○水島裕君 私の方からも特定疾患の班長の方には今の御答弁の
内容などを伝えておきますけれ
ども、
荒賀局長さんの方からもどうぞ疾病
対策課などを通じて、そういうところで
データをまとめる、あるいはこれは製薬会社に依頼するという形になると思いますけれ
ども、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。
それで、今御答弁がありましたような方向でもって必要な薬が、もちろん何でもかんでも認可するということはまた
副作用、
薬害ということで問題がありますけれ
ども、今の御答弁に沿って、そういう
患者さんに必須の
医薬品が合法的に使えるようにというふうなことを一、二年のうちに解決していただければ、もう
厚生省の
業務局には久しぶりで大きな拍手がいくのではないかと思いますので、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。
それでは、その次のテーマに移りまして、耳なれない方もいらっしゃるかと思いますけれ
ども、CROということについてお尋ねいたします。
CROというのはコントラクト・リサーチ・オーガナイゼーションの頭文字をとってCROと言って、どういうものかと申しますと、一般的には製薬会社がオーガナイゼーション、会社ですけれ
ども、その会社に
臨床試験を依頼して、その会社がいろいろ
臨床試験をするというのがCROであります。
ですから、第一相から
市販後の
調査までどの
臨床試験を受け持ってもいいわけでございます。私は、このCROを進めていく立場にあります。と申しますのは、CROが
日本ではまだ非常に未熟で、欧米ではもう確立していて、
臨床試験、
医薬品の
開発にとってはなくてはならない組織となりつつあるわけでございますけれ
ども、
日本のCROも
経験を積んでいろいろノウハウを獲得すれば質の高い
臨床試験を第三者が行うということで、今よりかむしろ好ましいことがいろいろ出てくるのではないかと思います。
その
一つの例としましては、中小の製薬会社、特に小さな製薬会社が
治験をして
申請するときにそれだけの有能なスタッフがいないわけですね。
ですから、CROをきちんと、これだんだん話がずれて後で私自分のを聞いてみますと少し話がずれていけないかなと思っているんですけれ
ども、話がずれて恐縮ですけれ
ども、移植もやり出したら
日本で十も二十もやろうなんという医者がいるけれ
ども、あれはもう非常によくないことでございまして、まず二つか三つで本当に脳死移植ができるところをつくって
経験を積んでからふやしていけばいいと思います。それは全く余談でございますけれ
ども、CROもまず
日本で二つか三つ本当に立派なものをつくって、そこにすぐれた臨床
評価ができる、あるいはサポートする人材を置きますと、そういう中小メーカーがそこに
臨床試験を頼んでやる方が質も高いし、何と申しますか、正確に倫理的にできるということになるわけであります。それからもう
一つ、
開発には非常に経費がかかるわけでございますので、たまにしか
臨床試験ができないという会社はそういうCROに頼んだ方が経済的に言ってもいいわけでございます。
それから、今、オーファンということで問題になりましたように、
患者さんにとっては極めて有用だけれ
ども、どうしても会社が
開発をしたがらないというときは、例えば
厚生省がCROにこの薬を
臨床試験するようにと研究費をつけて依頼すれば
申請に足る
臨床試験ができるわけでございますので、そういうメリットもあるわけであります。
それから、先はどのような今たくさん使われている薬、例えばアスピリンを我々脳梗塞の予防として普通に使っているんですね。でも、これはメーカーに
治験しろと言ってもアスピリンの
治験なんかなかなかやってくれないわけでございます。といって、
日本で正確な
治験がやられていない以上、
日本としても本当にアスピリンを脳梗塞に使っていいかどうかと、
日本としてというか
厚生省として判断を下せないわけでございます。
これはそんなにお金のかかることではないわけでございますので、CROに研究費を出してアスピリンの脳梗塞、まあ一過性脳虚血発作という方が明らかに効くわけでございますけれ
ども、脳梗塞に対する
治験をするというようにいろいろなメリットがあるわけでございますので、CROについてひとつまとめて御質問させていただきたいと思います。
まず、CROが行いました
臨床試験というのが
申請資料には今はできないわけでございますね。
それを将来できるようにした方がいいと思いますが、その点が第一点。
それから第二点は、一九八三年の
薬事法のときに、
国内管理人あるいは
治験国内管理人、これは主として
日本に支店がない
外国の会社の薬の
治験をするということで取り決められたものだと思いますけれ
ども、それとの
関係がどうか。
それから、現在、第一相試験を行っている会社は結構多いんですけれ
ども、そういうものもちゃんとCROに組み入れた方がいいという
意見があると思います。
最後に、CROはいろんな点で今後発展していってもらいたいと思いますけれ
ども、先ほど私が申し上げたようなことも含めまして、CROに
厚生省としてはどういうことを望むかという四点についてまとめてお答えしていただければ幸いでございます。