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堂本暁子君 私は、
写真であれ絵画であれ、自分の表現というものを守ること、
著作権というものは基本的な人権のものだろうというふうに思っております。きょう、るる御
説明のあった
レコードその他については、国際的な事情もあり例外と考えてほしいということについては理解できません。なぜなら、
権利というのはあくまでも平等で公正であることが原則でございまして、
権利に例外というのはないはずです。何か
議論が本末転倒しているのではないかというふうに思います。
当事者はそれは理解できないと思います。
私も三十年間映像の製作者をしていましたから、自分の映像の
著作権が侵害されて裁判になったこととかそういうこともないわけではございません。そういったときに
当事者というのはやはり自分の
子供を奪われたような感覚を持つもので、これは理解しろと言われても、どんなに歴史的な経緯があるとかそういう理屈を言われてもやはり理解できない。逆に、番組の製作者としては、テレビ局におりましたから、音楽であれ
写真であれ何であれ、調査部の
著作権課というところに電話をして、それなりのお礼をお払いするための伝票を書くということが私
どもの日常的な作業でもございました。
その二つの点から考えて、どう考えても
著作権とそれから
利用者の利害が対立するというような考え方はおかしい。やはりあくまでも基本的に
著作権というのは守られるということが原則であって、
利用する側の事情というのは
対応しなければいけないものだと思います。
特にカメラマンは個人の方が多いわけですし、大NHKだとか民放だとかがそれに反対するというのは、自分たちの
権利は守れ、そして人の
権利は守らないというのま筋が通らないというふうに私は思っているので、おかしいと思います。
ここに「下町今昔物語」という、
写真集なんですが、田沼武能さんの
写真集があります。
子供を撮ることで大変有名な方ですけれ
ども、これは東京の江戸百景と書いてありますが、もう今すっかり失われてしまった東京の
写真がいっぱい入っているわけです。
この黄色いのは、御本人が張ってくださった分は全部
著作権が切れている。これはだれでもが使えてしまう。テレビだろうが映画だろうが使える。これは大変おかしいと思うんです。亡くなっていてもおかしいと思いますけれ
ども、御本人、きょうそこに傍聴にいらしています。そういった生きた方がこういう貴重な
写真の何ら支払いも受けない、
権利も持てない、これはどう考えてもおかしい。ですから、理解することができません。やはりあくまでも
権利というのは守られるべきものだというふうに思います。
もう同じ
質問を繰り返す気はございません、きょう何度も同じお答えが出ましたので。むしろ、これから前向きに御
検討くださるということですけれ
ども、その場合に、法的に
保護期間が過ぎたものに関して
法律改正までの間
大臣としては何か道義的に保障をしていただくことができないかどうか、その辺のところを伺いたいと存じます。