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1996-12-16 第139回国会 参議院 本会議 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成
八年十二月十六日(月曜日) 午後零時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第五号
—————————————
平成
八年十二月十六日 正午 本
会議
—————————————
第一
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
及び
農業協同組合
法等
の一部を
改正
する
法律案
(
趣旨説明
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
斎藤十朗
1
○
議長
(
斎藤十朗
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
農林中央金庫
と
信用営業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
及び
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
(
趣旨説明
) 両案について
提出者
の
趣旨説明
を求めます。
藤本農林水産大臣
。 〔
国務大臣藤本孝雄
君
登壇
、
拍手
〕
藤本孝雄
2
○
国務大臣
(
藤本孝雄
君) ただいま議題となりました
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
及び
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御説明申し上げます。
農協系統
は、
農業者
の
協同組織
として、
農業
の
振興
や
農村地域
の
活性化
に大きな
役割
を果たしてきたところでありますが、近年、
農業農村
をめぐる
状況
が大きく変化する中で、
農協
は、これまで以上に
農業者
に対して良質のサービスを低コストで提供できるよう、
経営体質
を改善することが求められております。特に、
信用事業
につきましては、
金融
の
自由化等
が急速に進展する中で、一層の
事業機能
の
強化
と
効率化
、
健全化
を図っていくことが
急務
となっております。 このような
状況
を踏まえ、
信用事業
を
中心
とする
農協系統
の
事業
・
組織
の
改革
を
推進
するため、この二
法案
を提出した次第であります。 まず、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
の主要な
内容
につきまして御説明申し上げます。
農協系統
の
事業
・
組織
の
改革
の
一環
として、
都道府県連合会
と
全国連合会
の
統合
による
組織
二段の
推進
が大きな
課題
となっておりますが、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
の
統合
は、
現行法
上できないこととなっております。このため、この
法律案
では、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
につきましても
合併
及び
事業譲渡
を行うことができるようにすることとし、これに伴う
所要
の
手続
を定めることとしております。次に、
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
の主要な
内容
につきまして御説明申し上げます。 第一に、
農業協同組合法
を
改正
し、
農業協同組合
の
業務執行体制
の
強化
、
自己資本
・
内部留保
の
充実
、
監査体制
の
強化等
を行うことといたしております。さらに、
農協貯金
の健全な
運用
に資するため、
資金運用規制
を
緩和
することとしております。 第二に、
農業協同組合合併助成法
を
改正
し、
農業協同組合
の
合併経営計画
の
認定期限
を
平成
十三年三月三十一日まで延長することとしております。 第三に、
農林中央金庫法
を
改正
し、非
居住者向け貸し出し
の
規制緩和等
を行うこととしております。このほか、
農業信用保証制度
の
充実
を図るなど、
農協改革
に関連して
関係法律
の規定を
整備
することとしております。 以上、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
及び
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御説明申し上げた次第であります。(
拍手
)
—————————————
斎藤十朗
3
○
議長
(
斎藤十朗
君) ただいまの
趣旨説明
に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
高橋令則
君。 〔
高橋令則
君
登壇
、
拍手
〕
高橋令則
4
○
高橋令則
君
平成会
の
高橋
でございます。
平成会
を代表いたしまして、ただいま
趣旨説明
のありました
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
並びに
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
について、
総理
並びに
関係大臣
に
質問
いたします。 このいわゆる
農協改革
二
法案
