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1996-02-16 第136回国会 参議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年二月十六日(金曜日)   午後一時開会     —————————————   出席者は左のとおり。    委員長          菅野  壽君    理 事                 鎌田 要人君                 溝手 顕正君                 続  訓弘君                 渡辺 四郎君    委 員                 関根 則之君                 竹山  裕君                 谷川 秀善君                 真鍋 賢二君                 松浦  功君                 山本 一太君                 岩瀬 良三君                 小川 勝也君                 小山 峰男君                 和田 洋子君                 峰崎 直樹君                 有働 正治君                 西川  潔君                 田村 公平君    国務大臣        自 治 大 臣  倉田 寛之君    政府委員        自治政務次官   山本 有二君        自治大臣官房長  二橋 正弘君        自治省行政局長  松本 英昭君        自治省財政局長  遠藤 安彦君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤  勝君    説明員        大蔵省理財局地        方資金課長    楠  壽晴君        厚生省生活衛生        局企画課長    高尾 佳巳君        建設省住宅局住        宅総務課長    古屋 雅弘君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 菅野壽

    委員長菅野壽君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に昨日聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 それでは質問させていただきますが、質問させていただく前に、倉田自治大臣は千葉県から選出された大臣でございます。加えて、県会においても議長まで務められました地方自治に明るい大臣でございますので、私ども御期待申し上げますとともに、地方自治振興のために今後御活躍を願うものでございます。  それでは質問に入らせていただきますけれども、何と申しましても現在一番問題になっております、また期待が大きいものは地方分権であろうかというふうに思うわけでございます。この地方分権も、もう検討段階より実行の段階へということで、昨日もそういう認識を示されておりましたけれども、これはそのとおりであろうというふうに思うわけでございます。また、地方団体からもいろいろな御提案をいただいておるわけでございます。この動きもいろいろ活発になってきておるわけでございますが、また国の方の地方分権推進委員会におきましても精力的に、三十数回に及ぶ審議を開催しておるということをお聞きしておりまして、御期待申し上げる次第でございます。  そこで、地方分権の点でございますけれども新聞等によりますと、総論は賛成でありますけれども、具体的に個々の問題に入りますと、それぞれの各省での圧力と申しましょうか、ブレーキがかかってくるやに報じられておるわけでございます。  そういう中で、自治省地方公共団体自治省としてこれを進める立場にございますので、この分権推進につきましての大臣の御所見、御決意、これをぜひお聞かせいただきたいと思うんです。
  4. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 岩瀬委員から、地方分権につきまして自治大臣決意いかんというお尋ねであろうと思いますが、冒頭、岩瀬委員は県の行政におきまして、また不肖私は県の議会におきましてある時期御一緒に地方公共団体の中で仕事をさせていただいたことがございますので、大変激励を賜りまして恐縮でございました。  地方分権推進につきましては、全国的な統一性公平性を重視する現行の画一と集権の行政システムを、住民地域の視点に立ちまして多様と分権行政システムに改めてまいりましょうということがまず第一の考え方でございます。  地方分権推進法は、私が申し上げるまでもなく、五年間に集中的、計画的な取り組みを行うことによりまして成果を上げようとするものでございまして、政府といたしましても、地方分権推進委員会から具体的な指針の勧告をいただいて、地方分権推進計画を速やかに策定して、着実に実施をしてまいる所存でございます。  地方分権推進委員会におきましては、去る十月十九日には「地方分権推進に当たっての基本的考え方」及び「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」をお示しいただきまして、二つの部会を設置して、地方団体関係省庁、有識者から意見を聴取しながら、地方分権を具体的に推進するに当たりましての改革課題につきまして精力的に審議を行っておるところでございます。  去る昨年の十二月二十二日には、委員会検討試案として「機関委任事務制度を廃止した場合の従前の機関委任事務の取扱いについて」が発表されたところでもございます。  本年に入りましてからは週二、三回の頻度で委員会部会を別個に開催されまして、掘り下げた審議を行い、三月を目途に委員会中間報告を取りまとめる予定と承知をいたしております。本年中には勧告が行えるよう審議を進めていくものと存じます。  御案内のように、地方分権推進してまいりますには、このこと自体今やまさに時代の流れでございまして、私といたしましても実りある成果を上げることができますよう強い決意で臨んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
  5. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 ぜひお願い申し上げたいと存じます。  それでは、補正の方に入らせていただきますけれども国税減収に伴いまして地方交付税への影響、九千百億円余を補てんするため政府として今回法律案を提出されたわけでございますが、この地方交付税総額確保という観点から、地方団体にとりましてはこのことは非常に歓迎すべきことだろうというふうに考えております。しかしながら、最近のようにバブル経済影響を受けまして国税が年々減収しておるというような段階で、そのたびごと地方交付税法の一部改正案を提出しなければならないということは、ある意味では地方財源独立性ということがないんではないかというようなことの証明ではないかと思うわけでございますが、この点について御答弁をお願い申し上げたいと存ずるわけでございます。  また、蛇足でございますけれども、国と地方歳出予算合計額における地方歳出額というのは三分の二であり、逆に租税は三分の一であるということは前々からも知られておるところでございまして、この点なども含めましてひとつお考えを伺いたいと存じます。
