○上田(清)
委員 本日は、
総理また大蔵
大臣、多忙なところをこうして
決算委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。そして、
委員長、筆頭
理事の福永先生にはお骨折りをありがとうございました。
それでは、早速ですけれ
ども、私は、住専の問題のときに、金融
行政の
あり方についていろいろ裁判の事例も含めて個別に実態
調査みたいなことをやっているうちに、大蔵省の銀行
行政、監督、
検査そのものにもう
限界があるんじゃないかという仮説を立てた上で、さまざまな議論を大蔵
委員会そして
決算委員会でやってきておりましたが、その時々の
答弁の中で、西村銀行
局長そしてそれを受ける形で久保大蔵
大臣がこの
決算委員会の中でうその
答弁をしていたということに大変私は腹立たしい思いを持っております。その件について、現在どう三塚大蔵
大臣思われるか、あるいは
総理思われるかということについて
答弁を
お願いしたいと思っておりますが、
概要について若干御説明をさせていただきます。一実は具体的な事例で、富士銀行赤坂支店の不正融資事件における隠ぺい工作ということでやっておりました。これは御
承知のとおり、六千億の不正融資、そして二千七百五十億の損失、損害額を出した金融史上最大の事件であります。
この中で、実は富士銀行が、赤坂支店の問題に対する対処方針というものを
平成三年の六月十七日につくりまして、とりわけ、赤坂支店問題の対処方針の個別案件の処理というのを七月二日に稟議書の日付で頭取以下二十人の役員の方々がサインをしておられるわけでございます。この件に対して実は、七月二日にさまざまな案件処理をしたということであれば、七月二十五日に尾花さんという、この不正融資事件にかかわった方でございますが、結果的に被害者の一人かもしれませんが、この方が実は七月二十五日に返済をしようとしたら、いや、富士銀行では貸していませんよということを言って、そして、ああそれは不正融資だったんですということで、改めて同年八月二十一日にお借りをされたわけでございます。
七月二十五日に初めて知ったことが、実はもう富士銀行の稟議書の中には七月二日に書いてある。これはおかしいじゃないかということを私が
指摘したところ、実は七月一日にプロジェクトチームを富士銀行でこの問題についてつくって、二日からその
調査を始めて、そして八月十六日に終わって、四十五日さかのぼって七月二日にサインをしたような形をとった。実際は八月十六日に終わった。しかし、四十五日もさかのぼってこういう不正融資事件の問題を実際稟議書に捺印をしていいのかという、私は問題提起をさせていただきました。
しかし、西村銀行
局長の回答は、議事録を見ていただければわかると思いますが、銀行内部の慣行でありますから、それはそれとしてよろしいんです。そんなばかなことがあるかということで私は再三再四申し上げました。
そして、日銀の安斎
理事もお呼びしまして、もしこういう不正融資事件があって、四十五日さかのぼって捺印を押すような稟議書が日銀の考査で認められるかと聞きましたら、日銀に限ってはそういうことはしませんと明確に論じておられます。その辺のくだりの部分で言えば、
我々としては、原則として日付をさかのぼっ
て受け付けていることはございません。不正事
件の
報告にはいろいろな種類がございます。速
報的な連絡から追加的な
報告まで、種々のもの
がございます。いずれについても、
報告につき
ましては、
報告を受けた日をもって
報告日とし
ております。と明確に安斎
理事も言い切りました。
その後、私はもう一度、日銀ではこういうことを言っているけれ
ども大蔵省では認めるのかと申し上げましたところ、大蔵省では、それ相当でよろしい、大蔵
大臣もそれを追認されました。結果的には、そのような
報告を受けて、橋本
総理も、
事務局方がそういうことであればそういうことだろうということをその前の
委員会で言っておられた経緯がございましたので、結果的には
総理に対してもうそをつくような形になったということを、私は、極めて大蔵省は不届きだ。
特に、文芸春秋の九月号で、その辺のいきさつについてジャーナリストの加賀孝英さんという方が木村耕三
課長補佐にインタビューしたところ、
国会ではそういう
答弁したけれ
どもと、つじつま合わせですということを確認して、加賀孝英さんが、「それは、後から辻褄合わせをしたということではないか。」と言ったら、「ということでしょう」「それを大蔵省は容認するのか。」「適切か不適切かと言われればこれは木村さんの言う言葉でございます、「不適切でしょうね。極論すれば、
決算上の書類な
ども含めて、日付を変えていいということになり、預金者もたまったものではない。」ちゃんとした常識を持っておられますね。「まあ、真面目にやれと言われるようなことで、通常こんな書類の作り方はしません」、こういうことを銀行局の木村
課長補佐は後でジャーナリスト加賀孝英さんのインタビューに答えて言っておられる。
そうすると、これは西村銀行
局長が言っていたこととまるっきり違うことをこれは当たり前のことなんですね、六千億の不正融資事件で、その
調査報告書が四十五日さかのぼって日付が打たれるなんというようなことはあり得ないことなんですよ。こういうことが平気で、この
決算委員会の席でですよ、二回にわたって平気で西村銀行
局長がそれを許し、久保大蔵
大臣も、何もわからなかったから追認するしかなかったのかもしれませんが、しかし、私は二回にもわたって言ったのですから、期間があったのですから、ある程度
調査する期間も当時の
大臣としてなかったとは言いがたい、私はそう思っております。
こういうことを大蔵省がいろんなことでやっていくということになっていきますと、これから金融
行政改革が橋本第二次
内閣においても一番大きな課題になっておりますし、もう本当に改革に対する並々ならぬ
総理の決意というのを、野党ながら肌で感じて非常に敬意を持って受けとめておりますから、この問題について三塚大蔵
大臣に、どう受けとめておられるか。私は、これは大変な問題だ、もう院を冒涜するものでもある、平気で
答弁で
政府委員がうそをつくという
体制ができているとすればもう何の議論をしても始まらない、こんなふうに私は満身の怒りを持って思っています、けしからぬと。さかのぼってでも処分しなければいけないぐらいの、そういう思いすらあります、もう退官されておられますけれ
ども。以上ですけれ
ども、大蔵
大臣の御感想を聞きたいと思います。