として要望が出されているところでございます。これにつきましては、査証を含む外国人の入国の問題については基本的に国レベルで統一的に対応すべきものと考えておりまして、また近年、御承知のとおり、外国人我が国における不法就労、不法残留問題等もございまして、難しい面があると考えております。  他方、外務省としましては、沖縄政策協議会プロジェクトチームを通じまして、沖縄県側と十分話し合いながら、沖縄県の観光振興に係る要望を念頭に置きまして、ビザの面で何が可能か、鋭意検討を行ってまいりたいと考えております。
  79. 塩口哲朗

    塩口説明員 今外務省から御説明がございましたけれども、法務省も基本的に外務省と同じ考えでございます。法務省といたしましては、沖縄県側の御要望にも留意しながら、本件の取りまとめ省庁でございます外務省などと連携をいたしまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。
  80. 白保台一

    白保委員 前向きのような型どおりの答弁をいただいていますが、日本は古来、純血主義なんですね。非常に純血主義なものですから、なかなか踏み込み切れない、そういう部分があるのですが、沖縄県は、御存じのように万国津梁、世界に羽ばたいて栄えていった地域ですから、そういった面での理解というのは、皆さんが型どおりの前向きな答弁をやってもなかなか理解できないという部分はあるのです。国際都市形成をしていこう、これからまさにそういった時代が来るわけですから、そういう面においては、皆さんの発想の転換も強く求めておきたい、こう思うわけです。  もう一点、時間が迫ってまいりましたから、私の方からずっと申し上げますが、酒税についても今回改正になりますが、そして、これは実は要請書もそうなんですが、皆さんのあれを見ていますと、どうもウイスキーと泡盛が直接競合・代替可能産品であるなどというのですが、泡盛の大好きな私などにとってみたら、ウイスキーと代替可能産品であるなどという認識には立っていないわけです。WTOで自由な貿易をやっていく、関税もそうやっていくのだという中でとられた措置だと思います。そう思うわけですが、今回激変を避けて、ことし、来年、そして平成十三年、これで大体横並びにするという形になっているわけですが、平成十三年の十月一日で一〇〇%横並びとい  うことになるのでしょうか。
  81. 森信茂樹

    森信説明員 酒税につきましては、WTOにおきまして、今委員指摘のとおり、蒸留酒におきまして、しょうちゅうの乙類とウイスキーとが直接競合、代替可能な関係にあるというふうなパネルの結論が出たわけでございます。それが出るに当たりまして、我々は、いろいろなデータとか、例えばウイスキーとしょうちゅう乙類の飲み方の違い、あるいは商品の態様とかということを主張して、競合関係にはないということを主張したわけでございますが、残念ながら、競合しているというふうな結論が出ることになったわけでございます。  その結果、我が国の対応といたしまして、その後どういうふうな法律改正をするかということでございますが、しょうちゅう乙類につきましては税率を引き上げるということになったわけでございますが、その引き上げ方につきましては、三段階に分けて引き上げを考えております。この三段階目が平成十三年の十月一日に来ますが、それをもって終わりということになっております。
  82. 白保台一

    白保委員 こうやってWTOで、自由競争ですから税率は一緒にしなさいということになってきている、一方で、先ほどもお話がございましたが、原料は値段が決められて、手足は縛られて自由競争に参加しなさい、これはちょっとおかしいと思うのです。税率でそうやって自由競争するのでしたら、当然原料米についても、製品にしていく原料についても自由に安く買える、これであってこそ初めてコスト競争ができるので、一方では自由競争です、一方では手足を縛ります、これでは零細業者はもちませんよ。  ですから、食糧庁は、同じ政府ですから、一方で自由競争にしていくための税制改正をしていくのでしたら、もう一方では原料米を安く買えるようにするのが当然じゃないですか。そうしなかったらもちません。自由競争をさせるのでしたら、そうさせてください。その辺どうでしょうか、食糧庁。
  83. 宮坂亘

    ○宮坂説明員 御説明申し上げます。  米につきましては、食糧法に基づきまして、国内の需給及び価格の安定に悪影響を及ぼさないよう国家貿易によりその輸入を行うものとされておりまして、沖縄の泡盛用のタイ米につきましても、このような観点から国は輸入を行っているということでございます。  よろしくお願いいたします。
  84. 白保台一

    白保委員 何か勘違いしているのだろうと思うのですね。これは、おせんべいやもちとか、国内ではそういった競争するものはないのです。ですから我々は、こういったものについてはタイで買えば非常に安いのですから、古来そうやってきたのですから。そういう中で、その制度の中へ入って一方では自由競争、一方では自由競争できないような状況ではいけない。したがって、開発庁長官、ぜひこの辺の善処方もお願いしたい。決意をお願いします。
  85. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 ただいまの議論を聞いておりまして、私も、貴重な沖縄の、唯一と言ってはなんですけれども、農産物を加工する産業として泡盛は長い歴史がありますし、また唯一と言ってもいい、誇るべき地場産業でございますので、今の原料の面について、あるいはまた税の問題については、今回こういうことになりましたけれども、また、資金の手当てとかいろいろな面において総合的に、この泡盛産業が一層発展、興隆するように、私なりにひとつ一生懸命努力をさせていただきますことをお誓い申し上げます。
  86. 白保台一

    白保委員 終わりますが、通告いたしました防衛施設庁やエネ庁の皆さん方にも御準備いただきましたけれども、次の機会にやりたいと思いますので、どうぞお許しください。ありがとうございました。
  87. 仲村正治

    仲村委員長 三沢淳君。
  88. 三沢淳

    ○三沢委員 私は、新進党の三沢淳です。沖縄及び北方問題に関する特別委員会で初めて質問させていただきます。長官初め委員皆さん、よろしくお願いいたします。  私は、議員になる前に、沖縄で大変お世話になりまして、毎年、沖縄県民皆さんの温かい声援のもとに頑張ってまいりました。そして、基地の島、産業のない島で生活することが本当に大変だということを実感してまいりました。そこで、議員にならせていただきましたので、これから何とか沖縄皆さんの力になってまいりたいと思います。  最初の質問は、先ほどの白保議員と少し重複することがあるかもわかりませんけれども、よろしくお願いいたします。  沖縄返還がされまして二十五年が過ぎようとしていますが、沖縄振興開発計画ということで、第一次が昭和四十七年から始まり、第二次、そして第三次があと五年で終わろうとしています。これまでに約五兆円の振興開発事業費が、本土との格差是正、そして自立的発展のための基礎条件の整備等に使われてきました。先ほども長官答弁なされたとおり、インフラ面では整備がなされてきたということですけれども、まだまだ沖縄県民皆さん生活は安定していない、そのように私は思っております。  そこで、沖縄県の所得統計によりますと、一人当たりの国民所得は、平成五年度で二百十一万円、平成六年度で二百十二万円となっています。全国平均の平成五年度二百八十六万円、平成六年度二百九十八万円と比較しますと、まだまだ大きな開きがあります。これは、全国一の低所得県となっております。  それに加え、失業率においても、総務庁統計局の労働力調査によりますと、平成六年度で、全国平均失業率が二・九%に対し沖縄は五・八%、平成七年度では、全国平均失業率が三・二%なのに対して沖縄は五・八%となっております。全国第一位の失業率ということで、全国第一位の低所得県と全国第一位の失業率。沖縄皆さんにとりましたら、大変苦労なされている、そういうふうに思います。  そして、私が言いたいのは、先ほども白保議員からお話がありましたけれども、この中で十五歳から二十九歳までの若い世代の失業率が半数を占めている、こういうところに問題があるんじゃないか。  私も選手時代そして解説者時代に沖縄に参りまして、昼間若者がぶらぶらしています。いろいろ聞きましたら、仕事がないんだ、東京なんかから帰ってきても何にも仕事がない、だからこうしてぶらっと野球を見に来ましたなんて言っていて、ああ沖縄も大変なんだな、この辺のところになかなか県としての自立ができないんじゃないか、やはり若者の力、若者の働き場所があるということが県の自立につながっていくんじゃないか、そのように思います。  そこで、労働省の方は  私は沖縄開発庁が全部沖縄の件はやっておると思っておりましたけれども、実はいろんなところに分かれていまして、私も勉強不足でしたけれども、労働省は、平成九年度沖縄関係経費予算として、平成八年度になかった沖縄若年者雇用開発推進事業として一億一千百万円を計上しており、これは若年層に対する失業対策の一環と労働省は考えてこられた、そういうふうに理解しておりますが、沖縄開発庁長官としましては、今後の若年層の雇用対策をどのようにお考えなのか、御意見を伺いたいと思います。
  89. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 委員指摘のとおり、沖縄におきましてはどうも若年者の就職先がないではないかというようなお話でございます。  沖縄県におきます雇用失業情勢を見てまいりますと、先ほどからそういう御指摘がございましたので私からも申し上げましたが、いわゆる完全失業率が全国平均と比べてまいりますと約二倍あるではないか、有効求人倍率も全国平均から見ますとその約三分の一、完全失業者が約三万三千人ほどでございます。これは平成七年度の統計によるのですが、そのうち約半数は、委員指摘のとおり三十歳未満の若年層になっております。  このような厳しい状況の中で、労働省においても新たに沖縄若年者雇用開発推進事業予算計上がなされたことは、私も大変心強く、そうあってほしいと強く感じておる次第でございます。  そこで、沖縄開発庁といたしましては、今後とも、今ちょうど道半ばといいますか折り返し点だと言われておりますが、第三次の沖縄振興開発計画に基づきましていろんな事業計画し推進をしようとしているところでございます。  道路や空港や港湾また水資源等、沖縄産業振興のための基盤となるような施設整備を図っていきたい。それから、観光リゾートの振興に資する交通の基盤整備、また施設整備を推進をしてまいりたい。  それから、産業の面でございますけれども、冬とかあるいは春先の野菜というものは本土におきましても足らないわけでありますので、そういった野菜とかあるいは果実、これは外国から果実が輸入されるときはおおむね青い状態で未熟の状態で来るわけでありますが、沖縄で完熟されておいしい果物、これは本土のデパートとかいろんなところで売られておりますがなかなか評判がいいわけでありますので、こういった完熟化された果実、あるいは花も他の地域でつくられたものより一層美しい立派なものだとも言われておるわけでありますので、こういった花卉等のいわゆる亜熱帯農業振興策を図ってまいりたい。  また、南におきまする観光リゾート地の形成や観光リゾート産業の育成を図っていきたい。製造業の生産力の向上をさらに進展をしていきたい。また、製造業者相互間あるいは製造業と他産業との連携強化を図っていく。  そういった沖縄における特性を生かした特色ある産業振興を次から次へと展開して図っていき、もって若い人たちが望んでいるような雇用の場を拡大してまいりたい、かように思っている次第であります。
  90. 三沢淳

    ○三沢委員 開発庁長官のいろんな構想を聞いて沖縄の若者たちも喜んでいるんじゃないかと思いますけれども、実現するようにぜひ御努力をしていただきたいと思います。  次に、今沖縄では基地の縮小整理とか言われていますけれども、これも沖縄開発庁かなと思いましたらこれは防衛施設庁ということで、雇用の問題なんですけれども、先ほどは若者が仕事場がない、今度は縮小されるために仕事を奪われる人たちをどうするのかということでして、今後、普天間飛行場、那覇港湾施設等で働いているこの四百名余りの人たちの職業、生活の保障はどのようになっているのか。この人たちを、縮小されましたから、もうおまえらはあしたから仕事がないんだとそのままほっておくのか、それとも、その人たちのための仕事とかいろんなことを考えておられるのか、防衛施設庁の方にお伺いしたいと思います。
  91. 長島秀晴