は、
さき
の
通常国会
における
審議等
を通じて明らかになった
農協系統
の問題、特にも、
信用事業
の抱える
課題
に緊急に対処するためその
組織
及び
事業
の
改革
を
推進
しようとするものであり、その
趣旨
とするところは
基本
的には理解できるところであります。 すなわち、
住専
問題の
国会審議
を通じて、
農協系統金融機関
の
経営
における専門的、効率的な
業務処理能力
の
不足
、
自己責任
の不徹底、
リスク管理
の不十分さといった
問題点
が次々と明らかにされました。
我が国農業農村
における
農協
の
役割
の
重要性並び
にこれらを取り巻く現下の厳しい情勢にかんがみ、これらの問題は早急に解決されなければならないものであり、そのために
所要
の
改革
が速やかに
推進
されなければなりません。 しかしながら、当面するこれらの問題の背景にはより深刻な構造的な問題があり、それに対する冷厳な
認識
と今後に対する確かな
展望
がなければ、理念なき対症療法的な
改革
にとどまってしまうおそれなしとしないのであります。 現在、
我が国農業農村
は、
社会経済構造
の激しい変化の波にさらされており、
農協
もまた、
貿易自由化
、
食管制度
の
改革
、
金融自由化
の影響をもろに受けてその
存立
の
基盤
が脅かされております。
農業基本法
の抜本的な
見直し
の
必要性
が叫ばれ、現にその
取り組み
が進められていること、それに伴って
関係法
の
大幅改正
が想定されることも当然と申せましょう。まさに構造的な
改革
が必要とされる時期に立ち至っているのであります。 そこで、まず
我が国農業農村
の抱える
課題
に対する
認識
と今後の
展望
並びにこれを
前提
とする
農政
の
基本方向
について、
総理
の御所見をお伺いいたします。 また、
我が国農業農村
における
農協
の位置及びその果たすべき
役割
について、
農林水産大臣
の御
見解
をお聞かせください。 次に、
住専
に関してでありますが、前段述べましたように、これによって露呈した
農協系統金融機関
の
経営
上の欠陥は重大かつ深刻なものであります。今年度予算で六千八百五十億円の血税が
住専問題処理
のために投入されましたが、
住専
問題を含む
金融危機
は、今なおノンバンクやゼネコンの
経営危機
が取りざたされるなど、到底解決したとは思われません。
住専処理
の
現状
と
見通し
並びに
不良債権等
による
金融危機
の
現状認識
、さらに
金融機関
が
破綻
した場合の
処理
の方法、そして
農協
が
破綻
した場合にはどうするのか、このようなことについて
大蔵大臣
並びに
農林水産大臣
の御
見解
をお伺いいたします。 以上の点を
前提
として、以下二
法案
の
内容
について
お尋ね
いたします。 第一に、
農協
の
組織
の
あり方
についてであります。 今回提出されている二
法案
の根底に、
単協
の
合併
を促進し、現在の三
段階組織
を二
段階
にすることにより、
組織
を
スリム
にし、経費の節減と
経営
の
機動化
を図り、
農協
の
経営危機
を打開しようとするねらいがあることは明らかであります。 しかしながら、昭和三十六年の
農協合併促進法
の施行以来今日まで三千件を超える
合併
が行われているにもかかわらず、
農協
の
職員数
はむしろ増加しており、
合併
が果たして真の
経営合理化
につながるかどうか大いに疑問があります。 また、
信用事業
、
共済事業
にとどまらず、
経済事業
を含めて
県連組織
を廃止することは、
地域性
を生かした
事業展開
を妨げることになるのではないか、さらには、
広域
にわたる
合併農協
では、
営農指導等農業者
に密着した
農協
本来の
事業
が手薄になり、
農業者
の
組合員意識
の
希薄化
を招き、
農家
の
農協離れ
を促進するものではないかといったことが
懸念
されます。
合併
による
規模
の利益と
効率性
の
向上
というメリットは理解しながらも、他面このような
懸念
が現実のものとなれば、
農協
の
存立基盤
を揺るがすもめとなりましょう。
JAグループ
は去る七月、
JA改革
の
取り組み指針
を定め、
JA統合連合組織
の
組織
二段、
労働生産性
三〇%
向上
を
実現
するための
職員数
五万人
削減等
の
目標
を定めました。
総理
は、
さき
の
国会
において
農林系統金融機関
について、「これを機に、
農林栗金融機関
の
事業
、
組織
の
あり方
につきましても抜本的な
見直し
を行い、大胆な
リストラ
を進めていくことが必要であると考えております」と表明されました。
総理
はこの
JA
の
改革案
をどのように評価されますか。すなわち、これが
総理
の表明された
事業
・
組織
の抜本的な
見直し
、大胆な
リストラ
に合致し、必要かつ十分なものと思われますか。御
見解
をお伺いします。 また、
単協
の
広域合併
及びいわゆる
組織
二段の
推進
に伴ってささやかれる疑念や
懸念
について、
農林水産大臣
はどのように思われ、かつ対処されますか。あわせて、
目標年次
までの
実現
の
見通し
をお聞かせください。 第二に、
業務執行体制
の
強化
についてであります。 近年、
農協
の
事業
の
高度化
、
専門化
が進み、これに対処できる
業務執行体制
の
強化
が求められております。特にも、高い
社会公共性
を持つ
信用事業
における
経営専念体制
の
整備
は
急務
であり、このたびの
改正案
による
常勤役員
の
兼職
・
兼業
の
制限
はその
趣旨
に出るものと理解するものでありますが、具体的にどのような形態の
兼職