  6. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) お答えを申し上げます。  第一に御質問の点でございますけれども、今回の補正予算におきまして地方交付税が御指摘のようにこのままほっておきますと九千億余減ってしまうということでありますが、しかし普通交付税自体の決定は既に昨年の七月に行っておりまして、これの交付は四月、六月、九月、十一月と四回に分けて既に地方団体交付済みでございます。その上に、十二月には特別交付税の一部も交付をしているというような状況でありますので、交付税総額を今落とせるような状況ではない、交付税総額を確保しなければならない、そういう観点から今回特別会計借り入れ措置を行って、これを内容とする交付税法等の一部を改正する法律案の御審議をただいまいただいているところでございます。  御指摘のとおり、地方税財源が独立していなければならないということは私どももお説のとおりであろうと思っております。ただ、私どもとしましては、地方団体も共通の考え方でありますけれども、この地方交付税というのは地方団体共有固有財源である、そういう性格を持っているものということではありますけれども、現実問題といたしましては国税五税にリンクされておりまして、その一定割合ということになっておるわけでありますので、国税について国税当局が見積もりをするという制度の仕組みの中から外れるわけにはいかないということであります。  したがって、ことしのような経済情勢、税収の状況から判断して減収になるということもやむを得ないことではありますけれども、あるわけでありますので、地方団体財政運営支障を生じさせないためにはこれを補てんしてカバーしていかなければならないということで交付税法改正をお願いしているわけでありますので、御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。  特に、御質問の第二点にありましたように、国と地方最終支出については国が一、地方が二という比率でありますが、税自体国税地方税の配分が国の方が二で地方が一ではないかということがよく言われるわけでありまして、私ども地方自主性自立性、それから今後、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、地方分権に向けてやはり地方税財源充実を図ってまいらなければならないという立場からいって、この地方税財源が独立したものとして、地方税を中心に地方交付税財源調整制度も含めながら地方財源を確保していくということが非常に重要なことである、御説のとおりであるというように思っております。
  7. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 それに加えまして、固有財源だというような観点から申しますと、地方交付税資金は直接地方交付税特別会計に繰り入れられるべきだろうと思うわけでございます。また、このことは過般の地方分権推進委員会における地方団体説明の中にも入っておるところでございますし、またこれは相当昔からそういう地方要望と申しますか希望もあるわけで、こういう点でも努力いただければと思うわけでございますが、どうでしょうか。
  8. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) お答え申し上げます。  交付税特別会計への直接の繰り入れ、直入の問題でございますが、これはただいま御質問にありましたように、地方団体それから我々自治省としても悲願といいますか、非常に長い時間要求をしてきた問題であります。特に、先ほど御答弁いたしましたように、地方交付税地方共有固有財源であるという性格を明らかにする上からも、御説のように特別会計交付税を直接繰り入れるということを実現することが非常に望ましいというように思っておりまして、私ども、毎年度国庫当局に対しては要求をいたしておるわけであります。  ただ、これまで国庫当局との間でいろいろ議論をしているわけでありますけれども地方交付税一般会計から除いてしまうというようなことになりますと、一般会計自体が国の財政全体を反映しなくなるというような問題、あるいは収納実績に応じて交付税交付するということに直入いたしますと結果としてなるわけでありますけれども、そういたしますと現在の四月、六月、九月、十一月というような時期に一定額交付するということが大変難しくなるのではないかというような国のサイドの主張といったようなものもありまして、なかなか国庫当局との合意を得るに至っていないところでありますが、私どもとしては、これからも粘り強くその実現に向けて努力していかなければならない問題であり、努力していくつもりで今後も取り組んでまいりたいと思っております。
  9. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 ありがとうございます。  それとともに、別の観点からなんですけれども交付税を今回の補正に伴って借入金によって賄っていただいたわけでございますが、この交付税特会借入金総額平成七年度末で十一兆七千億になるというような資料になっておるわけでございます。十一兆七千億というとかなりの額でございまして、これをちょっと古いところから見ますと、昭和五十九年当時、この交付税特会借り入れが非常に多額になるからということでもうやめようというのがあったのは記憶しておるわけでございますが、このときの額が五兆円を超える額だったというふうに思うわけでございます。その倍以上にもなってきているというようなことで、かなりの借入金の増額になってきておるわけでございます。また、普通会計が負担しなければならないものを加えますと、企業債も含めてでございますが、平成七年度末については百二十四兆円に地方団体の負債のようなものがなっていくということで非常な高額になってきておるわけでございます。  このように地方団体も国と同じように相当多額借金を生じて、将来これを償還していかなければならないというわけでございまして、国の方も財政危機宣言を出されたわけでございますが、地方の方もそれに近い状態になってきておるんじゃないかというふうに思うわけでございます。このことは、平成八年度においてもまた多くの借金をしていかなければならないということもあるわけでございます。  こういう中で地方団体にも借金が非常に多くなってきておる、こういう状況についてどのようにお考えになっておるのか、またその対処の方法ということも必要になってきているんだろうというふうに思うわけでございますので、この点御質問いたしたいと存じます。
  10. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 岩瀬委員指摘のように、地方財政は大幅な財源不足状況に置かれておりまするし、また平成七年度末では百二十四兆円に及ぶ多額借入金残高を抱える見込みとなります。しかしながら、一方、住民に身近な社会資本の整備や災害に強い安全な町づくりであるとか、さらには総合的な地域福祉政策充実など、地方団体が負っていかなければならない役割というのはますます増大をしているのも事実でございます。地方財政は極めて厳しい状況に置かれておることは、御指摘のように私も十分認識をいたしておるところでございます。  なおまた、財政危機宣言についてのお尋ねがございました。これは昨年の十一月でございましたが、財政危機宣言を行っております。地方財政につきましてもまことに厳しい状況にあることは同様でございまして、このような状況にあることを国民の皆様にも御理解いただく必要があることは変わりございません。  私どもとしてやらなければならないことは、こういう状況のもとにおきましても地方団体がその役割を十分果たしていけるように必要な財源を用意いたしまして地方財政運営支障が生じることのないようにすることであると、こういうふうに考えているところでございます。そのためには最大限の努力をいたしてまいる所存でございます。
