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国務大臣(
菅直人君) 今幾つかこの調査プロジェクトについて疑問を出されたことは、それはそれとして私もよく理解をできると思っております。ただ、今、総
務審議官から申し上げたように、一月二十三日にこのプロジェクトを立ち上げる時点では実はどんなふうに展開するか必ずしもすべてが予想できたわけではなかったわけです。しかも
和解の勧告が出ておりましたので余り、何といいましょうか、逆に言うと長く調査をするというよりも一カ月をめどにして集中的に調査をして報告を私の方に上げてくれというような形で最初枠組みをつくりまして、項目も十一項目、大体その時点で重要だと思われたものについて集中的にやってほしいと。また、当初はああいう形でまとまったファイルがあるというのは必ずしも予想しておりませんでしたので、それぞれの
関係者に個々に問う、問うのも言葉で問うてもまた言った言わないということも出ますので、基本的には文書で問うてそれを確認していく、そういうやり方を調査プロジェクトの方で
一つの設計をして、私もそういうやり方でではぜひ進めてくれということで一月終わりあるいは二月の初めまでそういう準備をしてスタートをしたわけであります。
そういった点で、その後の展開の中では予想を、少なくとも当初予想したよりもいろいろな資料が発見をされたりしまして、さらにそれに関連していろんな方に問い合わせを出したりしたわけであります。ただ、その三カ月の段階での結果が、これも総
務審議官からもお話ししましたように、必ずしもそれぞれの項目がなるほどこうだったのか、なるほど確かにこういうことで問題だったのかということが確認されたかというと、確かにたくさん疑問が残っております。そういう段階ではありますけれ
ども、当初がそういう性格でスタートしたものですから、今後のことについては後ほど申し上げますけれ
ども、一応役所の所内の当初予定した調査ということで言えば、資料調査が主でしたが、あるいは問い合わせ調査が主でしたが、これ以上同じ形で進めてももう繰り返しにほとんどなってきたのではないだろうかということもありまして、そういった点で、当初一カ月が三カ月まで延びたわけですけれ
ども、一応所内の任意による調査ということでは、こちらが考えられる項目についての調査については一応このあたりが
一つのある種の、限界というとあれかもしれませんが、一応予定されたところのぎりぎりのところかなと。
この後の進め方については、衆参で
厚生委員会を
中心にいろいろと
関係者の話を聞いておられるわけですし、また捜査当局も若干動いておるようですし、そういったものの中からまたさらに
厚生省としてこういう点は調査しろ、調査すべきじゃないかということになれば、それはそれでまた調査プロジェクト等を動かすこともあり得るかなということで組織としては存続をいたしているところです。
いろいろな機関が動いておられますが、その上でさらにどういう形で真相究明が進んでいくのか、あるいはさらに役所としても進めなきゃいけないのかという点では、今
厚生科学会議という場において、これは真相究明だけではないんですけれ
ども、今後の
再発防止を含めてこういった問題についてどのように物事を考えどのように物事を進めていけばいいのかという、そういう大所高所の
観点から御議論をいただいております。これは臨時
委員には何人かこの
薬害エイズについてもいろいろな立場で深い関心をお持ちの方にも加わっていただいておりますので、そういう皆さんからの御
意見を、一回目は先日いただきましたが、今月十五日に二回目を開いていただいて、そこでの
指摘もいただくことにいたしております。
さらにその後どうするかというのは、率直に申し上げて現時点ではまだ具体的なことを決めておりません。ただ、役所の中に設けた
再発防止のプロジェクトは一応スタートいたしておりますけれ
ども、場合によったらこの
厚生科学会議の御
指摘をいただき、あるいはこれからの衆参各
委員会での御
指摘をいただいた上で、場合によっては形を変えた形で、例えば省内だけではない、あるいは省の外に何らかの形でそういう調査を
委嘱するということも必要になるのかと、ここは決めておりませんが、思っております。
例えば、中華航空の飛行機の事故については先日事故調査
委員会から報告書が出ておりますが、これは二年ぐらいかかって報告書を出されております。ですから、時間の置き方も、先ほど申し上げたように、当面のプロジェクトは一カ月ということでかなり短期で始めたわけでありますが、もし今後さらに何らかの形でそういうものを設けるとしたら、場合によっては少し時間をかけての調査ということも念頭に置いて体制を組まなきゃいけないのかもしれない。
そんなことで、現在、これで終わったということを申し上げているというよりも、省内に置いた調査プロジェクトについては当初の予定のものについての一応の調査を終了したと、そういう位置づけだということを御理解いただきたいと思います。