    ○長島説明員 SACOの最終報告で日本側に返還されるとして公表されました在日米軍施設・区域に在籍する在日米軍従業員のうち、影響が生ずる方々は相当出るものと見込まれております。これらの方々に具体的にどのような影響が出るかということは、現在まだ必ずしも明確ではございません。しかし、在日米軍従業員の雇用主でございます防衛施設庁としましては、従来から在日米軍従業員の雇用の安定に努めてきているところでございまして、今後米側と緊密に連絡、協力しつつ、沖縄県とも連携を図り、在日米軍従業員の方々の雇用の安定確保につきましては、移設先への配置転換の措置などをとりまして最大限努めてまいる所存でございます。
  92. 三沢淳

    ○三沢委員 これからも、基地の縮小整理に当たって働いておられる方の失業という問題が出てまいりますので、ぜひそのようなところを御配慮をいただきまして、その人たちのためのことも考えていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  私は文教委員会にも入っておりまして、スポーツ振興にこれから力を入れていこうと思っております。そこで、ここにことしの一月の各種スポーツキャンプ・合宿実施状況調査書というのがあり ますが、一月に沖縄でキャンプや合宿をしたスポーツ団体がたくさんあります。例えば名前を挙げますと、サッカー、野球、ゴルフ、陸上、ソフトボール等々、プロ、アマを問わずキャンプを沖縄でたくさん張ります。特に、ここで言いますと、石垣島では清水エス。ハルス、ベルマーレ平塚、ヴェルディ川崎、宮古島ではオリックス、本島名護では日本ハム、沖縄市では広島、宜野湾では横浜ベイスターズ、具志川、石川、北谷では中日などが頑張っております。この中に、社会人や大学、高校も沖縄の各地で合宿をしていますが、沖縄ではスポーツが盛んでして、ゴルフの国際大会も開かれ、マリンスポーツではダイビングなども盛んであります。  そこで、スポーツ、レジャーを通じて沖縄県に経済効果が出ていることは間違いない、そういうふうに思っております。私は今後の沖縄を思うに、経済、文化交流と同じように、スポーツ、レジャーを通して沖縄県以外の各県の皆様そして各国の人との人的交流が本当に活発になるように、スポーツアイランド構想というようなものを県と国が一体となって沖縄県のために考えてあげられればどうか、そういうふうに考えております。これは具体的にどうこうというのはまだまだ考えておらないのですけれども、スポーツを通じたそのアイランド構想というのが、沖縄県にとって雇用の問題にも生きてくるんじゃないか、特に若年層の雇用問題に随分つながるんじゃないかと私は思っております。  そして、沖縄県は、独自の二十一世紀に向けた沖縄のグランドデザインとして国際都市形成構想を考えておられます。その基本方針としまして、沖縄は「地理的条件を生かし、人、物、文化の交流の拠点として、アジア太平洋地域との更なる経済・文化交流を促進し、より緊密なネットワークを構築・強化することにより、本県の振興とアジア太平洋地域の発展と相互理解に資する。」とあります。こうやって沖縄県の皆さんもいろいろ沖縄のために考えておられます。  そこで、このような観点より、沖縄開発庁長官としては、これからの沖縄の開発振興をどのように考えておられるのか、一言お願いしたいと思います。
  93. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 三沢議員から発案のスポーツアイランド構想、まさに私もそういったことが行われることは大変好ましいことだなと思っておるわけであります。  いずれにしましても、沖縄の豊かな亜熱帯、海洋性の自然を生かして、スポーツやレジャーを通じて県外の人々を誘致して交流を深めることは、まず、宿泊、飲食、土産物の販売、交通等を通じて地域経済に与える波及効果は極めて大きいと思っております。また、地域の人々との交流を通じて、スポーツ、レクリエーションの振興や人的ネットワークの形成に大変資するとも思っております。マスコミ等を通じて地域のPRの機会となるなど、地域振興の上で大きな効果を有するものと考えております。  第三次沖縄振興開発計画におきましても、多様なニーズに対応した観光リゾートの形成やスポーツの振興、並びに地域特性を生かした南の交流拠点の形成を図ることとしておりますし、沖縄県の国際都市形成構想におきましても、沖縄とアジア・太平洋地域との多様な交流を進めることとしておるところでございます。  沖縄開発庁としては、沖縄県と連携をとりながら、引き続きスポーツ関連施設や交通通信体系の整備等各般の基盤整備を進めるとともに、受け入れ体制の整備や関連産業振興等の促進に努めてまいりたいと思っている次第です。
  94. 三沢淳

    ○三沢委員 沖縄県の皆さん生活向上のためにも、ぜひすばらしい案を出していただきまして、皆さんを助けてあげていただきたいと思います。  時間が参りましたので、これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
  95. 仲村正治

    仲村委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時三分休憩      ────◇─────     午後一時三十五分開議
  96. 仲村正治