  11. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 御努力をお願いいたすわけでございます。  また、そういう中で財源が不足しておるというのは、もう何年もこのところ続いておることだろうというふうに思うわけです。これはバブル影響ということも言えるわけでございますけれども、一方、財源が不足しているんだというのも事実なわけでございます。  そういう中での地方交付税でありますと、こういう財政需要財源が満たない場合には、交付税法上、地方財政地方行政に係る諸制度改正とか地方交付税率引き上げ、こういうようなことがうたわれておるわけでございまして、こういう点で地方交付税率引き上げ、もちろん国家財政が苦しいことはわかりますけれども、それとは別にこういう法律上の問題もあるわけでございますし、地方財政にとっても大事な点があるわけなんで、この引き上げ措置努力すべきじゃないのかというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
  12. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) ただいまのお尋ね地方交付税法の六条の三第二項の規定適用をすべきではないかという御指摘であろうかと存じます。  この規定は、普通交付税総額がおおむね一割程度以上財源不足が二年連続して生じ、三年目もそういうような状態になったときには、方法論として二つあるわけでありますが、一つ地方行財政制度改正か、御指摘のような交付税率の変更を行うべきものというようにされているわけであります。  この規定適用が今回の補正段階で直ちにこの状況に合致するわけではありませんけれども、後ほど御審議をいただきます平成八年度に向けての地方交付税法等改正の中に出てまいるわけでありますが、平成八年度の地方財政につきましては平成六年度、七年度に引き続き大幅な財源不足が生じるということになって、この法律規定に該当をするということになるわけであります。  私ども交付税率引き上げというものも当然念頭に置いてこの補てん措置検討したところでありますけれども、最終的には交付税率引き上げといったような恒久的な制度改正を行うにはやっぱり少し問題がある。条件がある。一つは、景気の推移というものを見きわめる必要があるのではないか。それからもう一つは、平成九年度に地方消費税の創設を控えているわけでありますが、平成八年度に税制に関する改革議論予定をされているといったようなことで、この交付税法の六条の三第二項の規定に基づく制度改正として、平成八年度限りの特例措置として通常収支に係る地方交付税について半分を国に責任を持って補てんしていただくという措置を講じたところでございます。  これにつきましては地方交付税法等改正案を国会に御提出させていただいているところでございますので、その機会にも十分御審議を賜れば幸いであるということで、御理解を賜りたいと存じます。
  13. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 時間が少なくなってきましたのでちょっとはしょりますけれども交付税特会借入金または起債残高等を入れますと平成七年度末には百二十一兆円を超えるというようなことが言われておるわけでございますし、平成八年度末では百三十六兆円を超えるんじゃないか、こういうことが言われておるわけでございます。  一方、バブル不況打開のため何回かいろいろ経済対策を行ってきておるわけでございますが、この経済対策事業規模平成二年度以降では六十四兆円ということが言われておるわけでございます。もちろん、それにはそれぞれの有用性があるわけでございますが、この事業につきましては国と地方あわせてこの対策をとっておるわけでございます。そういう中で地方単独事業を含めた起債償還、これが非常に多額になってきておることは先ほど申し上げたとおりでございますが、この起債償還地方団体についてはなかなか大変でございます。  そういう中で眺めてみますと、起債償還利率の高いのがかなりまだあるんじゃないか。世の中、公定歩合が〇・五%の時代でございまして、こういう高い利率起債というのがどの程度あるものでしょうか、お答え願いたいと存じます。
  14. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) 高金利起債というのをどういう水準ととらえるかという問題が一つあろうかと思いますが、今から十年前の昭和五十八年、決算でいいますと一番新しいのが平成五年度でありますので、十年前の五十八年度の決算のときと比べてみますと、昭和五十八年度では七%を超える金利起債残高が全体の七六%、四分の三ぐらいは七%を超えておったということでありまして、一方、五%以下のものは起債残高はない、ゼロということであったわけであります。  十年たちまして、平成五年度でありますが、七%を超えるようなものは起債残高のうち一五%程度ということで、大きく減少しております。五%以下のものが五一%ということでありますから五%以下の部分が半分以上になるということで、やはりこれは社会経済情勢反映でありますけれども、全体の金利反映してこういうような状況になっていることをお答え申し上げます。
  15. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 その時々の利率反映であり、起債は長年にわたって償還するものですからある程度はやむを得ないというふうに思うわけでございますが、低金利時代がもう何年も続いておるわけで、一方、地方公共団体も経費の効率化を迫られておるわけでございますけれども、こういうものの借りかえ、繰り上げ償還、こういうのは何だかなかなか難しいというように聞いておるわけですが、こういう点ではいかがでございましょうか。  また、いろいろなところと申しましょうか、銀行など民間金融機関はもちろんでございますけれども政府の方の資金運用部資金簡保資金等々は公的資金でもあるので、地方公共団体効率化を図る、足腰を軽くしていろいろな事業ができるようにしてあげるということも一つ地方対策ではないかと思うわけでございます。そういう点でこの借りかえというものをもっと気軽にやらせるような形にすべきじゃないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
  16. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) 御質問地方債の繰り上げ償還あるいは借りかえの問題というのは、基本的には借りている地方団体サイドとそれから貸付機関との間の問題であるというように思っております。  ただ、公的資金、いわゆる政府資金とかあるいは公営企業金融公庫資金などで申し上げますと、やはり貸したときの資金調達原資のコスト、そういったものがあるわけでありますので、その後の金利情勢によって金利が低下をいたしますと、繰り上げ償還借りかえというようなことになりますと逆ざやになってしまうというような問題があるようでございまして、一般的に繰り上げ償還借りかえを認めるということはなかなか難しいという状況であります。  ただ、公的資金につきましては、金利だけではなくて民間の縁故の資金と違いまして非常に長期間にわたって返済できるというような条件面のメリットもあるということでありまして、その辺で一応公的資金役割というのは果たしているのかなというように思っているわけであります。  ただ、公営企業金融公庫資金などにつきましては、経営健全化という観点でありますけれども、そういった観点からの、例えば上水道の高料金対策等といったようなことで、既発行公庫債の一部について借りかえを認めているという制度はありますが、これは一般的な制度ではなくて、やはり経営健全化という観点からのてこ入れということで御理解をいただきたいと思います。
  17. 岩瀬良三

