○谷本巍君 四月二十六日の参議院の
農林水産委員会で、私
どもの党の
村沢議員の国有林問題での質問に
大原大臣は次のようにお答えになりました。国有林は大事な
森林資源であり、これを守っていくことは
国民の義務だと考えるということを言われながら、国有
林野の
事業会計だけの運営に任せるのではなく、何らかの追加負担を
国民に求められる手法はないものか、こう大臣はおっしゃりながら、思いつきだがと前置きをされて次のように述べられました。
消費税に含まれる水道税を例に挙げられたのでありますが、
消費税率を上げるとするなら、その際にでもこれを山に還元することを考えてもよいのではないかということでありました。
国有林財政問題の解決は、国全体の財政事情が非常に厳しいときでありますから、非常に難しい。
国民の
理解を得ながらどういうきっかけをつかむかということが政治判断としてはまことに重要だろうと思うのです。そういう
意味では、四月二十六日に
大原農林水産大臣がおっしゃったことはさすがだなと私は感服をいたしました。
初めに、大臣のこの発言と関連しまして、国有林と水問題について大臣はどのように認識しておられるか。この際、
国民に対して一定の問題提起ができないかということを考えながら、私の
意見も若干述べさせていただきたいと存じます。
まず、日本の水
需要でありますが、
都市化、工業化、そして核家族化と
生活の
近代化が進んだ。
使用量は増大の一途でありました。もはや、もうダム建設というのも限度ではないでしょうか。それからまた、水問題に詳しい専門家の皆さんに言わせますというと、もう使用量をどう制限するか、そこのところを
生活体系の見直しからやっていかなきゃだめだという問題強調も出てくるようになってまいりました。
こんな
状況の中で、戦後、植林というのが杉やヒノキや経済林一辺倒であったことへの反省の声も聞かれるようになりました。こういう深刻な
状況のところへ今襲ってきているのが異常気象ですよ。いろいろな問題がありますけれ
ども、一番困るのは何といったって台風と梅雨が日本列島をそれるような
状況が生まれてきていることであります。そして、水飢饉というのが西日本から始まってきたということであります。
こんな
状況の中で、例えば上流にみずからの水源林を
確保した横浜市で申し上げますというと、上流の水源林の針葉樹の伐採はしないと、これは九〇年からそういう方針になったようですね。そして大木にさせていく、そしてその中に広葉樹を自生させていく、それがやっぱり水を
確保していく上で一番いいことだと言っております。
これから民有林にもそういうことを期待していかなきやなりませんけれ
ども、何といったって手っ取り早くやれるのは国有林ですよ。民有林は主として里山であり、国有林はその奥手にあり、そして水問題に貢献する度合いは決定的に国有林の方が高いわけであります。でありますから、国有林についてはこの際、水や土や風景を涵養する
環境資源としての役割を徹底して追求していく。
つまり水戦略から見た国有林
事業の展望といいましょうか、そういうものを描いていくことが大事になってきているのではないかと私は思います。
大臣もはっきりお答えいただけるかどうかわかりませんが、そういうものを検討すべきときに私は来ていると思うんですが、大臣、どうお考えでしょうか。