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山本一太君
特別地方消費税につきましては、その他さまざまな例外規定などもございまして、例えば外国の大使等が任務遂行のために必要なものとして一定の方法により行う利用行為に対しては特消税がかからないとか、あるいはオリンピックや国際大会などがあるたびに現地の
旅館に、
消費税は取っても
特別地方消費税は取らないようにという通達があるという話も伺っておるわけでございます。
また、先ほど
局長が申し上げたとおり、都道府県から
市町村に対する
交付金の件等につきましても実はいろいろな疑問点がございまして、これを
一つ一つお尋ねしたいところでございますけれども、七十五分は先が長いと申しておりましたらかなり時間が過ぎてまいりまして、このままでは
特別地方消費税一本で終わってしまうということもございますが、最後に総括して
一言申し上げたいと思います。
私は率直に申し上げまして、
特別地方消費税が貴重な財源となっている県や
市町村が存在することは否定をするつもりはございません。また、厳しい
地方財政の中で特消税の吸収に当たっては
代替財源の問題を避けて通ることはできない、これが大前提だということも十分理解をしているところでございます。
名前は申しませんけれども、
地方行政に長年携わってこられた尊敬すべき先輩からも、
山本君、財源を新たに確保するというのは大変なんだ、君の気持ちはよくわかるけれども、特消税の問題はいろいろ大変なんだよというふうに御
指導いただいておるわけでございます。
先ほど来、遠藤
局長の月刊「
地方税」の寄稿文の話をいたしました。あえて
局長にはきょうは直接お尋ねをしなかったわけでございますけれども、その中で
局長が、
平成二年度の税制
改正における特消税存廃の議論というのは、
地方自治を守るか否かのこういうことにも匹敵する問題提起だったと言っておられたのが大変印象的でございました。なるほど、千何百億円の財源のためにこのぐらいの
決意をもって取り組んでおられるんだなということに、私は素直に感服をしたわけでございます。
しかしながら、諸先輩の御
指導をいただいたりあるいはいろいろな議論を聞いてきたわけでございますけれども、私はやはりこの
特別地方消費税についてはどうしても納得がいかないわけでございます。財源として有用であるというのは既成事実でございまして、そのことが、あの
平成元年の
消費税導入に伴いほかの税と一緒に吸収、
廃止されるべきであったこの不自然な税を今後も
存続させるという根拠にはならない、このように私は思うわけでございます。すなわち、税がなくなるから困る、そういうことが
存続の理由となるというのはこれはもう本末転倒の議論である、このように思うわけでございます。
それなら、
代替財源をどうするんだというふうにいろんな方からよく聞かれるわけでございますけれども、
地方交付税で調整するとか、あるいは法定外普通税の制度、難しいかと思いますが活用をするとか、あるいは
地方消費税の
税率を調整するとか、
幾つか可能な
考え方はあるように存じておりますが、それは
代替財源の問題も含め、吸収、統合に伴う問題について、専門的な見地から我々政にきちっとしたオプションを出していただくのがまさに専門家である皆さん方、官の方々の任務であると私は考えているわけでございます。
大変答えにくい
質問であると思いますが、
代替財源の話を
局長に今お聞きしょうと思いましたけれども、これはもう今までの中でいろいろとお答えをいただいておりますので避けたいと思います。
特消税の問題総括して申し上げるなら、旅行は先ほどの資料あるいは観光白書の例を挙げるまでもなく、もう大多数の国民にとって欠かせないレジャーというふうになっているわけでございます。一方で観光レジャー産業の振興、余暇
政策の
推進をうたいながらも、他方でそれを抑制するような
課税を行うということは、まず
政策としての整合性を欠くと私は思うわけでございます。
また、加えて言うなら、我が国では今後大幅な人口減が予想をされておりまして、今、
地方においては定住人口から交流入口の拡大へと
行政の力点が移っているところでございます。観光産業がもたらす交流入口の地域への経済波及効果は莫大なものがあり、特消税を含めこれを阻害する要因はできるだけ取り除くというのがやはり望ましい
政策ではないでしょうか。
これも用意してきたのですが、時間がないので簡単にお見せしますけれども、これは佐賀県の嬉野町の例でございます。(資料を示す)
定住人口の生活消費額、人口が大体二万人でございますので、一日の生活消費額を三千円としますと、三百六十五日で大体二百十九億円ぐらいになります。それに対し交流入口という点におきましては、宿泊客が嬉野町は年間で約百万人おるわけでございます。日帰り客というのは除くにしても、今の人ですと一日大体二万円ぐらい使うわけでございます。アンケートで大体この程度ということで調べたわけですけれども、二百億円といういわば経済効果があるわけでございまして、やはりそこら辺のところも十分考慮に入れた
政策の決定が必要であるということも申し添えたいと思うわけでございます。
また、国、
地方とも今大変
財政的に厳しい
状況が続く中で、今後も高齢化等いろいろと多様なニーズにこたえるため国民に対し税負担をより求めていかなければいけない、求めていかざるを得ない
状況にあるということでございます。私は、こうした
時代だからこそ納税に対する国民の理解と信頼を高める必要がある、このように思いますし、特に税の
徴収には
納税者をきちんと納得させる十分な理由づけが求められていると思うわけでございます。
この点で私は、先ほど
局長の論文を申し上げました。
地方自治を守るための闘いだったということでございますけれども、私にとってもこの特消税の議論というのは、税制上の不整合を抱えたまま
存続しているこの税の議論というものは将来の税体系を考える上で貴重な前例となる、このぐらいの問題としてとらえておりますし、税システムをこれからより健全なものに是正していくための
一つのメルクマールになる、このようにとらえているわけでございます。
特消税についても税の公平、中立、簡素という
観点からきちっと納得できるような理由を示していただければ、これはもちろん
旅館関係者も喜んで
徴収をすると思いますし、それなら私が
旅館を回って
説明してもいいと思っているぐらいです。
また、消費者もきちっとした理由があれば気持ちよく納税をするはずだと、このように思うわけでございます。
質問については、
局長に
一つ一つ随分真摯にお答えをいただいたわけでございますけれども、残念ながら本日の
説明では、
存続の根拠というのは極めて弱いと私は思わざるを得ないわけでございます。これではやはり
旅館関係者あるいは消費者を納得させられないのではないかということを今新たに思った次第でございます。
本日の議論を踏まえまして、撤廃に伴う財源の問題等については私どもも精いっぱい協力をいたしまして十分に議論をする、このことは前提にしつつも、特消税は今回の
地方消費税の
創設に伴いぜひとも吸収、撤廃、もう一度申し上げますが、ぜひとも吸収、撤廃をしていただきますよう重ねてここで強く要望申し上げる次第でございます。
特別地方消費税についてはもうこのくらいにしたいと思いますが、気がついてみれば七十四分になっておりまして、この後、介護保険あるいは
地方分権の
推進等いろいろと伺いたい点もございましたけれども、時間になりました。
いずれにせよ、
大臣を含め、
一つ一つの
質問に大変きちっとお答えをいただいたことを感謝申し上げ、また七十五分をいただきました我が党の諸先輩にも感謝を申し上げまして、私の初めての
質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。