○渡辺四郎君 今、
刑事局長からお話がありました。
考えてみれば、前回の
改正時点で、私どもは立法府におりながら、もう少し一緒になって
広域捜査のあり方についても
考えていい時期に来ておったのではないかということを私自身の
反省も含めて実は申し上げておるところです。そういう点から見て、もう少しオウムの実態が明らかになっておれば、あるいは
広域捜査のあり方についてもいま一歩踏み込んだ
改正が前回できておったんではないかと
反省をしておるということを申し上げておきたいと思います。
二つ目は、先ほどからもいろいろございましたが、やはり
警察としても、やる場合に一〇〇%確証があってやるものではないと。いろいろ疑いがあれば、初動
捜査の段階からきっと非常に心を使いながら
捜査を始めていくわけです。坂本弁護士一家の拉致
事件あるいは松本のサリン
事件等で、特に松本のサリン
事件では、あの被害の実態から見れば、先ほど
刑事局長からお話があったように、どうしても第一通報者の自宅の前あるいは付近の被害が一番大きいということで、そこらに何かあるんじゃないかと
捜査を集中する、物証を探すというのも当然のことだろうと思うんです。しかし、やってみて、結果的にあの第一通報者は完全に被疑者扱いにされておった。家宅
捜査もされたという点から見れば、大変に私は気の毒な状況であったんではないかと。
ですから、前の委員会でも一回申し上げましたが、そこらは日弁連の方も言っております。先ほど続先生からもお話がありましたが、やはり自信を持ってやったことでも間違いがあるわけですから、間違いがあれば間違いがあったということを率直に謝罪すべきじゃないかということを、私この点では申し上げておきたいというふうに思っております。
次に、これは
意見として申し上げてお伺いしたいわけですが、
オウム真理教関連事件についてはおおむね完結に近いという状況に来ておるんじゃないか。またしかし、確かに六、七名指名手配の犯人が逃亡中で、今
全国挙げて、
警察は力を合わせて逮捕に向かっておるわけですが、そういう中で、オウム
事件全体として
捜査のどこかに問題があったのではないか、あるいは何が欠けておったのか、そういう徹底的な検証が私は必要ではないか。そういう中から今度の
組織改正の問題も出てきたと思うんですが、一部には
警察当局がうまくやっていれば防ぎ得たんではないかという率直な見方もあるわけです。
これは
警察庁が発表したわけじゃありませんが、あの
地下鉄サリン事件の二日後にXデーを設定しておった。その
態勢もあるいは訓練もできておった。二日間おくれたがために
地下鉄サリン事件の方が先になったという報道もあったわけです。
警察庁が中心になってXデーを設定しておった。そして、一斉に強制
捜査に踏み込もうという二日前に
地下鉄サリン事件が起きたというようなことも報道されておるものですから、ここらはこの時点で、
警察庁中心に
関係した各
警察本部と一体となって、この六年にわたる
捜査を厲粛に分析しながら、そしてその結果を国民に示すべきではないかという気がするわけです。
その前段として、ぜひひとつオウム
事件の
一連の検証を早急に取りまとめてこの委員会に提示をしていただきたいと思うわけですが、これは官房長でも結構ですが、いかがでしょうか。