○緒方靖夫君 時間がありませんので、次の
法案に移りたいと思うんですけれ
ども、
優良宅地開発促進緊急措置法が一九八八年に制定されたときに、日本共産党は、この
法案が建設
大臣のお墨つきで
地方公共団体に
負担を押しつけながら自然破壊を進めるおそれがあるという理由で反対いたしました。その後、二十六地区、面積にしますと千四百五十八ヘクタール分が
認定されているわけですけれ
ども、私は、各地に照会して
実態を調査いたしましたし、また幾つかを視察いたしました。やはり相当問題があるなということを
感じました。その中で大きな問題は、市街化調整区域の大
規模開発、これが都市近郊の貴重な緑と自然を破壊する、それを
促進するという問題です。
例えば、私が見てまいりました埼玉県飯能市の場合なんですけれ
ども、飯能市にはゴルフ場が七つある。面積の合計が七百三十六ヘクタールもあり、ゴルフ場の銀座とも言われているんです。市街地の北西部の丘陵地に日高市とまたがって優良事業
認定の横手台、
永田台の分譲地があります。西武鉄道が百十一ヘクタールの開発を進め、豊かな緑の山林の
景観が
本当に一変するような事態が進んでおります。
それだけじゃなくて、そこのすぐ東側には奥多摩のふるさとと言われている天覧山あるいは多峰主山があって、埼玉県民、都民のオアシスとなっているわけですけれ
ども、そうした地域のハイキングコースがすっぽり包まれる。それから、トンボは七十種類いて、自然の宝庫と言われている。そういうところで西武が二百ヘクタールの開発を
計画したんですね。天覧山まで緑をとるというのは余りにもひどいということで、それを百ヘクタールに減らしたわけですけれ
ども、それでもその東半分の百ヘクタールで
優良宅地開発法の
改正を待って、武蔵が丘分譲地の開発が今行われようとしているんです。しかも、せっかく外した区域でこの二つの分譲地域の開発のために学校をつくるという構想がつくられて、地域の一万五千人の反対署名が出される。やはり緑を守ってほしい、そういう動きになっているのです。
これらの開発と、また入間川を挟んだ南側には住都
公団が西武から買収した土地で三カ所、三百ヘクタールの開発も進められようとしております。私はちょっと地図を持ってまいりましたけれ
ども、こうなると飯能市があって飯能市の北東
部分から南西
部分にかけて太いたすきがけのように緑をばっさり削る、そういう事態が進行しているし、さらにもっと
促進されようとしているわけですね。こういう事態があるわけです。
東京でも八王子のようなところがあります。八王子は
東京で唯一この
認定事業があるところですけれ
ども、私、行ってみました。そこでもこの
認定を受けている地域のすぐ隣で
認定を受けていない宅地造成が行われている、そこの方がはるかに緑があるわけです。そうすると、一体この法の存在意義はどこにあるのかということになってしまいます。
そういったことを見た上で、踏まえてお尋ねしたいんですが、
改正のポイントの
一つは緑比率三〇%以上ということなんですけれ
ども、その効果をどのようにごらんになっているのか。それから、自然緑地を三〇%以上保全するというわけですね。そのことについてお尋ねいたします。