○寺前
委員 この間、
JR東
日本の最高顧問の住田さんが何かに書いておられました。かつて運輸省で仕事をしておられたお方でしょう。
国鉄に資金をどんどん貸した母体行は
日本政府です、返す当てがないことがはっきりしちやまずいから先送りしてきました、結局は
国民の
負担です。ここに落ち込んでしまうのと違うかいな。私は、そういう
意味で、三点の問題提起はぜひ真剣に考えてほしいということを申し上げておきたいと思います。
次に、せっかくの
機会ですから、この十年の間のさらなる問題が
一つ感じられるんです。
一つは、働いておられた方々の問題です。もう
一つは、
安全性の問題です。
時間がありませんので、絞った形でお聞きをしたいと思うんですが、まず、横浜人材活用センターの問題です。
国鉄分割・民営化法案が国会で成立した直後の八六年十二月三日、横浜人材活用センター事件ということが起こっています。私はテレビで二度ほとこれを見ました。同事件は、同センターにおいて、同センターの廃止、職場復帰の抗議中に旧
国鉄職員が助役に暴行を振るったとして公務執行妨害で逮捕、起訴されましたが、九三年五月、横浜地裁で無罪が確定しました。逮捕され、起訴された五人のうち三人は、国が刑事・費用補償、それから起訴猶予
処分とされた二人も被疑者補償がされました。いわばこの事件はでっち上げであったことが裁判の上でも明確になって、受け入れざるを得なくなっているわけです。この五人は、
東京高裁で免職無効仮
処分判決が確定して、
国鉄清算事業団から給与を支給され、
JR共済にも加入するということに今なっています。しかし、
JRへ復帰をめぐってまだ裁判が残っています。
しかし、この五人以外に、この事件を理由に懲戒
処分が行われ、停職六カ月三人、一カ月四人の
処分が行われた七人は、
国鉄時代の
処分の原因となったでっち上げ事件を争っている中で、
国鉄清算事業団に入れられ、九〇年四月に同
事業団を解雇されるという
経過になりました。でっち上げ事件をめぐって当時の
国鉄当局と争っていた元職員が、でっち上げ事件を理由に
処分が行われ、その
処分に基づいて、設立
委員会から要請されて
JR採用名簿を当時作成していた
国鉄が外してしまう、
JRに入ることができなくなるという結果です。
こうなってくると、あのときの、分割・民営化を前にしてでっち上げをやって、不幸な目に遭っていた人たちが、名誉が回復されたからといってほったらかされておった日には、名誉は回復していないことになるじゃないか。私は、この問題をいつまでも放置しておくわけにはいかないと思うのです、でっち上げ事件であったということを受け入れているんですから。でっち上げの証拠まで裁判に持ち出されました。だから、確定して、言いようがなくなって決まったわけでしょう。それでいながらいつまでも放置されている。おかしな話だなと言わざるを得ないです。
これらの元
国鉄職員には、八八年十二月、神奈川
地方労働
委員会で
JR採用命令、九五年十月には中央労働
委員会でも
JR採用命令が出ています。このうち四人について、九六年二月に中央労働
委員会は
東京地裁に緊急命令を申し立てています。
東京地裁は、棄却もせず一年以上も取り扱いに苦慮するという姿になっています。
政府のつくっている労働
委員会制度がこんなことを出しながら無視されているという姿、一方、裁判では不当であるということが、それはでっち上げ事件としてなっている以上は、
運輸大臣、これは放置することのできない問題だと私は思うのです。
不当にも清算
事業団に送られて、そこでも首を切られて、中央労働
委員会でも
JR東
日本と貨物に職場復帰させることを採用命令しているのに、今裁判中裁判中ということで既に十年が過ぎてきているこれらの人に対して、さらに引き延ばすことは、元職員に対する重大な人権侵害ではないでしょうか。
国鉄分割・民営化のスキームの中で、でっち上げに遭ったような人は無
条件にもとへ戻すように、それこそ
JRに指導しなければならない話じゃないでしょうか。私は、こういうことをきちんとできないようで、運輸省ここにありというわけにはいかぬだろうと思うのです。これはだれか説明できますか。
〔
委員長退席、横内
委員長代理着席〕