    岩瀬良三君 なお一層この高金利起債の点についてはひとつ御努力いただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
  18. 有働正治

    有働正治君 私は、限られた時間でありますので、きょうは法案とのかかわりで火葬場建設事業に対する国の助成制度の問題、この問題でお尋ねしたいと思います。  最初に大臣お尋ねしますが、言うまでもなく火葬場地域社会に密着した極めて公共性の高い福祉施設でありますし、都市施設でもあります。  同時に、近年、周辺の環境を損なうことのないようにということで、煙の出ないいわゆる無煙、またにおいも出ないということで無臭、こういう衛生施設といたしまして、また省エネルギーを配慮した近代的な、多くの機能的な施設として、そして同時に人の最期を送る場にふさわしい施設にと、これは御遺族その他からの要望等施設状況を見ましていろいろ出されてきている、それに応じて自治体としていろいろ新しい取り組み、工夫がやられているという状況にあるわけであります。  この点で、まず大臣火葬場についての御認識、また自治体として、あるいは自治体が共同して組合としてやられているところももちろんございますけれども、そういう努力等についてどういう御認識でおられるか、まず大臣お尋ねしたいのであります。
  19. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 有働委員から火葬場についてのお尋ねでございますが、地方団体におきましては、人口の高齢化あるいは都市化の進展など、さらには現下の財政事情の厳しい中で、住民生活を営む上で地域にとって欠かすことのできない施設である火葬場建設運営につきましては、住民のニーズにこたえるべく鋭意努力をしておられる、こういうふうに承知をいたしておるところでございます。
  20. 有働正治

    有働正治君 私のところにも幾つかの自治体、組合あるいは団体等から要望がこの問題で寄せられているわけであります。  例えば熊本市では、現在、老朽化した施設の建てかえを検討中でありまして、ここは広い土地を所有しています、文字どおりの改築でありますが、それにしても人口六十万余を抱える自治体として、四十億円経費が必要だということで財政問題、地方財政危機の中で改築には大変頭を痛めている。そういう中で、市長、市議会議長名で政府に対しましても「火葬場建設事業に対する助成制度の創設」、こういう要望書を出したと。ついては、こういう問題を地方行政委員会の私のところにもということで要望が届けられたわけであります。  その要望の中では、地域社会に必要不可欠となっている上水道、下水道、ごみ処理施設等の生活環境施設は国庫補助等の施策が講じられているにもかかわらず、同様に必要とされている火葬場のみが国庫補助制度適用外となっているため、その建設費は地方財政にとって大きな負担となっており、事業の実施が困難になっている自治体も見受けられる状況でありますと、こういうことを訴えながら、火葬場施設整備に伴う国庫補助制度の創設をお願いしたい、こういう御要望の内容であります。私は現物をここに持っています。  新潟市の場合は、一つ火葬場施設をつくるのに土地に約七億円要しまして、それを含めまして五十七億円かかったというのが実情で、新潟県内でもあちらこちらで今後増改築をやりたいと。熊本県でもそうです、恐らく大臣の千葉でも同様の状況にあるんだと思うのであります。  まず、事実確認を含めまして厚生省にお尋ねしますが、一つには、ごみ焼却場建設への補助制度はどうなっているのか、厚生省分の予算として年間お幾らぐらいなのか、お答えいただけますか。
  21. 高尾佳巳

