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谷本巍君 次に、規制緩和等に関連した農地行政の問題について若干伺っておきたいのです。
政府の規制緩和推進計画の改定作業の期限が三月末というぐあいに聞いておりました。けさの
日本農業新聞を見てみますというと、地方分権推進
委員会の
地域づくり部会の中間報告の要点が出ておりました。これを読んでみますと、二ヘクタールを超える転用許可についてはこれまで
大臣権限であったものを知事の権限に移していく。それから、農振
地域指定の権限についても都市計画区域、つまり市街化区域、調整区域などの設定のことの
ようでありますけれ
ども、これなどとともに知事の権限に移していくという
ような方向でまとめの作業が行われているやの報道が出ております。
どうもこれ感心できませんな。分権の名をかりた農地行政崩しというぐあいに私には思えてならぬのであります。再び
日本でバブルの時代がやってくるかどうか、
可能性はあるんですよね。これは依然として膨大な貿易黒字、円高
状況が続いておる、異常なまでの
国民の貯蓄の額、率の高さ、この二つの条件というのは変わっていないわけですよ。ですから、まかり間違うといつバブルが起こってくるのかわからないという条件は厳然として存在しておる。
この間のバブルではこれが土地投機に結びついた。なぜ結びついたのかという問題の
一つを言えば、農地
制度それから土地
制度の問題があります。欧米に比べますと
日本の場合の土地規制というのは都市計画法を見ても土地
基本法を見ても国土利用計画法を見ても公的規制が余りにも弱過ぎる。そういう問題があってバブルに結びついたわけですから、土地投機に結びついたわけですから。したがって、二度とああいう
状況を起こさないという前提に立つとするならば、土地行政をしっかりさせなきゃだめですよ。これは
農林水産省だけではなく建設省な
ども含めての話になってきます。
それと同時にもう
一つは、農地行政、やっぱりせめて従来のものは最低限守っていかなきゃならぬと思うんですよ。それは地方自治体の立場に立ちますと、
農業が左前ですから、これは農地を売った方が銭になりますよ、
農家からすれば。
やっぱり将来に向けて
日本の食糧自給率をきちっと守っていくんだということであれば、これは中央
政府がきちっとコントロールできる
ようにしていき、そして
農業内での土地の権利移動についてはそれぞれの自治体に自主的にやっていただくという
ような今の形を守っていかなきゃ、これどうにもし
ようがないですよ。
そういう
意味では、どうもこの
地域づくり部会の答申というのは感心しない。感心しないところか、
住専問題をこれから私
どもがきちっと
解決していこうというその方向に対して全く逆行そのものだ。
大臣の所見をひとつ承りたいと思いますが、いかがでしょうか。