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1996-06-17 第136回国会 参議院 内閣委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年六月十七日(月曜日)    午後五時開会     —————————————    委員異動  六月十一日     辞任         補欠選任      北岡 秀二君     岡野  裕君      中島 眞人君     村上 正邦君  六月十七日     辞任         補欠選任      村上 正邦君     岡  利定君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 秀樹君     理 事                 板垣  正君                 矢野 哲朗君                 吉田 之久君                 齋藤  勁君     委 員                 海老原義彦君                 岡  利定君                 狩野  安君                 鈴木 栄治君                 依田 智治君                 鈴木 正孝君                 友部 達夫君                 永野 茂門君                 萱野  茂君                 笠井  亮君                 聴濤  弘君    国務大臣        国 務 大 臣       (内閣官房長官)  梶山 静六君    政府委員        内閣官房長官  渡辺 嘉藏君        内閣参事官        兼内閣総理大臣        官房人事課長   安富 正文君        内閣官房内閣内        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房内政審議室        長        藤井  威君        内閣官房内閣安        全保障室長        兼内閣総理大臣        官房安全保障室        長        三井 康有君        内閣官房内閣広        報官室内閣広報        官        兼内閣総理大臣        官房広報室長   半田 嘉弘君        内閣官房内閣情        報調査室長    大森 義夫君        内閣法制局長官  大森 政輔君    事務局側        常任委員会専門        員        菅野  清君    説明員        外務大臣官房領        事移住部長    齋藤 正樹君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十一日、中島眞人君及び北岡秀二君が委員辞任され、その補欠として村上正邦君及び岡野裕君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 内閣法等の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。梶山内閣官房長官
  4. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) ただいま議題となりました内閣法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、先般の第三次臨時行政改革推進審議会答申趣旨にかんがみ、内閣総理大臣に対する補佐体制充実を図るため、内閣総理大臣補佐官制度を設けるとともに、内閣官房における行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整等の一層の円滑化を図るため、内閣官房長官職務に関する規定を整備する等の措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、内閣法の一部改正であります。  その第一点は、内閣官房長官職務を、内閣官房長官職務を助け、命を受けて内閣官房事務をつかさどり、及びあらかじめ内閣官房長官の定めるところにより内閣官房長官不在の場合その職務を代行するものとすることとしております。  その第二点は、内閣総理大臣補佐官制度の新設であります。内閣官房内閣総理大臣補佐官三人以内を置くことができるものとし、内閣総理大臣補佐官は、内閣重要政策に関し、内閣総理大臣に進言し、及び内閣総理大臣の命を受けて、内閣総理大臣意見具申することとしております。また、内閣総理大臣補佐官非常勤とすることができることとし、内閣総理大臣補佐官の任免に関する規定及び服務に関する規定を定めることとしております。  第二に、国家公務員法及び特別職の職員の給与に関する法律の一部改正であります。  その内容は、内閣総理大臣補佐官特別職国家公務員とし、その俸給を定めることとし、また内閣官房長官俸給を引き上げることとしております。  なお、この法律案衆議院において施行期日に関する附則の規定が修正されましたので、申し添えます。  以上が内閣法等の一部を改正する法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  5. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 狩野安

    狩野安君 よろしくお願いいたします。  内閣機能強化するため特別職国家公務員としての内閣総理大臣補佐官制度を設ける等の改正を行うこの改正案は、早急に対処しなければならない課題として与党政府で検討が重ねられてきたと思いますけれども、私は先日の予算委員会質疑でも官邸総理の強い指導力を望むとの発言をしており、今回、内閣機能強化の一環として内閣総理大臣補佐官が三名法的に整備されるのは大いに有意義であると考えます。この法案を支持した上で何点かお伺いいたします。  まず、阪神淡路大震災以降、官邸機能強化総理大臣の強力な指導力国民が求めているわけでありますけれども、そもそも我が国において内閣総理大臣の強力な指導力発揮が必要だと考えておられるかどうか。また、歴代の総理について、現在の橋本総理に至るまでのその指導力発揮について、梶山官房長官の率直な感想を伺いたいと思います。
  7. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 議院内閣制のもとにおいていわば民主的な合議制をとっているのが今の閣議であります。この閣議決定に基づいて総理大臣が指揮をしていく、こういう建前をとっておりますので、格別強化をするとか弱体化をさせるということではなくて、今日の民主的な制度原則として貫かれることが大変有意義だというふうに考えております。  ただ、今、狩野委員御指摘のように、震災等における総理大臣のいわばリーダーシップという問題については、確かに閣議を開催して合議に基づく意思決定を行ってからでは時間的に間に合わない場合もございますから、過般の閣議において申し合わせを行い、大震災等における閣議のあり方、そして参加のできない場合にどういう措置をとるか、あるいは内閣総理大臣に事故あるときは副総理、副総理に事故あるときは官房長官官房長官に事故あるときは国土庁長官、そのような順序を立てて危機管理に対応する、このような仕組みをとっております。
  8. 狩野安

    狩野安君 この法案を見て、実際に首相補佐官がどのような位置づけであるのか、またどのような働きが期待できるのか、具体的なイメージがわかないのが実感であります。過去にも同じような臨調の答申があったようですが、いずれも審議未了となり実現しなかったと聞いております。政府が今なぜ内閣総理大臣に対する補佐体制充実を図るため内閣総理大臣補佐官制度を設けることが必要であると考えたのか、政府の肉声がこちらには伝わってきておりません。  内閣総理大臣補佐官制度の創設の必要性について政府はどのように考えておられるのか、また第三次臨時行政改革推進審議会答申と同じ認識なのか、政府考えをお伺いしたいと思います。
  9. 藤井威

    政府委員藤井威君) 内閣総理大臣補佐官イメージがわかりづらいというお話が冒頭ございました。  おっしゃいますように、まさに臨時行政改革推進審議会最終答申を受けてこの制度を設けるというところが発端ではございます。この補佐官制度は、内閣総理大臣の側近にありまして内閣重要政策に関して直接総理大臣に進言し、または意見具申するというような内閣総理大臣の思考や判断を内面的に助けるという非常に重要な役割を我々は期待しておるわけでございます。  今、先生がおっしゃいましたように、過去何回かそういう補佐官法案を御提案申し上げたことがございます。昭和四十二年あるいは昭和四十八年に名前は違いますけれども似たような補佐官制度提案をいたしておりますが、おっしゃいますように委員会に付託はされましたけれども、いずれも全く審議されないままで審議未了、廃案ということになっております。  その当時全く審議されておりませんので、どんな経緯であったのかよくわかりませんが、しかし現状で再びこういう制度を御提案申し上げた一つの背景は、先ほど官房長官からお話がございましたように、現在の官邸機能強化必要性、あるいは総理大臣に求められているもろもろの判断の難しさ、困難さの増大、あるいは問題が非常に多岐にわたってくるというような状況、これは世界的にも進んでおるわけでございますが、そういう状況に対応するために再びこういう御提案をしたわけでございまして、官邸強化という点でこの制度官邸全体として非常に大きな期待を持っているということでございます。
  10. 狩野安