・
兼業
が
制限
されるのか。また、例外とされる「
行政庁
の認可を受けた場合」とはいかなる場合か。国、地方自治体の各
級議員
は
制限
の
対象
となるのか、これを明らかにしていただきたいのであります。次に、
経営管理委員会制度
の
選択的導入
についてでありますが、いわば
組織
と
経営
の分離という画期的な試みとしては評価できるものの、その
実現
、
活用
の
見通し
については疑問の残るところであります。 すなわち、これまでも
学識経験
を有する
員外理事枠
が認められており、
平成
四年の
農協法改正
ではそれが
理事定数
の三分の一に
拡大
されているのでありますしかるに、現在、
員外常勤理事
は一
組合当たり
わずか〇・一人にとどまっており、
現行制度
のねらいはほとんど達成されていないのが実情であります。 このようなことでは、せっかくの
経営管理委員会制度
も画餅となりかねません。
実現
の
見通し
について、
屋上屋
とならない適切な
運用
の
工夫
など
導入
後の
指導
の
あり方
を含めて、
農林水産大臣
に
お尋ね
いたします。 第三に、
監査体制
の
強化
についてであります。 このたびの
改正案
では、
信用事業
を行う
農協
については
員外監事
及び
常勤監事
を必置すること、さらに
一定規模
以上の
農協
については
中央会
の
監査
を義務づけることとされ、
中央会
はその
監査
に関し
公認会計士
と契約することになっています。 しかし、六月に成立した
金融機関等
の
経営
の
健全性確保
のための
関係法律
の
整備
に関する
法律
により、信用金庫、
労働金庫
、
信用協同組合等
には
会計監査人
によ各
外部監査
が
導入
されており、これに比して後退し大印象はぬぐい得ないのであります。また、
地方制度調査会
は去る十日、
都道府県
、
政令指定都市
、
中核市
に
外部監査
を義務づけることを柱にした
監査制度
の
具体策
をまとめたとされております。
会計監査人
による
外部監査
を
導入
しなかった理由は何か、
改正案
で
外部監査
と果たして同等の効果が期待できるのか、そのための
措置
をどのように講じようとしているのか、
農林水産大臣
に
お尋ね
いたします。 第四に、
監督
・
検査体制
の
充実
についてであります。
住専
問題は、その
あり方
についても反省を迫るものでありました。このことは、
国会審議
の経過、そして
金融制度調査会金融システム安定化委員会
の
審議報告
において、「特に、
農協系統金融機関
については、
不動産業向け融資
の
総量規制
が行われた前後において、その
融資
が増加している。一方、
行政当局
も、
住専
は
預金取扱金融機関
とは異なるものであるが、
住専
の急激な
事業者向け融資
への傾斜に十分な
指導
を行いえなかった」と記されていることからも明らかであります。
大蔵省
及び
農林水産省
の
監督
・
検査体制
の
充実
をどのように図っていくのか、
都道府県
についてはどうするのか、また、現在
大蔵省改革
の
一環
として論議されている
金融検査
の一元化との
関係
はどうなるのか、
総理
並びに
大蔵大臣
及び
農林水産大臣
の御
見解
を伺います。 第五に、
資金運用規制
の
緩和
についてであります。
改正案
では、
農協
については員外貸出しの割合及び
対象
の
拡大
、
農林中金
については
資金運用規制
の
緩和
を行うこととされておりますが、これによって
住専等
のような
特定業種
への
資金集中
が再び生じないか、非
居住者向け
の
業務
を
拡大
することは
協同組合原則
との関連において問題が生じないか、また、
資金運用能力
が果たして十分がなどの
懸念
のあることも指摘されるところであります。
農林中金
については、
系統金融機関
としての特典を享受しながら、他
業態
と同様の
運用
を行うことが
金融秩序
の面から見て問題がないのかという疑問もあり、このような点について、
大蔵大臣
並びに
農林水産大臣
の御
見解
をお伺いいたします。 第六に、
資金
の
農業分野
への
活用
についてであります。 このたびの
信用事業
の
危機
は、
平成
六年度末で
農協
二七・八%、
信連
一九・九%、
農林中金
四〇%という他
業態
に比して異常に低い貯賃率に招き寄せられたものと言って決して過言ではありません。それが第五で触れた
資金運用規制緩和
の
必要性
に結びついてくるのであります。しかしながら、
協同組合金融
本来の
あり方
からして、
農業貸し出し
の
拡大
が最も重要であることは改めて申し上げるまでもありません。そのための
工夫
、努力は果たして十分なのでありましょうか。
農業法人
あるいは
生産組織
に対する
運用資金
の
貸出体制
の
充実
、
農村
の
高齢者福祉対策
への
資金活用等
を指摘する声があります。さらには、
JA資金
が
不足
の
時代
には確かに
財政資金
を
原資
とする
公庫融資
は意味があったが、
JA資金
が
資金運用策
に苦慮しなければならないような
時代
には、
政策融資
の
原資
に
JA資金
を充てることも
信用事業
の
安全性
を優先させながらの
拡充策
として
検討
されていいのではないかとする意見もあります。これらについて、
農林水産大臣
の御
見解
をお伺い。いたします。
最後
に、この二
法案
は、政治、
行政
による
農鶴改革
のためのいわば
環境条件
の
整備
という
性格
のものであります。
農協改革
の中身は、
農協自身
がみずからの
課題
として自主的、主体的にこれに
取り組み
、具体化していくべきものであります。
農協改革
