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政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。
まずお断りをしなければいけませんのは、この構想は、実はまだ四月十二日に
加藤一郎先生を座長とします学識経験者の懇談会から御提言をいただいたという段階でございます。
環境庁といたしましてこの御提言を踏まえて今後どうこれを具現化していくかということにつきましては、なお
関係する方面も多いわけでございまして、具体的な事務的な詰めというのはこれからというのが正直なところでございます。
この提言で言われております特色と申しますと、
一つは、やはり基本的に現代の
物質文明の価値観、価値体系というものを新しい時代の視野から問い直して、持続
可能性というものを地球規模で考え、それを実現するために、自然科学的、
技術的な研究を基盤としつつも、社会科学、人文科学という
観点を十分取り入れて新たな文明の基本的枠組みをつくり出して、そういう中から具現化するための戦略に関する研究をしていってはどうかと。そういうためにこういう機関をつくってはどうかという基本的考え方を踏まえまして、研究機関の特色といたしまして五つの点を実は言っておられます。
それは性格として挙げてあるわけでありますが、
一つは総合的でなければいかぬと言っております。これは、従来ともすれば自然科学的、
技術的な研究に偏りがちであったという点を一応反省しまして、今後文明のあり方まで考えると総合的な研究が必要であるという
観点をとっております。
それから新規性。やっぱり新しい枠組みを今後つくり出していこうということでありますので、研究自身も新規、新しいものであるということを追求していく必要があろう。
それから三番目に、国際性と言いまして、地球
環境問題でございますから、当然国際的な協力した
取り組みということを想定した考え方が必要であろうと。特に、アジア地域ではヨーロッパの研究機関のような形のものがないわけでありまして、そういう
意味で、アジアを発信地域とするそういう研究機関があることは非常にいいのではないかということを強調しながら国際性ということを主張されております。
四つ目が公開性ということで、もちろん学者が
中心になるわけでありますが、市民なり企業、大学生、いろんな方々が幅広く参加できるような形の研究機関というのを今後考えていくべきであるという点を
一つの特色に挙げております。
もう
一つは独立性ということで、政府機関ということになってしまうと立場が限られますし、あるいは特定の企業なり特定の団体の立場を余り堅持したものであるとなかなか偏ったものになるであろう、そういう
意味で、そういうものから独立した形の研究機関として、そういう関与をできるだけ避けた、独立した立場での研究ができるようなものにせよと。こういう独立性を五つ目の特色に挙げておりまして、そういう
意味ではかなり新しい形の研究機関を提唱されているという点が新しい特色であろうと思っております。