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1996-04-05 第136回国会 参議院 地方分権及び規制緩和に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成八年四月五日(金曜日) 午後一時開会 ――
―――――――――――
委員
の
異動
四月五日 辞任
補欠選任
菅川
健二
君
山崎
力君 ――
―――――――――――
出席者
は左のとおり。
委員長
浜四津敏子
君 理 事 斎藤 文夫君
服部三男雄
君 齋藤 勁君 委 員 阿部 正俊君 亀谷 博昭君 陣内 孝雄君 谷川 秀善君 野沢 太三君 小川 勝也君 小山 峰男君 続
訓弘
君
山崎
力君 今井 澄君 上山 和人君 吉川 春子君 小島 慶三君
政府委員
地方分権推進委
員会事務局長
東田
親司君
事務局側
常任委員会専門
員 佐藤 勝君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件 ○
地方分権
の
推進
及び
規制緩和
に関する
調査
(
地方分権推進委員会中間報告
に関する件) ――
―――――――――――
浜四津敏子
1
○
委員長
(
浜四津敏子
君) ただいまから
地方分権
及び
規制緩和
に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
菅川健二
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
山崎力
君が選任されました。 ――
―――――――――――
浜四津敏子
2
○
委員長
(
浜四津敏子
君)
地方分権
の
推進
及び
規制緩和
に関する
調査
のうち、
地方分権
の
推進
に関する件を議題といたします。
地方分権推進委員会中間報告
について、
地方分権推進委員会
から
説明
を聴取いたします。なお、
説明
は着席のままで結構でございます。
東田地方分権推進委員会事務局長
。
東田親司
3
○
政府委員
(
東田親司
君)
地方分権推進委員会事務局長
の東田でございます。 本日は、当
委員会
が先月二十九日に取りまとめました
中間報告
につきまして説明する機会を与えていただきまして御礼申し上げます。 それでは、まず当
委員会
の発足から
中間報告
までの主な
審議経過
について御説明いたします。資料一をごらんいただきたいと存じます。 当
委員会
は、
諸井委員長
を初め七名の委員により構成され、
地方分権推進法
が施行された昨年七月三日に発足いたしました。昨年十月には
地域づくり部会
、
くらしづくり部会
を設置し、先月末の
中間報告
までの九カ月の間に
委員会
、部会で延べ七十七回の会合を重ねてまいりました。
委員会
では、主として
機関委任事務
、国の関与、
必置規制
、
国庫補助負担金
、
地方税財源等
のいわゆる
制度的課題
について審議を行い、部会では、
地域づくり部会
が
土地利用
など主として
地域社会
の基盤にかかわる
行政分野
を担当し、
くらしづくり部会
が福祉・保健・医療など主として住民の暮らしにかかわる
行政分野
を担当して、
個別行政分野別
の課題について検討を進めてまいりました。 先月十五日には部会としての
中間報告
を
委員会
に提出し、
委員会
では
制度的課題
の検討結果に両部会の
中間報告
を加えた
委員会
としての
中間報告
を先月二十九日に決定し、同日、
内閣総理大臣
に提出したところであります。 なお、
地方分権
の推進に関し
国民各層
から幅広く意見を聞くとともに、
地方分権
の
必要性
をアピールするため、一日
地方分権委員会
を広島市及び前橋市で開催いたしました。 以上が、当
委員会
の発足から
中間報告
までの主な
審議経過
でございます。 次に、本題の
中間報告
の説明に移らせていただきます。 この
中間報告
は、昨年度中に
中間報告
をまとめるようにとの各界の要請にこたえ、
地方分権
の推進のための改革の基本的な方向について当
委員会
の現時点における考えをまとめたものであります。 お手元の資料二の「
地方分権推進委員会中間報告
(要旨)」に沿って内容を御紹介させていただきますが、一枚おめくりいただいた目次にありますとおり、本
中間報告
の構成は、第一章から順に、総論、国と地方の新しい関係、
地方公共団体
における
行政体制等
の整備、
地域づくり部会関係
、
くらしづくり部会関係
となっております。 それでは、要旨の一ページ目に入りまして、第一章の総論でございますが、ここでは
地方分権推進