    狩野安君 今までも、村山総理それからその前の細川総理大臣のときも、私的な補佐官ですけれども、補佐官が存在していた実情もあります。補佐官意見というのはどの程度尊重されるか、また米国型の大統領補佐官のような強力なものを期待しているのか。予算を投入したにもかかわらず私設秘書が三人ふえただけというようなことにはならないだろうかということが一つ心配されます。  そしてまた、「内閣総理大臣補佐官は、内閣重要政策に関し、内閣総理大臣に進言し、及び内閣総理大臣の命を受けて、内閣総理大臣意見具申する。」とありますが、内閣での位置づけはどのようなものでしょうか。具体的に官房長官官房長官政務秘書官等との関係、つまり職務権限職務分担はどのようになっているのでしょうか。
  11. 藤井威

    政府委員藤井威君) 今申し上げましたように、また先生もおっしゃいましたように、内閣総理大臣に対して助言行い意見具申する、それによって総理大臣判断を助けるという非常に大事な機能期待しておるわけでございます。  ただ、既にございます官房長官職務権限、いわば行政全体の一体性を確保していく、そのために必要な究極のあるいは最高の総合調整を行っていくという官房長官職務権限はもちろん変わっておりませんし、それを助ける官房長官あるいはそれを補佐する内閣官房五室の機能、こういうものに大きな変化はないというふうに考えております。  ただ、そうは申しましても、内閣総理大臣補佐官が的確な助言を行い非常に有効な機能を果たしていく上では、やはりいろんな条件が必要だと思います。第一は、もちろん有能で識見に富む、あるいは専門知識に富む人におなりいただくということが一つでございます。それからもう一つは、やはり内面的な助言と申しましても、各省からの意見を聴取し、資料を集め、それらを総合的に判断して助言を行っていく、こういう機能は当然考えられるわけでございまして、各省もそういうことに対して協力していくということはどうしても必要である、またそういうことになるであろうと我々は期待しておるわけでございます。
  12. 狩野安

    狩野安君 官房長官にお伺いいたします。  この前の衆議院内閣委員会だと思いますけれども、沖縄を担当する補佐官もというような話も出ていましたが、補佐官報道担当とか国家安全保障担当とか、そういうような役割というものをおつけになるんでしょうか。そしてまた、住専とか行政改革など国民の税に対する見方の厳しい中、補佐官を実効ある制度として位置づけていかなければならないわけですけれども、この新しい制度には官房長官としてどのような期待をしていらっしゃいますか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  13. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) この問題は一義的に、あるいは全部そうでありましょうけれども、総理大臣が任命をするわけでありまして、私がイメージする、あるいは私が期待をするというものではまずありません。  それからもう一つは、今例に引かれた沖縄問題担当というようなことでございますが、一般的な事例を引いて言ったことが、例えばという文言が新聞に抜けておりまして、あたかも沖縄担当を置くような錯覚を与えてしまったことは私の舌足らずでお許しをいただきたいと思います。  例えば私が懸命な努力を払っても沖縄に対する知識をそれほど持っていない、あるいは日本の安全保障日米関係についてそれほどの深い知識を持っていない、そういうことになりますと、日常、私は各省庁のいわば調整それなり総理に対する進言をいたしておりますが、専門的な知識あるいは専門的な調査、この問題に割くるに時間の少ないことと私の頭の足りなさを嘆くのみでありまして、そういう方面に適当な人物がおられるならば、私は総理判断や行動に大きなプラスがあるものだと思います。総理がどの分野でどういう補佐官を求めるかは総理の一義的な判断によるわけでありますので、御了解を願いたいと思います。
  14. 狩野安

    狩野安君 補佐官における人選なんですけれども、どのような人を充てるんでしょうか。  また、国会議員を起用する場合とかいうことなんですけれども、補佐官になる資格、当初の議論では民間から広く有識者を集め意見をお聞きするというのがこの制度の目玉でもあると聞いておりましたけれども、法案では官房長官と同じように国会議員との兼職を認めるということです。どのような観点から国会議員兼職を認められたかお尋ねいたしますし、また国会議員を認めるということは大臣のようにポスト化して派閥人事とか政務次官を選任するような形の選任の仕方をするのか。これは総理のお考えだと言われればそれまでですけれども、イメージとして、政府としてどういうふうな人選というか補佐官をお選びか、お聞かせいただきたいと思います。
  15. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) そういう懸念もございますし期待もあるわけでありますが、文字どおりこれは総理がこれからどの問題を重視し、どの知識を必要とし、どういう専門的な意見を必要とするか、その判断によって置く場合もあるし置かない場合もあるし、あるいは民間の方もあるし、あるいは官僚の、いや官僚は併任になりますからできるかどうかわかりませんが、あるいは国会議員を充てる、そういうことは千差万別と言っていいか、その特任事項あるいは総理の必要とする事項によって異なると思います。
  16. 狩野安

    狩野安君 国会議員兼職する場合には、やっぱり総理大臣が一番信頼の置ける、気が休まるような方を選んでほしいというふうに思いますけれども、それは総理大臣がお選びになるんでしょうから、官房長官の好きな方を選ぶというわけでもないでしょうからね。  今回の内閣法改正というのは一連の官邸機能強化の流れの中で出てきたものだと思いますけれども、直接のきっかけとしては、一つは第三次行革審の最終答申、もう一つ阪神淡路大震災というのが大きかったのではないかと思います。  一般国民も、内閣機能強化と聞くとどうしても震災との関係を思い浮かべると思いますけれども、今回の内閣総理大臣補佐官の設置が大震災等危機管理の面でどのような意味を持つのかについて説明をしていただきたいと思います。
  17. 藤井威

    政府委員藤井威君) 今回御提案申し上げております内閣総理大臣補佐官制度イメージは、先ほど申し上げました内閣総理大臣に対する内面的な補佐助言意見具申でございます。  具体的には、ただいま官房長官からお話し申し上げましたように、その補佐官がいわゆる国政全般にわたる助言を行う場合も考えられますし、あるいは高い識見専門性を持った方を任命していただきまして、その専門性を生かした特定のテーマについての助言意見具申を行うということも考えられます。官房長官が今申し上げましたように、どういう職責のもとに補佐官を任命してその補佐官活躍をどんな形で期待するかということは究極的に総理の御判断ということになろうと思います。  今お話のございました地震等にかかわる危機管理の問題について直接補佐官を置くかどうかということもまさに総理の御判断一つでございまして、今我々の方からそういうことをいたしますというお答えはちょっとできかねるわけでございます。ただ、危機管理の問題につきましては、阪神淡路大震災経験も生かしまして、先ほどちょっと官房長官からもお話がございましたが、官邸危機管理機能強化について着々と手を打っておるということは御承知のとおりでございまして、そのような実績を踏まえて恐らく総理判断されるんじゃないかというふうに思います。
  18. 狩野安

