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1996-04-24 第136回国会 参議院 環境特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年四月二十四日(水曜日)    午後零時十七分開会     —————————————    委員異動  四月十日     辞任         補欠選任      加藤 修一君     足立 良平君  四月十一日     辞任         補欠選任      中原  爽君     西田 吉宏君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大渕 絹子君     理 事                 狩野  安君                 河本 英典君                 釘宮  磐君                 竹村 泰子君     委 員                 石川  弘君                 鴻池 祥肇君                 佐藤 泰三君                 長峯  基君                 西田 吉宏君                 野村 五男君                 馳   浩君                 足立 良平君                 畑   恵君                 広中和歌子君                 和田 洋子君                 朝日 俊弘君                 有働 正治君                 中尾 則幸君                 矢田部 理君    国務大臣        国 務 大 臣        (環境庁長官)  岩垂寿喜男君    政府委員        環境庁長官官房        長        田中 健次君        環境庁大気保全        局長       大澤  進君    事務局側        第二特別調査室        長        林 五津夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 大渕絹子

    委員長大渕絹子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十日、加藤修一君が委員辞任され、その補欠として足立良平君が選任されました。  また、去る十一日、中原爽君委員辞任され、その補欠として西田吉宏君が選任されました。     —————————————
  3. 大渕絹子

    委員長大渕絹子君) 大気汚染防止法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。岩垂環境庁長官
  4. 岩垂寿喜男

    国務大臣岩垂寿喜男君) ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  汚染のない清浄な大気環境保全は、国民の健康で文化的な生活の確保を図る上で重要な課題一つであり、環境行政に課せられた重大な責務の一つであると認識しております。  このため、政府といたしましては、公害対策基本法及び環境基本法に基づき大気環境基準を定めるとともに、大気環境基準の達成に向けて、工場事業場からのばい煙等対象とした対策自動車排出ガス対象とした対策等各種対策の総合的な推進に鋭意取り組んできたところであります。  しかしながら、今日、従来の取り組みに加えて新たな課題に的確に対処していくことが求められてきております。  第一は、多様な有害大気汚染物質による新たな大気汚染への対応であります。  近年の我が国大気環境調査結果によりますと、大気中から低濃度ではありますが発がん性等有害性が問題とされる物質が種々検出されており、物質によっては、その長期暴露による国民の健康への影響が懸念される状況に至っております。  このため、既に米国等幾つかの先進国において有害大気汚染物質に係る排出抑制対策が進められていること、我が国において水質汚濁土壌汚染の分野で発がん性物質等有害物質対策が進められていること等も踏まえ、有害大気汚染物質排出抑制対策を積極的に推進していくことが必要となっております。  第二は、二輪車による大気汚染への対応であります。  二輪車については、従来、自動車排出ガス規制対象とはなっておりませんでしたが、二輪車走行台数が極めて多く、また、自動車排出ガス規制の進展により二輪車からの排出ガス寄与割合が相対的に増大したことから、特にベンゼン等有害大気汚染物質を含む炭化水素排出量は、今や自動車全体の二割を占めるに至っております。このため、二輪車に係る排出ガス抑制対策を積極的に進めていくことが必要となっております。  第三は、建築物解体現場からのアスベスト飛散防止対策徹底であります。  アスベスト対策としては、既にアスベスト製品製造工場等について法的規制措置を講じておりますが、建築物解体等に伴うアスベスト飛散防止については、これまで主として行政指導により対応してまいりました。しかしながら、阪神淡路大震災において被害を受けた建築物解体等に伴うアスベスト飛散が懸念され、対策徹底が求められたことや、アスベスト使用建築物が建設され始めて既に三十年程度が経過し、今後その建てかえのための解体等の増加が見込まれることを踏まえ、対策の一層の徹底を図ることが必要となっております。  第四は、工場事業場における事故時の措置充実であります。  施設の故障、破損等事故による大気汚染に際しては、被害拡大を防ぐため、行政事業者の迅速な連携が必要であるということが、阪神淡路大震災の際に改めて得られた貴重な教訓一つであり、この教訓を真摯に受けとめ、事故時の措置の一層の充実を図ることが必要であります。  本法律案は、これらの課題に的確に対処し、大気環境行政を一層推進するため、各種規定整備を図ろうとするものであります。  次に、本法律案主要事項について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、有害大気汚染物質対策推進に関する規定整備であります。  有害大気汚染物質対策推進に関する章を新たに一章設け、科学的知見充実のもと、将来にわたって人の健康に係る被害未然防止を図るという基本的な考え方を明確にし、有害大気汚染物質排出抑制のための積極的な取り組み事業者に求めるとともに、国及び地方公共団体においては、有害大気汚染物質による大気汚染状況の把握、健康被害のおそれの程度の評価、公表、事業者に対する情報の提供及び住民に対する知識の普及に努めるべきことを規定しております。  また、その中でも、大気中の濃度の低減を急ぐべき物質については、当面、排出抑制基準を示し、より確実な排出抑制取り組み事業者に求めることとし、その旨附則において規定しております。  以上の仕組みについては、今後の科学的知見充実程度事業者による取り組み成果等を総合的に勘案し、健康被害未然防止の観点からより一層の対策充実を図るため、本法律案の施行後三年を目途として検討を加え、その結果に基づいて、制度の見直しを含め所要の措置を講ずることを規定しております。  第二に、自動車排出ガス規制対象拡大であります。  自動車排出ガス定義規定を改め、自動車排出ガスに係る許容限度設定対象原動機付自転車、すなわち百二十五cc以下の二輪車を追加することとしております。  第三に、建築物解体等作業に伴うアスベスト排出または飛散防止に係る各種規定整備であります。  建築物解体等について作業基準を設定し、事業者作業基準遵守義務を課すとともに、都道府県知事は、作業基準を遵守していないと認められる事業者に対し、作業基準に従うべきことを命ずることができること等を規定しております。  第四に、事故時の措置に関する規定整備であります。  事故により大気汚染が生じた場合における応急措置義務等対象となる施設ばい煙発生施設を加えるとともに、事故発生時における都道府県知事への通報を事業者に求めることとしております。  以上のほか、事業者届け出義務の緩和、罰則規定その他の規定整備等を行うこととしております。  以上が本法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 大渕絹子

    委員長大渕絹子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会      ——————————