の背景、理由、その目的、理念と改革の方向などについて述べております。
地方分権推進
の背景、理由としては、まず、今日では
中央集権型行政システム
が新たな時代の状況と課題に適合しないものとなって、その弊害面を目立たせることになったのではないか、一種の
制度疲労
に陥っているのではないかということであります。さらに、変動する
国際社会
にあって国にしか担い得ない
国際調整課題
への
対応能力
を高めること、東京一極集中を是正すること、個性豊かな
地域社会
を形成すること、来るべき本格的な
高齢社会
と
少子化社会
に的確に対応することを
地方分権推進
の背景、理由に挙げております。 次に、
地方分権推進
の目的、理念と改革の方向として、まず、それは
地域住民
の
自己決定権
を拡充することであり、
規制緩和
と
地方分権
は
中央集権型行政システム
の改革を推進する車の両輪であると述べております。さらに、この双方が並行して徹底して推進されたときに初めて明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革が成就するとの認識を示しております。 新たな
地方分権型行政システム
の骨格としては、国と地方の関係を上下、主従の関係から対等、協力の関係へと改める。国と地方の間の新しい
調整ルール
と手続を構築する。法律による行政の原理を徹底し、
行政統制
から国会による事前の
立法統制
と裁判所による事後の
司法統制
を中心とすることを挙げております。 また、
地方分権
を進めることは
地方公共団体
の
自治責任
の範囲が拡大し重くなることであるということ、
地方分権型行政システム
に期待される効果としては、知事、
市町村長
が国の機関から解放され、
地域住民
の代表、自治体の首長という本来の立場に徹することができるようになる。
地方公共団体
の
行政サービス
が住民のニーズに即応し、
地域住民
による選択に基づいた個性的なものになる。国、
都道府県
、
市町村
間の事務が簡素化され、時間、人手、コストの節約になり
行政改革等
に寄与することを挙げております。 次に、第二章では、本
中間報告
のいわば中核である
機関委任事務制度
の廃止に向けた
抜本的改革
及びそれに伴う新たな
システム
の構築が中心に据えられております。 まず、国と地方の
役割分担
については、
地方分権推進法
第四条にもうたわれており、
中間報告
もおおむねこれに即した表現となっております。ただし、③の全国的な規模、視点で行われねばならない
施策事業
については、当
委員会
としては
ナショナルミニマム
の
維持達成
、
全国的規模
、視点からの
根幹的社会資本整備等
にかかわる基本的な事項に限ることとしております。 次に、
機関委任事務制度
については、国と
地方公共団体
とを上下、主従の関係に置いている。知事、
市町村長
に地方の代表者と国の機関との二重の役割を負わせている。国と地方の
行政責任
が不明確となる。地方の
裁量的判断
の余地が狭くなり、時間とコストの浪費となる。縦割りの上下、
主従関係
が全国画一的に構築されるといった弊害が生じていることから、
機関委任事務制度そのもの
を廃止する決断をすべきであるとしております。
機関委任事務制度
を廃止することとした場合、これまで
機関委任事務
とされてきた事務を
地方公共団体
のどのような事務として再編成するかが問題となるところであります。 この際、
地方自治法
が前提としている
公共事務
、
団体委任事務
、
行政事務
という
事務区分
も一
たん白紙
に戻して再構築することが適当であると考え、
地方公共団体
が担う事務を
自治事務
(仮称)とし、専ら国の利害に関係のある事務であるが、国民の利便性や
事務処理
の
効率性
の観点から法律の規定により
地方公共団体
が受託する事務を
法定受託事務
(仮称)として、
地方公共団体
の事務を区分することとしております。 さらに、
自治事務
は
個別法律
に定めのない
自治事務
と定めのある
自治事務
とに区分しております。法律に定めのない
自治事務
の実施は
地方公共団体
の随意であり、法律に定めのある
自治事務
は
地方公共団体
が法律に従ってみずからの事務として処理することとなります。 こうした
事務区分
の再編成にあわせて、
地方公共団体
に対する国の関与の
あり方
も見直す必要が出てまいります。
地方公共団体
が担う事務についての国の関与は、必ず法律の規定にその根拠及び態様等を定めることとし、国の関与の態様は、
自治事務
と
法定受託事務
に応じて、この要旨の二ページ中ほどにあるような範囲内のものとすることとしております。 すなわち、法律に定めのない