    狩野安君 いずれにしても総理大臣リーダーシップをいろんな形で発揮していただくことが大事だと思います。  今申し上げましたように、大震災のような緊急事態においては総理リーダーシップ発揮して迅速かつ適切な措置をとることが求められているわけですけれども、官邸においても総理を直接補佐するスタッフというのが意外に少ないということも言われております。このことはまさに今回の法改正趣旨でもありますけれども、総理女房役として官邸に実際にいらっしゃる中で、このようなことについて、ダブるかもしれませんけれども、梶山官房長官、何か実感のようなものがございましたらぜひお聞かせをいただきたいと思います。
  19. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 私自身がそれぞれの道に専門的な知識を持っているわけじゃございませんで、例えばこういう問題だと何か総理に言えることがあればいいなと思うことが幾たびかございます。それなりに私なりにつてを求め、人を求めてそういう人の意見を聞くのでありますが、時間的な制約もあって確実な資料を全部収集して総理にお渡しすることもできない、またその意見をどうまとめて伝えるか、またそれだけの集約性も私にございません。  そういうことを考えますと、折に触れ一番大切な問題について総理が専門的な調査を命じ、あるいはお願いをし、そしてその人の専門知識をどこまで生かして総理の職分を果たしていくか、こういうことは私は数多くあるのではないかという気がいたします。その中で、特に大切な分野、これに補佐官制度を充当できるならば総理職責を果たすのに十分な形になっていくだろう、このように考えております。
  20. 狩野安

    狩野安君 官房長官もいろいろとお忙しい大変なお仕事をやっていらして毎日御苦労さまでございます。  今度の法改正の中でも、内閣官房長官官房長官不在のとき長官の定めるところにより職務を代行することになっておりますけれども、これにより日常の業務に忙殺されず中長期的な課題に専念することがこれからはますます長官としてはおできになるわけですから、大いに外に向かってもこれまで以上に活躍をしていただきたいというふうに期待をしております。これについて官房長官の抱負をお聞かせいただきたいと思います。
  21. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 官房長官になる前は結構私なりの意見も持っていたんですが、平たく言いますと総理大臣の番頭でありますから、総理大臣の驥尾に付して毎日毎日をどう、切り盛りをしていくというと言葉が悪いんですが、内閣調整というか統一性を保ちながら前に進むことができるかどうか、毎日恐れおののきながら一日を過ごしておりますので、大それた大きな仕事を私が今できるとも思っておりませんし、できるだけ総理意向に沿って、そういうものの意見集約を行いながら補佐の任務を尽くしてまいりたい、このように考えております。
  22. 狩野安

    狩野安君 私も同じ郷里として官房長官大変期待をしておるわけですので、どうぞ御活躍のほどを心からお願い申し上げます。  そして、内閣官房が強力な体制になれば官邸機能強化されると思いますので、大いに力を発揮されることを期待し、また閣議によらなければ何もできない内閣総理大臣権限を少し強める法の改正も必要なのではないかと申し上げ、これに対してもし何か見解でもございましたらそれをお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。
  23. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 内閣法上いろんな制約があることは当然でありますし、また閣議での全会一致の慣例をもって今の総理権限行使が行われているわけであります。  しかし、総理はやはり与党やあるいは自分の判断に基づいて閣僚を任命しているわけであります。ですから、おのずと総理意向というのはそれぞれの大臣に、そしてまたそれぞれの大臣意向総理の胸中に以心伝心伝わる可能性一般よりは強いわけでありますから、これは総理リーダーシップ発揮に事欠く問題ではない、私はこのように考えております。
  24. 狩野安

    狩野安君 ありがとうございました。
  25. 友部達夫

    友部達夫君 平成会友部達夫でございます。  私は、この法案に反対する立場からいろいろ御質問申し上げたいと思います。  総理大臣補佐官といいますと、私は昔流に考えまして軍の参謀ではないかと思うんです。要するに、例えば日本海海戦東郷平八郎に対する秋山参謀のようなもので、あの秋山さんがいたからこそ日本海海戦は大勝利をおさめたわけでありまして、これは梶山長官陸軍士官学校から陸軍の将校になられたとお聞きしているものですからおわかりになると思うんですが、どうしても私はそういうところがいまだに忘れられないでいるものですから。  そこで、補佐官は三人でいいとなっていますが、私はそんな程度でいいのかと思うんですね。  もっとふやす必要があるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
  26. 藤井威

    政府委員藤井威君) 現在御提案申し上げている内閣総理大臣補佐官職責に関しましては、先ほど来官房長官からもお話がございますように、総理大臣に直接進言し、助言し、意見具申を行うということになっております。今、先生がおっしゃいますように、軍隊の参謀という例えが適切かどうかということは別にいたしまして、いずれにいたしましても内面的な強力な補佐をやっていただくという非常に重要な職責期待しておるわけでございます。  そういう職責を踏まえますと、余り多くの人数ではかえって効果的な運用期待できないんじゃないか。また、職の性格、性質も非常に格の高い職として考えているわけでございまして、そういうようなことを総合的に考えまして、効率的な運用という観点から三人以内ということで御提案したわけでございます。
  27. 友部達夫

    友部達夫君 ここに非常勤でもいいとなっているんですけれども、私はこういう重要な仕事非常勤じゃまずいんじゃないかというふうに思うんですが、常勤にしたらどうですかね。
  28. 藤井威

    政府委員藤井威君) 確かに非常勤でもという規定を置かせていただいております。  先ほど来申し上げておりますように、この補佐官制度内閣総理大臣との一体性が非常に高い官職でございます。内閣重要政策に関して助言するという非常に重要な職責を担うわけでございます。このような職務考えてみますと、補佐官に任命していただく方、そういう方々につきまして、その職務にふさわしい識見あるいは経験専門知識、そういったことを十分お持ちの人材を幅広く求めるということがどうしても必要でございます。  仮に勤務形態常勤と限ってしまいますと、かえってそういう幅広く人材を求めるという道を少し狭めてしまうのではないかということも考えまして、常勤原則としつつ非常勤でもすることができるというふうな規定の仕方をさせていただいたわけでございます。これによって内閣総理大臣判断の余地を広げているというふうに御理解をいただきたいと思います。
  29. 友部達夫

    友部達夫君 昔の連合艦隊には航空参謀とか航海参謀とかいろいろあったんですね、同じような参謀が。ですから、私はその方が総理大臣としてはやりやすいんじゃないかと思うんですが、それはしようがないですね。ただ、現在の梶山長官が同じように補佐をしておられるわけですけれども、梶山長官との関係が不明確であるとかえって官邸の指揮命令系統が混乱するんじゃないかと思うんですが、この辺はどうでしょうか。
  30. 藤井威

    政府委員藤井威君) 官房長官職責は今さら申し上げるまでもない最高の調整機能総合調整機能ということでございます。行政としての一体性を確保していく上での最高の総合調整機能を担っていらっしゃるわけでございます。それを助ける副長官、あるいはいわゆる官房五室というような制度がそれを支えていくという形に現在なっております。  今回御提案申し上げている内閣総理大臣補佐官は、先ほど来申し上げておりますように、総理大臣に直接意見具申する、直接助言をしてそれで内閣総理大臣の決断、判断を助けていく、そういう形での補佐考えておるわけでございまして、その辺の職責総理大臣補佐官を設けることによって意思決定過程が複雑化してかえって行政の効率を害するというようなことのないような工夫をしてあるというふうに御理解いただきたいと思います。
  31. 友部達夫

