○山崎順子君 今のようなことは大体もうわかっておりますので、わざわざ御答弁い
ただかなくてもよかったんですけれ
ども。
まず、
大蔵大臣の第一の職務といいますのは、経済の自然の力での回復を促進して自然増収の上に立って財政危機を克服することにあると思うんです。国民のお金を郵貯や保険や税金で取り立てたのでは、財政の再建も強行手段なしにはできないと考えます。
民間活力を信じずに、国庫にすべてのお金を集めて財政でその支出をできるだけコントロールしたいというのは、相変わらずの強硬な国民を信じない方針のようにしか見えないんですね。
たしか、だめなものはだめと言って消費税導入反対だったのは
久保大臣のところの
委員長だったように思うんです。今おっしゃったのは特別減税、減税を先にしているから、出世払いをしているからその
財源が大事だ、そしてそのわずかな審議でだっと駆け込みでやったわけでもないと一生懸命おっしゃっていますけれ
ども、現実に消費税のアップということでもし二%アップするというのだったら、先ほ
ども私が申しましたように財政状況がどうなのか、
行政改革ができているのかというところを加味しなきゃいけないということだったんですが、国民も、
皆さん本当に理解して納得するなら私は反対しないと思いますけれ
ども、納得してもらうだけのことをやっていないんじゃないかという気がするんです。
それはどういうことかといいますと、例えば間接税を上げた方がよくて所得税や法人税を下げた方がいいと、直間比率の見直しをしようということをよく言われますけれ
ども、本当に所得税をなしにして間接税を二〇%にするとか、それで貧しい人には戻すというような案もありますが、その見通しだって全然進んでおりません。
それから、国の財政と
一般の私たちの家計とを比べるのはどうかと思いますけれ
ども、これにもそうやって国と家計と比べて書いてあります。本当に赤字になっていたら、まず私たち女はどこにむだがあるのか全部見ますよ。そして、この使っているお金が家族にとって有効なものなのかということもしっかりチェックします。どうも国はそこをやっていなくて、それで足りないから税金を上げてくださいとかそういうふうに言っているようにしか見えないんです。
細かいことになりますけれ
ども、公共事業などでは重複投資のむだが多いということが今まで随分たくさん
指摘されています。例えば人口二千八百五十人の鳥取県の日吉津村というところがあるんですけれ
ども、ここには全長二十六メートル、幅十三メートルの双子の下水処理場があります。わずか十数メートルの間隔しか離れていない。
一つは
建設省が所管する公共下水道事業で、もう
一つは農水省が所管する農業集落排水事業なんです。名前は違いますけれ
ども、微生物で汚水を処理する機能は全く同じなんです。
それからもう
一つは、愛知県の知多半島で、
建設省と県の道路公社が建設した約四十キロの有料道路とほぼ並行して農水省の大型農道四十二キロの
工事が行われていまして、こういった重複投資のむだなんというのは、今私が言いましたのはほんの一例にすぎません。
また、公共事業の
コストは欧米に比べて三割も高いという
指摘もあって、じゃということで
建設省は
コスト削減計画を出して
コストダウンしましたけれ
ども、それを今度は予算編成のときに削減したかというとそうではなくて、同じ省内で事業量の拡大に使うということであって、私たちから見ればばかみたいにむだが多いわけです。こういった本当に必要な投資が行われているのかどうかといったようなことをチェックしてい
ただかない限り、
ただ増税だと言われると納得できないというふうに思うわけですね。それから経済のソフト化で第三次産業がGDPの六〇%以上を占めるようになっておりますけれ
ども、公共投資は相変わらず土木等の伝統的な分野にばかり重点が置かれておりまして、雇用をふやす成長産業を育てるための投資などほとんどしておりません。
また、もっと身近な問題でいきますと、
官官接待とか空出張とかそういったことに怒りが集中していますけれ
ども、これもせっかく払った税金が生かされるどころか浪費されているんじゃない.か。本当にそういった予算や投資が適切に行われているのか、むだはなかったかというのを大所高所からどなたが見ていらっしゃるのか。そういったことをきちんと削減してくれて、それでまだここまで、削減費はゼロベースなんていうんじゃなくて、
民間企業だったら二割三割カットして当たり前ですよ。そういったことをやって初めて、国民にこれでは困るから何とかというのだったら話がわかるんですけれ
ども、幾らお人よしの国民だって今の説明、今のというのは別に今
大蔵大臣がされたということではなくて、今の政府の予算の立て方、また
決算の仕方、そういったものを見ていると納得いかない、これでは出せないというふうになるのは当然だと思うんです。
このあたりの、本当に予算配分がきちんと行われているのか、歳出にむだはないのか、またむだな
財投がないのか、いろいろな特殊法人の民営化とかそういった
行政改革が行われるのか、その辺についての決意をちょっとお伺いしたいんです。