○塩崎恭久君 自由民主党の塩崎恭久でございます。
きょうからテレビが終わった後の
総括質疑が始まりまして、自由民主党、それぞれ個人の持ち味は出すとするにせよ、それぞれ分担をいたしまして質問させていただこうということにしておるわけでございます。私は、きょうは
住専の問題の追及というよりは、これからの新しい金融システムのあり方であるとか、いずれも前向きのお話をさせていただこうというふうに思っているわけでございます。
取り上げる題材は、金融とそれからエイズの薬害の問題、この二つに大きく分けられるわけでございますが、「もんじゅ」の問題も含めまして共通点がこの三つにあるのかなという
感じがいたします。何が共通点か、やっぱり
行政のあり方が問われているのではないだろうか。
それぞれいわば政策の立案者とそれから制度の執行者あるいは監視をする
立場の
行政、これが同じ組織に入っているがために今回のような
住専の問題が起きたり、エイズの問題が起きたり、あるいはまた「もんじゅ」の問題が起きて真相解明が進まないというようなことが起きているのではないかなという気がいたすわけでございます。これから橋本内閣のもとで行革を力強く進めるということは、大河原理事からの質問の中でも御決意をいただいたわけでございまして、恐らくこの辺の政策の立案者とそれから制度の執行者の分離という問題がこれからは大きな柱になっていくのではないだろうか、こんな気がするわけでございます。
いずれにしても、それをところどころでちりばめながらお話をさせていただきたいと思うわけでございますが、本来、金融というのは余り目立っていない方が正常な形であって、今回のようにあって当たり前のものが実は当たり前でなくなりつつあるというところに大きな問題があるのだろうと思うんです。
今回の
住専を初めといたしますこの不良
債権の問題の教訓というのは、一つにはバブルの発生の
責任というものが根底にあるのだろうというふうに思うわけでございますし、二つ目は
金融機関の
監督の失敗ということだろうと思います。そして三番目は、今、
関根委員からもお話がありましたように、それぞれ問題を先送りしてしまった、この
責任の問題というのもあるのだろうと思います。それぞれの原因あるいは真相の究明と、そして何よりも大事なのは、二度とこういうことが起きないような体制をどうつくっていくのかというところが問題なのだろうというふうに思っているわけでございます。
特に、バブルの問題というのは、これは恐らく一億総バブルであって、だれしもがあのバブルの中で多少浮かれ過ぎであったり、失敗をして損をしたり、いろんなことがあったと思います。そして、政策面でもそれぞれの
立場での失敗というのは大なり小なりあったわけでございまして、特に財政においても赤字国債から脱却したかに見えましたけれ
ども、結局実は本当の実力で脱却したわけではなかった。バブルの自然増収で脱却をしただけで、まさにこれが財政
再建をむしろおくらせてしまった結果になったという大事な問題もあります。
また、経済構造の改革という意味でも、本来あそこで、円高になったときにそのままストレートに影響が出てしまえば、雇用の問題というのは、今大氷河時代なんて言われておりますけれ
ども、実はもっと早く出ていた。つまり、問題が先送りされてしまったわけであって、そういうことでこのバブルの
責任というのは極めて私は大きいのだろうと思うわけでございます。
いずれにしても、その前に
住専問題に対する姿勢の問題をちょっとお話をいただきたいと思うわけでございますが、先ほど
関根委員からブッシュ大統領の二月六日の演説というのが引用されました。私も引用しょうと思ったら先に引用されてしまったんですが、私がここで問題にしようと思っているのは、二月に実はもう一つブッシュ大統領がテレビで
国民向けに演説をしている。アメリカはよく大きな問題があったときには、決断をしたときは、大統領みずからがテレビに出てきて
国民全部に訴えかけるということをするわけであります。
その中で私は、この先ほどの記者会見での演説を含めて二つ大事なことがあったのだろうと思うんです。一つは、
政府の
監督責任を明確にブッシュ大統領は認めたということだろうと思いますし、もう一つは包括的なプログラムを一度に出したということだろうと思うんです。
これは、実はその大統領のテレビ演説を当時アメリカにいて見た人が述懐をして書いていることでございますが、こういうことを言っておるようでございます。「八〇年代前半、われわれはS&Lの
監督に失敗した。」と。大統領みずからが失敗したとおっしゃっている。そして、「われわれは過去を反省しなければならない。」、「納税者の資金を、ひとつの産業の救済のために使うことには、様々な
議論があることは承知している。しかし、長い目で見た場合、問題をこのまま放置していることと、財政資金の投入により思い切って
処理を進めることと、どちらがコストが安いだろう、どちらが経済のためになるだろうか。財政資金の金融システムヘの投入について、納税者の皆さんのご理解」をいただきたいと。こういうふうにまず失敗を認めた上で、そしてなおかつ包括的に先ほどお話が出たようないろいろなパッケージで出した。
今回、実は十二月十九日、当時の村山総理と武村蔵相がそれぞれ記者会見を夜中にやって、きのうの山本
委員の話の中では余りよくなかった、こういう話でありますが、あのときが十二月十九日。そして、金融制度調査会の結果でこれからの新しい金融システムがどうなるかというのが十二月二十二日に出てきているわけですね。そして、罰則強化の話はついこの間三月、そして金融三法はついこの間の四月と。そして、各種
住専関連資料も小出し小出しに順々にしか出てこない。こういうことでありますから、やっぱり
国民の皆さんは一番最初に納得ができないままにずるずる来てしまった、こんな気がするわけであります。
この辺について総理として、そのときは総理ではありませんでしたが、反省をされるかどうか、ちょっと人はかわっておりますが、それについての御見解をまず伺いたいと思います。