の成否は、結局、当事者である
農協自身
の
取り組みいかん
にかかっていることを強調しておきたいと思います。 私ごとにわたり恐縮ではありますが、岩手の山深い里において
先祖代
々
農業
を営んできた家に生をうけ、今なおその地を住まいとする者として、
我が国農業
の
発展
を願い、その原動力の一つである
農協
の回生を祈る心情のまことに切なるものであることを申し上げ、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣橋本龍太郎
君
登壇
、
拍手
〕
橋本龍太郎
5
○
国務大臣
(
橋本龍太郎
君)
高橋議員
に
お答え
を申し上げます。 昨年の
APEC経済首脳宣言
の中にもございましたように、二十一世紀を考えました場合に、我々は
食糧
問題に
懸念
なしとしておりません。言いかえれば、我々
自身
が今後を考えますとき、
食糧自給率
をいかに
維持
していくか、そうした
懸念
が必要であることは間違いのないところであります。 その上で
議員
から、
我が国
の
農業農村
の抱える
課題
、また、それに対しての
認識
というお問い合わせをいただぎました。 現在、覆いがたい問題として、担い手の減少、
高齢化
、
過疎化
、さらに
WTO体制
のもとでの
国際化
などの
課題
が山積いたしております。こうした諸
課題
に
対応
しながら新たな
基本法
の
検討
を進める中におきまして、
農業
を魅力のある産業として確立をし、活力ある
農村地域
を
実現
するために各般の施策を展開してまいりたいと思います。 次に、今回の
農協
の示した
改革
についての
お尋ね
がございました。
信連
と
農林中金
の
統合
といった
組織
の
再編
と
業務執行体制
の
強化
など
経営
の
健全化
、
効率化策
を盛り込んでおり、
農協系統
の
事業
・
組織
の抜本的な
改革
だと私は思います。 御審議いただいております
法律案
により、
農協系統
の
改革
が本格的に進むことを心から願っております。 次に、
検査実施率
の
向上
などこの
体制
の
整備
に努めていくとともに、
都道府県
にも同様の
指導
を行ってまいりたいと考えております。 また、
金融
の
検査
・
監督
につきましては、
農協等
を含め一元的に所掌する
機関
が望ましいと考えておりますが、いずれにいたしましても、現在、
金融
の
監督
及び
検査体制
の
あり方
につきましては
与党
三党においての
検討
が進められており、我々は、
与党
とも十分御相談をしながら、先般の
政策合意
を踏まえて早期に具体的な成案が得られるよう努力してまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から御
答弁
を申し上げます。(
拍手
) 〔
国務大臣藤本孝雄
君
登壇
、
拍手
〕
藤本孝雄
6
○
国務大臣
(
藤本孝雄
君)
高橋議員
の御
質問
に
お答え
をいたします。 まず、
農協
の
役割
についての
お尋ね
でございますが、
農協
は、御
承知
のように、
農業者
の
協同組織
として
農業農村
の
振興
に重要な
役割
を担っているものと考えております。 次に、
農協
の
破綻
についての
お尋ね
でありますが、
農協
につきましても、他の
金融機関
と同様、
自己責任
という
原則
のもとで
経営
の
健全化
を図っていくことが必要であると考えております。
農協
が
経営
困難に陥った場合でも、それぞれの
経営内部
での適切な
処理
を
基本
とした上で、必要な場合には
貯金保険制度
の
活用等
により
貯金者保護
と
信用秩序
の
維持
を図ってまいる考えであります。 次に、
単協
の
広域合併
及び
組織
二段についての
お尋ね
でありますが、
組織再編
は、これを契機として
組織
の
スリム化
と
事業能力
の
向上
ほどを図り、
農業者
の
営農支援
をより的確に行えるようにすることをねらいとしているものであります。また、
実現
の
見通し
につきましては、今回の
改正
によりまして
組織再編
に向けて大きく前進するものと考えております。 次に、
役員
の
兼職
・
兼業
の
制限
についての
お尋ね
でありますが、その
運用
につきましては、他の
金融業態
の
運用
を踏まえて
検討
することといたしております。 次に、
経営管理委員会制度
についての
お尋ね
でありますが、この
制度
は、
協同組織性
を踏まえ、的確なマネジメントを行うことをねらいといたしておりまして、
制度
の普及と適切な
運用
に努めてまいりたいと考えております。 次に、
監査体制
についての
お尋ね
でありますが、これを
強化
するために、
監査
のノウハウを有し、
監査士資格者
が千三百人いる
中央会監査
を
公認会計士
の関与によりましてさらにレベルアップをした上で、
中央会監査
を
農協
に義務づけることといたしております。 次に、
農協
に対する
監督
・
検査
についての
お尋ね
でありますが、
検査実施率
の
向上
などその
体制整備
に努めたいと考えております。
都道府県
も同様の
対応
が必要と考えております。 また、先ほど
総理
からの御
答弁
にもございましたが、
金融
の
監督
・
検査体制
の
あり方
につきましては、現在、
与党
を
中心
として
議論
が行われているところでございまして、その動きを私どもも注意深く見守っておるところでございます。 次
侵資金運用規制
の
緩和
についての
お尋ね
でありますが、
農協
につきましては、
業務執行体制
、
監査体制
の
強化
などにより
資金運用能力
を
向上
