○有働正治君 所管外ということは、あえて強調されない方がいい。確かに大蔵省の所管の
問題であることはわかるんです。わかるけれ
ども、あえて
自治大臣に対して
意見書を出すには、そういう意向も酌んで、
政府として
自治省として、
地域住民の
方々に大きな
問題だと
自治省の今の
答弁でもあったわけですから、当然そういう
立場で取り組んでいくべき
問題だと考えるわけであります。
実態というのは本当に私は深刻だと思っているんです。私も直接幾人かの方にお会いいたしましたし、直接お話もお
伺いいたしましたけれ
ども、本当にすさまじいものなんです。
私、
幾つかの事例を述べさぜていただきますけれ
ども、西宮市にお住まいの六十一歳の主婦の方であります。これは十二月の段階でお
伺いしたものでありますが、そのときは大阪市内のある病院に入院されておられる方であります。この方は抵当証券を兵庫銀行の西宮北口支店で購入した。同支店に貸し金庫を借りていたのが縁で、兵庫銀行の勧誘を受けて購入し、その際リスクの説明等は一切なかった。行員のこういう説明を信じて、八百五十万円を定期預金と同じ感覚で託したと。この方は、
大震災で家屋が倒壊して、一階に寝ていたため二階の下敷きとなり重傷を負い、救出されましたが、下半身麻癖の非常に深刻な事態で治療方法が今のところ見当たらないという
状況で、二重の痛手の中で先行きが真っ暗だ、この八百五十万さえ戻ればという悲痛の声を上げておられるわけであります。
神戸市在住の六十五歳の主婦の方で、その後鹿児島の方の知人宅をいわば転々としておられる方でありますけれ
ども、自宅兼店舗と数千万円の商品、顧客名簿を失われた方でもあるわけです。なじみの兵庫銀行の行員に抵当証券を買いませんかという勧誘を受けて、高利回りで元利保証であるからという決まり文句を言われて自分も購入した。兵庫銀行の破綻を聞いて、元本すら危ういという事実を知って兵庫銀行の行員に問いただしたところ、抵当証券に聞きなさいと言うだけだというんですね。こんなひどい話があるのかということをこの方は言っておられるわけであります。
また、芦屋市伊勢町の自宅において罹災された方、この方も本当に重傷を負われた方でありますが、一番新しい購入は兵庫銀行が破綻寸前の八月十五日です。破綻することを知っていながら直前まで購入を勧めていたという
状況で、
総額千百万円。その際、兵庫銀行が優秀であるということをこもごも強調され、イチロー定期よりも抵当証券の方が高利息で安全であると。しかし、リスクなどについてもただしたけれ
ども、兵銀を通して販売するのであるから大丈夫だ、元利金とも兵庫銀行が誓って保証するということを明言されていると。しかし、この方は慎重であって、出先のそういう銀行員の言い分だけでは不安だということで、本店の営業部
次長、名前も明確にありますけれ
どもここでは省略いたしますけれ
ども、その方にあえてその点について
確認を求めに行った、直接お会いして
お尋ねした。リスク、安全性に関しまして全く行員と同様の返事であったと。
しかし、その後の事態でショックを受け、激しい胃痛のため病院に入院されておられる。逃げ回るこの当時の営業部
次長に対してこの方は、終生許せぬ、極悪非道だと本当に怒りをぶちまけておられたんです。後はナシのつぶてと。信用を第一にする銀行のこんな態度があるのかということをこもごも言っておられたわけであります。
また別の方、御主人が九十歳で奥さんが八十四歳、神戸市灘区で家屋全壊の罹災に遭った方でありますけれ
ども、年金生活者にとって安全、確実、高金利と勧められてそれに頼りましたと、しかしその後の事態の打撃、これについても訴えておられるわけであります。
加古川市在住の六十歳代の主婦の方、これも加古川支店で、夫の退職金を含めて預金口座も全部抵当証券にかえたと。元本割れはないか、大丈夫か、リスクその他も聞いたけれ
ども、大丈夫だ、預金と同じで利息がよくて元本割れしないようになっているんだということであって、購入した。
しかし、その後の事態でこの人はうつ病となり、自殺未遂もされておられます。その病気の悪化。
それで奥さんはいわば御主人にないしょの形で、御主人にも言えない。人のお力添えでないしょにしていた御主人にも話して、やっとその点だけはほっとしたということもおっしゃっておられるわけであります。
長田区在住の主婦、七十九歳の方も、満期が来たときに再契約をためらったけれ
ども、口説かれて、銀行がいるから大丈夫なんだと、その上大蔵省元銀行
局長の吉田頭取、大蔵省がバックにいるからと、これはもうほとんどみんな言われているんです。
神戸市東灘区の元大学教授、七十九歳、国籍はスイスの方でありますが、この方は大学教授でもありますので、
総額四千二百五十万円でありますけれ
ども、非常に利息が高い、心配だということで、その点は本当に執拗に兵銀本店で説明を求めておられるわけであります。その際、利息が高いのは抵当証券を専門に扱っているし、親銀行もついているから絶対大丈夫だと、これがもう二言目に言われて、ミスター大蔵省もついていると、三言目はそれなんですよ。
そういう被害者から私はファクスでいただいたり、お手紙をいただいたり、それはもう悲痛な訴えが、地元神戸市の我が党の市会議員あるいは県会議員を通じて教えていただいた部分ももちろんございますけれ
ども、直接にもいただいて、実情というのはそれほど深刻なんです。
こういう実態について、つまり所管外という
立場でなくて
自治大臣として
国務大臣として、県議会が
自治大臣に
意見書を出したそれらの背景、
状況というのは、今私が紹介したのはその一端だと思うんですね。
政治家の
立場として、
国務大臣としてどう受けとめておられるのか、生の声をお聞かせいただければと思います。