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国務大臣(
橋本龍太郎君) 何となくプロに私がお話をするというのはちょっと心外でありまして、むしろ逆に私の
認識が誤っていたならお教えをいただきたいぐらいでありますが、私
どもはここしばらくの間の朝鮮半島の情勢というものを注意深く見守ってまいりました。同時に、このところちょっとまた静まりましたけれ
ども、板門店を中心として起きておりました
事態というものに非常に神経をとがらせていたことも事実であります。
そうした
状況を踏まえて韓米首脳会談が行われ、その成果としてクリントン大統領と金泳三大統領から何らの前提なしにの話し合いという呼びかけが中国、北朝鮮に対して行われました。私は、これは非常に朝鮮半島の平和と安定のために成功してほしいと願いましたし、今も願っております。そして、今私の手元には残念ながらその後の
状況は入っておりません。けさ、少なくとも国会に参りますまでに、正式の北朝鮮側からの反応というものはまだ入手をいたしておりませんでした。
ただ、私は、日米首脳会談でクリントン大統領と当然ながらこうした問題もお互いが話題にしたわけでありますけれ
ども、
アメリカの意思として非常に明確なものは、
アメリカと北朝鮮だけの対話というものを行う意思はないということであります。この点は私は大統領の考え方というものは非常に明確であったと思っております。
そういう
状況の中で、私は、
アメリカと韓国、そして中国と北朝鮮、朝鮮半島における暫定協定の生まれます時点でその対話を成立させた関係者、これが前提なしに話し合うということは非常に望ましいことだと思いました。そして、これが受け入れられること、その話し合いが行われることとともに、そうした平和が達成されるまでの間、北朝鮮が休戦協定を遵守してくれることを強く願っております。ただ、それではそれだけで朝鮮半島における問題は終了するのかといえば、決してそうではございません。
そして、現実に韓国と
アメリカと
日本とが共同で半島のために
努力をしておる例としては軽水炉の供与の問題、いわゆるKEDOの問題がございます。これは一昨年でありましたか、北朝鮮の核開発疑惑というものが非常に深刻な
状態を我々の上にも惹起していたわけでありますが、その中における
アメリカと北朝鮮の軽水炉供与の交渉というものが実り、韓国、
日本が共同してこれに当たるということで今日まで進んでまいりました。これは現在の
一つの例であります。
今後、北朝鮮との間で南北の対話というものを私は本当に優先してほしいと思っておりますけれ
ども、そのプロセスの中におきましても、韓国あるいは
アメリカと共同で解決に当たっていくべきテーマというものがあるいは生まれてくるのかもしれないと思っております。そうした中での我々の役割というものは当然あるでありましょう。そして、それを果たしていくためにためらうつもりはございません。