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1996-11-12 第138回国会 参議院 中小企業対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
八年十一月十二日(火曜日) 午前十時二十七分開会
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
大島
慶久
君 理 事
石渡
清元
君 二木 秀夫君 今泉 昭君
一井
淳治
君 委 員
景山俊太郎
君 小山 孝雄君 塩崎 恭久君 平田 耕一君 真鍋 賢二君
阿曽田
清君 荒木
清寛
君 鈴木 正孝君 西川 玲子君 渡辺 孝男君 齋藤 勁君
藁科
滿治
君
西山登紀子
君 国井 正幸君
国務大臣
通商産業大臣
佐藤
信二
君
事務局側
常任委員会専門
里田
武臣君 員
説明員
通商産業政務次
石原
伸晃
君 官
通商産業政務次
上野
公成君
官
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
中小企業対策樹立
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) ○
継続調査要求
に関する件
—————————————
大島慶久
1
○
委員長
(
大島慶久
君) ただいまから
中小企業対策特別委員会
を開会いたします。 この際、
通商産業大臣
及び
通商産業政務次官
から発言を求められておりますので、順次これを許します。
佐藤通商産業大臣
。
佐藤信二
2
○
国務大臣
(
佐藤信二
君) このたび
通商産業大臣
を拝命いたしました
佐藤信二
でございます。よろしくお願い申し上げます。 御承知のとおり、
景気
が全体として緩やかな
回復基調
にある中、
中小企業
の
景況感
や
生産
の
回復
は大
企業
から大きくおくれをとっており、
中小企業
の
景況
は依然として厳しいものとなっております。 このような中で、
景気
の動きを見つつ、
中小企業
の
経営基盤
の
安定強化
を図ることにより、
中小企業
の
皆様
の
先行き
への
不透明感
を払拭していただくとともに、
産業空洞化
に直面している
中小企業
の
皆様
の
構造改革
に向けた
努力
を強力に支援してまいる必要があります。
中小企業
の
経営基盤強化
の観点から、
政府系中小企業金融機関
の債務に係る金利の
減免措置
を十月十九日から一
年間
延長したところでありますが、今後ともきめ細かな
対応
を心がけてまいりたいと考えております。 また、来年度に向けては、
地域産業集積
の
活性化
や
技術開発
、
情報化等
を通じた
中小企業
の
経営
、
技術革新
のための
支援措置
を展開してまいりたいと考えております。 私は、
中小企業
の
方々
が
先行き
に明るい希望を持って、持ち前の
機動性
、
創意工夫
を発揮して、現下の厳しい
環境変化
を乗り切っていかれるようにすることが
我が国経済社会
の
活力維持
のために不可欠であるとの
基本認識
に立って、
中小企業対策
を担当する
通商産業大臣
としてその責務を全うすべく最大限
努力
してまいる所存でございます。 今後とも、
委員長
を初め
委員各位
の
格別
の御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。(
拍手
)
大島慶久
3
○
委員長
(
大島慶久
君)
石原通商産業政務次官
。
石原伸晃
4
○
説明員
(
石原伸晃
君) このたび
通商産業政務次官
を拝命いたしました
石原伸晃
でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 私は、
上野政務次官
と協力しつつ、
佐藤大臣
を補佐させていただきまして、
中小企業行政
を初めとする
通商産業行政全般
につきまして
全力
を挙げて推進する
決意
でございます。 何とぞ、
委員長
を初め
委員
の
皆様方各位
の格段なる御
指導
、御
鞭撻
を賜りますように心からお願い申し上げ、簡単ではございますが、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。 どうぞよろしくお願い申し上げます。(
拍手
)。
大島慶久
5
○
委員長
(
大島慶久
君)
上野通商産業政務次官
。
上野公成
6
○
説明員
(
上野公成君
) このたび
通商産業政務次官
を仰せつかりました
上野公成
でございます。よろしくお願いいたします。 私は、
中小企業行政担当政務次官
として、
石原政務次官
と協力しつつ
佐藤大臣
を補佐してまいりまして、
中小企業行政
の遂行に
全力
を挙げてまいる
決意
でございます。
委員長
を初め
委員各位
の
格別
の御
指導
、御
鞭撻
をよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。(
拍手
)
大島慶久
7
○
委員長