自治事務
に関しては、国は
地方公共団体
からの
報告徴収
、届け出や技術的な助言、勧告のみを行うことができることとしております。法律に定めのある
自治事務
に関しては、国は法律に基づいて
報告徴収
、届け出、技術的な助言、勧告に加えて、特に必要のある場合の
事前協議
、
法令違反
の場合に
事後措置
としての
違法是正措置要求
ができることとしております。 このうち、
事前協議
については原則として意思の合致を必須の要件としないが、これによることのできない特定の場合については引き続き検討することといたしております。また、
違法是正措置要求
については、
留意点
として著しく不適正で明らかに公益を害していると認められるときに、
是正措置要求
を認めるか否かについて引き続き検討してはどうかとしております。
法定受託事務
については、国は法律に基づき
報告徴収
、届け出、技術的な助言、勧告、
事前協議
のほか、事務の適正な執行を確保するため、合法性、
合目的性
のチェックを含む指示を行うことができる。また、特に必要がある場合には、
事前事後
の関与として、認可、承認、代執行ができることとしております。 次に、このような
地方公共団体
が担う事務の整理についての
基本的考え方
を踏まえて、従前の
機関委任事務
の取り扱いについては、次のとおりとしております。 まず、
個別見直し
の結果、役割や使命を終えたと判断されるものなどは
事務自体
を廃止するということです。今後とも存続が必要な事務については、原則として
地方公共団体
の
自治事務
とすることといたします。 その上で、専ら国の利害に関係のある事務については、国民の利便、
事務処理
の
効率性
の観点から、
法定受託事務
として
地方公共団体
が処理するものがあります。その例として、国勢調査などの
指定統計
、旅券の
交付等
を挙げております。さらに、
地方公共団体
が処理することが不適当と判断される極めて例外的なものは、国が直接執行するものもあり得るとしております。 次に、国、
地方公共団体
間の
関係調整ルール
の創設について御説明いたします。 ここでは、
地方分権
の推進により、国と
地方公共団体
間の調整は、対等、協力の関係の観点に立ち、
立法統制
、
司法統制
にできるだけゆだねることとなることから、新たに国、
地方公共団体
間の
関係調整ルール
を
一般法
で定めることを提唱しております。(5)にありますとおり、これは官と民の関係を律する
行政手続法
的な考え方に準じて、国と地方の関係についてもその調整のルールと手続を定めようとするものであります。 その内容についての
基本的考え方
は、(2)から(4)のとおり、各個別法における国、地方の
関係調整
の方式は原則として
一般法
の
メニュー
の中から選ぶ、国の
関与等
の
基本的事項
は法律で定める、法令の
施行通達
は
報告要請
や
技術的助言
に限るなどとしております。 また、条例が
法令違反
であると認められる場合には、国の側から条例の
無効確認
を提起することができるような
争訟手段等
を
一般法
で定めることを検討する。国の関与の
あり方等
に関して国と
地方公共団体
との間の係争が生じた場合、裁判所とは別に、客観的中立的な判断ができる
第三者機関
の
仕組み
を
一般法
で定めることについて検討する、としております。さらに、国に対して
地方公共団体
が意見の申し出ができるものとする場合と、それに対する国の
応答義務
を挙げております。 次に、
必置規制
の
見直し
の方向について御説明いたします。
必置規制
、特に職員の必置は、
社会福祉
、
保健医療
、教育といった
行政分野
に多く見られますが、
必置規制
の結果、
地方公共団体
のそれぞれの事務の執行は担保される反面、現場での柔軟な対応が困難となっており、
住民サービス
、
行政改革
の面から、その
あり方
の改善が課題となっております。 このため、
地方公共団体
が地域の実情に即した自主的かつ責任ある行政を展開し、
住民サービス
の向上を図るためには
必置規制
の思い切った
見直し
を行う必要があります。ただし、その場合、
福祉サービス等
の
行政水準
の低下をもたらすことのないようにすることなどに留意する必要があります。
必置規制
には種々の形態がありますが、それぞれの性格に着目して
見直し
の方向を提示しました。すなわち、
行政機関
及び施設の設置義務づけについては、それがなければ
サービス
や事務が成り立たないようなものを除き、各
地方公共団体
にその事務の義務づけのみを行うという方向で検討する。職員の資格、職名、