させていく必要があると考えております。また、
農林中金
につきましては、
協同組織
としての
産格
を踏まえまして、非
居住者貸し出し
の
拡大等
、可能な範囲の
措置
を講じてまいりたいと思っております。
最後
に
資金
の
農業分野
への
活用
についての
お尋ね
でありますが、
系統金融
の
中心的機能
は、御
承知
のように、
農業農村
への
資金供給
であります。これを十分に発揮していく必要があると考えておるわけでございます。また、
系統資金
の
制度資金
への
活用
につきましては、
民間資金
としての
性格
などから、
一定
の限度があるものと考えております。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣三塚博
君
登壇
、
拍手
〕
三塚博
7
○
国務大臣
(
三塚博
君)
住専処理
の
現状
や
金融危機
の
現状認識
及び
金融機関
の
破綻処理
への
対応
についての
お尋ね
でございますが、まず
住専処理
については、
住宅金融債権管理機構
の
立ち上げ段階
の諸
手続
がほぼ完了いたしまして、本格的な
回収段階
に入っているどころであります。今後とも預金保険機構と一体となりまして強力かつ効率的な
回収
の成果を上げ、
国民負担
の軽減につながってまいりますよう
政府
としても積極的に支援してまいる所存でございます。 次は、
農協系統金融機関
に対する
監督
・
検査体制
についての
お尋ね
でありますが、
農林系統
の
信用事業
の
監督
・
検査
については、
基本
的には
農林水産省主導
で行っておりますが、
大蔵省
としても、今後とも
監督
・
検査
が効果的、効率的に行われますよう緊密な連携を図ってまいりたいと存じます。 次は、
金融行政機構
の
改革
との
関係
についての
お尋ね
でありますが、
金融行政機構
の
改革
につきましては、迅速的確で
責任
のある
行政
、
専門的人材
の
確保
、
行政改革
の大
原則
など、
検討
すべきさまざまな論点はほぼ出尽くされておるものと存じます。しかしながら、現
段階
におきましては、農水大臣言われましたとおり、
与党
三党で
検討
が進められておるところでありますところから、私といたしましては、その
議論
を見守りたいと考えておるところであります。
最後
に、
農協
及び
農林中金
の
資金運用規制
の
緩和
についての
お尋ね
でございますが、今般の
農協
についての主たる
資金運用規制
の
緩和
は、
組織
二
段階化
に伴い
信連
の
業務
を引き継ぐ比較的大
規模
かつ
経営基盤
・
審査体制
の
整備
された
農協
、いわゆる
指定農協
と言われておりますが、について適用されるものでございます。
農林中金
の
資金運用規制
の
緩和
は、
農林中金
の
農林系統組織
における
資金
の
運用機関
としての
役割
に着目したものでありますが、
協同組織金融機関
としての
性格
を変えるものではございません。 以上であります。(
拍手
)
斎藤十朗
8
○
議長
(
斎藤十朗
君) しばらくお待ちください。
答弁
の補足があります。
三塚大蔵大臣
。 〔
国務大臣三塚博
君
登壇
〕
三塚博
9
○
国務大臣
(
三塚博
君)
追加答弁
をさせていただきます。
高橋議員
の
金融機関
の
不良債権
問題の
現状
についでということでありますが、
不良債権
の総額や要
処理見込み額
はともに減少してきておるものと考えております。
金融機関
全体としてはこの問題を克服する
能力
を持っていると思われますが、個別あるいは
業態別
に見た場合には、真剣に考えていかなければならないところも残されておると考えられるところであります。
金融機関
が仮に
破綻
した場合には、さまざまな
状況
を総合的に勘案いたしまして
対応
してまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、今後とも
預金者保護
及び
信用秩序
の
維持
に万金を期してまいりたいと考えております。 以上であります。(
拍手
)
—————————————
斎藤十朗
10
○
議長
(
斎藤十朗
君)
須藤美也子
君。 〔
須藤美也子
君
登壇
、
拍手
〕
須藤美也子
11
○
須藤美也子
君 私は、
日本共産党
を代表いたしまして、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
と
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
に対して、
総理
並びに
関係大臣
に
質問
をいたします。 今、
日本農業
は
危機
的な
状況
にあります。
WTO協定受け入れ
による米を初め
農畜産物市場
の全面的な
輸入自由化
や、新
食糧法
によって
政府買い入れ米価
の一・一%引き下げ、
自主流通米価格
の下落、減反の押しつけなどが
農家経営
の困難を一層深刻なものにしています。にもかかわらず、
総理
は、今
国会
の
所信表明
の中で
農業
については一言も触れませんでした。
日本農業
新聞が、「首相が
農業
にそっぽを向き、
基本姿勢
やビジョンを何も語らなかったことは、
農業分野
への冷淡さを露呈したと受け取られても仕方がない」と論評したほどであります。 私は、
さき
に
ローマ
で開かれた
世界食糧サミット
に参加してきましたが、飢餓、
栄養不足
にあえぐ八億人を超える人口を二〇一五年までに半減させるために、
主要食糧
を含む
食糧
の増産に着手することなども
内容
とする
ローマ宣言
と
行動計画
が採択されました。
総理
、