    説明員(高尾佳巳君) お答えいたします。  ごみ焼却施設に対します国庫補助制度の概要と実績でございますが、これにつきましては、簡単に数字だけ申し上げますと、私ども厚生大臣が定める基準に基づきまして算定した額の四分の一以内の額を補助するという形になってございまして、平成六年度の実績におきましては百五十一施設、四百四十四億円の補助を行ったところでございます。
  22. 有働正治

    有働正治君 引き続き、厚生省にお尋ねしますけれども、ごみ焼却施設建設は今のように補助制度があって、厚生省で年間四百四十億円余が出されていると。一方、火葬場建設については補助制度がどうもないということのようで、この事実関係がどうなのか。  関係自治体からさきに私が挙げましたようなそういう要望、国の助成制度の創設と要望、これどう承知しているのか。この問題を検討していただきたいと思うのでありますが、厚生省、いかがでありますか。
  23. 高尾佳巳

    説明員(高尾佳巳君) まず、火葬場の国庫補助制度のことでございますが、災害復旧につきましては現在国庫補助を行ってございまして、通常二分の一補助、先般の阪神大震災の場合は法律に基づきまして三分の二の補助という形にしたわけでございます。  他方、いわゆるごみ処理施設と同様に火葬場に国庫補助制度ができない理由ということになりますと、一つ制度的な話といたしまして、御案内のいわゆる廃掃法という法律で、私ども国の責務という形で、市町村、都道府県の廃棄物処理につきましては必要な技術的または財政的支援を与えることに努めなければならないという規定で、それで一部補助ができるというような形になっているわけでございます。  他方、火葬場につきましては、根拠法としまして墓地、埋葬等に関する法律というのがあるわけでございますが、これは火葬場の管理等が公衆衛生等の見地から支障なく行われることという形になってございまして、この法律には国の補助規定が設けられておりません。そういうことで非常に自治体からの要望があるわけでございますが、新たに国の補助規定を創設するということになりますと、この法律の目的、趣旨、それから国と自治体との役割等の問題がございまして、私ども困難であると言わざるを得ないところを御理解賜りたいと思う次第でございます。
  24. 有働正治

    有働正治君 私は、これはやっぱり検討すべきだということを主張したいのであります。ごみ焼却場については補助制度があるけれども、人の最期の大事な場面のこういう施設についてはないというのはやっぱり問題だと。私に言わせれば、人がごみ以下に扱われているんじゃないかと言ってもいいような状況に置かれているというのは国の一つ検討課題だと私は思うわけであります。  現在、設置されている火葬場の過半数は老朽化により近代化が求められている。私、資料を取り寄せまして調べてみますと、日本環境施設管理協会の「平成五年度全国火葬場施設整備・維持管理状況調査結果の概要」、ここから見ますと、近代化がこれから求められているというものが全国的に約九百カ所残されている、こういう状況であります。全体の半分近くが今後やはり近代化が求められている、つまり昭和四十九年以前に建てられたものはそういうものになかなかなっていない状況にあるということがわかりました。  全国の多くの自治体、また日本環境斎苑協会も要望書を政府に出されていますし、私も取り寄せてお話も聞きましたけれども火葬場建設事業に対する国の助成制度について、国庫補助制度を創設していただきたいというのが第一で、二つ目は起債償還期間の延長、起債充当率の引き上げを図っていただきたい、また地方交付税における火葬場経費の充実を図っていただきたい、これが大きな要望であるわけであります。  そこで、自治省、大蔵省に聞きますけれども、まず起債償還期限の延長と起債充当率の引き上げ交付税における火葬場経費の充実、この要望について、経過等の説明は私は承知していますから、今後できるだけ改善するなり、前向きの対応の答弁だけ時間の関係で簡潔にお述べいただけないですか。
  25. 遠藤安彦

    政府委員遠藤安彦君) お答え申し上げます。  火葬場建設費につきましては、御指摘のように地方債それから地方交付税、これは単位費用で財源措置をしているわけであります。このうち地方債につきましては、平成三年度、四年度で地方債の充当上、門、さく、塀等の算入比率があったわけでありますけれども、あるいは政府資金の充当限度額といったようなものがありましたが、こういったものは撤廃をしていくということで改善措置を講じてきているところであります。それから、交付税の単位費用につきましても、地方団体財政需要などに応じまして充実を図ってきております。  御指摘のように火葬場建設に伴って地方団体財政運営支障が生じないように、今後も必要な財政措置は講じてまいりたいというように思っております。
  26. 楠壽晴

    説明員(楠壽晴君) 火葬場建設事業財源として起債します地方債につきましては、資金運用部資金償還期限は現行十年としております。この償還期限は、施設の耐用年数の範囲内で、地方公共団体財政に過度の負担をかけず、また計画的に償還し得るという考え方のもとに設定しているものでございます。  なお、火葬場の整備につきましては、先ほど自治省の方から答弁ございましたように、これまで大蔵省としましても政府資金充当限度額の撤廃等の改善措置を講じ、その円滑な整備に配慮してきたところでございます。
  27. 有働正治