    仲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松本惟子君。
  97. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 民主党の松本でございます。  私は、沖振法並びに特措法の改正に関する問題とあわせまして、米軍基地にかかわる直近の問題の幾つかについてお尋ねをしたいと思います。  まず初めに、沖縄振興開発に関する問題についてでございますが、沖縄振興開発につきましては、復帰後三度の十カ年計画振興事業が進められ、その結果、これまでの事業費の累計は四兆六千億に近いと聞いております。年間三千億以上の国の予算沖縄開発のために投入されているわけでございます。  復帰前、おくれておりました道路、上下水道など、いわゆる公共施設は本土並みになったものの、県民所得は復帰時六〇%であったものが平成六年度で七一・二%、多少は改善されましたけれども復帰以来、終始全国最下位のままでございます。また、振興計画による自立化を目指した産業振興も、午前中からの審議を聞いておりましても十分とは言えなく、特に製造業につきましては県民生産の六・六%、これは六%から比べますとわずかに上昇はしておりますけれども、このこととあわせて失業率も全国平均の二倍というふうに長官はお答えになっておられました。  沖縄県の県民が基地の過重を訴える裏には、こうした生活に根差した不均衡感といったものと、振興開発に対する失望感、なかなか展望が開けないといったような気持ちがあるのではなかろうかと思われます。振興計画につぎ込む予算県民の実感として感じられる予算配分になること、その辺のところを見直す必要があるのではないかと私は思っているわけでございます。  その意味で、沖縄開発庁が単に各省の予算を取りまとめる機関として存在するということでは困るのでございます。主体的にその力を発揮することを沖縄県民も期待をしております。また、そうした時期に今あるのではないかというふうに思っております。なぜ県民生活が今日までなかなか豊かなものになっていかないのか、こういったことを含めまして、長官のお考えをまず初めにお伺いさせていただきます。
  98. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 松本議員にお答えを申し上げます。  今松本議員が言われましたとおり、県民の皆様方の生活というものが実感として豊かさを感じておるかどうかということでございますが、私も沖縄に参りましたときにいろいろな方たちからも御意見を拝聴いたしまして、議員が言われますとおりいまだしという感が否めないのでございます。  そこで、沖縄振興開発につきましては、先ほどから言っておられますとおり、沖縄が本土復帰して以来三次にわたります沖縄振興開発計画に基づきまして各般の施策を実施してまいりました。この二十五年間に約五兆円を投じてきたわけでございます。その結果、施設整備の面を中心に本土との格差も次第に縮小をされつつあるのではないか。沖縄経済社会は総体として着実に発展はしてきておりますものの、しかしながら、御指摘のあったとおり、生活産業基盤の面ではなお整備を要するものが多く見られますのは議員の言われるとおりでございまして、一人当たり県民所得が低く、失業率が高いことに示されますように、産業振興や雇用の面で課題を抱えておるのであります。  このために、産業振興が極めて重要でありますし、沖縄開発庁といたしましては、ちょうど折り返し点でございますが、引き続き第三次の沖縄振興開発計画に基づきまして新たな考え方を持ちながら産業基盤の整備を推進するとともに、冬あるいは春季における野菜、果実、花卉等、沖縄は亜熱帯地域でございますから、そういった特色ある農業振興あるいは南におきまする独特な観光リゾート地の形成など、あるいは観光リゾート産業の育成、そしてまた製造業の生産力の向上、これもいろいろございますが、やはり沖縄県民の皆 さんたちが自立経済を目指してのそういう期待にこたえるように、製造業と他産業との連携の強化なども行って、沖縄の特性を生かした特色ある産業振興を図っていきたいと考えておるのでありまして、沖縄政策協議会に設置されました十のすべてのプロジェクトチームに開発庁としても積極的に加わりまして、関係省庁及び沖縄県と密接な連携をとりながら、沖縄県というものが地域経済として十二分に自立し、そして若者の期待しているような雇用が次々と確保されて、県民生活向上が、委員言われますとおり実感として豊かさを感ずるような、そういうことに資するよう、我が国経済社会の発展に寄与する地域として整備されるように全力を尽くしてまいる所存であります。
  99. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 今お答えになられましたようなことが実態として着実に進むことを私は期待をしております。  次に、今回の沖振法並びに復帰特措法の改正によりまして、沖縄島と本土との間の航空運賃の引き下げ及び自由貿易地域の活性化を図るための関税法上の特例措置等を新たに設けるほか、復帰に伴う特例措置の延長が行われることになっておりますけれども、これらの経済効果はどのようなものなのでしょうか、どの程度のものなのでしょうかということをお伺いしたいと思います。それぞれ項目ごとに試算をされていると思いますけれども、参考までにお聞かせを願えればと思っております。
  100. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 御答弁申し上げます。  ただいま委員指摘の点についてでございますが、今回の法改正による経済的な効果いかに、こういうことだろうかと承知いたします。  今回の沖振法の改正による具体的な経済効果の算定という点につきましては、これは現時点での算定というのは極めて困難ではございますが、例えば航空機燃料税の軽減措置については、空港使用料の引き下げ措置等とあわせて、代表的な路線でございます東京−那覇間では片道四千円程度の運賃値下げが見込まれておりまして、それに伴って観光需要も喚起されるのではないかというふうに考えております。ただいま申し上げたところは極めて雑駁で恐縮に存じますけれども、この広がりというものがまだ読めないということもございまして、経済効果の測定が現時点では困難な状況にございます。  また、自由貿易地域における保税地域の許可手数料の軽減についてでございますが、これは、一企業当たり年間約十六万円程度となると思っております。入居企業が十一社でございますので、全体で年間約二百万円手数料が軽減されることになる見込みでございます。この二百万円というのは全体として見れば小さいように見えますけれども自由貿易地域に現在立地している企業の経営状態から見ますと、いささかなりともお役に立てるのではないか、このように考えております。  次に、離島地域における旅館業の特別償却制度の導入によって、宿泊施設整備を促進し、離島の振興のために不可欠な観光リゾートの振興が図られるものと期待をいたしておりますが、これにつきましても、現時点における経済効果の推定は難しいものと考えておりますが、いずれにいたしましても、離島の旅館業等の振興を通じまして沖縄経済に寄与するものと考えております。  次に、復帰特別措置に関してでございますが、これは沖縄県の調べによるわけでございますが、平成七年度の軽減額の実績額としてはおよそ七十七億円でございます。今回の措置の延長が図られれば、県民の消費生活の安定及び県内企業の経営の安定に寄与するものと考えられるところでございます。
  101. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 ありがとうございました。  実は、今、自由貿易地域の税制優遇措置に基づきまして二百万円ぐらい、わずかに見えるけれどもこれは寄与するものであろうというふうなお答えでございました。当初ここに企業が二十七ございましたが、それが現在十一社というふうに、ふえるのかと思いましたら減っているというような状況なんです。この企業が半分になってしまったという状況について、衰退原因を政府はどのようにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
  102. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 お答えを申し上げます。  御案内のとおりかと思いますが、自由貿易地域につきましては、昭和六十二年に自由貿易地域那覇地区を指定いたしまして現在に至っております。ただいま委員指摘のとおり、指定されました那覇地区については、必ずしも当初期待されたような成果が上がっていないことは事実でございます。  この原因についてでございますが、まず第一に施設が狭いということ、それから、自由貿易地域は貿易の振興と企業の立地を目的にしているものでございますが、この貿易ノウハウや市場開拓力に問題があったのではないかと思われること、また、税制上あるいは金融上の優遇措置が行われているところでございますが、これが地元の期待したところに及ばなかったことと、現行制度の活用が不十分であったことなどではないかと考えております。  この自由貿易地域の当面の措置といたしまして、いろいろなてこ入れを図っているところでございますが、第三次の沖縄振興開発計画におきましては、自由貿易地域における優遇措置の重点的活用等を図るとともに、自由貿易地域那覇地区の充実を推進することといたしているところでございまして、現在、沖縄県及び沖縄開発庁におきまして、新規企業の入居、既存企業の増床等、既存区画の有効利用による当該地域那覇地区の活性化に取り組んでいるところでございます。  また、沖縄県において、これは設置管理者が沖縄県でございますので、貿易フェアゾーンやオフィスゾーンとして利用するため、一号棟二階部分の増築を行っているところでございます。  今後の問題といたしまして、平成九年度におきまして、那覇地区の活性化を図るため、企業の事業活動の支援と企業の立地促進の観点から、工業等の用に供する機械等の特別償却制度自由貿易地域投資損失準備金制度等の税制上の優遇措置の拡充及び関税法上の保税地域許可手数料の軽減を行うことといたしまして、その一環として沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法律案の御審議をお願いしているところでございます。
  103. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 自由貿易地域振興というのは  いろいろな角度からの対策が必要かと思いますが、ただいまの御答弁に関連いたしまして、さらに申し上げさせていただきたいと思います。  平成九年度の予算におきまして、沖縄産業、貿易振興のために、自由貿易地域のあり方、必要な機能について海外のフリーゾーンを視察、調査の費用といたしまして四千二百万が措置されてございますね。このことについて、自由貿易地域の活性化のために、沖縄県は経済特区のような新たな制度の創設を要望しているわけでございますが、政府は、この自由貿易地域の活性化のために何が必要と考えていらっしゃるのでしょうか、また、沖縄県の要望をきちんと受け入れて進められるのかどうか、そのことについて、重なるかと思いますけれども、お伺いをさせていただきたいと思います。
  104. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 お答え申し上げます。  自由貿易地域につきまして、その改善、拡充等につきまして、沖縄県、沖縄経済団体等から、税制面、関税面を中心とした特別措置の導入、指定地域の拡大等による拡充強化が要望されていることは、私どもも十分に承知をいたしております。  この自由貿易地域につきましては、昨年九月に出されました内閣総理大臣談話において、その拡充等による産業や貿易の振興について沖縄県とともに検討を行うこととされているところでございまして、今後、沖縄政策協議会の国際貿易・物流基地の形成というプロジェクトチームがございますが、このプロジェクトチームにおきまして自由貿易地域の拡充強化について幅広く検討していくこととなると考えております。  なお、つけ加えますと、このプロジェクトチー ムには、沖縄県の職員にも参加をいただいているところでございます。  沖縄開発庁におきましては、先ほど議員御指摘のところでございますが、自由貿易地域の活性化のために何が本当に必要なのか、十分な分析を加えるため、平成九年度におきまして、自由貿易地域についての沖縄県の要望を踏まえ、沖縄産業振興、貿易振興のため、沖縄に展開する自由貿易地域のあり方、そのために必要な機能などにつきまして調査を行うことといたしております。その調査費が、先ほど委員指摘の四千二百万円となっておるところでございます。
  105. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 ありがとうございました。どうぞ、沖縄県民要望をできるだけ取り入れた形でプログラムを実現していただくことが、真に沖縄の自立経済につながっていくものというふうに考えておりますので、一層の御努力お願いをしておきたいと思います。  次に、沖縄の本格的な産業経済の発展のためには、私は、どうしても軍用基地の跡地利用をいかに進めるかが大変大きな問題となっていると思います。沖縄振興開発計画におきまして、昭和四十七年の第一次から今日の第三次計画まで、一貫して米軍基地の早期整理縮小と跡地の有効利用の必要性ということが示されてまいっております。  ところで、昨年十二月、SACO最終報告で、普天間飛行場を含む十一施設、面積にいたしまして約五千ヘクタールの返還が決定をしたところでございます。この跡地の利用につきましては莫大な財政措置が必要になるものと思われます。平成十三年度までに返還をされます基地等については現在の第三次振興計画の中で位置づけられているというふうに理解しておりますが、それともまた、ほかのところで別途大きな財政措置が行われることになるのかどうなのか。つまり、三次振興計画の中で位置づけられるのか、また、その外側で別途加算されていくことになるのかも含めまして、基本的な見解をお伺いをしたいと思います。  なお、関連いたしまして、現在、沖縄振興開発審議会が第三次沖縄振興開発計画の期間の後半期の展開の方向につきまして話し合いをしているというふうに伺っております。その中で、米軍施設・区域の整理、統合、縮小と沖縄振興策の検討が盛り込まれているようでございますけれども、その主な内容についてもお伺いをしたいと存じます。
  106. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 お答えを申し上げます。  SACOの最終報告で合意に達しております駐留米軍用地の返還跡地の利用についてでございますが、一番注目を浴びております普天間の飛行場、四百八十ヘクタールという広大なものでございます。この跡利用につきましては、沖縄県、また県民の皆様も大変大きな関心を持って見守っているところかと承知いたしております。  私ども、従来から、駐留軍用地の返還跡地につきましては、その有効利用というものが極めて大切であるというふうに認識をいたしておりまして、平成十三年度までを計画期間といたします第三次沖縄振興開発計画におきましても、その有効利用の重要性が示されております。  沖縄開発庁といたしましては、従来から地元の意向を十分に踏まえ、適宜必要な助言、協力を行ってまいっておりまして、地元におきまして跡地利用計画が固められたものについては速やかに土地区画整理事業など必要な事業を積極的に推進するなど、跡地の有効利用に努めてまいっております。この基本的な姿勢は今後も変わらないところでございます。  ただいま委員指摘のSACO関連の駐留軍用地の返還面積が非常に大きいわけでございまして、これには従来になかったいろいろな問題が生じてくるのではないか、このような認識を持っております。したがいまして、この点につきましても、沖縄開発庁は従前どおり一生懸命取り組むつもりでおりますが、いろいろな関係省庁もございますので、その関係省庁とも十分に協議して、沖縄政策協議会プロジェクトチームもございますので、その場を活用いたしまして十分な協議をして対応はさせていただきたいと思います。  沖縄開発庁といたしましても、今後とも県民生活向上に資するよう、沖縄県とも連携をとりつつ跡地利用の促進に努めてまいりたい、このように考えております。  その次の点でございますが、現在、沖縄振興開発審議会において、第三次沖縄振興開発計画の後半の、後期のことにつきまして調査、審議を行っていただいておるところでございますが、その中で、委員指摘の米軍施設・区域の整理縮小と返還跡地の有効利用を進めることということが指摘されているところでございます。現在のところ、実はまだ審議会の答申といいますか、それが出ておらない状況でございますので、委員のおっしゃいました米軍施設・区域の整理縮小と返還跡地の有効利用を進めることということが盛り込まれていることを申し上げて、答弁にかえさせていただきたいと存じます。
  107. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 後ろの方の部分ですが、審議の途中だからなかなか公開をされないというのも一面わからないではありませんが、しかし、情報の公開が逐次政府の御努力によって最近行われているところでございますので、できるだけ早く審議の模様を県民及び国民にお知らせくださるようにお願いを申し上げたいと思います。  続きまして、基地にかかわる問題でございます。振興政策に直接かかわることではございませんが、表裏一体のものとして見逃すわけにはまいりませんので、まず最初に、鳥島の射撃場への劣化ウラン弾の誤射事件につきましてお尋ねをさせていただきます。  一昨日、二十五日でございますが、在日米軍が劣化ウラン弾を誤射した鳥島の射撃場の周辺海域の環境影響調査の中間報告がなされております。それによりますと、空間放射線量の率、それから水中放射線量の率とも異常な値は検出されていない、それから、海水等のウラン濃度につきましても、詳細な分析を行うということにとどまっておりまして、最終結果がまだ出されていないようでございます。  劣化ウランは、日本の原子力基本法で、御案内のように核物質というふうにみなされておりまして、したがって、自衛隊は装備をしていません。米軍の環境政策研究所が、九四年の六月、劣化ウランに関する報告書を議会に提出をしております。これによりますと、人体への影響について、化学あるいは放射能性の疾患が起こり得るというふうに指摘をしているところでございます。  九六年の三月から四月にかけまして、米側が百九十二発を回収しましたけれども、まだ千三百発が未回収のままでございます。残存する焼夷弾の早期回収とあわせまして、周辺海域のみならず、申し上げたいのは、鳥島射撃場そのものの環境影響調査の実施をすべきだというふうに思います。当然、ここは立入禁止区域でございますので、無理だとこれまで言われておりましたけれども、このような事件が発生するからには、日本政府及び県が立ち会って、ぜひともこれを実施をしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがですか。
  108. 梅本和義

    ○梅本説明員 ただいま先生の方からも御説明ございましたけれども、アメリカ政府は、昨年の三月及び四月に、アームストロング研究所というところの専門家が調査チームをつくりまして、鳥島及び周辺におきまして環境調査を実施し、また回収作業を行ったということがございます。この結果につきましては、私どもに対しても調査報告書が提出をされておりまして、これについては先般予算委員会の方でも公表させていただいたところでございます。私どもとしては、まずアメリカ側の調査については、引き続きその評価をきちんと行っていきたいというふうに思っております。  また、私どもとしては、日本政府としても独自にやはり環境の影響調査をすべきであるという考えに基づきまして、今先生の方からも御説明ございましたが、鳥島周辺海域で調査を行ったということでございます。これにつきましては、海水のサンプル、あるいは久米島漁協の協力を得て採集 をしたあるいは採集をする魚等については、これからまさに分析を行うということで、恐らく数週間以内に結果が出てくるというふうに考えております。  また、ただいま御指摘ありましたように、鳥島射爆撃場自体の陸上部分でございますが、ここにつきましては、私ども、アメリカ側に対しまして、三月末までにもう一度環境影響調査及び回収作業をしてもらいたいということを申し入れておりまして、現在、アメリカ側においても、三月末までに再調査あるいは回収作業を再び行うということで準備をしているということでございます。私どもとしても、このアメリカ側が行います調査に何らかの形で日本側としてもかかわり合っていきたいということで、現在アメリカ側とその具体的ないろいろな進め方等について協議を行っているところでございます。
  109. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 私、申し上げさせていただきましたのは、別々に調査をするのではなくて、やはり日本も立ち会った上で鳥島の射撃場自体の環境影響調査が実現するように政府努力をさらに求めさせていただきたいと思います。  続きまして、劣化ウラン、つまり誤射をしました劣化ウランなんですけれども、この徹甲焼夷弾は、その使用が米国の本土では特定の地域に限定されている。我が国でも、米軍の施設・区域では使用が禁止をされているというふうに聞いております。事故発生から一年以上もたっていますが、劣化ウランを含有しておりますこの徹甲焼夷弾は、日本から即時撤去をされたのでしょうか、どうなんでしょうか。  在日米軍基地全体について、国内法で禁止をされているにもかかわらずあったということが、まずおかしいな。非常に素朴な言い方ですが、国内法で禁止されているものが、軍事にかかわることとはいいながら日本にあった。それが誤射で発覚をした。これがもう既に撤去をされているのかどうなのか。されていないとすれば、即時撤去をしていただきたいと思いますが、その点についてのお答えをお願いいたします。
  110. 梅本和義