(
大島慶久
君)
大臣
、
政務次官
、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
—————————————
大島慶久
8
○
委員長
(
大島慶久
君)
中小企業対策樹立
に関する
調査
を議題とし、先般本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
石渡清元
君。
石渡清元
9
○
石渡清元
君
北海道
における
中小企業等
の実情に関する
調査
のため、去る九月十七日から十九日までの三日間にわたって行われました
委員派遣
について御
報告
申し上げます。
派遣
は、
大島委員長
、
一井理事
、
西山委員
及び私、
石渡
の四名によって行われました。 まず、
北海道経済
の
概要
を申し上げます。
北海道
は
人口
五百六十九万人、広大な国土と
天然資源
に恵まれたところであります。
産業構造
は
全国平均
と比べて第一次
産業
と第三次
産業
の
割合
が高く、
製造業
の占める
割合
は一一・四%と
全国平均
の二分の一以下となっております。このため、今後成長が見込まれる
情報
・通信、
環境関連
での
産業振興
に力を注いでおります。
経済状況
は全体としては緩やかな
回復傾向
にありますが、
中小企業
の
状況
は依然厳しいものがあるようです。 以下、
視察順
に
概要
を申し述べます。 十七日に訪れました
札幌
市
エレクトロニクスセンター
は、
札幌テクノパーク
の
中核的研究施設
として設けられたもので、
財団法人札幌エレクトロニクスセンター
が運営に当たっております。同
センター
には、
コンピューター利用技術
の
研究開発
を行う
企業
のための
貸し研究室
や
産学官
の
交流等
のための
技術交流室
などが設置されております。同
センター
では、特に
ソフトウエア関連技術
の
開発
と普及に力を入れており、最近では
北大教授
が考案されたインテリジェント・パッドという
ソフトウエア開発ツール
の
研究
が、
民間企業等
との
共同事業
として行われておりました。 次に訪問いたしましたのが、
八戸ファームウェアシステム株式会社
であります。
同社
は、パソコンの
周辺機器
の
製造開発等
により発展してきた
ベンチャー企業
であります。
同社
は、
従業員
十二名の
中小企業
でありますが、一
先端機器
を装備した立派なマルチメディア・スタジオがあります。そして、コンピュー夕
ー製版等
において不可欠な
デジタル映像
の
素材集CD
−
ROM等
、他の
企業
がまだ余り手がけていない
製品
の
開発
と
販売
を行っております。また、
同社
は他の
ソフトウエア会社
三社とともにコンソーシアムを設立し、大規模な
計測制御専用ソフトウエア
の
開発
に取り組んでいるとのことでありました。 続きまして、十八日には
地下無重力実験センター
を訪問いたしました。 同
センター
は
北海道
のほぼ
中央部
に位置する
土砂川町
にあります。新エネルギー・
産業技術総合開発機構
(NEDO)が
研究基盤整備事業
の一環として
平成元年
に設立したものです。
土砂川町
は、
三井砂川炭鉱
を中心に栄えた町であり、最盛時には約三万人の
人口
がありましたが、
昭和
六十二年の閉山に伴い、現在では六千人弱に減少するとともに、
高齢化
が進んでおります
用地下無重力実験センター
は、こうした旧
産炭地
の
振興
をも目的とした
ビッグプロジェクト
として設置されたものであります。同
センター
の
大型落下施設
は、
炭鉱
の縦坑を利用したもので、世界一の全長七百十メートルの落差を確保することにより、十秒間の無
重力状態
をつくることができる
施設
であります。この
実験施設
は、新
素材
やバイオテクノロジーなどの
実験
に活用されており、また最近ではNASAの
研究者グループ
が、無
重力状態
での火災を
研究
するため米国から訪れたとのことであります。 この
施設
に隣接して設けられた
土砂川町立
の無
重力科学館
は、無
重力
に関連する
科学
についてわかりやすく習得できるようさまざまな
工夫
がなされた
施設
です。例えば、
テレビカメラ
を搭載したカプセルを十メートル落下させてつくり出す一秒間の無
重力状態
をスローモーションで再生しで見ることができる
シミュレーションシアター
などがあります。
平成
六年十一月に開館いたしましたが、交通の利便がよいところではないにもかかわらず、
年間
の
来館者
は一万人を超え、
地域振興
に貢献しているとのことでありました。 また、隣接する
歌志内
市の市長と
市議会議長
のお二方と懇談する
機会
に恵まれました。同市では、ゲレンデやホテルを整備して
スキー客
を誘致するなどいろいろな
努力
をされておりました。
土砂川町
、
歌志内
市いずれも旧
産炭地
として大変厳しい
状況
に置かれておりますが、
産炭地域振興臨時交付金等
を有効に活用しながら、
地域
の
振興
のために懸命に
努力
