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国務大臣(
菅直人君) 最初に言われました消費税の問題は、たしか議論の仕方としては五%それ自体というのではなくて、ことし九月に見直し規定が含まれております、その後のさらに引き上げる引き上げないといった議論の場合に
行政改革というものが前提になるのではないか、あるいは
行政改革を進めることによってさらなる引き上げをできるだけ抑制すべきではないか、そういう
趣旨のことをさきがけとして主張してきたというふうに
認識をいたしております。
確かに、これは細かく言えばたくさんの場面があるわけですが、日本の財政の中では、あるいは
特殊法人の中でもいろいろな
分野があるわけでありまして、例えば
特殊法人の中では年間千億以上の一般歳出からの繰入金が入っている団体もありますし、何十万人、今、民営化になるものならないものありますけれ
ども、相当の人数で事業をやっていて、事業
内容そのものをそろそろ考えていいんじゃないかといったような相当大規模なものも含まれていることはよく御存じだと思います。
あるいは、
特殊法人という
分野に限らず、例えば公共事業を景気対策のために長年やってきているわけですけれ
ども、そういうものについてももっと効率的なやり方があるのではないかといったような議論もありまして、そういった大変幅広い、あるいは奥の深い議論の中では、ぜひそういったむだというか非効率な、あるいは必ずしも合理的でない公費の使い方をもっと是正して
国民の負担ができるだけ大きくなり過ぎないようにするという
考え方としては今ももちろん持っております。
ただ、それが現実のものに十分なっているかといえば、先ほどこの問題でも申し上げたように、十分かと言われれば、決して十分ではないけれ
ども一つ一つ取り組みに
努力している、そういうふりに言わせていただくしかないかなと思っております。
もう
一つ、この
社会保障研究所がある種のスケープゴートにされたのではないかというような御
指摘であります。
私も、最初に先ほど
清水委員の御
質問にもお答えしたように、今回の
改革は
二つのことが重なっていると。
一つは、先ほど来申し上げている、議論している
政府の
方針としての
行政改革をできるだけ進めたいという問題、そしてもう
一つは
厚生省としてのいろいろな
試験研究機関をより効率的な
体制にするため、将来に向かって
国民にとってより
意味のあるものにするための再
構築という、この
二つが重なっていると思うわけです。
第一点目の方は、先ほど
政府委員も申し上げたように、いろんな
評価はあるかもしれませんが、結果的に
一つの
特殊法人がなくなり、その定数は決して、何といいましょうか、
国家公務員の定数に上乗せをしているのではなくて、
国家公務員の定数の中で
機能は残されたという
意味でありますので、ある
意味では一定の
行政改革の
効果は上がると認めていただけるのではないかと思っております。
さらに言えば、今度は
内容的に
社会保障研究所が果たしていた
機能がこの新しい
体制の中でより
効果的になるかならないか、まさにそこが今一番議論をしていただいているところだと思いますけれ
ども、確かに
独立性の問題は私もいろんな
関係者から
お話を聞きました。
独立性というのは、
大学というやり方が一番独立的なのか、あるいは
特殊法人という形がちょうど適当なのか、あるいは
国立研究所であってもきちんとした
体制をとればそれはそれで学問的な
独立性が得られるのか、いろいろな
考え方、いろいろな事情はあると思います。しかし、少なくとも
関係者の皆さんを含め、あるいは私
どもを含めて一定の
独立性はきちっと
確保しようということを前提とした
改革になっておりますので、その点については今後の
努力も含めて従来の
独立性と変わらない
独立性といいましょうか、そういうものは
確保できるというふうに思っております。
また、積極的な
意味でいえば、
人口の問題というのは
社会保障との関係でいえば非常に関連性の深い問題である、もちろん関連性のない
分野もあるかもしれませんけれ
ども、関連性の高い
分野もかなりあるわけでありますので、そういった点ではそれらを合わせることによって
研究スタッフの実質的な増員などを可能にしておりますし、そういう点ではもう
一つの
厚生省にとって、
国民にとってよりよい
試験研究機関へ向けての再
構築という面も、私はその
方向に踏み出している、そういうふうに申し上げていいのではないかと思っております。