    ○梅本説明員 これは、本委員会あるいはいろいろな委員会で、私どもの池田大臣そのほかいろいろな政府委員等からも御答弁申し上げておりますけれども、在日米軍は我が国の安全及び極東における国際の平和と安定に寄与するために我が国に駐留をしておるということでございまして、平素より即応態勢を維持するために訓練等を行う、あるいは我が国の平和に対して脅威が発生するというようなことも含め、緊急事態が発生した場合にこれに効果的に対処するということができるように、種々の装備、物資というものを保有しておるわけでございます。  そういう意味では、本件徹甲焼夷弾、今お話ありましたように、我が国の訓練場において使用するということは、アメリカ自身がみずから禁止をしているわけでございますけれども、やはり我が国に対する脅威が生ずる、あるいは緊急事態が発生したというときに備えておくということが必要だというところについては、御理解を賜りたいというふうに思います。  なお、米軍がこれをどういうふうに保管をしているかということにつきましては、米軍の規則に基づいて、所定の基準を満たした特定の弾薬庫において、当該施設・区域及びその周辺の安全に配慮を払いながら厳重な管理をするということでございますので、私どもとしては、この保管等の取り扱いについては万全を期すよう引き続き強くアメリカ側に求めていきたいというふうに思っております。
  111. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 なかなかやはり沖縄県民の不安というのはぬぐい去れないと思います。  私は、次に、たび重なる事件につきまして、米国からの通報のおくれ、それから日本政府から沖縄県への通報のおくれについて尋ねたいと思います。  九六年の米兵による少女暴行事件以来、昨年の爆弾投棄など、これまでの一連の事件に関しまして、再発防止と原因を究明するとともに、日米地位協定に基づいて即時に通報する体制を強化することを求めてまいりました。私も当委員会で、米軍機の爆弾投下問題につきまして、沖縄県民にきちんと情報を伝える誠意が日本政府には全く感じられないではないかと先般申し上げたばかりでございます。  それから二月もたたないうちに、この劣化ウラン弾誤射事件が発覚をしたわけでございます。そして、さらに十日後の二月二十一日、北谷町の米海兵隊キャンプ瑞慶覧で、排水管の沈殿物から大変毒性の強いPCBが検出をされたことが明らかになったわけでございます。米軍は一月九日にPCBを検出をしていながら、日本政府へ通報しましたのが一カ月半後でございます。外務省は米側に遺憾の意を表したということでございますけれども、日本政府は大変弱腰なのではないかと私は思います。たび重なる通報のおくれを外務省はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。  SACOの最終報告でこんなふうに言われております。「良き隣人たらんとの米軍の方針の一環として、米軍の部隊・装備品等及び施設に関係する全ての主要な事故につき、日本政府及び適当な地方公共団体の職員に対して適時の通報が確保されるようあらゆる努力が払われる。」とございますが、一体これは何なんでしょうか。私は、このままではSACOの最終報告が絵にかいたもちにすぎなくなってしまうのではないかというふうに心配をしております。  この際、お尋ねしますけれども、公表されていないこれまでの事件事故について、すべて明らかにすべきだというふうに考えますけれども外務省はどのようにお考えでございましょうか。
  112. 梅本和義

    ○梅本説明員 ただいま御指摘ございました沖縄県への劣化ウラン弾誤射事件につきましての県への通報のおくれということにつきましては、本委員会でも池田大臣の方から申し上げたとおり、私ども、アメリカ側からの情報収集等に時間を要したということはございますけれども、結果として地元方々への配慮が不十分であったというふうに反省をしております。  過去の事件事故についてということでございますが、まさに今お話ありました昨年の爆弾投棄事件を契機にいたしまして、私ども、SACOの最終報告にある事件事故の通報体制、そのシステムについて具体的な詳細というものをアメリカ側と話しておったわけでございます。またその中で、過去に起きた事件事故についての報告書をきちんと提供する手続も整備しようということで話をしていた中で、実はこの劣化ウランの事件というものについても通報があったということでございます。  私ども、これらの事件事故の処理についていろいろ反省すべき点があったということを感じておりまして、現在、この事件事故の通報体制、どういうルートでどういうようなことをきちんと通報してもらうかということと同時に、どういう範囲の事件事故についてきちんと通報の対象とするかということについてもアメリカ側と話をしておりまして、三月末までにこれをきちんと詰めて、アメリカと合意をし発表したいというふうに考えております。
  113. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 格段の御努力お願いをしておきたいと思います。  時間がなくなりましたので少し急ぎますが、実は、御存じのように、沖縄県の収用委員会による公開審理が始まっておりまして、新聞でさまざまに取りざたをされております。私ども民主党の池端委員がさきに御質問をいたしましたときにも申し上げましたけれども、やはりきちんと手続を踏んでやっていただきたい。間違っても期限切れということで政府が強権的ともとられるようなことをなさらないようにお願いをしておきたいと思います。  このことにつきましては沖縄県民の積年の思いがさまざまにあることと思います。これを逆なでするようなことがあってはいけないと思いますので、慎重の上にも慎重な限りを尽くしてぎりぎりの御努力お願いをしておきたいと思います。  最後でございますが、海兵隊の問題について一言触れさせていただきたいと思います。  二十三日の日米外相会議、翌二十四日の橋本総理との会談におきましても、沖縄の米軍基地問題への対応など日米関係と、朝鮮半島、中国を中心とした国際情勢を全般的に話し合われたようでございます。その中で、沖縄の基地について、米国側は積極的に努力をする姿勢を表明したとも報道されておりますが、これは事実なんでしょうかということでございます。  私は、米軍基地の整理縮小につきましては、これまでの経緯を含めまして、つまり、日本に二万一千人、うち沖縄には一万八千人いると言われております海兵隊の段階的な削減が絶対に必要であると思っております。真剣に検討すべきであるというふうに考えております。  昨年四月の日米安保共同宣言では、「国際的な安全保障情勢において起こりうる変化に対応して、両国政府必要性を最も良く満たすような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢について引き続き緊密に協議する。」こういったことを確認をしてございます。この宣言に従えば、朝鮮半島など日本周辺の情勢が安定すれば、米軍の削減は日米間の協議の対象となるというふうに理解をいたします。  確かに、朝鮮半島を初め東アジア情勢の評価が絡む難しさはございますけれども、このことは承知しておりますけれども、しかし沖縄の海兵隊の削減は、この地域の軍事能力の低下を直ちに意味するものなのでしょうか。そのことについて伺いたい。そして、このまま海兵隊が沖縄駐留を続ける場合、果たして沖縄県民を初め国民的な支持が得られるとお考えなのでしょうか、この点についても問いたいと思います。  改めて、沖縄駐留海兵隊の削減の可能性につきまして、政府の真剣な御努力を求めたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  114. 梅本和義

    ○梅本説明員 お答え申し上げます。  私ども、日米安保体制というものは、現在の国際社会において引き続き不安定性、不確実性というものがある、そういう中で、日本の安全あるいはこの地域の平和と安定というものにとって不可欠の枠組みであるというふうに考えております。  昨年の日米安保共同宣言におきましても、そのような認識に基づいて、日米安保体制を効果的に運用していくためにいろいろな措置をとっていこうということを日米間で了解したわけでございます。同時に、沖縄におきまして大変重い負担というものが続いている、これを何とかして軽減をしたいということで、SACO、沖縄特別行動委員会におきましては、現下の国際情勢の中で日本の安全あるいはアジア・太平洋地域の平和と安定を保ちながら沖縄県の皆様方の御負担をいかにして軽くすることができるだろうかという観点からいろいろな措置というものについて考え、それを合意をしたということがございます。  沖縄における海兵隊のあり方でございますが、これは、今般オルブライト国務長官がお見えになった際にも、沖縄問題については日米外相会談あるいは橋本総理とオルブライト長官との会談でも話し合いが行われました。今委員から御指摘ありましたように、現在の微妙な国際状況のもとで、直ちにということは難しいということはありますけれども、まさに日米安保共同宣言にございますように、国際情勢の変化、国際情勢の趨勢というものを視野に入れつつ両国の安全保障の要請を満たす防衛政策あるいは軍事態勢について引き続き日米間で緊密に協議をしていこうということは、これは総理の方からもそういう発言をされたわけでございます。  また、これはいろいろな場で外務大臣も申し上げておりますけれども、その場合に、私どもとしては、単に国際情勢というものを受け身に見ているだけではなくて、むしろアジア・太平洋の地域情勢がより安定し改善するように、これについても積極的に外交努力をしていきたい、そういうことによってこの地域の安全保障環境がさらに改善されて、沖縄県民の負担を一層軽減するための展望が開けるということを強く希望しておるわけでございます。
  115. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 時間がございませんでした。どうもありがとうございました。
  116. 仲村正治

    仲村委員長 古堅実吉君。
  117. 古堅実吉

    ○古堅委員 日本共産党の古堅です。長官に対しては初めての質問となりますが、よろしくお願いいたします。  けさ以来他の委員皆さんからも、沖縄自由貿易地域問題や航空運賃の問題についての質問がございましたが、大事なことでありますので、私からも観点を変えながら質問をさせていただきます。  沖縄自由貿易地域問題については、沖振法の第二十五条で、自由貿易地域施設について関税法が規定する指定保税地域とみなすというふうに規定されておりますが、自由貿易地域の定義についての明確な規定はございません。我が国自由貿易地域を規定している法律は、沖縄関連の法律以外にはないのでございます。したがって、この自由貿易地域の定義あるいはその内容等について具体的に規定できるとしますと沖振法の中でするしかない、このようにも考えるわけですが、沖縄開発庁としては、この自由貿易地域の定義について、沖縄の現状に照らしながら、どのように認識しておられるか、そのことについて最初に伺いたいと思います。
  118. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 ただいま先生指摘のとおり、沖振法上の自由貿易地域というものについての厳密な概念規定はございませんが、沖振法の二士二条に「自由貿易地域の指定」というのがございまして、その条文の中に、「沖縄における企業の立地を促進するとともに貿易の振興に資するために必要な地域自由貿易地域として指定することができる。」そういうような規定でございまして、その内容につきまして、今先生がおっしゃいましたような厳密な規定はございませんけれども、それに伴いまして税制上、関税法上のいろいろな優遇措置が講じられる、こういうことでございます。
  119. 古堅実吉

    ○古堅委員 きちっとした定義はございませんが、現在、その関連の条項を通じて沖縄における自由貿易地域で取り扱われる範囲というものがわかるような仕組みにされているわけですね。  現在の沖縄自由貿易地域は、制度面で申しますと、関税法の保税制度に一定の税制、金融上の優遇措置がとられているものとなっております。保税地域としての金融、税制上の優遇措置の内容で見ますと、沖縄以外にあります総合保税地域やいわゆるFAZと言われる輸入促進地域と余り変わりのないものとなっておりまして、地理的条件、施設面積からいいますと、むしろ沖縄の方が不利というふうなことさえも言える状況で、本土の施設と比べてもほとんどメリットがないと言っても過言でない実態でございます。  沖縄自由貿易地域は、米軍占領時代の布令十二号の規定を引き継いだもので、それは、指定保税地域に輸入される貨物または同地域から再輸出される貨物は、すべて物品税、輸入及び輸出の許可の規定が免除されるというふうにされていました。沖縄復帰に当たり沖振法が審議された当時、当時の山中総理府総務長官は、「現在ある自由貿易地域がつぶれないで済むという手段の一つとして考えたと同時に、換骨奪胎して、未来への新しい沖縄の像の一つを描くのに、これを足がかりにしたいという願いをもっている。」このように答弁しておられたのであります。  沖縄自由貿易地域のあり方が問われている今、政府は、山中長官答弁にありますように、その原点に返って積極的な措置を検討してもらわなくてはいかぬのではないか、そう考えておりますが、御所見をお伺いしたいと思います。
  120. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 古堅議員がおっしゃいますように、沖振法で規定したときの原点に戻って見直しをすべきではないか、こういうお話でございます。  自由貿易地域につきましては、委員言われますとおり、関税法に規定する保税制度並びに国税及 び地方税制上の優遇措置を実は組み合わせた制度でもありますし、例えば国税の優遇措置としての自由貿易地域投資損失準備金制度など、これは輸入促進地域にはない措置も講じておるわけでございます。  また、平成九年度におきましても、工業等の用に供する機械等の特別償却制度やあるいは自由貿易地域投資損失準備金制度等の税制上の優遇措置の拡充、また関税法上の保税地域の許可手数料の軽減なども行うこととしておるわけでございまして、その一環として沖縄振興開発特別措置法等の一部改正法案の御審議をいただいておるわけでございます。  そこで、私ども沖縄開発庁におきましても、平成九年度におきましては、委員御承知だと思いますが、自由貿易地域についての沖縄県の要望等を踏まえまして、沖縄産業、貿易振興のため、沖縄に展開する自由貿易地域のあり方、そのために必要な機能等について、調査費として四千二百万円でございますが、これをもって行おうとしているわけでございますので、さらに今後とも関係省庁やあるいは沖縄県と連絡をとりながら自由貿易地域の充実強化に鋭意取り組んでまいる所存でございます。
  121. 古堅実吉