    友部達夫君 この補佐官制度については、先ほど狩野先生もおっしゃいましたが、例の阪神淡路大震災とかオウム・サリン事件とかありましたね。ただ、サリン事件というのは、昔、長篠の戦いで、当時無敵と言われた甲斐の騎馬軍団がありましたね。あれを迎え撃った織田信長がなぜ撃滅することができたかといいますと、あれは鉄砲を使ったからですよ。あの当時の鉄砲は新兵器だったわけです。新兵器を使ってやったからあの騎馬軍団をやっつけることができたわけです。  オウム・サリン事件は、これは確かに大事件で、人を殺したということは憎むべきことなんですが、これは明らかに新戦法なんです。日本が余りにも治安になれちゃったものだから、要するに余りにも日本が平和過ぎまして、そういうものになれちゃって、新戦法、いわゆるそういう戦法に対しての心構えが全然なかったということだと思うんです。サリンを使ったということは憎むべきことなんですが、一方ではこれは一つの戦法を使ったんだというふうに私は考えているんです。  それはちょっとおきますけれども、この大震災やオウム・サリン事件に対してどういうような改善を行ってこられたのか、その具体的なお答えをお聞きしたいと思います。
  32. 藤井威

    政府委員藤井威君) オウム・サリン事件に関しましては、当然のことでございますけれども、我々としては想像もできないような異常な事件であるかと思います。これに対応する行政全般あるいは政府全般の対応につきましても、そういう異常性を踏まえて各担当の官庁で全力を尽くしたというふうに思いますし、内閣官房といたしましてもそういう各官庁の動きにつきまして十分把握し、指示も行ってきたというふうに考えております。  さらに、その事後処理にも官邸としての総合調整機能発揮する余地がかなりございまして、信者対策であるとか被害者対策であるとか、そういう点につきましても官邸機能発揮してまいったつもりでおりますし、今後もそういう機能が求められているというふうに我々は考えておるところでございます。  災害に関する危機管理に関しましては内閣情報調査室より御答弁申し上げます。
  33. 大森義夫

    政府委員大森義夫君) 緊急時の官邸の情報収集のあり方についてどういう改善をしたかということでございましたので、お答えさせていただきます。  まず、大規模災害発生時の情報収集に関しましては、これまでにも阪神・淡路大農災の経験を踏まえまして、内閣情報調査室を官邸への情報伝達の窓口とすること、それから関係省庁の局長級が官邸に緊急参集して情報の集約を行うこと等の制度を設けるなどいたしまして改善を図ってきたところでございます。  さらに、先般、内閣情報集約センターを設置いたしまして専門要員による情報集約体制を整備したところでございますが、具体的には二十名を五個班編成にいたしまして交代制勤務を行い、常時一個班四名の者が二十四時間体制関係省庁、関係機関からの情報収集、集約に当たっております。  発足後対応した主な事例といたしましては、先般の北朝鮮空軍パイロットの亡命事案あるいは福岡空港における航空機事故等がございますけれども、いずれも関係省庁と緊密な連絡をとりながら迅速な情報集約、情報連絡に努めてきたところでございます。  今後ともセンターの効果的な運用等を図ることによりまして、緊急時の迅速的確な情報の収集、連絡に努めてまいりたいと考えております。
  34. 友部達夫

    友部達夫君 この補佐官の任命権、これは総理府にあるんですか。
  35. 安富正文

    政府委員(安富正文君) 補佐官の任命につきましては、規定の中にございますように、内閣総理大臣の申し出に基づいて内閣が任命するということになりますので、いわゆる閣議にかけて任命するということになってくるかと思います。
  36. 友部達夫

    友部達夫君 総理大臣本人にしたらどうなんですか、任命権を。
  37. 安富正文

    政府委員(安富正文君) 法律的な整備としては総理大臣が直接任命するという方法論もあるかと思いますが、先ほど来より議論がございますように、この内閣総理大臣補佐官は高い識見、専門的な知識を要求されるかなり格の高い組織であると考えております。横並びのもので考えますと、例えば政務次官等も内閣任命になっておりまして、そういう意味では格の高い組織にふさわしい任命形式をとった方がよろしいのではないかということで現在の形にしておるわけでございます。
  38. 友部達夫

    友部達夫君 これからさらに大きな改革に取り組んでいくんでしょうが、これで内閣機能強化は終わりということではなく、引き続き内閣機能強化に向けて努力する決意がおありかどうか、長官にお伺いしたいと思います。
  39. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) スタッフとラインの組み合わせ方、こういうものにも問題というか、これからいろんなことがあろうかと思いますが、いずれにしても総理が的確な判断をし的確な措置ができるようにするための補佐官でございますから、このことがさらによければ、そしてさらに必要とすることであれば将来はそういうこともあり得ると思います。  今、何と何が必要か、そして今、総理がどういうものをイメージし、どういう人を求めていくか。恐らく名参謀出よという思いでさっき話をされたと思うわけですが、それだけの名参謀、それはやはり橋本総理に対する名参謀でなければならないはずでありますから、橋本総理の思考の方式とかそういうものと合った人を求めなければなりません。ほかの方がこれがいいだろう、あるいは悪いだろうということはなかなか判断が難しいと思います。  ただ、橋本総理の資質あるいは自分の行こうとする方向、そういうものをおおよそ見定めながら私たちも進言をする、そういう努力は払ってまいりたいと思いますが、あくまでもこれは総理の内面的な機関でございますから総理判断でやるべきでありますし、その必要がさらに増し、国会でその機能というものの充実がさらに求められるならば、これは総理がみずからそういう決断をし、皆さん方に御提示があるものと考えております。
  40. 友部達夫