我が国
は
WTO協定
を受け入れて
農畜産物市場
を全面的に開放した結果、
食糧自給率
では
世界
でも百六十三カ国中百四十三番目で、最低の水準になっています。このような国際的な立場からも、さらに
国民
の
食糧
の
安定供給
という
基本
的な問題から見ても、今、
我が国
の
農政
に求められていることは、
国内農業生産
の
発展
、
食糧自給率
の
向上
に全力を挙げることにあると考えますが、いかがお考えでしょうか。 また、
日本農業
の衰退は
農協
の
経営
にも重大な問題をつくり出しています。
住専
問題で明らかになったとおり、系統
農協
の
金融機関
が
農業
とは全く
関係
のない
住専
などへ貸し込んで投機的なやり方に走ったのは、
農協
の原点を逸脱した
経営
に
責任
があります。しかし、同時にその背景として、二七%という極めて低い貯賃率にもあらわれているように、
資金
の貸出先がないほど
農業
を衰退させてきたことが指摘されています。日本を
世界
一の
食糧
輸入国にしてしまうほど
日本農業
を後退させてきた
農政
の
あり方
こそ厳しく問われなければなりません。あわせて
総理
の
見解
を求めます。 次に、本
法案
について
質問
いたします。 第一に、今、
行政
と系統
組織
は、一体となって上から押しつける形で、現在二千二百四十二ある
農協
を二〇〇〇年までに五百五十の
農協
に
広域合併
しようとしています。しかし、
広域合併
によって支所などの統廃合と
職員
の削減により、最も大切な営農
指導
や
経済事業
が弱まっているのが
現状
です。農水省の調査でも明らかなように、こうした大
規模
農協
ほど組合員の利用率は低下し、
信用事業
においても
経営
が健全だと言えない状態になっています。 施設・店舗の
効率化
と不採算部門の切り捨てによって、
農家
の
農協離れ
が進んでいます。地域
農業
の
発展
にとっても深刻な事態となっています。このような
現状
をこれでよいと考えておられるのか、農水大臣の
見解
をお聞きいたします。 第二は、
農協
の
業務執行体制
にかかわって
経営
管理委員会を
導入
することです。特に問題なのは、
経営
管理委員会は
農協
の代表権を持つ理事を選任し、その理事は正組合員に限らなくともよく、資格は問わないというものです。その結果、正組合員でない実務家、例えば
金融機関
から出向した者やOBなどが理事となり
農協
の
業務
を執行することができるようになります。これでは、企業のやり方を
農協
に持ち込み、組合員こそ主人公とする原点を大きく後退させることにはなりませんか。 このことは、「組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその
事業
を打ってはならない」と定めている
農協
法第八条の
基本
理念に反するものではありませんか。
農政
審報告に基づく「
経営
の合理化・
効率化
」という名目で、生き残るためなら
農協
も民間企業に負けない企業になれ、そのためには
農協
本来の原点をゆがめてもよいということにつながるのではありませんか。農水大臣の明確な
答弁
を求めます。第三に、今回の
改正
で
農林中金
は海外物どのような企業・団体等への貸し出しもできることになります。しかし、
農林中金
自身
も、みずから設立した
住専
を
破綻
させ、その他の
住専
七社に対しても八千億円を超える
融資
を行い、重大な社会問題となりました。まず、その
経営
責任
が厳しく問われるべきであります。その
責任
を農水大臣はどのように
認識
しているのか、明らかにしていただきたいと思います。 そして、今回の
措置
は、国際
金融
市場において
農家
等から預かった
資金
を支すます投機的に
運用
し、リスクの
拡大
を沼ぐ危険があります。そうならない保証はあるのですか。農水大臣の
答弁
を求めます。 第四に、
農林中金
と信違との
合併
・
事業譲渡
についてです。 農水大臣は、
信連
が抱える膨大な
不良債権
の
処理
について、
不良債権
は
農協系統
内で適切に
処理
されるものと
答弁
していますが、
農家
組合員に負担を押しつけないようにすべきだと考えます。明確に
答弁
してください。 また、
農政
審報告では、
合併等
による
信連
職員
などの人減らし合理化を、
統合
に当たって満たすべき基準として作成するよう求めています。このため、
関係
する労働者から雇用不安の声が上がっています。
合併等
に当たっては、雇用の
確保
を図り、労働
強化
にならないようにすべきです。組合員こそ主人公という
農協
の原点を
発展
させ、協同の力で組合員の要求を
実現
していくべきであります。あわせて
答弁
を求めるものであります。
最後
に、私は、今こそ
日本農業
再建のために
WTO協定
を改定し、
食糧自給率
を高めることが真の
食糧
安全保障であり、国際貢献につながるものであることを申し上げて、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣橋本龍太郎
君
登壇
、
拍手
〕
橋本龍太郎
12
○
国務大臣
(
橋本龍太郎
君) 須藤
議員
に
お答え
を申し上げます。 まず、
国内農業生産
に対する
取り組み
についてでありますが、中長期的な
世界
の
食糧
需給については、需要面、生産面で不安定な要素があり、逼迫する可能性もあると考えております。したがって、今後の
農政
の
推進
に当たりましては、国内生産
体制
を
強化
し、それに加え、輸入及び備蓄を適切に組み合わせることにより
食糧
の
安定供給
確保
を図ってまいりたいと考えております。 次に、
