○都築譲君 おはようございます。
平成会の都築譲でございます。参議院では新進党と公明で
平成会という院内会派をつくっておりますので、よろしくお願いをいたします。
参考人のお二方には、きょうは本当に御多用の中、参議院の
予算委員会の審議に御
協力を賜りまして、わざわざお出かけをいただきまして、心から御礼を申し上げます。
平成八年度の
予算案の審議、参議院におきましても四月十二日から、先々週からようやくスタートしたわけでございます。今まで総括
質疑を行いまして、さらに
参考人質疑ということできようはいろんな御
意見をお伺いしたい、こういうことでございます。今回、八年度
予算につきましては、何といっても
住専の問題が大変大きな話題になっておりまして、当初からいろいろ議論が衆議院の方でも行われてまいりました。
実は三月四日には、私
ども十分審議をすべきだと、こういうふうなことで衆議院の新進党の方は要求をしておったわけでございますけれ
ども、
実態も十分解明されないまま、あるいは
責任の所在も不明のまま、そしてまた
金融システム全体がこれから本当にどうなるのか、こういうことも十分明らかにされないままに、どうも与党三党の皆さん方が強行的に押し切ろう、こんなことがあったわけでございまして、私
ども物理的な抵抗をさせていただいた、こういうことでございます。
ようやく四月十一日に、与党三党と新進党とで一定の
合意を見まして審議を再開するということで、衆議院の方を上がって今参議院に送付されている。その
合意の第一点が、制度を整備した上で六千八百五十億円については措置をする、こういうことでございます。すなわち、支出するとははっきりとは言ってない。制度を整備した上で、制度のありようによってどういうふうになるのか。支出するのか、一部支出になるのか、あるいは全額削除になるのか、そういうことが措置をする、つまり決まりをつける、処分をする、こういうことだろうと、こういうふうに私
どもは考えております。
参議院の方におきましても、鋭意
皆様方の御
協力をいただいて審議を進めておるわけでございますけれ
ども、本当によくわからないところがまだ多々ございます。なぜ六千八百五十億円が必要なのか、
国民の皆さんも本当にわかって賛成をされるのか。
橋本総理の
お話を聞いていると、まだ
国民の皆さんの
理解は十分得られていないと思う、こういうことをよく
答弁の中でも言われるわけでございまして、
実態が本当にわからない、真相がわからない。
そういった中で、今回特に農林
系統の方、いわゆる新聞とかいろんなところでも、今回の
住専処理策六千八百五十億円というのは、
住専処理に当たって一次損失分、これを本当だったら農林
系統で一兆二千億円ぐらい
負担してもらいたかったんだけれ
ども、その体力がないから農林
系統の
金融機関、いわゆる農林中金とかあるいは県の
信用事業、
農業協同組合連合会、さらに各地域の総合農協、こういったものを救うために税金を投入するんだ、こういう
意見がいろいろ聞かれるわけでございます。
では、本当にそれがそうなのかというところも、実はいろいろ国会で大臣などの御
答弁を聞いておりますとそうでもないというように言いますし、また先ほどの
角道参考人の
お話を聞いておりましてもどうもそうでもないんではないか、こういうふうに思うわけでございます。
では、何でこんなことになってしまったのか。住宅
金融専門会社、今問題になっておりますのは
住専七社ということでございますけれ
ども、農林
系統の
金融機関がどうやって五兆五千億円もの、五兆五千億というのは物すごい
お金でございますけれ
ども、なぜ
住専にどんどん貸し込んでいったのか、その背景は一体何だったのか。そのときにしっかりと
担保とかあるいは
事業審査とか、そういったものをちゃんとやっておられたのか。
あるいは、今回の処理に当たって、例えば
母体行の方は三兆五千億円のいわゆる
債権を
全額放棄する、こういうことになられましたけれ
ども、農林
系統は放棄ではなくて、五兆五千億は一度返していただいて、それで二兆二千億を、正確には二兆二千六百億ですか、これをまた低利融資で
住専処理機構の方に回していくと。さらに五千三百億円を贈与するという形、
債権放棄じゃなくて贈与する、どうしてこういう仕組みをつくるんだと。
それから、これから本当に今回の
住専処理の方策によりまして
金融機関全体、また農林
系統の
信用事業、これが本当に大丈夫なんだろうか、そして
日本の
農業あるいは
農民の皆さんは一生懸命働いておられるけれ
ども、そういった
方たちの本当に期待にこたえられるようなそういう農協
経営、こういったものが本当にできるんだろうか、そういったところがよくわからないわけでございます。
今まで
責任問題、私は、本当に同じ人が同じ過ちを繰り返さないためにも
責任の追及は徹底的にやらなきゃいけない。今ようやく末野興産の社長さんに国税とかあるいは検察が入りまして取り調べが始まっております。ようやくということでございます。ただ、これが何か見せしめだけで、一社だけ取り上げてそれでもう
責任問題が終わったなんというふうな形になってしまうんじゃこれまた困るというふうに思うわけです。ただ、
責任の問題はいずれまた司直の手でしっかりとやっていただく必要があろうと思いますけれ
ども、真相を知りたいという
国民の願いはまだかなえられていないというふうな気がするわけでございます。
以上、大分前置きが長くなりましたけれ
ども、こんなことで幾つか御
質問させていただきたいと思います。
まず、どうして
住専にこんなに金を貸し付けたのか、今回の
住専の処理方策というので農林
系統というのは本当にいいのかというところ、それから
最後は今後の
系統の
信用事業の
あり方、あるいは農協の
あり方、こういったものについてお伺いをしていきたい、こういうふうに思うわけです。
まず、本題に入る前に一つお伺いをしたいわけでございます。
角道参考人そして
杉浦参考人、お二方の
参考人をきょうお招きしたわけでございますけれ
ども、私もどんな方かなと思っていろいろと調べさせていただきました。そうしたら、ちょっと共通するところがございました。
共栄火災海上保険という相互会社がございます。
角道参考人はそこの相談役になられておりますし、
杉浦参考人はそこの監査役になられておる、こういうことでございます。取締役とかそういった方を見ますと、結構
農協系統の、例えば豊田全中
会長とかこういう方が入っておられるということでございまして、この共栄火災海上保険というのはどうして
農協系統の方がそういう役職におつきになられているのか。今までの
経緯、そして農林
系統との
関係、出資の
関係とかあるいは融資の
関係、それから役職者としての
業務、報酬、こういったことをお聞かせいただければと思います。
角道参考人には、今までの
経緯とか
系統との
関係といったものを含めて御
説明いただければと思います。