    友部達夫君 要するに総理と運命共同体みたいなものですね。わかりました。  では、すばらしい参謀ができるように祈っております。  終わります。
  41. 齋藤勁

    齋藤勁君 前のお二方の委員の質問に関連いたしまして、私の方も何点かお尋ねさせていただきたいと思います。  狩野委員の御質問の中に、必要性なり、それに加えて官邸からの肉声がなかなか伝わってこないという指摘がありました。これは具体的な人の名前とか、その方がどういうことをされてきたかということや、今どういうことをされているかということが出てきませんと、多分に理解しにくい部分があろうと思います。  そして、先ほど来梶山官房長官から、これは総理大臣が決めることですということでたびたび出ていますから、総理大臣の意中にあるのかもわかりませんし、置く場合もあるし置かない場合もある、こういうような答弁もあるので、さてこれは置かないこともあるのかなというようなことも実は受けとめなければならないんですが、私はこの法改正に賛成する立場でございますので、ぜひ早い時期に総理の意のうちを明らかにしていただきまして、閣議で決めていただいて、仕事をしていただきたいというふうに願います。  そこで、幅広い人材をやはり採る必要があるんではないかということがあろうと思います。ただ、冒頭申しましたように、なかなか人と名前というのが一致しませんが、イメージという点で言いますと、例えば梶山官房長官といいますとぱっと私どもはわかりますし、副長官もわかるんです。そしてまた、政策の点で言いますと、果たして橋本総理の上を行くような政策通の方がいらっしゃるのかどうか、橋本総理自身もそう思っているんじゃないかというような点もございますし、なる方はなかなか難しいのではないかなという気がしております。  お二方の質問とダブる部分もございますけれども、今言った点も含めまして幅広く人材を確保すべきだということ、そして早期に発令をしてほしいということとあわせて、置く場合もあるし置かない場合もあるしということになると、ここでは三名と書いてありますが、一名まず発令する、二名発令するということで、三名そろわなくても一名、二名でスタートしていくということも考えられているというふうに受けとめてよろしいのかどうか、お伺いしたいと思います。
  42. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) まさに総理考えに沿っての補佐官でございます。総理といえども欠点のない人間じゃありませんし、不得手の分野は数多くあるし、また総理の時間的なあるいは能力的な限界を超える問題があるわけですから、総理としては補佐官の三人の制度ができれば順次そういうものに対して人選を進めていくであろう、こういう推論はいたしておりますが、果たして総理の求めるような人がいるかどうか。  実はこれも置かなければならないということじゃございません。総理イメージし、そして総理が命じていろんな資料その他を調達し、そして総理に施策の進言ができる、この人間を求めることはなかなか難しいと思います。  今、内閣状況を見ますと、ここに内閣の人たちがみんないますからあれですが、どちらかというとやはり年功序列で上がってくるわけでありますから、それだけの人を外部から求めませんと、なかなかこのラインの中だけでは処理し切れない問題があることもこれまた当然でございます。  また、政治家というのはそれほど深い専門知識を持っておりません。一生懸命勉強してみても、なかなかその分野に専門的に当たっているわけにはまいりませんから、そのことができないということを考えますと、また今しょっちゅう会って総理の苦しみあるいは苦悩している姿を見ますと、そういう補佐がうまくできれば、そういう人があればいいなということを考えますから、この法律が通れば総理はやはり真剣にこの問題に取り組まれると、こう考えております。
  43. 齋藤勁

    齋藤勁君 長官は日々総理と接されているわけでございます。とにかくこれは衆議院を既に通過しているわけでございまして、総理から、官房長官、今度補佐官を任命するんだけれどもこういうようなジャンルでぜひひとつ人材のリストを出してほしい、こんなことを何か漏らしているようなことがあるのかどうか、ちょっとお尋ねしたいなというふうに実は思っているところでございます。  それから、先ほどの狩野委員の御質問の中にも、衆議院審議の際に、報道で沖縄問題担当ということで、先ほどこれは、いや確実にそういうふうにしますということで答弁したわけではないんだけれどもそういうことが活字になった、こういうようなお話がございました。  そこで再度お伺いしたんですが、具体的な氏名は別にしまして、例えば官房長官としてこういう部門で補佐官がいたらいいのかなというようなことで、多分それは頭の中にあるから沖縄問題と口に出たと思うんです。沖縄問題あるいはそのほかにこういうような補佐官がいらっしゃったらいいのかなというようなことについて、総理ではなくて官房長官自身のお気持ちでいかがでございましょうか。
  44. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 私が考えるべき分野ではございませんし、また総理判断が何よりも大切でございますから、その方向でいかれると思います。何をイメージするかといっても、総理から実際にまだその御下命がございません、率直に申しまして。総理は慎重な方でありますから、心の中では思っているかもしれませんが、参議院の本会議を通過してでないと出さないことがあの人のよさでもあります。そういう点のけじめのしっかりとした人でございますから、一刻も早く参議院を通過させていただくならば私たちにも御下命があるものと期待をいたしております。
  45. 齋藤勁

    齋藤勁君 今、議運の方で明日の本会議をいろいろセッティングしているんではないかと思いますが、私どもも一日も早く可決することを願っているものでございます。  さて、関連いたしましてもう一点ほどこの補佐官についてお伺いしたいんですが、どういう方が座るかによってこれは違いますけれども、いずれにしましても官邸の中に入るということで、これは政府それから議会のさまざまな情報がその方に入ってくるという、やはりそんなシステムがとられるべきだと思いますし、その辺はある意味では心配ないのかもわかりませんが、さらにまた運用の問題もあろうと思います。  補佐官閣議には出ない、ルール上出ないということは聞いておりますけれども、例えばほかの議会関係の会議とか総理の私的諮問機関等いろいろと会議がございますが、こういった会議への出席なんというのは現段階でどういうふうにとらえられているのか伺いたいと思います。
  46. 藤井威

    政府委員藤井威君) 補佐官職務が、内閣総理大臣の側近にあって、助言意見具申するという内面的な非常に重要な補佐機能ということでございます。  今まさに先生がおっしゃいますように、非常に重要で格の高いポストではございますけれども、閣議への出席は我々としては想定していないと言わざるを得ません。閣僚から構成される行政府の最高意思決定機関でございますので、これはちょっと想定しにくいというふうに思います。  しかし、そのほかの重要な会議につきましては、この補佐官にどういう機能期待するかということとの関連で恐らく総理が御判断されるものと思います。仮に特定のテーマについて高い専門性、高い識見、そういうことに基づいての特定のテーマに対する助言を求めておられるという補佐官だといたしますと、そのテーマに関連する重要会議にはおまえも出ろよと総理お話しになるのは当然のことでございますし、そのこと自体まさに運用の妙で、そういうことの出席は弾力的に行われるであろうというふうに思われます。
  47. 齋藤勁

    齋藤勁君 内閣総理大臣指導力発揮の一助となるようということで補佐をするための改正でございます。実効ある人事を願うものでございます。  引き続きまして、残る時間で官邸問題等について一、二お伺いしたいと思います。  クリントン大統領でございますが、世界の中でも非常に早くインターネットを通じてホームページを開設したということで、これが我が国にも波及いたしまして、たしか九四年の夏に「首相官邸」というホームページが開設をしたと思います。いつだったか私も新聞記事でアクセスしている件数がウナギ登りにふえているというふうに聞いておりまして、大変結構なことではないかなというふうに思っています。  実は私自身もホームページを開設いたしまして、自分の選挙区以外からもたくさん入ってきているので応答するのに非常に大変な労力を費やしているんですが、まず最初にお伺いしたいんですけれども、この首相官邸のホームページにこの間どのようなアクセス件数があったのか、そして日本、国外、そんな分類がございましたら内容等について伺いたいと思います。
  48. 半田嘉弘

    政府委員(半田嘉弘君) 官邸のインターネットのアクセス件数がおっしゃいますように大変急速に増加をいたしております。ことしの五月一カ月間のアクセス件数が百八十万一千件ございました。これを開設当初からの推移で比較いたしますと、今お話がございました開設をいたしました九四年八月は二万四千件でございましたが、一年たちました九五年八月には三十四万一千件、ことしの四月には初めて百万件を突破いたしまして百九万三千件というふうになっております。  それから、海外からのアクセスを国別に見ますと、今月、六月一日から十六日までの統計で見ますと、外国からの総アクセス件数は四万五千六十九件でございます。第一位がアメリカでありまして一万九千五百二十五件、第二位がニュージーランド千百九十九件、三位がカナダ千百八十二件、四位はイギリス千九十一件、五位がシンガポール千七十一件というふうになってございます。
  49. 齋藤勁

