○千葉景子君 本日は、昨年北京で開催されました国連主催の世界女性会議、ここで採択をされた行動綱領を基本にしながら何点かの御
質問をさせていただきたいと思います。
まず、なぜ北京の女性会議がこの
調査会の二十一
世紀の
経済社会に対応するための
経済運営の
在り方に関する件ということと関連するかという点について、ぜひ皆さんにも知っていただきたい、そんな
意味を込めまして、この行動綱領の何点かの点についてちょっと読ませていただきたいというふうに思っております。
この行動綱領、ちょうど冒頭の
部分でございます。済みません、ちょっと長目ですけれ
ども、読ませていただきます。こういう書き方がされています。
この「行動綱領」は、女性のエンパワーメント力をつけていこうということですけれ
ども、に関するアジェンダである。これは、「婦人の
地位向上のためのナイロビ将来戦略」の実施と
経済的、社会的、文化的及び政治的意思決定の完全かつ平等な分担を通じて、公的及び私的生活のすべての分野への女性の積極的な参加に対するあらゆる障害の除去を促進することを目的とする。これはまた、家庭、職場及び広くは国家社会及び国際社会における女性と男性の権力及び責任の分担の原則を打ち立てることである。女性と男性の平等は、人権の問題であり、社会正義への条件であり、また、平等、開発及び平和への必要かつ基本的な
前提条件である。
女性と男性の平等に基づく変容したパートナーシップが、人間中心の持続可能な発展の条件である。二十一
世紀の挑戦に対処するべく、女性と男性が自らのため、その子
どもたちのため及び社会のために共に働くことができるようにするためには、継続的かつ長期的なコミットメントが必須である。
これが冒頭の
部分でございまして、いわばこれからの二十一
世紀に向けて男性と女性の責任あるパートナーシップがなければ新しい課題解決にはとても及ばない、それなしに課題解決をすることはできないということをある
意味ではこの冒頭の
部分で象徴的に述べられているのではないだろうかというふうに思っています。
その他の
部分も非常に示唆に富むといいましょうか、世界が今どういう認識にあるのか、そしてどういう方向に私たちが進んでいかなければいけないのか、そういう問題について大変内容が豊富でいろいろなことが決意を込めて書かれているわけでございまして、ぜひきょうはこの
調査会の男性の皆さんにも、そして、これは当然
政府が参加をいたしましてこの行動綱領も一緒につくってきたわけですから、ぜひ皆さんにも一度しっかりと目をお通しいただきまして、それぞれの省庁の施策の中に生かしていただきたいというふうに思っております。冒頭ちょっとこの
部分を
紹介させていただきました。
そして、こういう
前提のもとに、今回の行動綱領では重大問題領域として、女性と貧困、女性の教育と訓練、女性と健康、女性に対する暴力、女性と武力紛争、女性と
経済、権力及び意思決定における女性、女性の
地位向上のための
制度的な
仕組み、女性の人権、女性とメディア、女性と環境、そして女児、こういう重大問題領域が
指摘され、それぞれの課題について戦略的な行動をとれ、こういう
指摘がされているわけでございます。
これらの重大問題領域というのは、こうやってみますと日本の場合には大体満足されているのではないか、途上国などでいろいろな問題になることではないかと思われがちですけれ
ども、この内容から見ますと私たちの社会でも改めて見直していかなければいけない、そういう
部分がたくさんございます。
きょうは限られた時間でもございますので、女性と貧困、女性と
経済、せっかく二十一
世紀の
経済を考えようということでございますのでここにかかわる問題、そして権力及び意思決定における女性、こういう
部分などについて御
質問をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
〔理事情水嘉与子君退席、
会長着席〕
そこで、まず最初に
お尋ねをさせていただきますが、女性と貧困、女性と
経済、ここに関連する問題をひとつお聞きをさせていただきます。
女性と貧困というと余り日本は
関係ないかなということになりますけれ
ども、こういう視点をひとつ御議論いただき、あるいは今後ぜひ施策の中で頭に置いていただきたいというふうに思います。それの
一つは、女性の支払われない労働といいましょうかアンぺイドワークと言われている問題でございます。
例えば、家事労働、ボランティア活動、いろいろな社会活動、こういうのは実際には表には幾らの賃金だとかそういう形ではあらわれません。そういう
意味では非常に見えない活動、労働ということになっているわけです。しかし、社会の発展やあるいはそれを支える
部分としては大変重要な役割を果たしている、こういうことが言えるのではないかというふうに思います。
そこで、
経済企画庁に
お尋ねをさせていただきたいと思いますけれ
ども、こういう支払われないアンペイドワーク、こういうものについて
経済的にはどういう認識をお持ちであるのか。それか九ら、これはやっぱり重要な役割を帯びているんだということを私たちが認識するには
一定の何か数値とか指数をもってあらわしていく、こういうことも必要なのではないかというふうに思います。
UNDP、国連開発計画などでは
一定の数値を表示しているようですけれ
ども、これが、必ずしもその数値がいいのかどうか、あらわし方としていろいろあると思うんですけれ
ども、我が国においてもこういうアンペイドワークについて何らか見える形にすることはできないものだろうか、こういうことを私も考えているところですけれ
ども、今の点について
経済企画庁の方でどんなお考えがあるか、お聞かせをいただきたいと思います。