○三浦一水君 楢崎先生の御提案のありました範囲までは具体的検討の範囲だというところまで確認をさせていただきたいと思います。
この問題にひっかけて話す問題ではないかと思いますが、いずれにしても、私はいろいろと行政、政治、少ないながらかかわりを持たせていただきまして思いますことは、行政の情報を中心としてより多くをオープンにされるべきではないか、もうそうされてもいい時代に入ってきたんではないか、
国民の判断、本当にしっかりした判断が今持てる
日本ができてきたんではないかな、そのような思いが強うございます。この問題を初めとしまして幾つかの案があってもいいじゃないか、こういう理由で変えたよという、この問題に例えて言うことではないかもしれませんが、ついでにそのような
政府なり行政の姿勢ということもぜひともよろしく
お願いを申し上げたいと思います。
次に移りたいと思いますが、いずれにしても、この
住専の問題の
処理をしていくに当たりましては、各母体行の負うべき道義的かつ社会的な
責任をこの
処理案にどう盛り込んでいくか、
処理自体にどう反映をしていくか、すなわち莫大な不良
債権を有する
住専会社の整理、清算を行う際の実質的な公平性をいかに確保するか、そのことが今回の
処理の最も肝心な点であると私なりに存ずる次第でございます。
その点で、先ほど来
国民の
負担をゼロにという強い要望があっておるところでございますが、そこまで行き着いていないという点においては百点と言うことはできないのでありましょう。しかし、母体行の
責任を最大限盛り込んだそういう総体的なスキームであるという点においては、私は十分評価にたえ得る
処理案ではないかと積極的な評価をしたいと思うわけでございます。
そこで、重ねまして、この今日までの
努力でありますが、なお一歩このことで
国民にこのスキーム全体が理解を得られない、それは甚だ残念なことであります。各御関係の御
努力も、私たちも精いっぱい努めることのできる部分があるんではないかと考えるわけでございまして、最後まで御
努力をぜひともよろしく
お願いを申し添えたいと思います。
次に、農協系統の改革について若干お尋ねをさせていただきたいと思います。
農協運動で欠くことのできない大事な柱は、まずは農家経済に密接なかかわりを持ちながら、しかしながら収益を生み出すことができないと言われております営農指導
業務、この分野ではないかと私は考えております。そしてまた、生活指導の
業務も同じ性質のものではないかなと考えております。
そういう中で、農協におきます信用事業あるいは共済事業、大変大きな役目を果たしているわけで、これらの非収益部門の費用を捻出してきているという役目があるわけでございます。加えて、この両事業は、昨今におきまして非常に事業収益を上げにくい販売あるいは購買の経済事業の、時によりましては赤字を補てんしながら行われてきているのが
日本の各農協の置かれた現状ではないかと言うことができるのではないかと思います。
そのような中でさまざまな問題が重なりました。信用事業が大変な減益の傾向にあることは憂慮されるべき点であると考えております。農協の貯金残高がこの三月〇・一%減となり、あるいは四月〇・六%減となり、戦後初めてのことだと聞いておりますが、前年同月比で減少をしている、このような状況になってきているということに注意を寄せるべきだと思います。これまでのように、いわゆる他部門の赤字を信用あるいは共済事業におきましてその黒字で補っていくということは、このような状況からまことに難しいという見通しを持たざるを得ません。そのような農協の独自の取り組みもなされてきているとは聞いておりますが、この体質改善を抜本的に行っていく必要性が今喫緊の
課題ではなかろうかと思っております。
関連して、見落としてはならないという点で申し上げたいと思うのでありますが、経済事業につきましては、特にその整理再編が信用あるいは共済事業とともに重要な
課題であると認識をいたしております。
農協合併は盛んに推進をされてきております。そしてまた、国際競争も激化の一途であります。これは逃げられない現状であることは否めません。そこに合併によるスケールメリットを組合員も求め、農協も求めてまいりました。しかし、なかなか農家にとって大きな足かせであります資材費の低減を図ることができない、これは今国際競争力が激化する中で大変な頭の痛い各農家の悩みであります。それに役割を果たすべきはこの農協におきます経済事業であることは論をまたないところでございますが、これらの改革も、先ほど来申しておりますように赤字の補てんをされているような状況ではならない。事態の抜本的な改革が求められることをつけ加えて提起をしておきたいと思います。
農協系統では、事業二
段階あるいは組織二
段階制への移行や広域合併の推進など、
経営体質の強化にこれまで既に取り組んできておられます。その進捗状況はどうなっているのか。あるいはまた、
政府におきましても、農政
審議会に農協部会を設けていただき、農協系統の事業、組織の見直しについて検討が行われているやに承っております。
今後のこれらの農協系統のあり方をどのようにお考えになるのか、大原
農林水産大臣のお考えを賜りたいと思います。