しておられるお話には心を強く打たれました。 この後、
北海道
を南下して十勝平野の
中核都市
である
帯広
市に向かいました。 同市内にある
協同組合帯広卸売センター
は
昭和
三十九年に設立された
卸売団地
であり、
食料品
、
繊維製品
、
家具建具
などの
卸売会社
四十四社から構成されております。同
センター
全体の
販売額
を見ますと、
平成
三年度以降
横ばい傾向
でしたが、六年度にはやや減少した後、七年度には増加しております。同
センター
内の
井上力商店
を訪問いたしました。生鮮・
加工食品
を幅広く扱っている
卸売商
です。同店では、
コンピューター処理
により売れ筋を
業態別
、
個店別
に分析して、
需要動向
の
変化
をいち早くキャッチできる
システム
が導入されておりました。また、多品種少量の
商品配送
を効率的に行うための改善を重ね、収益の向上を図っているとのことでした。 引き続きまして、十九日の
視察概要
について御
報告
いたします。
東洋農機株式会社
は
資本金
一億八千万円、
従業員
百三十八人の
農機具メーカー
であります。
同社
は明治四十二年に
畜力用農機具会社
としてスタートいたしましたが、
昭和
四十四年に
中小企業近代化促進法
に基づく
特定合併
の承認により同業三社を吸収合併し、現在に至っております。
北海道
でも
農家人口
は年々減少しております。このため、
農業機械
の
需要
も減少してきたわけです。しかし、
同社
は
農業人口
の減少が一戸当たりの
耕作面積
の拡大をもたらす点に着目して、
機械
を
大型
化するとともに、
作業者
の
高齢化
や
婦女子化
に
対応
するため、操作の
簡易化
と
自動化
を図ってきたとのことであります。
大型
の
農業機械
については、欧州からの
輸入製品
が大きなシェアを持っているとのことでありますが、
同社
はボルフと呼ばれる
経営革新運動
の
成果
もあり、
平成
二年以降着実に売り上げを伸ばしております。「次に訪問いたしましたのが、
十勝ワイン
の
生産
によって
町おこし
に成功したことで有名な
池田
町です。 訪問いたしました
ブドウ
・
ブドウ酒研究所
は、
池田
町が総工費六億三千六百万円をかけ、
昭和
五十年から利用開始された
ワイン工場
です。
池田
町は
寒冷地
で
ブドウ栽培
には適しておりませんが、自生する
山ブドウ
にヒントを得て始めたそうです。当初は失敗の連続だったそうですが、たゆまぬ
努力
により、
ブドウ
の
栽培
、
ワイン
の
生産
に成功され、現在では
ワイン
の
年商売上額
は約十三億円になっております。また、
ワイン工場
への
来訪者
も
年間
五十万人を上回るなど、
観光産業
としても立派な
成果
を上げております。 以上が
視察先
の
概要
でありますが、今回の
視察
で特に感じたことを述べたいと思います。
日本経済
が全体として緩やかな
回復基調
にある。中で、
中小企業
は
産業
の
空洞化
や
大型店
との
競争激化
により、
製造業
、
卸小売業とも
に依然として厳しい
環境
に置かれております。今後、
中小企業
が着実に発展していくためには、
視察先企業
にも見られますように、
企業経営
に当たって、
ユーザーニーズ
の的確な把握、独自の
技術開発
、
新規分野
への
進出等
の
対応
が一層大切になっていると考えます。私どもも、今回の
視察
の
成果
を踏まえ、効果的な
中小企業対策
の推進に一層の
努力
を尽くしていきたいと思います。 最後に、今回の
派遣
において御協力いただいた
堀北海道知事
を初めとする
北海道
庁の
皆様
、
視察
、先の
関係者
の
皆様
、並びに
視察
に終始御同行いた一たいだ
森田北海道通産局長
を初めとする
同局関係者
の
方々
には
大変お世話
になりました。この
機会
をおかりいたしまして御協力に感謝する次第であります。 以上、
北海道
に対する
参議院中小企業対策特別委員会
の
委員派遣報告
を終わります。
大島慶久
10
○
委員長
(
大島慶久
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。
大島慶久
11
○
委員長
(
大島慶久
君) 次に、
継続調査要求
に関する件についてお諮りいたします。
中小企業対策樹立
に関する
調査
につきましては、閉会中もなお
調査
を継続することとし、本件の
継続調査要求書
を
議長
に提出いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島慶久
12
○
委員長
(
大島慶久
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 なお、
要求書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大島慶久
13
○
委員長
(
大島慶久
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十二分散会