○細田
委員 向こうに出かける人のうち、三百万人ぐらいはやはり仕事で出かける。そして、こちらへ入ってくる
外国人観光客のうち百七十万人ほどは、いわば違う用向きで入ってくるということで、千三百七十七対二百十一でございますから、六・五倍以上の格差があるわけですね。
そこで、よく言われることは、先ほどの御質問にもありましたけれども、
日本が円高で物価高によるところが大きい、
日本に行ってどのぐらいの予算で旅行ができるかよくわからないというようなこともあって、また、
日本のさまざまな諸事情による制約があってこの格差が大きい。したがって、今回の
法律のような措置をとりまして、何とか
観光振興をしようではないかということにつながっておるとは思うのですが、私は、まだまだ
日本の努力が足りない部分が非常に多いと思っておるわけでございます。
それは第一に、
外国人といいましても、アジアの人もおれば、あるいはヨーロッパやアメリカやその他の
地域の人もおられると思うのでございますが、どういうところに行きたいのか、
日本の
歴史を知りたいとか自然の美しさを見たい、
温泉に行ってみたいとか都市に行ってみたい、あるいはアミューズメント
施設のような楽しいところに行ってみたいというような、年齢階層、
国民階層によってさまざまな事情があると思うのでございますけれども、どうもそういっだ希望に応じた
観光というものを、きめ細かくやれるような体制になっているのかどうか、やや怪しいのではないかという点がございます。
第二に、
日本を
観光で私どもも回ってみますと、道路などのアクセス、飛行機、バス、道路等いろいろな面で時間がかかり過ぎ、楽しい時間の割合が少なくて、行き来する時間がこの狭い
日本であるにもかかわらず、非常にかかり過ぎるというようなこともあると思われます。
第三に、予約の面でございますけれども、飛行機とか鉄道、バス、宿泊などが有機的に予約できないような体制になっているのじゃないか。便利にやろうと思うと、どうしても旅行社などのパックの料金で、パック方式。だから、何から何までお仕着せに近いようなもので旅行するという癖が
日本人にはついておりまして、その中で自由度をより高めようという動きはもちろんあるわけでございますが、そういったことは、個人主義的な
考え方で旅行する
外国の
観光客に、余り合わないのではないかというようにも思われるわけでございます。
そして第四に、言葉のハンディーというものが非常に大きくて、やってきてもなかなかこれを乗り越えるだけの親切な対応ができていないのではないかといった点が見受けられるわけでございます。
そういった
認識に立ちながらいろいろお伺いをしたいわけでございますけれども、
最初に申し上げましたような、国とか世代によりまして、
日本に対する
観光目的にいろいろ差があるということを言われるわけでございますが、それの実態、そして、それに対する対応策がどうなっておるのか、やや詳しく御説明をいただきたいと思います。