○小川勝也君
大臣も同じ御認識なので安心をしたところでございます。
先日来、議論を聞いておりますと、国も
地方も非常に危機的な
財政の中、その
負担の割合をどのようにしようかあるいはどういう
負担が適切なのかという話題に終始しているような気がいたします。
さて、このような厳しい
財政状況の中での政治家の役割について
大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
今回議題となっております
地方税法並びに
地方交付税法に関する
法律案でございますが、これは優秀な官僚機構の方々が知恵を絞りながらつくった、あるいはこうせざるを得なかったというような
法律案と認識いたしますので、私
どもも賛成せざるを得ないと考えております。しかし、政治あるいは官僚機構はおのずからいろいろな役割の違いがあるように私には思えるのであります。言うなれば、今回の
法律案ではございますが、これはまさに官僚機構のルーチンワークの一部であると私は考えるのであります。そこで、このような厳しい
財政事情の中、国も
地方も大変だと。そんな中、政治家の本来の役割とは何でありましょうか。
私見を申し上げさせていただく時間をお与えいただきますれば、私
どもの国は、明治以来の優秀な官僚
制度と戦後できましたいろいろな諸
制度がうまく機能いたしまして、戦後の復興から社会資本の
充実あるいは福祉施策の
充実など、目覚ましい発展を遂げて今日まで至ったと思うのであります。その前提条件にあったのが、ごく一部の時期を除いての高い経済成長率にあったと言えるのではないか。
毎年毎年
税収がふえる、そして
予算規模も大きくなっていく。そんな中で、例えば
予算措置の中で借金
財政に陥ったとしても、次の年の収入がふえるのでありますから、その借金の相対的な額の大きさが次の年には小さくなっていく、こういう
予算を組む
財政の
措置にとって非常にいい条件のもとに支えられてきた。
ただ、先ほどの役割論で申し上げますれば、政治家は、安定してふえる収入の中からあるいは大きくなり続ける
予算の中から、社会資本の整備であるとか
地方の
充実であるとか福祉施策の
充実であるとか、よく言えば
歳出面を中心に仕事をしてきたと言えるのではないか。そして、悪く言うのであれば、選挙を意識しながら選挙区にいかに
予算を持っていくのか、あるいは業界や団体そして自分の支持母体に向けてどうやって有利な施策を実行させていくのか、そんなことを中心に仕事をしてきたのではないかと言えるのであります。そのことが、結果的に日本の隅々までこんな
充実したすばらしい国ができたことも否めない事実だと私も認識をしております。
ただ、そんな中、我が国はオイルショックという大きなハードルも踏み越えて高い経済成長を維持してまいりました。しかし、先日来の議論の中にありますように、
財政の
状況はこんなにも逼迫をしておる、あるいは
渡辺委員や
岩瀬委員の御
指摘のとおり、バブルの後とはいえ来年や再来年にたちまち
税収がふえるという、そんな甘い
状況ではないことは
皆さんの一致した見解でもあろうかと思うのであります。
今のこの重要な
財政危機を認識しながら、そして厳しい経済
状況も認識しながら、私はいろんな不安定な要因というか、心配な要因を考えることができます。例えば円高であるとか産業の空洞化、あるいは規制が多過ぎて新しい産業がなかなか創出できない、そして先ほ
ども話題になりましたが、
失業率の上昇等雇用の不安、あるいは今回の住専
処理によって明らかになったように、住専だけでない、ノンバンクだけではない、企業がそれぞれ抱えている不良債権の問題、これは
税収の
伸びが期待できないということのいろいろ大きな要因になっていくかと思います。
また、
財政の方を考えてみましても、国家的に農業に対してまだ保護を続けなければいけないとか、あるいは本格的な高齢社会が到来をする、そして先日来この審議の中で明らかになった四百兆円になんなんとする国、
地方を合わせての借金は、将来的に少子化を迎えた後の子供たち、我々の国の次代の人たちにこのツケを回すということにほかならないのであります。そんな
状況の中で、
景気回復待ちというような安易な施策でいいのでありましょうか。
今回議題となっております二法の
改正案、これはまさに優秀な官僚機構の仕事であると仮定をいたしまして、政治家の与えられた責務は何でありましょうか。私は、国、
地方の現在置かれている
財政状況と、
景気回復もままならない、
税収の
伸びも望めない今日の危機的な
状況をどう打破していくのかという問題こそが国民から負託を受けた国会議員の役割だと認識をいたしますし、ましてや議院
内閣制の我が国においては、政治家でありそして
内閣の一員であります
国務大臣の
責任は非常に重いと考えております。
この
財政の危機をどう克服するのか、そしてどう乗り切っていくのかということに対しまして、
倉田自治大臣の御所見をお伺いしたいのでございます。