農政
の
あり方
につきましては、
農業
政策についてはこれまでもそのときそのときの情勢に
対応
しつつ各般の施策を展開してまいりました。今後とも、
我が国
経済社会の成熟化、
国際化
が進む中で、
農業農村
が着実に
発展
していけるよう努力をしてまいります。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から御
答弁
を申し上げます。(
拍手
) 〔
国務大臣藤本孝雄
君
登壇
、
拍手
〕
藤本孝雄
13
○
国務大臣
(
藤本孝雄
君) 須藤
議員
の御
質問
に
お答え
をいたします。 まず、
農協
会唯についての
お尋ね
でありますが、
合併
に当たりましては、
農協
と組合員の結びつきを強め、また、組合員ニーズに応じた営農
指導
を行うなど、地域
農業
の
発展
に資するよう配慮すべきであると考えております。 次は、
経営管理委員会制度
についての
お尋ね
であります。 組合員代表から成る
経営
管理委員会が
業務
執行に関する重要事項を決定するとともに、理事を任命いたしまして日常的な
業務
執行を行わせるものであります。
農協
は、御指摘のように、組合員のものであるということでございまして、この
協同組織性
を堅持しながら的確なマネジメントを行うためのものであると考えております。 次は、
住専
に関する
農林中金
の
経営
責任
についての
お尋ね
でありますが、系統が設立した
住専
につきましては、
農林中金
が
中心
となってみずからの
責任
において
経営
改善に取り組んでいるところであります。また、その他の
住専
につきましては、
農林中金
はその
経営
に全く関与してこなかったことから、
農林中金
にその
経営
責任
を問うことはできないと考えております。次は、
農林中金
の非
居住者貸し出し
についての
お尋ね
でありますが、
農林中金
は
審査体制
の
充実
強化
に努めていることから、非
居住者貸し出し
のリスク防止が図られているものと考えております。 次は、
信連
の
不良債権
の
処理
についての
お尋ね
でありますが、これにつきましては、
農協系統
内で十分に協議が行われ、適切に
処理
されるべきものと考えております。
最後
に、
合併等
に伴う
信連
職員
等の雇用問題についての
お尋ね
でありますが、この問題につきましては、労使間で十分協議されるべきものと考えております。(
拍手
)
—————————————
斎藤十朗
14
○
議長
(
斎藤十朗
君) 国井正幸君。 〔国井正幸君
登壇
、
拍手
〕
国井正幸
15
○国井正幸君 私は、民主党・新緑風会を代表して、
農林中央金庫
と
信用農業協同組合連合会
との
合併等
に関する
法律案
並びに
農業協同組合法等
の一部を
改正
する
法律案
について、橋本内閣
総理
大臣及び
藤本農林水産大臣
に
質問
を行います。
我が国農業
は、
国際化
の進展や農畜産物価格の低迷、さらには米の需給不均衡による生産調整の実施、後継者
不足
と
農業
就業者の
高齢化
など大変厳しい
状況
にあります。特に中山間地域においては、
規模
拡大
の困難さと相まってこの傾向は顕著であります。こうした
状況
の中にあって、安全な
食糧
の安定的
確保
はもちろんのこと、農林業の持っている国土保全機能や環境浄化機能など多面的な機能を再評価し、
我が国農業
を再生させるため、明確な将来ビジョンに基づく「新たな
農業
・
農村
基本法
」の制定が各方面から強く求められているところであります。
さき
の
食糧
サミットでも明らかなように二十一世紀における国際政治の最大の
課題
の一つが人口と
食糧
問題であると言われている中にあって、金種の安定
確保
対策を含め、
我が国農業
の将来像を明示した新たな
農業
・
農村
基本法
の制定要望に対しどのようにお考えか、まず橋本内閣
総理
大臣の御
見解
をお伺いいたします。 次に、
農協系統
は、厳しい
農業
情勢の中にあって
農業者
の自主的な
協同組織
として、
農家
組合員の社会的、経済的地位の
向上
を目指し、懸命の努力をされているところであります。そして、
経済事業
、
信用事業
、
共済事業
、
指導
・利用
事業
などを総合的に行うことによって、
農業
の
振興
はもちろんのこと、地域社会の
発展
のためにも大きな
役割
を果たしてきているところであります。 しかし、
農協系統
も、
農業農村
の変化や
金融
の自由化など社会経済情勢が変化する中にあって、これまた大きく変革を迫られていることも事実であります。したがって、全国
農業協同組合
中央会
を
中心
に
JA改革
本部を設置し、単位
農協
の
合併
促進と
組織
二
段階
への
統合
を柱とした
JA改革
要綱を設定するなど、
組織
整備
、
経営
の改善
改革
に取り組んでいるところであり、私はこれを
基本
的に評価するものであります。しかし、
農協
の大型
合併
などにより、
農協
と
農家
組合員との結びつきの
希薄化
や、
事業
分量の増大による
経営
管理
体制
のさらなる
強化
など、早急に解決をしなければならない
課題
が山積しているのも事実であります。また、
農協
の地域社会における今日的存在を考えたとき、その社会的
責任
は極めて重大であり、特に
信用事業
を行う以上は、
業務執行体制
の
強化
、
自己資本
・
内部留保
の
充実
、
員外監事
の設置と
外部監査
の実施、そしてディスクロージャーの実行といった点で他の
金融機関
と同等の
措置
を講じることが、
我が国
金融
システムの一員としてこれまた必要なことであります。 そうした意味で、このたびの法
