○中田
委員 中田宏でございます。今から一時間お時間をいただきました。質問をさせていただきたいと思います。
日ごろは個大的にも
大臣にしばしば不思議な御縁で御指導賜ったりしておりますけれ
ども津きょうは
大臣に私も運輸
委員としては初めて質問させていただくことを大変幸いに存じておるところでございます。いろいろと
整備新幹線のことについてお聞きをしますけれ
ども、
大臣には私、るる恐らく意見を言わせでいただくと思いますが、それについての政治家としての御所見をお伺いをしたい、こういうふうに思っているところであります。
まず、
委員長や
大臣を初めとしまして、他の
先生方もまた
運輸省の皆さんにもぜひ誤解のないようにお聞きをいただきたいと思うわけでありますけれ
ども、私は
整備新幹線そのものに反対をするものでは全くありません。
国土の均衡ある
発展という観点から
考えましても、
新幹線の重要性というものは十分に
認識をしているつもりでございますし、また、その
地域の
発展ということを
考えてもそれは
承知をしているつもりでございます。
ただし、仮に
採算性を無視したような形でこれが
着工され、そして
整備され、営まれる。結果、格好のよい、さっそうと走る
新幹線の裏側に、
国民に大きなツケ回しが来るという事態になるのではよろしくないわけであって、その点についてやはり私はまだ疑問を持っているという観点から、質問させていただきたいと思うわけであります。
思い起こせば、
国鉄が
JRに変わった経過というのは余りよろしくない言葉でありますが、まさに我田引鉄と巷間言われるように、我々政治家の諸先輩方がさまざまな
地域への利益誘導、そして、
国鉄の
収支を無視した鉄道
建設を進めた結果によって、
国鉄が大変大きな赤字を抱えて、
昭和六十二年に
民営化されたわけでありました。
民営化直前の
国鉄の
長期債務は、全体で三十七兆一千億円、そのうち二十五兆五千億円が
清算事業団に引き継がれ、さらに四月一日現在で、一年前よりも五千億円ふえて二十八兆一千億円の
債務になっていることは、この
委員会で別途、別途といいますか、一括して
審議されているその経過の中で、我々全員
承知をしているところであります。
もちろん
国鉄の赤字については、単に鉄道
路線の問題だけではなくて、職員の勤務の効率性に代表されるような、いわゆる親方日の丸的体質、こういうことがあったのも事実であります。ただ、
計画的に設備投資と利益をきちっと
計算をした上で事業の運営に当たるという企業の体をなしていなかった、それが
国鉄の赤字を大きくしてきたことは間違いのない事実だというふうにだれもが
認識をできると思います。
今回、その
国鉄が抱えた莫大な
長期債務の処理についても、現在、この
委員会において一括して議論をしているわけでありますが、まさにその反省に立ったとき、民間新生
JRに対して、私たちが第二の
国鉄になるような鉄道
建設を無理強いするわけには当然いかないわけであります。このことについては、
JRそのものが赤字になるということで第二の
国鉄と私は言っているのじゃなくして、かつてと同じように
採算性を無視した形で鉄道
建設を進めることが、結局は
国民負担につながってくるというその体質を指して第二の
国鉄という
意味を今申し上げた。これは後ほど詳述をさせていただきたいというふうに思うわけであります。
さて、冒頭申し上げたように、私は、別に
整備新幹線にはやみくもに反対をしているわけではありません。あえて私の本音を申し上げますならば、私は、
新幹線というものを
建設することによって、
東京から鹿児島あるいは札幌まで、距離にしたらこれはえらい長い、大変な、
東京から鹿児島まで
新幹線で行くかなというのは、率直に言って私は行かないだろうと思いますが、大阪からでも鹿児島に行ったり、あるいは仙台から札幌に行ったり、こういう利用の仕方はたくさんあるわけでありまして、それは利便性が増すわけで、これはむしろ大賛成をしたいというふうに思います。
ただ、問題なのは、これを今やるべきなのかどうなのかという、時間、タイミングということを私は思うわけです。それは、今、国が抱えている当面の緊急課題はいわゆる行財政の改革であって、先般、四月一日に消費税は二%上がったわけであります。これは国の財政が極めて厳しいから、そのはね返りとして、私たちの生活に既にその財政のゆがみというものが来ているわけであって、この国の財政構造を転換するために思い切った
行財政改革を断行をしようというのが、これは与野党一致した今の国の命題であるということになります。
医療制度の改正なんというのも既に話題に上っているわけでありますから、当然のことながらこれは行政改革という観点を
考えたときに、この
整備新幹線という問題について、いま一度頭を冷やす必要があるのではないか。基本的な姿勢というのは不要不急なものに関しては歳出を慎み、まずもうて国の財政を立て直していって、その後にこういった重要性のあるテーマについての優先順位をつけて、これは国家的な
整備新幹線なのか、あるいは空港なのか、あるいは運輸関係ではないそのほかのものも含めて、優先順位をつけてやっていくということになるのだろう。それをやっていかないで、今とにかくすべてのプロジェクトをどんどん進行していくということには非常に疑問を持つわけであります。
早速でありますが、昨年十二月の
政府・
与党合意の中では、新規
着工分として二〇一八年までに約一兆二千億円を確保していくということになったわけですね。これはスーパー特急やミニ
新幹線を導入することで
建設費用の
軽減化を図っているわけであります。そして、今後
検討委員会で
着工順位などが
検討されること、これはもう既にこの
委員会の中でしばしば議論をされているわけであります。この一兆二千億という金額で東北
新幹線の八戸—新青森、北陸
新幹線の長野—上越、九州
新幹線の船小屋—新八代という
財源スキームを新たに組まれているわけでありますが、これは一兆二千億で果たしていけるのか、マスコミのとらえ方な
ども一投的には一兆二千億という予算というふうに思われているわけでありまして、この一兆
二千億をこれから先、この枠内でやろうとしているのかどうか、ここについてまずお聞きをさせていただいてよろしいですか。