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政府委員(小
粥正巳君) ただいまの御
質問は、御
審議を
お願いしております今回の
独禁法の
改正法案によりまして、一体
公正取引委員会がどのように
体制、
機能を
強化していき、これからどういう
考え方で
独禁法を
運用していこうとするか、こういう
お尋ねでございます。
私
ども、今回の
機構改革によりまして、一般的に申せば、何よりも業務の効率性あるいは機動性、そして政策立案、
調整機能を向上させる、これを最大の眼目としているわけでございまして、御
指摘のように、内外から公取の今後の業務につきまして非常に強い要請が寄せられておりますが、それを果たしていくためにふさわしい機構の拡充、こういうことを考えているわけでございます。
そこで、特に
機構改革によりまして
具体的にどのような取り組みができると考えているのか、こういう点を例示的に申し上げたいと思いますけれ
ども、価格カルテルでありますとか入札談合
行為のような
独占禁止法違反行為への厳正な対応、特に大型、重大な事件、国民生活に密接に
関連する事件等への積極的な取り組み、これは
審査部門の
強化、特に新しく設けられます
審査局の中に特別
審査部を設けまして、こういう点にとりわけ専門的な知識、技能を持つ職員を集中して対応しよう、
一つの例がこれでございます。
それからもう
一つ、先ほど来いろいろ御議論がございました
政府規制の
見直しあるいは
適用除外制度の
見直しでございますけれ
ども、新設の経済
取引局によりまして、いろいろな行政
分野を持っております他
省庁との
調整機能、これが格段に向上する、こういうことを期待しているわけでございます。
それから、何よりも
規制緩和後に、先ほ
どもお答え申し上げましたけれ
ども、中小
企業者や消費者が不当な不利益を受ける、そういう
ケースがあり得るわけでございまして、公正な
競争ルールの徹底、定着ということに特にこれから意を用いていかなければいけないと思いますが、この問題を統括的に取り扱うために、新たに設けられます経済
取引局の中に
取引部を
設置いたしまして、この
取引部で今申し上げました公正な
競争ルールの徹底あるいはそれについての監視、対応、そういうものを統一的に効率的に行うということでございます。
それからもう
一つ私
どもの頭にあります重要な
課題といたしまして、経済のグローバル化に伴いまして
競争政策の国際的なハーモナイゼーション、これが大変重要な
課題になっておりまして、これにつきましては二国間あるいは多国間で実際に問題が生ずる、あるいは二国間、多国間の場でお互いに独禁当局が協力をしながらこういう国際的な
競争政策の
課題に取り組まなければいけない、そういう状況でございますけれ
ども、これに対する適切な対応として、今回の
改正によりまして国際課を新たに
設置いたしまして、国際的な
課題への適切な対応を考えております。
以上は重要な
課題についてのいわば例を申し上げたわけでございますが、今回の
機構改革によりまして、業務の機動性、効率性あるいは政策立案、
調整機能の向上を図るというふうに申し上げましたが、今私
どもが
具体的に持っております問題意識を申し上げますと以上のようなことでございます。
ただ、さらに一言つけ加えさせていただきたいのでございますけれ
ども、御
審議をいただきまして、幸いこの
機構改革が制度として成立をいたしましても、私、決してそれで十分であるとは考えておりません。非常に大事なことは、
機能の向上ということを申しましたけれ
ども、いわば入れ物である制度だけがいかに立派になりましても、実際にそれを
運用する職員の
個々のモラールあるいは知識、技能、そういうものがレベルアップされなければ、せっかくお認めいただく
機構改革が本当に生きないわけでございますので、私、このような
機構改革が実現いたしました暁には、職員のあらゆる
意味での質の向上あるいはモラールの向上、そういうものが特段に重要であると考えております。
幸い、私
どもの仕事につきまして特に近年内外の期待、時には厳しいおしかりもございますけれ
ども、期待、要望というものが寄せられておりまして、公取の職員は非常に使命感を持って仕事に取り組んでいるわけでございますので、今後
機構改革が実現いたしました暁には、一層これをモラールアップいたしまして、質の向上、そしてせっかくお認めいただきます
機構改革が本当の
意味での
機能の向上、そして
公正取引委員会全体の役割を果たすにふさわしい裏づけ、内容が盛られますように、私
ども心して取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。