    有働正治君 今後どうするか、一言。
  28. 楠壽晴

    説明員(楠壽晴君) 地方公共団体が各種事業を行うための起債について政府資金で引き受ける場合の償還期限については、毎年度の予算編成過程の中で関係省庁からの要求を受けて検討しているところでございまして、御指摘火葬場償還期限の問題につきましても関係省庁からの要求を踏まえ検討してまいりたいというふうに考えております。
  29. 有働正治

    有働正治君 最後に、ぜひ大臣に訴えたいのでありますが、私はほかの仕事との兼ね合いで現場を幾つか見させていただいたんです。新潟市にも参りました。熊本市にも参りました。私の出身地域その他も見ました。  新潟市の場合、青山斎場と申しますが、三次燃焼方式と呼ばれる最新式の火葬炉なんです。コンピューターで管理され、無煙、無臭、無じん化のもので、最新技術を結集した設備が採用されて、これまでの火葬場というイメージはもう全くありません。一新した近代的な施設で、式場も広いスペースで、控室また御遺族のお別れの場、本当に混雑してごちゃごちゃしているという中で、お別れも個別にやれるように御遺族の意向を酌んでできるだけ努力いたしましたと。あるいは、そこでいろいろ葬儀等も行える場、そのために一夜お別れの場、そのための宿泊施設等まで設けて、できるだけ努力したと。その結果、土地七億円を含めまして結局五十七億円かからざるを得なかったという状況です。屋上まで緑の植栽ということで非常に環境上も配慮されている。  熊本県の山鹿市、私の家の近くでありますが、ここの薄尾斎場も山鹿灯籠を模した六角形のモダンな建物、道路わきでありますが、まさかこれが火葬場とはだれも通行する人は感じないような建物です。熊本市の場合もそうでありました。  問題は財政問題なんですね。全体として地方財政危機の状況にある。交付税その他の点についても、私はそういう点ではきっちり国の責任で対応すべきだという立場をとっているわけでありますが、新潟市では五十七億の中で起債が十億足らず。ただ、償還が十年物なんです。非常に短い。  これをもっと延長していただけないだろうか。山鹿市の場合もそうです。起債が約五億です。熊本は全体で四十億ということで非常に深刻だと。  そこで、自治大臣は直接の補助所管大臣ではございませんけれども国務大臣として、またこういう地方自治体を抱えているあるいは住民を抱えている自治大臣として、この問題はやはり積極的にイニシアをとって改善の方向で対応できないだろうか、検討していただきたい。  一つは、御要望の強い補助制度、これは今本当に強いんです。それから、交付税の問題でも、その他諸経費の中の公用公共施設建設費という中に一応含まれているというふうに言われるのでありますが、火葬場建設費としてきちんと財源手当てができるように独自の項目として対象に入れるなど、交付税での対応も充実改善が求められている等々が出されているわけであります。  そういう点で、自治大臣として積極的に対応していただくということで答弁を求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。
  30. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 先刻もお話し申し上げましたように、住民生活を営む上におきまして、その地域にとって必要不可欠な火葬場の重要性というのは十分承知をいたしております。今後におきましては、住民のニーズ、地方団体の御要望をよく伺いまして、地方団体財政運営支障のないよう所要の財源措置を図ってまいりたいと存じます。
  31. 有働正治

    有働正治君 終わります。
  32. 西川潔

    ○西川潔君 よろしくお願いいたします。  午前中の予算委員会でも質問させていただいたんですけれども、私は、阪神・淡路大震災の被災者、特に公営住宅などに一時入居されている方々への対応についてお伺いをいたします。  震災発生から既に一年が経過しているわけですけれども、最近では復旧から復興という言葉も多く耳にいたします。今週の月曜日、私自身も神戸の方へ行ってまいりましたが、確かに鉄道、電気、ガスなどライフラインについては確実に整備が進んでいるわけですけれども、被災者の方々の生活にも活気が戻りつつあるように感じます。自治省、警察庁におかれましては、これまでの間に多くの支援策にお取り組みいただいて、いろいろ我々の要望もお聞きいただいて、本当に敬意を表したいと思います。  そこで、まず大臣に、阪神・淡路大震災の対策について、これまで一年間の総括的な御所見からお伺いしたいと思います。
  33. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 阪神・淡路大震災に際しまして、自治省といたしましては、消防の応援を初めといたしまして、物資の支援等について全国の地方公共団体に協力を御依頼申し上げ、被災者の救済等に全力を挙げて対処してきたところでございます。  また、被災納税者に対しましては地方税の減免措置を講ずるよう地方公共団体に御通知を申し上げたほか、固定資産税、個人住民税などにつきましては特例措置を講じておるところであります。  次に、被災された地方公共団体の復旧・復興につきましては、これまで地方債の特例、地方交付税の拡充、阪神・淡路大震災復興基金に係る地方財政措置など、当面緊急に必要とされる所要の措置を講じてまいりましたほか、職員派遣につきましても全国の地方公共団体に協力依頼等を行いまして万全を期してまいったところでございます。  さらに、復興事業が円滑に実施をされ、現在、仮設住宅におられる方々が早く恒久的な住宅にお入りをいただけるように、土地区画整理事業及び市街地再開発事業につきましても特別の財政措置を講ずることとしたところでもございます。  今後とも、被災をされました地方公共団体の実情につきまして県などを通じて十分に把握をさせていただきまして、行財政運営支障の生じることがないように適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  34. 西川潔