改正
は時宜にかなったものであり、
一定
の評価をしたいと存じますが、以下何点かについてお伺いをしたいと存じます。 まず、
経営管理委員会制度
の
選択的導入
について伺います。
業務執行体制
の
強化
を図るため、
経営
管理委員会を選択的に
導入
できるようにしたわけでありますが、
平成
四年の法
改正
で、同様の目的のもと、員外理事の登用の枠を三分の一まで
拡大
したところでありますが、現実には
員外常勤理事
は一
組合当たり
わずか〇・一人にとどまっているという
状況
にあります。協同組合の自主性にかんがみ、可能規定であることはよしとしても、法
改正
の
趣旨
に照らし、甚だ遺憾であると考えます。
経営管理委員会制度
の
導入
と員外理事登用に対する
農林水産省
の
指導
方針について伺います。 次に、
経営
の健全性を
確保
するため
員外監事
を必ず置くことを義務づけ、もろもろ規定しているところでありますが、その具体像は必ずしも明確ではないと考えます。
経営
の健全性といった観点からすると、むしろ
公認会計士
または
監査
法人の
監査
を義務づけた方がより的確ではないかと考えますが、なぜそうしなかったのか、その理由をお伺いいたします。 第三点は、
農林中央金庫法
の
改正
について伺います。 私は、連合
組織
は
農協
の補完機能であるとの協同組合論からして、
農林中央金庫
を
農協
法に基づく協同組合
組織
に改組すべきと考えておりますが、それはさておき、
農林中央金庫
はとかくお役所的などの風評を耳にいたしております。理事の構成を調べてみると、十七名中、会員からの
組織
代表は四名、他の十三名は、
農林水産省
、
大蔵省
、日本銀行のOB、そして
農林中央金庫
のプロパーということであります。これでは会員の意思を十分に反映し得る執行
体制
とは言えないのではないかと考えます。 私は、
農協
は組合員のものである、そして連合会は会員のものであるとの
協同組織性
を堅持しつつ、より高度な、より専門的な
業務
を的確に執行し会員並びに組合員の負託にこたえるためには、
役員
候補を推薦するだけの現行の
農林中央金庫
の管理委員会では不備であると考えております。より会員の意思を
経営
全般にわたり反映させるためには、少なくともこのたびの
改正
農協
法案
に定める
経営
管理委員会程度の機能を、定款ではなく
法律
に明記して付与すべきと考えております。 さらにつけ狙えるならば、
農林中央金庫法
第十二条に定める審議委員こそ、その任務にかんがみ、高度な専門的知識を持った有識者を充て、
経営
の健全性を
確保
すべきと考えております。 このたびの
農林中央金庫法
改正
は、非
居住者向け貸し出し
規制の
緩和
などであり、
農業協同組合
組織
である
信連
と
合併
をするという現実に照らし、
農協法改正
の
趣旨
が
農林中央金庫法
の
改正
に生かされていないと考えております。 大臣の率直な御
答弁
をお願いし、
農業協同組合
組織
のさらなる健全な
発展
を祈念し、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣橋本龍太郎
君
登壇
、
拍手
〕
橋本龍太郎
16
○
国務大臣
(
橋本龍太郎
君) 国井
議員
に
お答え
を申し上げます。 私への御
質問
は一問、新たな
農業
・
農村
基本法
の制定要望についてどう考えているかということであります。
農業農村
をめぐる情勢の変化、これは
議員
御
自身
も御指摘になりました。新たな
時代
に
対応
し得る食料・
農業
・
農村
政策の構築に向け、新たな
基本法
の制定に向けまして、本格的な
検討
が行われております。 なお、
食糧
の安定
確保
につきましては、昨年のAPEC経済首脳の行動宣言におきましても、アジア太平洋地域において急増する人口及び急速な経済成長により
食糧
への負担が急激に増大すると予想されるとされたところでありまして、今後の
農政
の
推進
に当たりましては、国内生産
体制
を
強化
しながら、これに加えて輸入及び備蓄を適切に組み合わせることによって
食糧
の
安定供給
確保
を図ってまいりたい、そのように考えております。 残余の
質問
につきましては、
関係大臣
から御
答弁
を申し上げます。(
拍手
) 〔
国務大臣藤本孝雄
君
登壇
、
拍手
〕
藤本孝雄
17
○
国務大臣
(
藤本孝雄
君) 国井
議員
の御
質問
に
お答え
をいたします。 まず、
経営管理委員会制度
についての
お尋ね
でございました。 この
制度
は、
協同組織性
を踏まえ、的確なマネジメントを行うことをねらいとしておりまして、
制度
の普及と実務家理事の登用など適切な
運用
に努めてまいりたいと思っております。 次に、
監査体制
についての
お尋ね
でありますが、これを
強化
するため、先ほど御
答弁
申し上げましたように、
監査
のノウハウを有し、
監査士資格者
が千三百人おります
中央会監査
をさらに
公認会計士
の関与によりましてレベルアップをした上で、
中央会監査
を
農協
に義務づけることとしたものであります。
最後
に、
農林中金
への
経営管理委員会制度
の
導入
についての
お尋ね
でありますが、
農林中金
につきましては、既に
制度
上、実態上、会員の意思を反映しながら実務家が日常的
業務
執行に当たるという
体制
が確立しているものと考えております。(
拍手
)
斎藤十朗
18
○
議長
(
斎藤十朗
君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三分散会 ─────・─────