職員配置等
の義務づけについては、
事務遂行
上必要な
職員体制
は原則として
地方公共団体
の
自主的判断
とする方向で
見直し
を行うこととする。
審議会等
の
附属機関
の設置義務づけについては、設置義務づけが依然必要なもの、
審議機能
を果たすことを義務づけることで足りるもの、自治体の判断にすべてゆだねるものなどに区分してその
必要性
を検討するといったものを
見直し
の主な方向として挙げております。 次の
国庫補助負担金
と
税財源
については、権限や関与の問題と並んで重要な課題でありますが、十分な審議時間が確保できなかったため、政府が一昨年末閣議決定した
地方分権大綱方針
をベースとして取りまとめております。これらの課題については、今後本格的に検討していくこととしております。 最初に、
国庫補助負担金
は、国と地方の責任の所在の不明確化を招きやすい、
地方公共団体
の自主的な
行財政運営
を阻害しがち、行政の
簡素効率化
や
財政資金
の
効率的使用
を妨げる要因となるなどの弊害が少なからず見られることから、真に必要な分野に限定すべきものとしております。 二では、
整理合理化
を推進するに当たり、
国庫補助負担金
の性格に応じて留意すべき点について、
奨励的補助金
は基本的に縮減、
経常的国庫負担金
は真に国が義務的に負担すべきと考えられる分野に限定、
総合的計画
に基づく
建設事業
に係る
国庫負担金
は投資を重点化、
国庫補助負担金
の
一般財源化
に当たっては必要な
地方一般財源
を確保といった点を挙げております。 一方、存続する
国庫補助負担金
については、統合、
メニュー化
、
交付金化等
、
補助条件等
の緩和、
補助対象資産
の
有効活用
、転用について引き続き検討すべきであるとしております。また、これにあわせて、
国庫補助負担金
を通じて各省庁の過度の
関与等
がなされ、
地方公共団体
の
自主性
、自立的な
行政運営
が損なわれることがないよう、
補助金適正化法
の運用及びその
あり方
について検討する必要があるとしております。
地方財源
の
充実確保
については、
地方税
については、基本的に地方における
歳出規模
と
地方税収入
の乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、
課税自主権
を尊重しつつその
充実確保
を図っていくべきであるとしております。
地方交付税
については、総額の
安定確保
を図る必要があるとしております。また、その運用の
あり方
については、地域の実情に即した
地方公共団体
の自主的、主体的な
財政運営
に資する方向で
見直し
を検討する必要があるとしております。
地方債許可制度
及びその運用の
あり方
については、円滑な発行を確保し、自主的、主体的な
財政運営
に資する観点から
見直し
を検討する必要があるとしております。なお、その際、
地方債
の良好な
発行条件等
を確保していくため、優良な
地方債資金
の充実、
地方債市場
の
整備育成
、
外債等資金調達先
の
多様化等
を図っていくべきとしております。 第二章の最後に、その他の事項として、国の
地方出先機関
と
地方事務官
が挙げられておりますが、いずれも今後、審議が深められるべき課題であります。国の
地方出先機関
については、
地方分権
の視点に立って、国からの
権限移譲
などが行われることに伴い、今後、所要の
見直し
を行うものとする。
地方事務官
については、暫定的な制度であり、
機関委任事務制度
の廃止に向けた
抜本的改革
に伴う国、地方の新たな関係にふさわしい
仕組み
となるよう引き続き検討するものとするとしております。 次に第三章ですが、
地方公共団体
における
行政体制等
の整備について提言しております。 最初に、国と地方との関係の
見直し
に合わせて、
都道府県
と
市町村
との関係についても
見直し
をしていかなければならないと考えております。
機関委任事務制度
が廃止されるということになりますと、
都道府県
、
市町村そのもの
の
役割分担等
も考えていかなくてはなりません。このため、
都道府県
と
市町村
との新たな関係の
あり方
につきましても、対等、協力の関係を基本としつつ、引き続き検討する必要があるとしております。 次に、新たな
地方公共団体
の役割を担うにふさわしい
地方公共団体
の
行政体制
の整備と国の支援につきまして、次の五点を挙げております。 一つは
広域行政
の推進であります。地域における行政も広域的な視点のもとに行うことが求められていることを踏まえ、一部
事務組合
、
広域市町村圏
、
広域連合
