○上山和人君
自治省がその気におなりになればすぐわかることだと思うんですよ。これは
自治省が各自治体に、自治体以外のことは調べられないかもしれませんけれ
ども、その気になればこれはすぐ私は集約できることではないかと思います。それほど関心のなかった問題じゃない、今、
局長は大変重大な問題だとおっしゃいましたのでね。これからは、ただ漠然と眺めているよりは、やっぱりこの動向には今まで以上に関心を持って実態の把握にはお努めいただいた方がいいんじゃないかと思いますので、ひとつお願いを申し上げておきます。
私の手元にある資料で見ますと、
平成三年の参議院
地方行政委員会の議事録があります。当時の社会党の岩本久人議員が質問をしておりますが、質問者と
自治省の
政府委員の方の
質疑のやりとりを通じて年間約三百億、要する経費がその程度ではないかという資料がございます。これは正確な数字ではないと思いますが、質問者がそういう提起をして、お答えになった
政府委員の方がほぼそのぐらいではないでしょうかとお答えになっていますから、年間三百億ぐらいが費やされているという
一つのデータがあります、これはもう参考のデータにしかすぎないと思いますけれ
ども。
もっと近くは、おととし、
平成六年の十二月二十日の毎日新聞の朝刊ですが、そのころは
局長は国土庁においでになりましたか、お気づきにはなりませんでしたかね、この毎日新聞の記事につきましては。これが四十七
都道府県の
調査をして発表しておりますが、答えなかった県もある。しかも、これは一年間を通してではなくて、大蔵原案が内示をされる十二月二十日前後の短いこの期間に絞っての
調査であります。
三十六道県が大蔵原案内示の十二月二十日前後に東京に何人職員を送ったかということについて答えておりますね。三十六道県でトータル千五百四十七人、したがって平均四十三人の職員がこの短いほんのわずかの期間に上京しておりますね。多いところは山梨の百二十人、これは近いからでしょうけれ
どもね。そして、沖縄や愛知や山形が八十人を超えている。そういう大量の陳情団が上京してくるわけですね。
それに要した出張経費は幾らだったかという
調査に対して、二十七道県が答えています。トータル八千四十六万円ですから、平均三百万ですね。山梨が一千二百万、沖縄が一千万、このわずかの期間に陳情に要した経費として答えておりますね。
こういう実態について今まで
自治省が余り
調査をなさらなかったことについてはどうも納得しにくい面もありますけれ
ども、それはそれとしまして、笑えない笑い話として今まで私
どもにいろいろ伝わっておりますのは、わずかという言い方は語弊があるかもしれませんけれ
ども、数百万の
予算をつけてもらうために自治体の幹部が数十回も陳情を重ねた、それに要した経費の方がつけてもらった
予算よりも多かったと。もう笑えない笑い話になりますかね、深刻なそういう話題がずっとつきまとっておりますよ、この陳情行動につきましては。
一体この姿は何かということを私たちはいつも思ってまいりましたし、これではいけない、何とかしなければという思いはみんな同じではないでしょうか。やっぱり
地方分権を推し進める以外にこの問題の解決策はないという思いでずっと見てまいりまして、今回、三月二十九日に
中間報告が出たという経過になるわけであります。余り申し上げたくないですけれ
ども、ちょうどこの時期にまた霞が関の神話が崩壊する姿が具体的に表面に出始めております。これは、薬害エイズの問題をめぐる諸問題にいたしましても、住専処理に関連する大蔵省の問題にいたしましても、本当に偶然の一致なんでしょうけれ
ども、
中間報告が出たそのころから霞が関の神話が崩壊する姿が具体的に表面に出始めている。
私は、諸井
委員長が「明治維新、戦後
改革に次ぐ第三の
改革」の機会であって、この機を逃せば
地方分権の実現はあり得ないとおっしゃっていましたけれ
ども、
地方分権を具体化する時期はまさに成熟している、成熟しているという言い方も少しおかしいと思うんですけれ
ども、成熟していると思うんです。
自治大臣と
総務庁長官に、この
中間報告をどう受けとめていらっしゃるか、そしてどう評価なさっていらっしゃるかについて、再質問の必要がないように念を入れてお聞かせいただきたいと思います。