    齋藤勁君 橋本総理自身は実際にインターネットのホームページとかやられるんですか。マウスを使って操作されるんですか。
  50. 半田嘉弘

    政府委員(半田嘉弘君) 総理もたまにはやっておられます。
  51. 齋藤勁

    齋藤勁君 その先は、クリントンさんなんかともやりとりをされるんですか。
  52. 半田嘉弘

    政府委員(半田嘉弘君) 直接インターネットでやりとりはまだされておりません。
  53. 齋藤勁

    齋藤勁君 これは私の意見、要望でございますが、各議員の方々からも経験者としてのいろんなアドバイスをもらっているんですけれども、先ほどの件数ですと官邸の中で専門の職員の方が必要ではないかと思って、そんなことをいろいろ職員の方に聞きましたら、別に職員の方がこぼしているわけじゃないんですけれども、そういう意味では百八十万件という件数は大変な件数であります。日に何万件ということになるわけですけれども、体制についてはこれからどういうふうに考えられていますか。
  54. 半田嘉弘

    政府委員(半田嘉弘君) 大変新しい仕事分野でございますので、専門の職員の配置は必ずしもできておりません。これからこの種の仕事がどんどんふえてまいりますので、現在いる職員を訓練させながらだんだん対応していきたいと思っておりますが、今後の推移次第では専門の職員もということを考えてまいらざるを得なくなるかもしれないと思います。
  55. 齋藤勁

    齋藤勁君 私も存じ上げております首相官邸のホームページの内容でございますが、日々内容が変化しませんと幾らアクセスしてもいつも同じじゃないかということもありますし、そういう意味でいけば、件数と内容充実させるためには私は体制充実ということが必要であろうと思いますので、ぜひこの点につきまして格段の取り組みをお願いしたいということを要望させていただきたいと思います。  残る時間、外務省の方も見えていると思いますので、銃犯罪の問題についてお伺いしたいと思います。  近年、我が国も銃規制を非常に強化しておりますけれども、警察庁長官あるいは大手企業、報道機関に対する銃による犯罪が非常に多発してきているということで、暴力団関係者だけでなく一般社会にも入ってきているというようなことがあります。  私も先日、国会会期中でございますが了解いただきまして実はアメリカの方に行ってまいりまして、アメリカの銃犯罪について、激増しているということで銃の規制を行うべきだというようなことも上院、下院あるいは政府関係者にも実は指摘をしてきたところでございます。  一つには、これは邦人保護対策ということに限定させていただきますけれども、パスポート申請時、そして交付の際に銃犯罪多発地域あるいは多発国等の情報を提供していくということが一つ。  もう一つは、海外での銃犯罪の現状や予防策についてビデオを制作して、これは政府より各航空会社とか旅行会社等が積極的にしていかなければならないと思うんですが、各航空会社協力のもとで機内で上映する、こういうことが大切ではないかというふうに思います。この点につきまして、現状と、お考えがありましたら伺いたいと思います。
  56. 齋藤正樹

    説明員齋藤正樹君) まず最初の御質問のパスポートの申請とか交付のときに銃犯罪その他の情報を提供したらいかがですかと、こういうことでございますが、外務省としましては、邦人が海外において事件、事故等に巻き込まれないように、在外公館の有する治安とか安全の情報を各種メディアを通じまして、あるいは都道府県の旅券事務所等におきまして広く国民に提供してきております。  例えば、ここに「海外旅行のご注意」と称するパンフレットをお持ちしましたが、その中でこういうように書いております。「現地での銃器等の保有や使用の状況に留意する。日本ほど銃器の取締りが厳しい国は少なく、一般人でも容易に銃器が入手でき、使用される国はたくさんある。」、こういうことで注意しなさいというように呼びかけております。  今後とも銃犯罪に関するこのような情報を含めまして、事件、事故等を未然に防止するとの観点から可能な限りこのような治安、安全情報の収集に努め、広く国民に提供を図っていくこととしたいと思っています。  それから、そのような銃犯罪の現状、予防と防止のためのビデオを上映したらどうかということでございますが、一般的に外務省ではいろんな犯罪の手口とか安全対策等をビデオに作成しまして、いろんな場所で放映に努めております。まだ銃のビデオはつくっておりませんけれども、機内でこれをやる場合には各航空会社の積極的な協力が前提となりますほか、そういう新たなビデオを制作するということになりますと予算の問題もありますので、このような諸般の事情を考えまして、今後、何がどの程度できるかということを検討してまいりたいと思います。
  57. 齋藤勁

    齋藤勁君 ビデオ制作につきましては予算等もございますけれども、大切な人の命でございますので、ぜひ検討していただきまして、早期な対応をお願いしたいと思います。  あと一つだけ伺います。  官房長官、先ほど来ちょっとクリントンさんの名前を出したりしておりますけれども、このことで実は私もアメリカで日本人の御子息が銃で亡くなられた方の親御さんと会いました。そして、大変悲惨なお話も聞いて、今そのお父さんがアメリカで銃を取り締まってほしいということで取り組んでいることについて語る機会がございました。  そこで、例えばアメリカの大統領は外国でアメリカ人が亡くなったときにそれなりのコメントを出す。内政干渉とかいろいろ争いになるようなことは言ってはいないわけですが、ところが逆に我が国の総理大臣というのはそういうようなときに黙っている。私はこういうことは姿勢の問題として何かやはり考えるべきではないかというふうに思います。あってはなりませんけれども、邦人が銃犯罪の犠牲になったときに、総理みずからが相手政府に対し遺憾の意を表明するということは当然必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
  58. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 常識的には大変わかる話でございますが、それぞれ国ないしは国の指導のもとに行われている行為に対して異議があれば、例えば核実験を行えば核実験に対する抗議を申し込む、これは当然でありますが、銃犯罪はすぐれてこれは個人的な環境にある場合が多うございます。確かにアメリカに多発をしていることは現実でありますが、人口対犯罪件数、こういうのを見ますと、ほかの国にも数多くございます。  たまたま日本人にそういう被害があった場合、これはそれなりの対応は講じてはおりますが、これが一国を挙げて一国に例えば抗議を申し込むことが果たしていいのかどうなのか。個人と国家の問題でありますから、それぞれ非公式なルートを通じての意見の開陳はありますから、それに対してアメリカ政府は遺憾の意を表明したり、あるいはこれに対する取り締まりや銃犯罪の撲滅に向かっての行動を起こしていることは現実にございます。それを抗議という形で行うことがうまくいくことなのかどうであるかということに関しては、にわかに即断するわけにはまいりませんので、検討させていただきたいと思います。
  59. 齋藤勁

