○上田(勇)委員 私も、東北や上越の新幹線が、地域経済の発展や交通体系の整備に大変な効果があったということは、そのとおりだというふうに
思います。ところが、この計画が、では四半世紀先には本当に新幹線が交通の手段として有効なものなのかどうか、まして、全国にそれを整備するという、何世紀という単位の話をすると、それはもう何か本当に、むだな計画を今一生懸命考えているのじゃないのかなというようなことも思わざるを得ないわけであります。特に、今の
JRや
運輸省などでも、リニアモーターカーだとか、そういうような新しい技術も開発しているわけでありますし、今の
考え方に基づいてそういうような計画路線を立てていることが本当にいいことなのかどうかということは、大いに疑問を感じる点であります。今のそうした基本計画であるとか整備計画の見直しを行わないまま、これまでの延長線上で事業を実施していくと、結果的には非常に中途半端なものができ上がってしまうのじゃないかというようなことも気になるわけであります。そうなると、今期待している効果といったものも十分に発現しないでしょうし、結局は、今一生懸命鉄建公団なりが行っているそうした投資が有効に機能しなくなってしまうといったことも懸念されるわけであります。
先ほど
玉置先生からも
お話がこの辺はあったわけでありますけれ
ども、やるのなら集中的にやればもっと効果は発現しやすいでしょう。ところが、今財政再建元年と銘打たれているように、そういう
意味では、国の支出が近い将来にそう大きくふえていくということは考えられないのじゃないかというふうに
思います。むしろ、支出をいかに効率化、縮減していくかということが今の重要な課題でありますので、その
意味では、もっと本当に現実性のある、ここだけはどうしても早い時期につくっていくんだ、あるいは、ここはちょっと今の財政事情を考えると当面はできないので、そのときになったときの新しい総合的な交通体系の中で一番有効な交通手段をつくっていくのだ、そういうような考えで、この基本計画は特にそうでありますし、この整備計画についても、これはまだかなり遠い将来のことまで含まれている計画ですので、その辺ももっと、今日性のある、現実性のある、そうした視点でこの計画を改めるべきじゃないかというふうに考えるわけであります。
もう
一つは、やはり、しっかりした現実性のある計画に改めてから、その計画に基づいてこの事業を推進していく、実施していくということが筋じゃないかというふうに
思いますし、それまで、新たな事業着手についてはもう少しょく考えた上で実施する。今回、新規着工区間というのが出てきていますけれ
ども、そうしたことについても、その線全体がどうなるのか、そういう基本計画、整備計画をもうちょっとしっかり見直した上で、新たな、より投資効果の上がるような事業実施体制をつくった上で新規事業に着手する、それまでは事業実施についても若干期間を見合わせるというのも一案ではないかというふうに思うのですけれ
ども、その辺についての御見解はいかがでしょうか。