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末広真樹子君
労働者派遣法の制定以来既に十年がたちまして、今回の見直しに至ったとのことでございますが、私自身は、今回初めてこの
法律及び
改正案を勉強させていただきました。そして、この
法律が大変重要でかつ
労働市場の将来を左右する重大な課題を持つ奥の深いものであることを学びました。
東京での視察につきましては、日程の都合上残念ながら欠席せざるを得なかったのでございますが、その分地元名古屋にて
派遣元
企業二社とそれから
派遣先企業一社をじっくり見学させていただきました。
制度が始まって以来、着実な発展を見せてまいりました
労働者派遣業でございますが、
平成四年から六年にかけてはやはり
不況の
影響で低迷したようですが、ここに来てまた順調な伸びを示しているようです。私が見てまいりました
派遣元二社では、一社が
一般労働者派遣事業いわゆる登録型、九七%が
女性でございます。また、もう一社は特定
労働者派遣事業いわゆる常用型、これは男性が一〇〇%でございました。一般の方は年間
派遣労働者数が五千人と、一
事業所当たりの
派遣労働者数の全国平均が二百十一・一人ですから、大変規模の大きい
会社でございます。登録からオリエンテーション、スキルアップ、大変鮮やかな指導です。さらに、先般の参考人
質疑の折にもちらっと出ました、
大臣いらっしゃらなかったんですが、紹介者への特典があるんだそうです。それ以外にも
女性の喜ぶショッピングの五%から一〇%の各種割引
制度や高級会員制リゾートホテル、これはもう何千万クラスのものです。その割引利用など福利厚生といったきめ細かいサービスと特典がついているんです。もう
女性ならばまりますね、私も思わずはまりそうになりました。行政と民間の差がくっきり出ているという鮮やかさでございます。
一方、男性
派遣の特定の方も今年度一千名を新規採用いたしております、一社でですよ。合計四千五百名の
派遣労働者を抱える大
企業でございます。特定
派遣の一
事業所当たりの
派遣労働者の全国平均が十五・九人ということですから、そのスケールの大きさがずば抜けているということでございます。しかも、来年はさらに二千名を新規採用しようというプランです。物すごいパワーです。しかも、契約料は時給四千円から、上は月収百六十万円、国会議員も負けましたというハイテクニカル
派遣労働者を常用
雇用しております。
こうした
派遣元
企業では、優秀な
人材を集めてかつ十分な研修を積み、
派遣先にも十分満足してもらっているからこそどちらも急成長しているんだと思います。
労使とも
ども派遣という
形態を希望するという大きな
時代の
変化をひしひしと実感いたしました。
また、優良な
派遣先の
企業の一つといたしまして登録型を拝見いたしました。ここは大
企業の子
会社の一つで、この十年間で
派遣労働者がわずか一、二名から二十名へ、全社員が六百五十名でございますけれ
ども、着実に伸びているようです。この
会社で
派遣期間が一年を超えて更新したという
女性と、もう一人は今三カ月目という二人の
女性から直接お話を聞く機会を得ました。お二人とも二十代後半の
女性で、現在の
仕事にとても満足されていて、こんなに働きやすいところはないと口をそろえておっしゃいました。実際、賃金面での格差も正社員に比べて少なく、
会社側のコストとしては、正社員と比較しますと一割程度安くなるとのことでございました。あとの就労条件面や実際の
職場での
仕事に
派遣ということでの区別は全くないとのことでした。お一人は海外の生活から一時的に日本に戻っている間だけの三カ月間就労であり、まさに
派遣労働という形がぴったり当てはまって、これはもう働き手の
派遣労働活用法わざありと、本当に感心させられるものでした。
優良で大規模のこうした
派遣元は、社内的にもしっかりとしたスタッフを抱えておりまして、
派遣先や
派遣労働者とのトラブルや苦情に対して迅速な対応がなされているようです。一例を挙げますと、体調が悪いからやめたいという
派遣労働者に対して、
派遣先との関係がまずくならないように健康診断書を添えるようアドバイスをしたといいます。その診断料も
派遣元が負担したと聞きました。しかしながら、一方では
労働者派遣についてさまざまなトラブルがあることも知りました。その詳細につきましては、きょうのところは余り時間がありませんので次回四月三十日に、光と影の部分があるとすれば、影の部分は次回に回したいと思います。
登録型の
派遣は、九割以上が
女性でございます。
女性の側の働き方の希望もその一因でしょうが、
企業側が
女性の正社員としての採用を手控えていることも、これも事実です。先ほどの
派遣先企業でも、
平成二年には八十人
女性を採用しておりました、正社員として。ところが、六年と七年はそれぞれ一人、八年に至ってはゼロです。その裏で
派遣の
女性社員が十年間で二十倍にふえているというのが実態です。大きなところはいいんですが、より規模の小さい
派遣元、
派遣先にいけばいくほどトラブルがふえているかと思います。登録型の
女性派遣労働者が、どんな
就業状態であるのかがとても
心配です。
そこで質問です。
派遣労働者の
就業状態について、
平成七年の
労働者派遣事業調査について、
派遣元、
派遣先の
事業規模別に統計がとられているのかお教えください。特に、
労働条件や保険の加入
状況、苦情
件数などでどうなのでしょうか。