    ○古堅委員 おっしゃる充実強化の方向で、県民の願いにこたえる積極的な御検討と推進を願いたいと考えています。  現在の那覇自由貿易地域は、敷地面積が約二・七ヘクタール、施設面積が約一・一ヘクタールというように極めて狭い状況で、設備を装置したくてもできない、自由貿易地域の最低条件とされる港湾、空港施設もないという実情でございます。そのため、外国貨物の陸揚げの際は、通過料や地区税関の許可が必要であり、運送手数料も払わなければなりませんというのが実態でございます。これらの欠陥を克服することが早急に求められております。  現在、那覇空港のターミナル整備が進んでおりますが、沖縄では、この整備と関連させまして自由貿易地域を那覇空港と直結させたらどうかとか、あるいは那覇軍港湾施設の返還に合わせて港湾施設整備したらどうかなどという意見、提案などがございます。そういうことについてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
  122. 牧隆壽

    ○牧政府委員 空港、港湾の整備自体は、沖縄の地理的特性から、沖縄振興開発を図るため極めて重要なことであると私ども考えております。また、ただいま御提案ございました自由貿易地域振興のためにも、活性化のためにも、空港や港湾の整備をする必要があるのではないかという具体的提案もございましたが、現在、三次振計に基づきまして、私ども、南の交流拠点の形成とか、あるいは観光リゾート産業振興を図るための基盤として、空港、港湾の整備を推進しているところでございます。  今後、自由貿易地域の活性化を含めまして、需要の喚起ということが最も必要なことであると考えておりますが、現在、沖縄政策協議会プロジェクトチームにおきまして、空港、港湾のインフラ整備の検討を開始したところでございまして、御提案のことも含めまして、これらの検討結果を踏まえまして適切に鋭意推進していきたいというふうに考えております。
  123. 古堅実吉

    ○古堅委員 ぜひ地元の意見も尊重しながら、その要望にこたえられるように、今おっしゃった方向で積極的に推進していただきたい、こう願っています。  次に、航空運賃の低減問題について二、三お尋ねしたいと思います。  法案では、航空機燃料の燃料税の低減措置がとられるようになっております。この内容を見ますと、那覇−東京間の片道で、空港使用料が二千四百円、航空燃料税が一千円、航空事業者が六百円とそれぞれ引き下げ、合計四千円の引き下げということになっております。今回の措置で引き下げが沖縄−東京間で四千円と線引きされたわけでありますけれども、その基準といいますか理由といいますか、なぜそういうことになったのかというところについて御説明願いたいと思います。
  124. 桝野龍二

    ○桝野説明員 お答えさせていただきます。  東京−那覇につきまして、片道四千円という引き下げを目標といたしまして今後諸手続を進めていくことになろうと思いますが、その経緯について御説明させていただきましてお答えにさせていただきたいと思います。  まず、平成七年末以来、本土−那覇路線について運賃を引き下げてほしい、引き下げるために空港使用料の引き下げをしてほしいという御要望がございました。そういうことの中で、空港使用料と申しますのは空港整備特別会計の原資になっておりまして、空港使用料を下げました場合には空港整備特別会計の減収になります。そうすると、これは全国空港整備に支障を生ずるおそれが出てまいりますことから、慎重に検討をしなければならないと考えておったところでございます。  しかしながら、沖縄問題の重要性、それから沖縄振興観点から、本土−那覇路線の運賃を特例的に引き下げる、こういうことが必要と考えられてきたという認識に立ってまいりました。  具体的に、先ほど申し上げました空港整備の支障にならないように、空港整備財源の確保ということにも配慮をしながら、空港使用料を六分の一に引き下げるとともに航空機燃料税を五分の三に引き下げることによりまして片道四千円程度の運賃引き下げを図っていこう、そういう手続を進めていこう、こういうことになったということでございます。
  125. 古堅実吉

    ○古堅委員 確かに四千円の低減ということは、それなりに申せば、これまでなかったことですし、一定の前進だとは思うのですね。ただ、燃料税の低減措置による今回の料金引き下げ程度では済まされない。先々のことを考えて意見も申し上げておきたいと思うのですが、これは一定の前進とはいえ、もっと抜本的なことをしていくためには、どうしても航空運賃を高めている大きな要因となっていることに大胆にメスを入れるということにならぬと、なかなか難しかろうというふうに思います。それは何かという問題なのですね。  国内航空運賃が諸外国と比較しても高い、その要因は公租公課が高いからだというふうに言われております。この公租公課が、一九七〇年の一〇〇に対し一九九四年は二八四・七ということになっていまして、大変な増加ぶりであります。そのため、道路や港湾に比べて、整備費で見る受益者負担が九五年度では全体の九一%と極めて高くなっているのであります。  なぜこんなに急上昇したのかという問題もございます。それも言われていることでありますが、その原因は、JRの借金の解消のために運賃値上げをする、国民はそのためJR利用から航空利用に変わる、そういうことになってはいかぬのじゃないかというふうなことなどで運輸省などがとった措置が、公租公課の引き上げによる航空運賃の引き上げであったというふうに言われておるのであります。鉄軌道のない沖縄県民は、JRの借金の解消のために高い航空料金をともに払わされていると言っても過言ではない、そういう感想を抱くのも無理のない立場だというように考えます。  御存じのように、鉄軌道の一メートルもないのは沖縄だけです。ですから、沖縄全国一般と異なって、ただ単に航空運賃を沖縄が特に下げてほしいなどと言うのはおかしいというふうなことだけでは言われない。そういう特殊な立場がありますから、そういう面で、いろいろと沖縄の航空運賃の問題については真剣に検討していただかなければいかぬ問題なのであります。そういう面で、航空運賃を抜本的に引き下げるためには、受益者負担の考えを改めて、高い公租公課の引き下げあるいはその廃止によって実現させるべきだというふうな考えが出てまいります。そういう立場を踏まえて、抜本的な検討を加えて、沖縄の航空運賃の将来に向けてのさらなる引き下げというものを考えなければいかぬのじゃないかというふうに考えますが、長官、どのようにお考えか。
  126. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 私も三度ほどでございますが沖縄へ参りまして、確かに飛行機でなければ行けない地域だ。そのほか船舶もありますが、時間がかかるとなりますと、これは鉄道が敷かれていない地域でありますから、どうしても航空機を利用して行かなければならぬ。そういうことでありますだけに、少しでも引き下げをする効果をということで、今回の空港使用料及び航空機燃料税の特例的な引き下げ措置によって航空コストの低減を図ったのでございます。需要喚起効果を踏まえながら、航空会社の理解も得まして、代表的な路線である東京 那覇路線については御承知のとおり片道四千円程度の運賃引き下げが実施される方向となったものと認識をしているのでございます。  私としましても、さらに観光客の増加に大きな影響を持つ航空運賃を今回特例的に引き下げることでございますだけに、一層観光需要を喚起するであろう、観光の一層の振興につながるものと期待しているところでございます。さらに引き下げを進める上において何があるか、どうしたらいいかということついて、さらに検討を続けてまいりたいと思います。
  127. 古堅実吉

    ○古堅委員 検討の課題としては、今申し上げた公租公課の問題を含めてぜひ真剣に御検討願いたい、そう考えます。  今回の法案措置では離島路線が除外されております。御存じのとおりです。そのため、沖縄県は、県管理の十二の空港の着陸料を引き下げる措置をとる考えを示しております。沖縄県は、今回の措置で県の収入が約五億六千万円減収となるというふうに報告されておりまして、県は、その分は国に対して交付税措置などの支援を求めていくというふうにも表明しておられます。それで、自治省に伺いますけれども、その問題についてどういう対応を考えておられるか、簡単にお願いします。
  128. 岡本保

    岡本(保)説明員 お答えをいたします。  離島にとって足の確保は切実な問題でございますので、関係地方公共団体ではこれまでも、離島空路の維持のために、機材購入の補助でございますとか着陸料減免でございますとか、あるいは運航費補助という形でさまざまな支援措置を講じられております。このような経費につきましては、これまで特別交付税の算定を通じまして一定の措置を講じてきているところでございます。  御指摘の、沖縄県において離島航空運賃を引き下げるために着陸料の減免を拡充するということで条例改正を御提案なされるという報道は承知をいたしております。今後、この具体的な実施方策等が固まりますれば、沖縄県からよく御事情をお伺いして、財政状況も勘案しながら適切に対処してまいりたいというふうに存じております。  なお、離島空路の確保、運賃の問題の解決というのは、先ほど来いろいろ御議論ございますようなまさに関係省庁の絡む問題もございますので、自治省といたしましても、各省庁と連携しながら幅広に検討してまいりたいというふうに考えております。
  129. 古堅実吉

    ○古堅委員 ちょっと時間が少なくなりましたから、急いで先に進めます。  離島路線の航空会社のJTAは、例えば九四年度で見ると、燃料費が二十七・六億円に対して、燃料税が何と二十七・九億円に上っています。この事例が示すように、離島路線を守るためには着陸料の減免だけで済まされるものではございません。県管理空港だからということで自治体に負担をさせるというだけでは解決しないのであります。離島航空路の経営を守り、離島住民生活路線を確保していくためには、どうしても公租公課の減免と廃止あるいは国の補助制度を充実させていくというような抜本的な対策を講ずる必要があるというふうに考えますが、運輸省、どうお考えでしょうか。
  130. 桝野龍二

    ○桝野説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたが、公租公課が空整特会といいますか、空港整備財源の根幹になってございまして、私ども、これからも、二十一世紀に向けまして、全国空港整備、世界、アジアの中の日本ということを考えますれば国際ハブ空港を中心といたします空港整備、これはやはり時期を失せず進めていかなきゃならない、ちゃんとしていかなきゃならないと考えております。そういった観点からは、御主張の公租公課をなしにするということにつきましては、財源問題の中で非常に難しい、困難ではないかと考えております。  しかしながら、離島の路線については、生活路線として非常に大切な路線であると考えておりまして、その維持対策につきましては、今までも諸対策を講じてまいりました。空港使用料の軽減でございますとか、離島路線への就航機云々という今までやってきたこともございますけれども、これからも引き続き維持、確保のための施策につきましては推進してまいりたいと考えております。
  131. 古堅実吉