    ○西川潔君 よろしくお願いをいたします。  そうした中で、人間の生活に欠かすことのできないのはもちろん衣食住なんですけれども、その中でも特に住まい、住宅の確保という面におきましては、すべての被災者が恒久的に、今大臣もおっしゃっておられましたが、住み続けることが可能となる安心して暮らせる住まいが確保されまして、生活基盤が安定するまでは数年に及ぶ長期的な支援策が必要であると思うわけです。  そこで、被災によって家を失われた多くの方々が兵庫県外の公営住宅などに一時入居されているわけですけれども、しかしこの一時入居については一年を期限とするケースが多いわけです。その後の住宅の確保には途方に暮れているという方々が随分いらっしゃいます。この現実について大臣はどのようにお感じになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
  35. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 西川委員、先刻参議院で開かれました予算委員会におきまして、七十二歳になられる自営業の方が被災地から離れた公団の住宅に入居され、その期限が来ておるというお手紙をいただいた旨の御披瀝をいただきまして、私もいたく感じるところがございました。  阪神・淡路大震災によりまして居住の場を失った方々は大変な御苦労をされておるわけでございまして、先ほど議員が紹介されたように、期限切れにより退去せざるを得ない方々の御苦労というものははかり知れないものがあろうというふうに深く感じているところでございます。このような方々に一日も早く恒久的な住宅を確保していかなければならないということを強く感じ、考えております。  私も、去る一月十九日でございましたが、地方防災サミットのために被災地を訪れました際に、仮設住宅の大倉山を視察させていただきました。  何名かの被災された高齢者の方々がお迎えにお出ましをいただきまして、お三方からいろんな御意見をちょうだいいたしました。  お一人は御婦人でございましたが、あの被災で命が助かったということに思いをして、これからは生き生きと生きたいというふうにおっしゃっておりましたし、取りまとめ役をしているある男の方は、このとおり元気ですよというお話もしていただきました。また、ある御婦人の方は、何人か御視察に来るが、大臣、きょうはあんパンぐらい持ってきたかという正直な問いをかけた方も実はおられましたが、いずれにいたしましても、そういった被災をされた高齢者の方々の生の声を聞きまして、特に高齢者の方々に対する住宅対策というのは、関係省庁とも連絡をとりまして早急に取り組まなければならない課題というふうに改めてその際にも認識をいたした次第でございます。  今後、被災者の方々の生活の安定に向けまして、神戸市を初めといたします地元地方公共団体におきましてさまざまな取り組みがなされるものと存じますが、私といたしましても、これらの取り組みに対しましてできる限り積極的に支援をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  いささか答弁が長くなりましたが、お許しいただきたいと思います。
  36. 西川潔

    ○西川潔君 こうした被災地外にお住まいの方々は、ぽつんと一世帯だけ被災者が入居しているという場合にはなかなか相談に乗っていただけるような方もいらっしゃらないようで、また被災地の情報がほとんど入りません。相談窓口や行政の窓口が被災地にあるために、福祉サービス、こういうものがスムーズに受けられないということが現実でございます。  そうした中で、一日も早い恒久的に住める住宅の確保ということが皆さん方の共通の願いであると思うんですが、現状における恒久住宅対策について、今度は建設省にお伺いしたいと思います。
  37. 古屋雅弘

    説明員(古屋雅弘君) 委員が先ほど来御指摘のとおり、被災者の方々が安心して生活できる住宅、恒久住宅の早急な建設を進めていくということが極めて大事な課題でございます。  このため、兵庫県を中心といたしまして、国と地元公共団体が協力をいたしましてひょうご住宅復興三カ年計画を作成いたしております。平成七年度から九年度の三カ年間に、既に着手分の一万五千戸に加えまして新たに十一万戸を建設いたしまして、合計十二万五千戸の住宅を供給することといたしております。このうち、特に被災者の方の中には高齢者が多い、あるいは自力再建の困難な方が多く見込まれますので、新規に建設する十一万戸のうちその七割に当たる七万七千戸を公営住宅を初めといたします公的賃貸住宅の建設によって供給をしよう、こういう計画でございます。  これまでの進捗状況でございますが、平成七年度の第二次補正予算までの措置によりまして、この計画で定められました公的供給住宅七万七千戸のうち約九割に当たる約七万戸の建設の着手に必要な予算を確保いたしたところでございまして、現在、これらの住宅の積極的な建設に取り組んでいるところでございます。  今後とも、一刻も早くこの公的住宅が大量に供給されますよう、国といたしましても強力に支援をしてまいりたいと考えております。
  38. 西川潔

