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海老原義彦君 まだ具体的なプランにまではいっていないということのようでございます。これはひとつ早急に計画を立てられて、私
どももいろいろな形で協力したいと思っております。もちろん受給者の協力がなければできないことでございますし、受給者団体としてできる限りの協力をしてまいりたいと思っておりますので、ひとついいプランを立ててください。
さて、時間がないのでその他たくさんありますのを一括して、これはもうお答え要らない、要望という形でずっと申し上げていきましょう。
まず、湘桂作戦の問題がございます。湘桂作戦と申しますのは、
昭和十九年に中支から南支にかけて、省で言うと湖南省、貴州省、江西、広東、この四省にまたがる広大な地域で三十六万二千人という大動員の兵力を投入しまして、日中戦争最大の作戦だと言われているんですけれ
ども、我が軍にも一万九千三百という大変な死傷者数を出している。こんな激戦地であったにもかかわらず、先ほど申しました戦務加算が戦務乙、二月なんですね。これはどうも納得できない。
また、硫黄島も、硫黄島は生き残りが少ないんですけれ
ども、亡くなれば公務扶助料ですから加算の問題はなくなるんですが、生き残った方にはあれもたしか戦務乙だと思いましたね。そんなような問題がいろいろございまして、この加算の問題というのはほじくり出すと本当にいろいろあるんです。
これが、あいにく恩給は非常に不幸な時期がありまして、
昭和三十八年に復活してから慌てていろいろ整備をしたので、その当時、抑留加算、シベリア抑留者などの加算ですね、それから戦地外戦務であるとか沖縄であるとか若干の整備はしましたけれ
ども、
昭和十九年というと戦争末期なんで戦争中にはその整備ができなかった、それがそのままほうっておかれている
部分がまだ残っている。私はこの話を二十年も前に聞いたことがあるんですけれ
ども、もうとっくに片づいているのかと思ったらまだ残っておる。しかほど難しい問題だと思うんです。この加算の体系を整備するというのは今となってはなかなか手がつけられないんじゃないかという話も
方々で聞きました。それは難しい問題でございましょうけれ
ども、引き続き前向きの検討をお願いしたいということが
一つであります。
それから、もう
一つは遺族加算でございます。
これは公務扶助料が受給者に支給される。これは寡婦加算とのバランスを本来見なきゃならぬものですが、寡婦加算自体がまだ低額でございまして十五万六百円、これはもっと引き上げる必要があると思っておりますけれ
ども、遺族加算はさらに低い十三万二千六百円で一万八千円の格差がある。これはどう
考えても、何で同じような性格の加算二つを並べて片一方が少し高いのか。
昭和五十五年に
改善措置ができたときのこれもボタンのかけ違いなんですね、ちょっとしたボタンのかけ違い。決して受給者に損はかけていないという御
説明は聞いて納得しているんですけれ
ども、そのとき損はなかったといっても、差がずっとそのまま残っておるということは、やっぱりだれが見ても変な感じがしますよ。これは公務扶助料受給者の心情を考慮して、遺族加算と寡婦加算と同額にする、それで両方とも引き上げていくと
いうことが大事なんじゃないかなと思います。
それからいま
一つ、昨年の
改正で一日症と二日症の傷疾軍人に傷病
賜金が初めて支給されるようになりました。金目は少ない。少ないけれ
ども支給できるということは、長年の懸案を解決したことを大変高く評価するわけでございますけれ
ども、どうもその支給の方法が、金が少ないものですから、もらった人がかえって何だか恩着せがましくたった三万六千円ばかりよこしてというような感じもあるんですよ。例えば書状を添えて長年の御労苦をねぎらうとかといった措置でもとれれば、あるいは通知書の中にちょっと書くだけでもいいんじゃないかと思うんですけれ
ども、そういうもらう人の
立場に立ったお心遣いをひとつ御検討いただきたいなと思います。
以上、駆け足でございますけれ
ども、いろいろな問題があるということを
指摘いたしまして、ここで大臣の最後の御感想を伺いたいと思います。
恩給制度というのは百二十年の長い歴史、戦前完成された制度でございますけれ
ども、戦後非常に不幸な時期があっていろいろ問題が山積してきた、こういう制度でございます。また、その問題を解決していくたびに制度が複雑になりまして、今恩給法の体系というのは何か税法の次に難しいんだと、これをわかる人はよほど勉強しなきやわからぬのだというのであります。
幸いベテランの恩給局長が大臣にお仕えしておりますから、法律を全部読まなくとも、
内容はおおむねどういうことだということを把握して、ひとつ恩給
改善のために一生懸命御努力いただきたいと思います。これは最後のお願いでございます。
そういう趣旨での大臣の御発言をお願いいたします。