    ○古堅委員 そういう方向で頑張ってほしい。離島の航空路というのは陸の道路とほとんど変わらない意味を持たされておるのですよ。その航空路にそれだけ負担がかかっているということであれば、いろいろな意味で抜本的な対策が進められなくちゃいけないことは申すまでもないというふうに考えております。  次に、先ほどもちょっと他委員から質問がございましたが、台湾と石垣間の直行便の開設の問題についてお尋ねします。  既に、大浜石垣市長を代表とする八重山市町会から政府の方に要望が出されております。八重山諸島と台湾の関係においては、さきに石垣市や与那国町が台湾の都市との姉妹都市関係を締結したりなど、経済文化の面でも交流が大変盛んになりつつあります。石垣と台湾間では、これまでに国際航空チャーター便の三回の就航もございました。台湾と石垣間の直行便の開設は、八重山地域住民生活向上経済の発展にとって大きな期待が持たれておりまして、最近とみにそれへの関心が高まり、いろいろな努力が展開されつつあります。台湾政府も積極的な協力を表明しております。日本は現在、台湾とは二国間航空協定以外の方式に基づいて、台湾の二つの航空会社が羽田、福岡、那覇、名古屋に乗り入れております。今回の要請について政府としても積極的に検討してほしいというように考えておりますが、いかがですか。
  132. 井手憲文

    ○井手説明員 お答え申し上げます。  石垣と台湾との関係の国際航空サービスの問題につきましては、私どもの方にも地元の方から御要望が届いております。  この台湾との国際航空サービスの問題につきましては、一般的にどの国際航空サービスにもございます需要の動向の問題、それから内外の航空企業の具体的な運営の計画、あるいは空港サイドにおいてそれを受け入れる場合のCIQの対応能力の問題、そういった問題を検討いたしますとともに、台湾との関係では、先生も先ほど御指摘になりましたように、交流協会を通じた民間ベースでの取り決め、これが一般的な航空協定等にかわる仕組みとしてございますので、その民間取り決めの中でこの国際航空サービスをどういうふうに位置づけていくのかといった点も含めてよく検討をしていきたいと思っております。
  133. 古堅実吉

    ○古堅委員 先週ですが、大浜石垣市長や与那国町の入仲町長ら一行が台湾を訪問されまして、この問題を推進するためのいろいろな活動を展開して帰ってきておられます。きのう、私、大浜市長に電話を入れまして、いろいろと台湾における動向などを電話で伺いました。台湾の方は非常に好意的で、早目にそれを推進したいというふうな雰囲気のようです。来月、三月十七日、十八日ごろ、台湾からそのために代表団が調査の目的で来島されるというふうなことにもなっているようでございます。八重山にとっては、台湾と申せば、遠いところではありません、本当にお隣です。そういう意味では、戦前から非常に交流の密であったところでございますし、戦後も、全国一般とは異なり、また沖縄一般とも異なって、特別の関係がございます。  そういうことなだけに、いろいろな意味でこの航路の開設を早目に実現したいという思いは強い というふうに思うのですね。政府全体としても、国交のない台湾との関係であっていろいろ難しい面もありましょうが、しかし、そういう方向に何とか積極的に進めていけば解決の道は開かれるのではないかというふうにも思いますし、そういう意味で、ぜひ積極的に前向きに検討して要望にこたえてほしいというふうに思いますが、長官の方からもそういう面で御努力をいただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
  134. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 これは、かつて上原先生からも、蓬莱経済圏等々に合わせて、何にしても経済発展が続く中国、台湾、それから沖縄、この地域経済圏を密にする必要があると。私どもとしましては、そういう国際交流拠点、協力拠点の形成として、また地域経済としての自立のために極めて重要なことだな、このように考えておるわけでございまして、このような点からも、それを視野に入れながら国際交流拠点の形成に向けて検討をさらに積極的に進めてまいる所存です。
  135. 古堅実吉

    ○古堅委員 時間が参りましたので終わりますが、ぜひ積極的に早目に要望にこたえられるように政府としても努力していただきたいことを申し上げて、終わります。
  136. 仲村正治

    仲村委員長 上原康助君。
  137. 上原康助

    ○上原委員 質問なさった方々質問内容を余り聞いていないで、重複する面もあろうかと思うのですが、きょうは主として沖縄開発庁に、恐らく共通認識に立っていらっしゃるのじゃないかと思いますので、お尋ねをいたします。  まず、これからの沖縄振興策の基本というかコンセプト、構想の一部になるかもしれませんが、聞いてみたいと思うのです。いろいろ具体例はたくさん出ておりますし、それをどう積み上げていくかということも大事ですが、もっと基本的なことをしっかり構想を練って、三次振計の後半からその以降をどうするかも含めてやらにゃいかないと思いますので。先ほど開発庁の審議会で振計の後半、これまでの一次、二次も含めてでしょうが検討しているということでしたが、これはいつごろまとまるのですか。
  138. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 お答え申し上げます。  三月末を目途に現在仕事を進めているところでございます。
  139. 上原康助

    ○上原委員 大臣、私は、今沖縄開発庁が御努力しておられるこの三月末にまとまるというものは大変重要な意味を持っていると思うのですね。  そこで、そのことと沖縄県が策定をしておる国際都市形成構想、さらにその構想を具体化していく上で沖縄国際都市形成基本計画、これもまだ素案の域は出ていないような感じもするわけですが、これとの関連づけは政府としてはどのようにお考えなのか。ポスト振計になるのか、あるいは後半の振興策は十分そのことも加味して進めていかなくてはならない基本的な点だと思いますので、大臣の御所見なりお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
  140. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 委員がただいま御指摘になったことでございますが、県が構想を抱いておられます国際都市形成構想というものが二十一世紀に向けた沖縄のグランドデザインとして昨年十一月に策定をされまして、現在基本計画を作成中であります。  先日の沖縄政策協議会においては、その推進基本方針が提示されまして、第三次の沖縄振興開発計画については、計画期間の後半を迎えるに当たりまして、計画に盛り込まれている諸事業や諸施策の状況についてしっかりと把握するとともに、計画期間後半の施策展開の方向性についてまず明確にしておくために、現在、沖縄振興開発審議会において公聴会をいたしましたが、平成八年度末を目途に後期展望の調査審議を行っていただいておるわけでございます。  後期展望の調査審議の中では、現在のところ、計画期間後半の施策展開に当たっては、国際都市形成構想について、構想の具体化の状況を見ながら引き続き国として所要の支援を行っていく必要があると存じているのでございまして、随所においてこの構想の考え方を盛り込んでいくということが肝心であろうかと思う次第です。
  141. 上原康助

    ○上原委員 そこはぜひ十分御留意をいただいて、県との調整もしながら進めていただきたいと思うのです。  そこで、それと関連して、私は今申し上げたこの沖縄国際都市形成基本計画というものを評価をする立場ですが、必ずしも沖縄全圏域をカバーしていないうらみというか嫌いがあるのですね。宮古八重山地域あるいは周辺離島、特に国頭──国頭というのは国の頭なんだが、そこがぽっきり切れているのですよ。これは何も私の選挙区だからとかあるいは北部山原出身だから言うわけでなくして、二十一世紀の沖縄産業経済、人口等、教育を含めて考える場合に、国頭村、北部地域のこの空間を、自然環境を含めてどう活用していくかということは、私は、三次振計後半から二十一世紀にかけて極めて重要な課題だと思っておる一人なんですよね。これは地元紙に出た計画なんですが、中南部だけが入っておって北部は抜けておる。これに対して北部市町村の皆さん関係者は非常に不満を持っているのは事実なんですね。  そこで、このことについては、私の意見、提案でもあるわけですが、沖縄県も別に忘れているわけでなくして、北部圏域については宮古八重山も含めて新たな計画をつくるという方針のようですが、いわゆる国際自然交響都市を名護市を中心におやりになるという方針のようですが、今基地問題があるし、一方においては官房長官の提言があるし、沖縄政策協議会があるし、沖縄県もなかなか大変だと思うのですよね。  そういう意味で、これは何もトップダウン方式でやれということじゃありませんが、かつて、いろいろな面で、沖縄開発庁長官の私的諮問機関とかあるいは諮問機関の中で、どこそこの地域について有識者の意見を聴取したこともありますので、稲垣長官、この際、北部圏域については、沖縄開発庁長官の私的諮問機関でもいいですから、何らかの形で早急に有識者の意向を官房長官がおやりになったような形でまとめていただいて、この国際都市形成構想と今国がやろうとする三次振計の後半とのドッキングをさせた総合的なものにしていただきたい、この点についての御見解をお聞かせ願えればと思います。
  142. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 上原議員から御指摘になったように、沖縄の本島あるいは宮古八重山群島等を見てまいりましても、また、沖縄の本島を見ても中南部と北部では確かに基本的な条件の違いがあるわけでございまして、北部圏は豊かな自然環境を有しておるものの、中南部圏に比べまして、言ってみれば人口や諸機能の集積に相対的な立ちおくれが見られると思います。県主の均衡ある発展のためにも北部圏の振興開発を推進する必要があると認識をしております。  そこで、委員が御指摘になったように、開発庁長官のもとで検討するような委員会か何かできないか、御指摘も大変ありがたいことでございます。圏域別の開発の方向については、現在、沖縄振興開発審議会におきましても、いわゆる三次振計の後期展望の調査審議を進める中でも、ただいま審議しておるところでございます。  北部圏については、中南部圏等との適切な機能分担と連携というものを十分留意をしながら整備を進めることが必要であろうし、振興開発の重要性指摘されているとも聞いておるのであります。そこで、北部の振興策を検討する仕組みをつくるべきではないかというとりわけ御指摘でございますので、今後のプロジェクトについて、地元要望状況を見ながら今後検討させていただきたい、こう思っている次第でございます。  いずれにしましても、関係省庁沖縄県と連携をとっていかなければ、いろいろないい案も出てまいりませんので、今後とも北部圏の振興開発に  一層尽力をしてまいる所存です。
  143. 上原康助

    ○上原委員 もちろんこれは関係市町村、沖縄県の意向を頭越しにはできませんので、そのことは大前提でありますが、関係市町村の皆さんにいろいろ意見を求めても、利害がなかなか一致しない面、できるだけ自分のところはたくさん計画もつ くって予算もとってというのが、これは人間のやることですから、そうなってはいかない面、そこが私は沖縄開発庁の果たす重要な役割でもあると思いますので、今私が申し上げたことはぜひ開発庁で検討していただきたいと思いますが、よろしいですね。
  144. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 先ほど申し上げたように、地域間のいわゆる格差が是正されるように、また北部圏につきましては、私はこの前モノレールの起工式に参りまして、特に北部圏を見てまいろうといっても時間がないので、本部半島と名護市あたりで、あれから北の国頭村の奥の方まで行かれなかったのですが、次回は何とかそういうところも見させていただいて、総合的に、これからの将来にわたって、二十一世紀に夢のある沖縄が形成されるようにさらに検討を進めてまいることをお誓いいたします。
  145. 上原康助

    ○上原委員 これは恐らくそういう方向で検討をしていただいた方がいろいろな各般の施策の推進の上でもいいかと思いますので、ぜひ沖縄開発庁振興局あるいは総務局の特段の御配慮も願いたいと思います。  そこで、ちょっと具体的なことをこれからまたお尋ねしますが、実は、私はつい最近、南部島尻郡の、島尻地域の市町村長とお会いをする機会がございました。この間から選挙区が変わったものですから、余り宮古八重山へ行かないでしかられているのですが、この間はその機会があってたくさんの注文をいただけました。南部の主要な課題ということがありまして、こんなにたくさんあるかと思うほど道路の整備やらいろいろなことが要望事項として出ているわけですが、これは一々やるわけにはまいりませんので。  一つは、今の北部圏もそうなんですが、どちらかというと那覇から中部もそういいとは言えませんが、両端っこはややもすると過疎化の嫌いかないわけではないのですね、島尻にしても。そういう意味で、一つには、まだ県とも十分詰めていない面もあるようですが、このヘルシーリゾート計画というのを、あるいは南部大学、これは仮称ですが、ぜひ設置をしてもらいたいということが、二十一世紀というかこれからの沖縄人材育成等を含めて、また長寿社会・健康都市という面からも言われているわけですが、こういうことについては、国は、政府というか沖縄開発庁はどうお考えなのか。また、どの程度これまで県なり関係市町村とコミュニケーションを持って進めていこうとしておられるのか。お考えとこれからの方針を、あれば聞かせていただきたいと思います。
  146. 嘉手川勇

