○小平
委員 就任早々、大事な国際
会議に出席されて、重責を担ってのことでありましたので、本当に御苦労さんでございました。
ただ、今大臣のお話にあった。二十一世紀に向かっては希望の持てる、そういう未来があると。それをつくるもつくらないも、それこそどうやってしっかりとした
我が国の農政をつくっていくかということにかかっている。それがなければ、明るい未来どころか
我が国は独立すら危うくなる大変な状況に陥ると私は大変危惧をいたしております。したがって、そこのところはそう楽観的に見られては困ると思います。
そこで、ローマ
会議でありますが、
食糧輸出国のそういう国と、
我が国のようなバランスをとった農政というものが必要な国と、また後進国、言うならば飢餓の状況にある国、こういうふうに大別されますが、確かにアメリカを初め、この国際分業論というか、
比較優位原則でそういうことを主張してくる、そういう中にあって、
我が国は国内
生産の
重要性、また備蓄をしっかり保つということ、そして足らざるを安定輸入によって補って、しっかりと
我が国の国民の生命の安全のために頑張るという、このことは
当たり前のことであります。
しかし、今回それなりの結論が出たようでありますが、そういう中で、依然として
世界には八億人以上の飢餓・栄養不良人口が存在している、しかもその五億人以上がアジア、太平洋州に集まっている。この中で
我が国がなすべき
役割というものは、敢然として
我が国は
食糧というものを大きな戦略にして、このアジア・太平洋を中心に
食糧の
供給国としてその
役割を果たして、
世界の皆さんに喜んでもらえる、このことが
我が国は今できる状況にあると私は思います、特にお米を中心にして。しかし、今回のローマ・
サミットの結果によっては、何ら
我が国の主張はまだ十分に主張しておらない、私はその点についてまだまだこれからであると思っております。
と同時に、後進国、そう言えば怒られましょうけれども、
食糧不足の国からは、
我が国に対して、十万トン、何か六万トンぐらいが決まって四万トンはこれからで、十万トンぐらいの米の援助の要請があったそうであります。これは多分にそれなりの外交努力もあったのでしょうけれども、私から言わせれば、こんなことは単に現行の国際協約やあるいはガットの規定の中ででき得る範囲のものであって、こんなことではまだまだ不十分である。
我が国はなぜもっと持っている力を発揮して、もっともっと国際的にその使命を果たす、もっとこの姿勢に打って出ないかということです。
いろいろなお話がございます。余りやり過ぎればアメリカを中心にそういう
食糧輸出国の反発を買う。非常にやりづらい。あるいは内外
価格差もある。でも、ほとんどのいわゆる先進
食糧輸出国は、輸出補助金という名のもとに自国の
生産農産物に補助を与えて、そして海外に輸出をしているのが実態ですよね、アメリカの小麦やトウモロコシを初め。
我が国も内外
価格差がある中でしっかりとそこに予算措置を設けて、もっと広く海外に
食糧の
供給をするという、このことを私はぜひ大臣に頑張ってもらいたい、こう思います。
午後の
政府に対する質疑の中で、これについてもう少し数値をもって
政府当局にお尋ねしますので、大臣にはこのことを申し上げておきたいと思います。
さて次に、今回のこの来年度に向けての
政府米価であります。
政府買い入れ価格。
今、
阿部次長から
説明がございましたように、一・一%減の一万六千二百十七円ですか、まあこれで
諮問は出たようでありますが、大臣、確かにここ数年来、お米の
価格は据え置かれてきました。そして、確かに
生産者や
農家の皆さんの自助努力によって合理化が進み、
生産費というものがそう従来よりはかかってこなくなってきている。このことは一方でありますけれども、しかし同時に、
物財費というか、いろんな諸費用がこの
物価高騰の中で上がってきている。これを両方とれば、これは完全に出費増になっている。こういう中で、
生産者の懐はますます減っているのが実態であります。
そういう中で、言うならば新
食糧法のもとでいろいろなことが変わってきて、それをもとにして、その新しい
生産費調査でもって出せばこういうことになる。しかも、お聞きするところ、来年四月から
消費税が上がる。それによって、
物財費等がかることを勘案して、実際はもっと引き下げになるところを一・一%に抑えた。何かそういうことの配慮があったような言い方をされておるようでありますけれども、私から言わせればとんでもない話であって、これではますます
米価は下がる、そして
消費税は上がる。そういう中で、実際の
米価は、百七十五円下がって一万六千二百十七円ではなくて、もっと下がっているのが実態であります。その数値がここには出ておりません。
このことを思うときに、私は、この数値はもうこの時間には全国津々浦々稲作の
生産者の皆さんには行き渡っていると思います。きょうは落胆の気持ちで皆さんお仕事にいそしんでいると思います。
そういうことを思うときに、今
米審会場でいろいろと審議の途上でありますけれども、当
委員会としても、大事なこのきょうの
委員会も、我々も非常に重苦しい気持ちで、重苦しい雰囲気で今私も質問させてもらっております。そこにおられる
政府当局の高官の皆さんも、正直な気持ちは同じではないかと思います。しかし一方では、財政的にも大蔵省初め大変な抵抗があり厳しいというのは、そういう中で頑張ってこられたことも私は理解します。
しかし、過般の住専国会のように、あのような大きなむだが使われて、そして大変な血税が、もうけた違いの血税がまさしくどぶに捨てる状況で処理されている。それと
比較して、今回、在庫がふえるからといって、たかがそんなことに要する諸費用はどれだけになります。
今質問にもあったようですけれども、一トン
当たり、一年間の倉敷を含めて倉庫にかかる費用は一万二、三千円、それぐらいです。十万トンにして約十二億円、百万トンでも百二十億円です。よ。
我が国の、今までいろいろな面で、この行政、地方自治体を含めてむだがある中で、こんなお金は微々たるものじゃないです。しかも、正直者が損をするという、まさしくこういうことがまかり通るのでは、営々と努力されて国民の
食糧を提供するために頑張っておられる、そのことを思うときに、本当に正直に頑張って仕事をしている皆さんに報いるのが政治であって、こんなことではどうやって
生産者の皆さんにお話をするのか、私は非常に苦しい思いでいっぱいであります。
こんなことを申し上げながら、時間も来ましたので、大臣、
最後にそこのところの大臣のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。