    齋藤勁君 終わります。     —————————————
  60. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 委員異動について御報告いたします。  本日、村上正邦君が委員辞任され、その補欠として岡利定君が選任されました。     —————————————
  61. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 今回の法の改正は、一つには、内閣官房長官職務に、官房長官職務を助け、内閣官房事務をつかさどり、長官不在の際はその職務を代行できるようにするということが一つと、もう一つ内閣総理大臣補佐官を三名以内設置することができるというものであります。  この限りでは私たちは特別異論を持つものではございません。したがって、私たちはこの法案に賛成であるということをあらかじめ申し上げておきたいと思います。その上で、正確を期すために幾つかの点について質問をしたいと思います。  まず最初に、先ほども質疑があったんですが、官房長官御自身にぜひお答えいただきたいと思うんですけれども、今なぜ補佐官制度なのかということです。  いろいろな答申が出ていることを私もよく知っております。第三次行革審の最終答申の中にもこの問題が触れられておりますし、その他いろいろな経過があったことは私も知っております。  しかし、先ほども出たことですが、細川総理のときには特別補佐官ということでやられましたし、それから村山総理のときは自民党、社会党、さきがけから各一人ずつの議員が補佐官という形で出て内閣をやっていかれた。そういうことから見まして、今どうしても法を改正してこういう制度をつくる、法改正もしてという点がいま一つわからないんですが、今なぜそうなのかという点について御説明をいただきたいというふうに思います。
  62. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) 先ほどの説明にもありましたように、答申をいただいていることもございますし、それから長い間懸案というか、それぞれが特別補佐官制度をつくったり、いろいろな試行錯誤を重ねてその実効というか、そういうものを確認して今日まで参っております。さらに、その効果を高からしめるためには身分をはっきりした方がいいであろう、こういう考え方があって昨年来この結論が出たわけであります。  ですから、確かにアメリカの大統領の補佐官制度イメージしている方もあるかもしれませんが、考えてみますと、こういう比較がいいかどうかわかりませんが、日本の総理大臣は諸外国のいわば元首、大統領あるいは首相と比べてみまして大変権限が弱い。それは決して悪いということじゃなくて、民主的であり合議制であり、そういう大きな枠組みが決まった中の総理であります。  ただ、そのラインだけに頼っていいのかどうなのかということになりますと、今日のような錯綜してしかもスピードの速い国際社会、あるいは国内のいろんな問題に対応するためには、専門的な知識を収集し、そして総理に直接意見具申できる立場の人をつくることは今の状態から見ますと私は大変必要がある、多い、そういう感じがいたすわけであります。  そういうところから、今回の三名以内ということでとにもかくにも発足をし、いわば総理考え得る最善の人を見つけることができてその専門的な意見や情報収集ができれば総理大臣の行動を大きく助ける、こういうもとになると考えております。
  63. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 次は、長官にお答えいただかなくて結構ですが、法に則したことでございます。  今度の改正案補佐官職務について、「内閣重要政策に関し、内閣総理大臣に進言し、及び内閣総理大臣の命を受けて、内閣総理大臣意見具申する。」、こう規定して、総理大臣の命を受けて総合調整機能の業務をやるとかあるいは指揮監督業務をやるとか、そういうことは規定されておりません。  総理に進言し意見具申を行うというふうに規定されておりますが、この法律では補佐官職務はそういうものだと理解してよろしゅうございますね。
  64. 藤井威

    政府委員藤井威君) 補佐官職務は、法律上、先生のおっしゃいますような規定の仕方をしておりまして、法律上の職務はまさにそのとおりというふうに考えております。したがいまして、内閣官房長官の究極の使命でございます最高の総合調整ということに関します権限官房長官にあるという従来の方向は全く変更ございません。  ただ、補佐官内閣総理大臣に対する内面的補佐助言を効果的かつ有効に実施していく、その過程において資料を求めたり説明を聞いたりというような活動が縦横に行われるということは当然予想される点でございますが、職務権限としては法律上おっしゃるとおりでございます。
  65. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 もう一つお聞きしたいと思うんですが、いわゆる公開性、透明性という問題があると思うんです。今ですと、いわゆる重要政策決定というのは行政機関で検討して、それが事務次官会議で決められ、閣議に上げられていって、そして閣議で検討し決まっていくわけですが、そういう通常のラインですと、そこでは一定の透明性というのが確保できるように思うんです。  しかし、今度の補佐官というのはいわゆる人物というか人という要素が非常に強いというふうに今までの議論でも説明がありました。そうしますと、ラインというよりスタッフという感じがいたします。それが直接的に総理といろいろ話し合っていろんなことが決まっていくと。進言し意見具申するという機能ですからそれはそれでいいんですが、そこのところの透明性というのが今までのラインのときよりもいささか不透明な部分が残るんじゃないかという気がするんですが、その透明性の問題についてはどのように理解したらよろしいでしょうか。
  66. 藤井威

    政府委員藤井威君) 先ほど来御説明しておりますように、内閣総理大臣補佐官職務助言意見具申、それによって内閣総理大臣の重要な職務、当然のことでございますけれども、内閣を代表して行政各部を指揮監督する、そういう職務を助けるわけでございます。  いわば内閣総理大臣期待されております強力なリーダーシップ、それを有効適切な助言によって補佐していくということでございまして、内閣総理大臣の最終的な政策判断意思決定、そういうものが内閣総理大臣によってきちっと行われるということは当然のことであります。その過程での助言でございますから、政策決定に対する内閣総理大臣決定ということに関して、透明性という観点あるいは国民からわかりにくいというような心配は私はそんなにないんじゃないかなというふうに思っております。
  67. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 法を正確に理解するためにもう一つ質問させていただきますが、これまで補佐官制度を置いて補佐官にこういう仕事をさせたらいいじゃないか、そういう提言があったことは事実だと思うんです。行革審の答申にも出ていますし、いろいろな形でそういう提言がなされている。それはどういう角度からかというと、やはり内閣総理大臣権限をうんと強化するというその立場から出ている提言が数多いというふうに思うんです。  先ほども私ちょっと言いましたが、いわゆる通常のラインで閣議に議案が出てくるということではなくて、もう首相が独断で、首相の判断でもってぽんとこの議題は出すというふうにしていく内閣の運営、いわば首相の独断でいろいろなことができる、そういうふうにしていく必要があり、そのためには強力な補佐官が必要だ、だから補佐官制度が必要なんだとかいう議論、提言、そんなものがありました。  また、先ほども出ましたが、そういうことであるならば補佐官閣議にも出席させるようにした方がいいと。それはさせない、そういうものではないという御答弁が先ほどありましたけれども、そんな角度から補佐官制度を置くべきだという意見があることは事実だと思うんですが、そういうものとは今回の法改正は別のものであるというふうに私は理解しますが、先ほどの権限の問題や何やからいいまして、そのように理解してよろしいですか。
  68. 藤井威

