○松村龍二君 ぜひ
財政構造につきまして的確な
改革を加えていただきまして、必要なところに必要な金を使うといった。国民が本当に要求しているところに
お金を使うといったことをぜひお願いしたいと思う次第でございます。
さて、中小
企業の問題、中でも繊維
産業の
振興につきまして御
質問をしたいのでございます。
通産
大臣におかれましては大変商工のエキスパートであるということで、最後にまとめて御高見を伺いたいと存ずる次第でございますが、幾つか各論につきまして御
質問をしたいと思う次第でございます。
橋本総理が自民党総裁になられましたころから、
日本の物づくりを大切にしたい、それから外国に物づくりが移ってしまって
日本の
産業が
空洞化するというようなことがあってはならないというようなことを昨年来口癖に言っておられたところでございます。
中小
企業の統計を私から御
指摘申すまでもなく、事業所数は九九・一%、従業者数におきましては七八%、国民の大多数が中小
企業に携わっているところでございます。そして、中小
企業の一般会計の
予算が
平成八年度は一千八百五十五億円、この十年来見ておりましてもほとんど千九百億円前後で推移してきておるといったことでございます。
私の地元におきましても、中小
企業、中でも繊維
産業が事業所あるいは従業者数とも減っておるといった状況で、
政府としても先ほど来申し上げております中小
企業に的確な
予算をつけて必要な手当てをするということが必要であるというふうに存ずるところでございます。
そこで、まず繊維
産業の現状でございますけれども、私から申すまでもなく、
日本の歴史の中におきましては、明治維新以来、
日本の工業化過程の牽引車であり、また第二次世界大戦後におきまして国民生活への必需品供給や輸出による外貨獲得を通じて
我が国の復興、高度
成長に多大の貢献をしてきたところでございます。その後の重工業化、サービス
産業化の中で
我が国の
産業に占めるウエートは減少いたしましたけれども、現在でも出荷額におきまして全製造業の約四%、私の地元におきましては二十数%、雇用におきまして全製造業の約九%、百万人を抱えている
我が国の重要基幹
産業の
一つでございます。
しかし、繊維
産業をめぐる近年の状況は非常に厳しいものとなっております。すなわち、
国内需要は
経済成長の鈍化、
市場の成熟、
国内景気の低迷等を反映し、低迷を続けております。一方で、
我が国の繊維品
貿易は、
発展途上国の台頭、プラザ
合意以降の急激な円高の進展、消費者の価格志向の高まり等を背景といたしまして、一九九五年におきましては百七十四億ドルという大幅な輸入超過となっておりまして、輸入浸透率は五七・七%という高水準に達しております。
さらに、
企業のグローバルオペレーションの進展や
国内の高
コスト構造、例えば電気料金が東南アジア、欧米に比較して五割から二倍かかる。同じ条件で競争して優劣が決着するというのであればいいわけですけれども、そういう電力料金等によって非常に足かせを受けているといった状況もあるわけでございます。円高等を背景に、労働集約的なアパレル
分野を中心といたしまして、中国、東南アジア向けの直接
投資が急拡大し、繊維
産業の国際分業が急速に進展しているという状況が見られます。
これらの要因から、
国内生産は出荷額ベースで一九九〇年から四年間で約二割という大幅な減少となっておりまして、
我が国の繊維
産業の
空洞化による雇用への
影響が懸念されているところでございます。
私の地元について見ますと、この十年間で全出荷額に対する割合は二八%から二二%へ低下しておる。従業者数を見ましても十年間で二〇%減少いたしまして、全従業者に占める割合は全国一でございますけれども、三二%へと低下しているところでございます。このような繊維
産業の
振興は、雇用の面からも大変重要な問題かと思います。
そこで、幾つか御
質問をさせていただきますが、アメリカ等におきましては適切な輸入の
規制によって自国の繊維
産業を守るということを伺っておるわけですけれども、繊維関係に携わる者はいわゆる輸入
規制、繊維セーフガードということに大変関心を持っているところでございます。
全繊維製品の輸入浸透率は五八%ということは先ほど申しましたけれども、綿におきましては八〇%の浸透率ということで繊維セーフガードの措置が問題になっておったところでございます。合繊
産業をとりましても四二%の輸入浸透率ということで、必要なときに
政府がセーフガードを発令して助けてほしいというような願望を持っているところでございます。
そこでまずお伺いしますが、綿製ポプリン・ブロード織物に係る日中間の繊維
貿易問題につきまして、繊維セーフガード措置に係る調査が行われている中で今回、日中間で共通の
認識に至った経緯をお伺いします。