などの多様な
広域行政
の
仕組み
に積極的に取り組んでいくべきであるとしております。 また、
市町村
における
行財政能力
を充実強化していくためには
市町村
の自主的な合併を一層促進していく必要があるとしております。 さらに、
小規模市町村
に
権限移譲
を行う場合には、
市町村相互
の
広域行政
による対応、
中心都市
による
周辺市町村
との
連携支援
、
都道府県
による
補完支援
の
仕組み
を具体的に検討すべきであるとしております。また、
市町村
の規模や
行財政能力等
に応じた段階的な
権限移譲
を行うことの配慮の
必要性
についても触れております。 次に、
地方公共団体
においては今後とも
事務事業
の
見直し
など自主的、主体的な
行政改革
を一層強力に推進すべきであるとするとともに、人材の
育成確保
や人材の交流の促進を図る
必要性
についても提言しております。 また、
地方分権
の推進により
地方公共団体
の役割がますます重要になってまいりますと、そこでの行政をできるだけ住民にわかりやすくしていく必要があります。このため、
外部監査機能
の導入も含め
監査機能
を充実強化する必要があるということで、
地方制度調査会
の審議結果の結論が早期に具体化されることを期待することを表明しております。 それとあわせまして、
情報公開
の重要性についても提言しており、
地方公共団体
の情報の
データベース化
を進めるなど
情報提供
に努めるとともに、
情報公開体制
の整備を一層推進することとしております。 また、条例等に基づく独自の
行政処分等
に係る
行政手続
について、
行政手続法
に準じた措置を早急に講ずる必要があることを提言しております。 また、
分権化
の推進に合わせて、住民の行政への参加の機会を拡大するなど住民の意見を積極的に地域の行政に反映させていかなければならないということで、現在既に定められている直接
請求制度
の
見直し
や
住民投票制度
について検討することについても提言しております。さらに、昨今、非常に注目を集めております
ボランティア活動
との
連携協力
を図っていくことが重要であるとしております。 それから最後に、
地方公共団体
が新たな
地方自治
の担い手にふさわしい体制の整備をしていく際に、例えば適正な
定員管理
ができるように国の関与、
必置規制
というものを抜本的に見直すことや
外部監査制度
など新たな制度の導入の検討などについて国が支援していく必要があるとしております。 次に、第四章の
地域づくり部会関係
について御説明いたします。
地域づくり部会関係
につきましては、三月十五日の
委員会
において
部会報告
の内容が了承され、
委員会
の
中間報告
にそのまま盛り込むこととされたところであります。
地域づくり部会
におきましては、主として
地域社会
の基盤にかかわる
行政分野
を担当し、部会の
中間報告
までに十八回の会議を開催いたしました。その結果、特に緊要度の高い
土地利用関連行政
と
町づくり
に関連する行政を優先的に取り上げて審議を行ってまいりましたが、審議時間等の関係で主として
土地利用
の方の取りまとめが進んでおります。 最初の
土地利用関連行政
におきましては、
地方公共団体
において、現在、
都市計画
、
農業関係
あるいは
自然環境関係
などについての
総合行政
が十分に実施できないという問題点があるため、次のように見直す方向で引き続き検討することとしております。 最初に、現行の
土地利用制度
の中で、
都市計画区域
の指定とか市街化区域、
市街化調整区域
の区分とか
農業振興地域
の指定とか、あるいは
自然公園地域
の指定など
都道府県
内の広域的なゾーニングを行う事務を
都道府県
の
自治事務
とすることとしております。 さらに、保安林の指定、解除あるいは
農地転用
の
許可事務
を基本的に
都道府県
の
自治事務
とすることとしております。すなわち、現在これらの事務につきましては基本的に国の
機関委任事務
として
都道府県
で行っているものが多いわけですが、これらについて
自治事務
とすることとしております。それから、現在、国の権限として留保されている
流域保全保安林
の指定、
解除権限
あるいは二ヘクタールを超える
農地転用
の
許可事務
も基本的には
都道府県
の事務とすることとしております。 また、これらの
自治事務
につきましては、特に必要な場合には国への
事前協議
など国の意見を反映できる
仕組み
とすることとしておりますが、
地方公共団体
の主体性を一層発揮させるために、これらについては
留意点
の中で、国に
事前協議