    嘉手川政府委員 お答えを申し上げます。  本島北部の問題、また南部の問題、それから真ん中の問題、それぞれ相拮抗するところもございまして、また、先ほど来先生がおっしゃっていらっしゃいますように、それぞれの格差もございます。この格差の是正というのが、沖縄は小さい島ではございますが、なるべく離島も含めまして均等に発展していく、これが理想的なところでございまして、私どももそのようなことで均衡ある発展というものに心がけていきたいというふうに思っているところでございます。  なお、具体的なプロジェクト名につきまして、今私の方から具体的にこの件についてお答え申し上げる情報は持っておりませんけれども、これにつきましては後ほどまた振興局の方からお答えを申し上げたいと存じます。
  147. 牧隆壽

    ○牧政府委員 南部地域振興につきましては、南部市町村会と南部振興会という伝統ある団体がございまして、南部は一つという合い言葉のもとに一生懸命市町村長さん方が地域振興に取り組んでいることは、私も現地勤務がございますので、よく承知しております。  御指摘の二点、ヘルシーリゾート基本計画事業の実現についてでございますが、島尻地域振興開発推進協議会において、島尻地域のすぐれた気候、風土や、豊かな歴史、文化などを生かしたヘルシーリゾートの形成について検討されていることは、私どもも承知しております。現時点では地元町村から県への要望活動が始められたばかりという状況でありまして、当面、県との調整の状況を初め地元での推移を見守っていきたいと考えております。  それからもう一点の大学設置計画の実現についてでございますが、同協議会において、二十一世紀を担う地球市民としての豊かな人間性とすぐれた学績を持つ人材を島尻地域において育てる役割を担う公立大学の設置について検討されているところと承知しております。設置主体、設置場所等がまだ決まっておらないようでございます。また、設置推進のための専任の事務局も未設置という状態と聞いております。  南部振興会としては、ヘルシーリゾート、大学設置計画の実現、ともに内部的に大変熱心に検討していると聞いております。当面、県内での検討の推移を見守ってまいりたいと考えております。
  148. 上原康助

    ○上原委員 確かに、今おっしゃるように構想の段階の域を出ていないようですが、牧振興局長もこのヘルシーリゾート基本計画をつくる場合のアドバイザーだよ。あなた、なっておられる。これは委員長仲村先生の地盤だから余り私の方が立ち入るわけにいきませんが、たくさん私の方にも要望が来ますので、泡盛を飲んだ分だけおしゃべりをしておかなければいけませんから、ぜひひとつ御検討願いたいと思います。  そこで、今の大学のこととの関係で、沖縄の失業問題とかそういう面でも非常にこれから考えなければいかないことは、沖縄は短期大学を含めて七つの大学があるわけですね。その定員総数が大体四千百名ぐらい、この間名桜ができて。しかし、毎年高校卒業生が約一万八千百名ぐらいでしょうかね。大学進学率は、全国が四三・三%に対して沖縄県は二九%。一二、三%落ちているんですよね。だから、そういう意味では、離島県であるということ、金がかかるということ、いろいろな面で高等教育の重要性というものを、これは沖縄県もそうなんだが、全体としてやっていかないといかないと私は思うんですよね。こういうことがあるので、この南部大学の必要性というものは、やはり重要だということを申し上げて、文部省来ていると思うから、これについて何かあれば後で聞きたい。これが一つ。  もう一つは、時間も余りありませんから、この委員会なり国会で私が取り上げてきたことの十分の一、百分の一ぐらいでももっとやってくれたら、沖縄の不満は相当なくなっておったのじゃないかと思いながら質問する場合が多いんですが、この組踊劇場なんかも随分前から取り上げられているんですよね。しかし、いまだにこれも目鼻がつかない、国の無形文化財として指定されておりながら。これはそろそろめどをつけて実現をしてもらわなければいかないことだと思いますので、沖縄政策協議会でやるのか、あるいは沖縄開発庁か文化庁かわかりませんが、今のことについてお答えを願いたいと思います。
  149. 若松澄夫

    ○若松説明員 沖縄県の南部地域におきまして高等教育の機会の拡充ということ、さらには地域社会の発展ということもあろうかと思いますけれども、関係市町村で公立の大学を設置するということについて検討されているということについては、私どもも承知をいたしてございます。  文部省としては、全体といたしましては、御案内のとおり、大学の設置ということにつきましては、該当年齢でございます十八歳人口が急激に今減少いたしてございまして、そういうことから新しく大学をつくるということについては原則として抑制をするという方針でいるわけでございます。  もちろん、個々具体に高齢化社会を迎えましての福祉人材でありますとか看護人材でありますとか例外になる事項が幾つかあるわけでございますけれども、原則としては抑制をするという考え方をとっておるところでございますけれども先生の御指摘のございました沖縄県南部地域におきます大学の設置ということについては、現段階ではまだ構想の段階というふうに承知をいたしておりますが、具体のお話がありました段階で私ども適切に対応させていただきたいというふうに考えて おるところでございます。
  150. 崎谷康文

    ○崎谷説明員 お答え申し上げます。  沖縄の伝統芸能でございます組踊につきましては、昭和四十七年、本土復帰とともに国の重要無形文化財に指定をいたしまして、現在、後継者養成事業に対する補助、組踊特別鑑賞会の実施など、その保存、振興を図っているところでございます。  国立組踊劇場の設置につきましては、かねてから、特に昭和六十二年以降でございますが、沖縄県や地元の関係団体から非常に強い要望がございます。文化庁としましては、組踊を中心とする沖縄の伝統芸能の保存、振興を図るとともに、沖縄の地理的、歴史的な特性を生かし、伝統文化を通じたアジアの交流の拠点として国立組踊劇場、仮称でございますが、その設立を沖縄政策協議会に提案をし、同協議会が検討することになっております。現在、この国立組踊劇場についての調査研究のための経費について、平成八年度の補正予算沖縄特別振興対策調整費の配分をお願いをしております。  今後とも、文化庁といたしましては、沖縄開発庁沖縄県と十分連携を図りながら、国立組踊劇場の設立の推進に努めてまいる考えでございます。
  151. 上原康助

    ○上原委員 あなた、組踊に出てくるようなマスクをしておられるから、早く実現してよ。本当よ。なかなかの侍だ。大臣、これは文化庁や事務当局に任せておってはいかないので、沖縄開発庁としてももう少し促進方を要望しておきたい。  最後に、北部と島尻、南部のことを聞いて足元の中部のことを聞かぬわけにはいきませんので、基地問題は当然ですが。及川審議官もいらっしゃいましたので、この間、沖縄市長なり沖縄市の経済団体からもデジタルアイランド構想並びにマルチメディア特区構想の早期実現ということを、これは主に沖縄市中部を主体に構想されているようであります。これはぜひ沖縄政策協議会の中できちっとやっていただきたいということと、きょうNTTはお呼びしてありませんが、この電話交換業務を沖縄に移転させて電話交換手を五百名ぐらい新規に採用するという、雇用促進の上で期待が大変持たれておりますので、こういうことについてぜひ一層の促進方を強く要望しておきたいと思いますが、こういうことについてどのように今政府で検討しておられるのか、お答えを願いたいと存じます。
  152. 及川耕造

    及川政府委員 お答え申し上げます。  先生指摘のとおり、マルチメディア構想、今沖縄で大変関心を持たれ、いろいろな方々がその成否に強い御関心を持っておられるということは承知いたしておるところでございます。  マルチメディアアイランド構想、私ども政策協議会の第六プロジェクトチームというところで現在検討させていただいているところでございまして、沖縄方々の御期待に沿うべく、できるだけすばらしい構想の実現のための施策を考案してまいりたいと考えておるところでございます。大変重要な構想でございますので、慎重にかつ十分練ってまいりたい、かように考えている次第でございます。  なお、NTT等につきましては、私どもも報道以上のものを最終確定したというふうには聞いておりませんけれども、御案内のとおり、雇用問題自体は沖縄県の最大の関心事であり、また、緊急を要する課題であると思っておりますので、例えば五十億円の配分等に当たりましても、総理談話にございますように、雇用の確保というのに十分配慮した形での配分を行ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
  153. 上原康助

    ○上原委員 最後に、大臣からまとめて。  自由貿易港の問題──自由貿易港と自由貿易地域は申し上げるまでもなく内容が非常に違いますので、自由貿易港、自由貿易地域の指定ぐらい、本当に政府法律も改正をしてきちっとやらないと、沖縄県民政府に対する期待というのはまたまた裏切られたなんということになりますよ。これは事務当局に任せたってできないです。やらないですよ。だから、私は、政治の判断だ、リーダーシップだと言うんです。  さっきの組踊の問題と今のマルチメディアのことと自由貿易港のことについては、まさにこれは沖縄開発庁長官としてきちっと橋本内閣の中で位置づけて実現をしていただきたいと思うのですが、決意のほどをお伺いして、時間ですから質問を終わりたいと思います。
  154. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 今議員から言われましたとおり、やはり政治は決断であろうと思います。過日、予算委員会で官房長官質問されましたときに、官房長官も大分踏み込んだ答弁をされました。私も同感であろうと思います。勇気を持って、また、沖縄が、本当に今度の内閣はなかなかやるな、期待できるなというような、実効、効果の上がるように誠心誠意努力をしたいと思います。  以上、お誓いいたしまして、私の答弁といたします。
  155. 上原康助

    ○上原委員 終わります。
  156. 仲村正治

    仲村委員長 吉田公一君。
  157. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 私は、沖縄駐留米軍あるいはまた基地問題の前に、もう既に御承知のとおり、我が国は戦後五十年、そして沖縄返還二十五年を迎えて、まさに我が国は完全な独立国でございますし、今や常任理事国にまで推挙されるような、しかも東南アジアを初めとした諸国に対外援助をする世界で一、二を争う日本になったわけでございます。そういう視点で私はこれから質問を申し上げさせていただきたい、こう思うのであります。  まず、完全な独立国家である、世界に認められた、世界に期待されている日本という立場からいえば、米軍基地がいつまでも我が国の本土、沖縄にあるということは、日本が独立国家としてまことに残念ではないか、そう思っているのですね。  したがって、普天間基地があと五年から七年の間に返還をされるということでありますが、今まで日本の外交はとかく軟弱外交だとかアメリカ追従外交だとか言われてまいりました。今度は普天間基地が返還をされるという前提の上で、安全保障上あるいは極東の安全上、どうしても同じ沖縄本島に基地を移しかえなければいけないものなのかどうか。そのことについて、普天間基地を返すのになぜ同じ沖縄本島でなければならないのかという説明がアメリカ側からきちっとなされなければおかしいと思うのでありますが、長官、その辺いかがでございますか。
  158. 梅本和義