    ○西川潔君 そこで、そうした方々が恒久住宅を確保できるまで住まいの確保が緊急の問題なんですけれども、予算委員会では公団住宅についてお伺いしたんですけれども、兵庫県外の公団住宅においてはこれまで約六千世帯、一時入居されている方が現在は二千六百八十五世帯。各自治体によってその対応にばらつきがあるというふうにお伺いしておるんですが、現在、既に一年間の入居期限を経過したということで特例措置が解除された自治体、あるいは減免措置を特例として設けた自治体、そして入居期限が延長された自治体もあると伺っておりますが、この点の実態について御説明をお願いします。
  39. 古屋雅弘

    説明員(古屋雅弘君) ただいま御指摘になりました公営住宅の一時入居でございますが、これにつきましては平成七年一月十九日付の建設省住宅局長通達によりまして、公営住宅の目的外の使用許可として入居許可をし、被災者の方々を受け入れるようにという指導をさせていただいております。  その結果、一時入居につきましては大部分の事業主体がおおむね一年間の期限設定を行いまして、この間無償で被災者の方々にお貸しする、また入居者の方々の意向等に応じまして逐次正式入居への切りかえなどを行っておりまして、おおむね指導の趣旨に沿って平仄のとられた措置が講じられているものと私どもは承知いたしております。  なお、公営住宅は自治体施設でございますし、その一時使用につきましては、公営住宅の需給でありますとか被災者の状況等に応じて適時適切に行われる必要がございますので、その扱いについては事業主体ごとに多少の違いがあるということも予想されるところでございますけれども、基本的には事業主体の判断を尊重して対応してまいりたいというふうに思っております。
  40. 西川潔

    ○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。  最後の質問になりますが、公営住宅に一時入居されている方が正規入居に切りかえるにしても、減免措置が行われれば恒久住宅が確保されるまでの間住み続けることが可能になるように思うのですが、現実に特例の減免措置をとっている自治体もございますし、こうした自治体財政運営上困ることがないように自治省としても応援をいただきたいと思うのですが、大臣に最後に御答弁をいただいて終わりたいと思います。
  41. 倉田寛之

    国務大臣倉田寛之君) 阪神・淡路大震災におきましては、近隣の府県、市町村、全国の地方公共団体がいち早く体制を組まれまして各般にわたって御支援をいただいておりますこと、この機会に厚く感謝を申し上げる次第でございます。  御指摘のように、地方公共団体におきましては被災者を受け入れるための住宅の提供に当たりまして使用料の減免などを行っておると聞いておりますが、特別交付税の算定におきまして地方公共団体におけるこれらの負担につきましては配慮することといたしまして、被災者の受け入れなどを行っている地方公共団体財政運営支障の生じることのないよう適切に対処させていただきたいと存じます。
  42. 菅野壽

    委員長菅野壽君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  43. 有働正治

    有働正治君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、年度当初の交付税総額確保については、まず、交付税は所得税、法人税など国税五税の一定額であり、税収の見込みそのものが国の権限に属することであり、さらに、毎年の交付税総額が大蔵、自治両大臣による地方財政対策で決定されることから、国がその責任を負うべきものであります。したがって、今回のように年度途中に交付税の減額が生じた場合、その補てんは国の責任でなされなければならないものであります。  ところが改正案は、補てんは当然のこととしても、九千百三十二億八千万円の借入金償還が全額地方負担とされ、責任を負うべき国が負担するのは借り入れに伴う利子だけで、実態は地方借金をして財源補てんをするという国の責任放棄の内容となっています。これは将来的に地方財政危機を広げ、ひいては福祉や教育など住民の暮らしの切り捨てにつながるおそれがあるからであります。  反対の第二の理由は、ここ数年、地方財政は年間十兆円を超える借入金が急増し、九六年度末には百三十六兆円に達する巨額なものとなる見通しです。交付税特別会計借入金残高も急増しており、九五年度末には十一兆六千八百五十七億円に達する見込みです。この借入残高のレベルは危機的なものです。自治省は八四年当時、これ以上借入金方式を続けることは財政体質を一層悪化させてしまうという問題意識から、今後は借入金方式は原則としてとらないとの態度を示していましたが、その八三年度末の交付税特別会計借入金残高五兆六千九百四十一億円に比べても既に二倍を超える借入残高となり、財政危機の深刻さを示すものとなっています。  橋本総理は施政方針演説で、地方自治の大原則を名実とも実現、地方税財源充実強化、地方分権推進を掲げましたが、それならば地方財政借入金を減らす方向での財源補てん対策をとるべきです。改正案の内容は全く逆行しているではありませんか。  最後に、このような地方財政の危機に当たり、政府は景気対策のために自治体に対して地方単独事業を事実上強制し、地方財政危機に拍車をかけるようなこれまでの政府のやり方をやめること、政府として、国民の反対の声が高まっている住専問題での税金投入やゼネコン奉仕型の大規模開発などを抜本的に見直し、阪神大震災の被災者救済と復興を初め、国民の命と暮らしを守るために万全の措置をとるよう強く要求して、私の反対討論を終わります。
  44. 菅野壽

    委員長菅野壽君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  45. 菅野壽

    委員長菅野壽君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 菅野壽

    委員長菅野壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時七分散会