する場合を限定すべきではないかという視点で取り上げております。 次に、詳細な
土地利用計画
に関する事務につきましては、
都市計画
の中でも
地域地区
の指定とか
都市施設
の決定、
農業振興地域
の中の
農用地区域
の指定とか港湾の
臨港地区
の指定とかについて
市町村
が定めるという方向で改革をしていくこととしております。その際にも、広域的な観点からの意見の反映等のできる
仕組み
を検討すべきこととしております。 また、
町づくり
に関連する行政につきましては、景観・建築、
都市公園
、
排水処理
、
地域交通
の四点について指摘しておりますが、今後本格的に検討することとしていることから、これらの事項について見直すべきであるとの意見があることを踏まえ、引き続き検討を進めることとしております。 次に、第五章の
くらしづくり部会関係
について御説明いたします。
くらしづくり部会関係
につきましても、三月十五日の
委員会
において
部会報告
の内容が了承され、
委員会
の
中間報告
にそのまま盛り込むこととされたところであります。
くらしづくり部会
におきましては、主として住民の暮らしにかかわる
行政分野
を担当し、部会の
中間報告
までに十七回の会議を開催いたしました。その結果、特に緊要度の高い六分野十五項目を選び、検討を重ね、改革の方向を示したところであります。 最初の福祉・保健の分野につきましては、
生活保護
の決定、実施については
自治事務
とする方向で引き続き検討することとしております。
社会福祉施設
などに関係する定員、
構造設備
、
職員配置等
の細かい国の基準の
あり方
については、
地方公共団体
の
自主性
を高め得るよう抜本的に見直すという方向で引き続き検討することとしております。
福祉事務所
の所長及び職員の
専任規定
とか、
保健所長
にかかわる
必置規制
としての医師資格規制については、廃止する方向で引き続き検討することとしております。 また、教育の分野につきましては、義務教育制度の教育課程の編成については地方の裁量の余地がほとんどないと言われておりますので、より一層の弾力化を図る方向で引き続き検討することとしております。 子供さんがどこの学校に行くかという就学校の指定につきましては、現在、
機関委任事務
でありますが、
自治事務
とする方向で引き続き検討することとしております。 義務教育費の
国庫負担金
については、大変細かい報告等を徴収することとなっておりますが、この手続を大幅に簡素化する方向で引き続き検討することとしております。 教育長の任命承認制につきましては、この際廃止の方向で引き続き検討することとしております。 次に、文化等の分野につきましては、文化、生涯学習関係の所管について、教育
委員会
の所管にするか首長部局の所管にするかは地方の判断にゆだねる方向で検討することとしております。 出土埋蔵文化財につきましては、現在、第一義的には国の所有となっているものの、実際の仕事は地方でやっていただいていることなどがあり、地方に所有権を移すなど地方が主体的な管理を行えるようにするという方向での検討を提言しております。 このほか、福祉・保健の分野では補助金要綱等による細部にわたる関与について、衛生の分野では産業廃棄物、一般廃棄物の処理について、幼児教育・保育分野では幼稚園、保育園について、雇用等の分野では勤労青少年ホームや
都道府県
における職業能力開発実施計画についてそれぞれ取り上げ、
地方分権
を推進する観点からの具体的な改革方向を提示し、引き続き検討することとしております。
中間報告
の内容についての説明は以上で終わりますが、最後に
委員会
の今後の予定を申し上げます。 この
中間報告
については、今後、各方面の関係者の意見を聴取するとともに、四月以降、全国各地で一日
地方分権委員会
を開催して、国民の皆さんの生の声を直接聞くこととしております。また、
中間報告
で十分な改革方向が示されなかった
制度的課題
や
中間報告
で取り上げられなかった
行政分野
、課題も残されておりますので、これらも含めてさらに審議を深めていくこととしております。 これにより、
地方分権推進
計画作成のための具体的指針の勧告の時期については、審議の状況にもよりますが、少なくとも緊要度の高い事項につきましてはできれば本年秋ころまでに、遅くとも本年中には行えるよう審議を進めてまいりたいと考えております。 以上で
中間報告
に関する私からの説明を終わります。
浜四津敏子
4
○
委員長
(
浜四津敏子
君) 以上で
説明
の聴取を終わります。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十分散会