    ○梅本説明員 沖縄の普天間の基地につきましては、これは沖縄県からの大変強い御要望がございまして、一昨年十一月から始まりました沖縄特別行動委員会においてもいろいろな話をし、その中で、現在の厳しい国際情勢の中で、日本の安全あるいはこの地域の平和と安定を保ちながら沖縄県の皆さんの御負担をいかにして軽くするか、その中で普天間基地というものが返還できるのだろうかということを議論してまいったわけでございます。  その際に、普天間の飛行場が現在果たしております大変重要な軍事的機能、能力というものがございます。やはりこれをなくしてしまうわけにはいかない。その中で何ができるかというところを、ぎりぎりのところを話し合いをし、これは橋本総理も深く関与され、最終的には首脳レベルで普天間を返還するということを決着したわけでございます。  ただ、その際に、今お話ありましたけれども、普天間の飛行場の現在果たしておる機能、それが一〇〇%そのままではないにしても、これはやはり損なわないように何とかできないだろうかということで、現在普天間飛行場が持っておりますヘリコプターの機能のところだけは代替のヘリポートをつくる。それから、約三千メートルぐらいの滑走路があるわけですが、それはなくなる。その部分は嘉手納あるいはそのほかの別のところでカバーできないか。また、今般、山口県及び岩国市関係当局から移駐の御容認というお話があったわけですが、その中で、例えばKC130という給油機は本土へ持っていけないだろうか。そういう ぎりぎりのところでこの普天間の返還を実施するということになりましたので、アメリカが県内の別のところへ移転してくれというよりは、むしろ今申し上げたような文脈で、どうすれば普天間の返還というものが実現できるだろうかという中で代替ヘリポートを県内にということになったわけでございます。
  159. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 最終的には、極東の安全ということから普天間の返還後も沖縄本島にそういう施設がなくてはならないということでなければ論理的に合わないわけですよ。既得権だから沖縄本島へまた置くのだ、そういう話ではないわけです。  では、極東の安全というのは一体何なのか。アメリカの戦略あるいは極東の安全という面から、SACOでも何でもそうですけれども、そういう話し合いというのは行われたのですかね。
  160. 梅本和義

    ○梅本説明員 私ども、SACOにおきまして相当詳しい話をいたしました。その中で、まず沖縄における米軍のすべての基地について、どういう機能を果たしているのだろうか、そこにいる部隊が平時それから緊急事態においてどういう役割というものが期待されているのだろうか、そういうことについて相当詳しい議論をいたしました。  そういう中で、現在沖縄におりますいろいろな部隊というものは、我が国あるいは我が国周辺において緊急事態が発生したときに、非常に迅速にかつ機動的に展開し得るということが大変重要であるというようなこともアメリカ側とは相当話をいたしました。
  161. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 例えば、極東の安全上どうしても沖縄に基地が必要だ、しかも海兵隊一万七千人の駐留というものは絶対条件なんだ、しかし、我が国はそういう独立国家としての気構えというもの、しかも自衛隊があるわけですよね。自衛隊というのは一体何なんだという話になるわけですが、自衛隊が取ってかわる、そのくらいの気構えがあってもいいと思うのですけれども、その点についてはどうなんですかね。これは事務的にはなかなか答弁できないと思うのだけれども、もう自衛隊が取ってかわったらいいじゃないか、いつまでもアメリカ軍に守ってもらうことなんかないと思うのですが。
  162. 大古和雄

    ○大古説明員 防衛庁の方からお答えさせていただきます。  政府といたしましては、我が国の防衛につきまして、みずからの適切な防衛力を保持するということと、日米安保体制を堅持することにより確保するということにつきまして、そういう方針をとっていることにつきましては先生も御案内のとおりだと思います。  そういう意味では、今海兵隊が撤退した場合という御質問がございましたけれども、そういう御質問に対してお答えすることは差し控えたいと思いますけれども一般論として申し上げれば、国際社会において引き続き不安定要因が存在する中で、我が国に駐留するお尋ねの海兵隊につきましては、その有する高い機動力、即応性を通じまして在日米軍の重要な一翼を担っておる、こういう観点から、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与しているというふうに認識をしております。
  163. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 それは、言えばそのとおりだと思うのですよ。全然その意味が違うことを言っただけなんだけれども。  それでは、一つ伺いたいのですけれども、フィリピンに米軍のクラーク空軍基地というのが九十年の歴史を持っている。しかし、その九十年の歴史を持っている米軍のクラーク空軍基地が、今まで米軍のアジア・太平洋戦略のまさに中心点だった。ところが、フィリピンの強い要請があって、そのクラーク米軍基地というものは撤退したわけだ。そして、今、極東の安全といいながら、ハワイからフィリピンまでだといいながら、そのクラーク米軍基地にあったいろいろな部隊あるいは施設沖縄に持ってきたんじゃないのか。  そして、何でそのクラーク空軍基地が要らなくなったか、全面返還になったか。それは、一つは、まさに今の我が国の置かれている認識と同じだと思うんだ。対ソ緊張緩和などを背景に、それから、アメリカの財政的視点からの戦略だ。それから、在外基地維持の見直し、米太平洋軍の海軍力重視への移行、フィリピン国内での反基地運動の広がりなど。そういう理由に基づいてフィリピンからクラーク空軍基地は撤退したということになったら、全然極東の安全も何もないじゃないか。極東の安全の一番大事なところをクラーク米軍基地が、しかも九十年の歴史に幕をおろしたということですから、沖縄駐留米軍が何も沖縄本島にある必要は全くないということですよ。どうですか、だれか自衛隊の人はいないのですか。
  164. 梅本和義

    ○梅本説明員 ただいまフィリピンのクラーク基地についてお話ありましたけれども、ちょっと御通告をいただいていなかったものですから、クラーク基地についての詳しい資料を手元に持っておりませんが、クラークあるいはフィリピンにおきます米軍基地が重要な位置を占めていたということは事実だろうと思います。ただ、果たしてクラークが一番重要であったかというところは、いろいろ御議論があるところだろうというふうに思います。  私ども、昨年の四月の日米共同宣言に至るまで、約一年間あるいは一年半ぐらいアメリカ側といろいろな話をいたしました。その際に、アジア・太平洋の地域情勢を見ますと、例えば朝鮮半島において引き続き緊張というものが残っておる、そのほか不安定性、不確実性、いろいろある。そういう中で、極東の平和と安定というものを守っていくためには、日本における日米安保体制、それから米国が韓国と結んでおります米韓の安保体制、そのほかのいろいろなアレンジメント、こういうものが全体として相まって極東の平和と安定に大変重要であるという認識で一致をしたところでございます。
  165. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 しかし、一致したと言うんだけれども、極東の安全で、フィリピンまでが極東の安全地域だ、最近はアフリカの喜望峰まで極東の安全地域に入れたらしいんだけれども、しかしいずれにしても、長く東南アジア等の戦略上でクラーク空軍基地は設けられていた。  もう一つは、スビック米軍基地が同じようにフィリピンから撤退するということになった。そのスビック基地の機能の一部は横須賀などに移す計画だ、フィリピン側は、返還後のスビック基地の船舶補修施設などを民間経営に移管をして、商業ベースで今後そういう戦艦修理等をやっていこうじゃないか、そういうことになった。フィリピンの方はどんどんどんどん米軍基地が撤退をしているのに、我が国が全然撤退できないで、しかも、九十二米軍施設のある中で三十八が沖縄にあるわけだ。  だから、次の質問をしますけれども、そういう基地というのは撤退できないという前提でいろいろな沖縄振興開発特別措置法の一部改正なんかが行われるというところに問題がある、私はこう言っているわけだ。そういう米軍基地があるから、つまり、迷惑施設として、あるいは沖縄県民皆さん方を特別な状態に置いているものだから、基本的な問題はちっとも解決をしないで、今度は、さあ、これも上げましょう、あれも上げましようと。そういう補助金漬けみたいにしてしまうようなやり方については私は反対をしているわけだ。  だから、羽田から沖縄までの航空機燃料税の軽減をするとか、それから旅館だとか簡易宿泊の建物については特別償却を租税特別措置法でやるとか、沖縄県民皆さん方が望んでいる基本的な問題の解決には全く何の役にも立っていない。そして片方では、あれも補助してやる、これも補助してやる、むしろそういうこと自体が、沖縄県民皆さん方との意思のすれ違いを平気でやっているんじゃないか。しまいには補助金島にしてしまって、しかも、自立、自活ができなくなってしまう。まさに今の日本の農業と同じだよ、補助金漬けにしちゃって。まさに自立自尊という──我が国農業なんか補助金漬けにしちゃったものだから、補助金がなければ日本の農業は全然やってい けないというような、それが当たり前の考えになっちゃった。  だから、沖縄県民皆さん方も、基本的にちっとも解決できないで、補助金だけどんどんどんどん、あれもやる、これもやる、もっとないか、もっとないかなんて言って、そういうことは間違っていると私は思うのですが、長官、いかがですか。
  166. 稲垣実男

    稲垣国務大臣 沖縄農業振興についてどのように取り組んでいくかという御趣旨ではないかと思っております。沖縄産業振興を図る上におきましては、農業の果たす役割は極めて重要でありますし、我が国唯一の亜熱帯気候地帯に位置しているという特性を生かした農業の発展が期待されているところであります。  先ほど来から補助金のいろいろな問題に至っておられるようでありますけれども沖縄は他の地域に比べましてまだいまだしという感慨があるわけでございまして、復帰後三次にわたる沖縄振興開発計画に基づきまして、関係省庁とも連絡をとりながら、農業用水源の開発やかんがい施設整備、また畑地の圃場整備生産基盤の整備を初め、ウリミバエやイモゾウムシ等の特殊病害虫対策など、沖縄農業、農村の発展基盤の整備を推進してきたところでございます。  この結果、農地整備率は、復帰直後の一%から平成七年には四八%に、畑地かんがい面積の比率も二%から一四%に向上するなど、本土との格差是正という点では一定の成果を見ておるのであります。また、農業生産も、農家の意欲的な取り組みとも相まって、昭和四十八年の四百五十一億から平成七年には千二十二億円と二・三倍に増加しております。中でも、花卉は三十二倍の百六十億円に増加するなど、沖縄農業は、かつてのモノカルチャー的な生産構造から脱却して、野菜、花卉、熱帯果樹、肉用牛など、付加価値の高い多様な営農が展開されておるのであります。  しかしながら、沖縄農地整備水準はまだ本土に比べますと低位にありますし、台風、干ばつ等、災害の影響も受けやすく、また市場から遠隔地にある沖縄におきましては、農業用水源の開発など、引き続き農業、農村の発展基盤の整備に努めていく必要があります。いろいろと御指摘はございましたが、私は、沖縄の現状を見る限りにおいては、今後とも生産性の高い、特色ある亜熱帯農業の確立に向けて、関係省とも連携して諸施策の一層の効果的、効率的な推進に努めてまいりたいと思う次第であります。
  167. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 今長官から、農業基盤整備あるいは選択的拡大生産農業基本法に定められております種々のことをやっているというお話がありました。しかし、これは沖縄だけじゃありません。生産量は、技術の開発あるいは肥料の開発あるいは農業機械の発達、そういうものによって、これは北海道でもそうですが、どんどん上がっている。国内でも、本土でもそうです。沖縄だってそれと同じように上がっていくのは当たり前ですよ。  つまり、それは補助金によって生産量が伸びた──計数で出ているわけじゃありませんから、果たして補助金でそれだけ生産量が伸びたのか、それとも我が国の全般の農業技術の増進によって伸びたのか、その点は私ははっきりは申し上げられないのではないか、そう思っている次第です。  じゃ、一体いつまでやれば沖縄農業というものが独立をしていくのか。今まさに日本の農業と同じですよ。独立の案が全然見えてこない、今日本の農業は。農林省の言うとおりやってたら全部だめになってしまう。そういうように、方向もなきゃ何もないんだ。その場その場だ。  だから、そういうことを考えて、沖縄農業もそうでありますが、沖縄産業もそうですけれども、とにかく──人間の体だって、長官、そうだよ。薬でもって年じゅうやっていたんじゃ、薬をやめたときに自立、自活できるのかというとできなくなっちゃう。そういうことにならないように気をつけなければいかぬ、そう思っているんですよ。そういう点で、ぜひ沖縄が独立して、本当の意味での独立、自活ができるようにやってもらいたい、そう要望して、ちょうど時間ですから、終わります。
  168. 仲村正治

    仲村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十九分散会