    政府委員藤井威君) 今回この補佐官制度を御提案申し上げております社会的、経済的あるいは国際的な非常に激しい環境の変化あるいは問題の複雑多様化、そういったことは御説明申し上げておりますが、さらにそれのきっかけになりました臨時行政改革推進審議会最終答申を読みますと、「内閣総理大臣指導力発揮の一助となるよう、内閣総理大臣が必要と考える場合、国政全般について必要な助言を行うとともに、命を受けて意見具申することにより、総理補佐する者を若干名置くことができる旨を、法律上位置付ける。」というふうに提言されておりまして、内閣総理大臣職務権限そのものについて現行の枠組みを根本的に変更するというような提言になっておりません。我々はこの趣旨を踏まえて今回御提案しておるわけでございまして、おっしゃるような大きな総理大臣権限そのものに触れるというような改正ではございません。
  69. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 最後に長官にお伺いしたいんですが、梶山長官は、これは長官のときじゃないんですが、ことし二月の文芸春秋の中で内閣のこの問題についても書いておられる。首相がもっと強力な指導力発揮できるよう内閣法改正する必要があるという旨の論文を書いておられます。  御承知のとおり、内閣法六条には「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」と出ておりますが、これだと閣僚の全員一致の原則をとるということになるので、大規模災害や安全保障上の非常事態では総理が強力な指導力発揮できない。ですから、こういう危機管理という観点から強力な指導力発揮できるよう内閣法改正する必要があるという趣旨の論文を書かれております。  そこでお聞きしたいんですが、ことしの五月二十四日の衆議院本会議で橋本総理は、これは直接長官の論文のことを言われたわけじゃないんですが、この問題について次のように答弁されております。「合議体である内閣の意思にかかわりなしに、内閣総理大臣単独の意思決定で指揮監督権が行使できるようにするということにつきましては、憲法の趣旨に照らして問題があるという指摘もあります。慎重に検討する必要のあることだと思います。」、こういうふうに総理は言っておられる。  梶山官房長官長官でないときに書かれたものであるということは私よく知っておりますが、趣旨から言うといささか違ってくるんじゃないかというふうに思いますので、梶山官房長官としてどんなふうに考えておられるのか、本音のところをお聞かせいただきたい。
  70. 梶山静六

    国務大臣梶山静六君) まず冒頭に結論から申し上げますと、総理の答弁に私も全く同意をいたします。  それから、私が申し上げた件は、確かに憲法七十二条に「行政各部を指揮監督する」という総理機能がございます。内閣法の六条では「閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する」、こういうものになっております。  確かに私が就任以前の問題でありますが、このことを私がイメージしたのは阪神淡路大震災の問題とみずからここに限定をして言っております。「定例閣議のある火曜日に発生したのは、不幸中の幸いというべきで、これが週末であったり夏休みの期間中であったりすれば、即座に閣議を開くのは不可能に近い。」。その場合にどういう措置ができるか、この問題を考えますと、私は内閣法というものを改正してでも、国民の生命、財産を守るために内閣は一義的に努力をしなければなりませんから、こういうものに拘束されて措置を誤っては大変だ、こういう思いがありました。  それから、きょう私のわきに法制局長官がおいでになりますが、私も内閣へ入って早速この問題を聞きましたけれども、考えてみればこの議院内閣制というのは極めて民主的なものであり、合議制をとるという本質的なものがある。これと災害というものをどう整合性を持たせるか。そういうこともございまして、多分閣僚は全部これを了承しているわけでありますが、橋本内閣においては二月二十三日に申し合わせをいたしまして、例えば東京に直下型の大地震があったときにどうするか。  これは今までそういうことを言うのは大変はばかったんですが、万一総理大臣に事故があればその代行は副総理がいたす、副総理に事故があったときは官房長官がいたす、官房長官に事故があったときには国土庁長官、そのようにいろんな規定を設け、なおかつ閣議が開催できない場合にも、電話でいわば閣議にかわり得る有効な措置をとることによってこの直下型の大震災に備える。これは政府として一番大切な国民の生命、財産を守るという仕事から見て内閣法の欠陥と言ってもいいと思うんですが、災害時にどう対応するかということを内閣法だけで読みますと、私は大変なおそれなしとしないと思います。  そういうことでありますから、せめて私も官房長官になって、万一震災が起きたときにどうするかという反省をするならば、この阪神淡路大震災の教訓を得て、これだけのことを少なくとも橋本内閣の中では閣議で申し合わせをして、そういうことが実行可能になった、これでその欠点を除去できた、私はこのように確信をいたしております。  確かに私の文言には勇ましいところもありますが、実際に入ってみますと、ちゃんとこの法制局長官がおりまして、これ以上の読み方は絶対に相まかりならぬ、総理大臣も、梶山気をつけろ、こうやられるわけですが、やはり危機管理というものは極めて大切でありますから、万一の場合この内閣法に縛られて閣議を経なければそういう措置がとれないということになれば国民に対して相済まない、私はやっぱり法律や憲法は国民のためにあるものだ、このように理解をいたしております。
  71. 聴濤弘

    ○聴濤弘君 これから長官と憲法論争をやる時間もありませんのでこれでとどめますが、私の質問は長官の本音はどこだということをお聞きしたので、今のことで論争はまたやらせていただきたいと思います。  以上で終わります。
  72. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  74. 鈴木正孝

    鈴木正孝君 私は、平成会を代表して、内閣法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  本法律案は、先般の第三次臨時行政改革推進審議会答申趣旨にかんがみ、内閣総理大臣に対する補佐体制充実を図るため、内閣総理大臣補佐官制度を設けることを主たる目的とするものであります。  内外の政治、経済、社会情勢の変化あるいは我が国の行政改革や緊急災害等の諸課題政府が迅速かつ的確に対応するために、今日ほど内閣総理大臣指導力発揮が求められているときはありません。そして、今回新設しようとしている内閣総理大臣補佐官はまさにそのための切り札として位置づけられるべきものであります。  しかしながら、本法律案内容を見ますと、残念ながら全く中途半端なものであり、その具体的なイメージを描くことができません。内閣総理大臣補佐官の設置が果たして内閣総理大臣リーダーシップ発揮につながるのか、極めて疑問であります。  まず問題にしなければならないのは、内閣総理大臣補佐官制度必要性や重要性に対する政府自身の考えや切実さが本法律案提案理由のどこにも見当たらないということでございます。  こうした政府の姿勢を反映してか、本法律案は、内閣総理大臣補佐官について、置くことができる、三人以内とする、非常勤とすることができる、任命権は内閣に属するなどとしております。  しかし、内閣総理大臣補佐官の設置を内閣総理大臣指導力発揮につなげようとするならば、内閣総理大臣補佐官の設置を法律上義務づけるのが当然であり、その人数ももっとふやすべきであります。また、内閣総理大臣補佐官職責は片手間仕事でできるものではなく、すべて常勤とすべきでございます。さらに、内閣総理大臣補佐官内閣総理大臣との関係考えれば、任命権も内閣総理大臣に付与することが妥当であると思われます。  以上、本法律案の問題点を列挙いたしましたが、内閣総理大臣指導力のより一層の向上を期するためには、内閣総理大臣自身の権限強化が不可欠であることを指摘して、反対の討論といたします。
  75. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  内閣法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  77. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 宮崎秀樹

    委員長宮崎秀樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十七分散会      —————・—————