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国務大臣(
池田行彦君)
委員御
指摘のとおり、核実験はいずれの国のものであってもこれを容認することはできない。当然のことでございます。今回の中国の核実験は極めて遺憾でございまして、
政府といたしましても、実験が行われまして、直ちに
官房長官の声明を出しましたし、それからまた、私がその当日、在京の中国の臨時代理大使を
外務省に招致いたしまして、この核実験が極めて遺憾であるということ、それからまた今後一切実験を行われないこと、そしてさらにいわゆる包括的核実験禁止
条約、CTBTでございますが、これの
締結に向かってさらなる
努力をするようなこと等々の申し入れをしたところでございます。
さて、今の
委員の御
質疑の中では、それ以前に一体どういうふうな
努力をしたのかという点でございましたが、その点につきましては、
日本といたしましても、もうかねてからいろいろな機会をとらえまして核実験の停止を求める立場を明らかにし、また中国側にも申し入れてまいりました。
最近で申しますと、バンコクで三月一日に行われました日中首脳会談、翌三月二日に行われました日中の外相会談、また三月三十一日にこれは東京で行いました日中外相会談等におきましてもそのような申し入れをしてきたところでございます。しかし、それにもかかわらず今回中国が核実験に踏み切ったということは大変に遺憾なことだと
考えておりまして、そういったことを踏まえて、先ほど申しましたような申し入れを八日に行ったところでございます。
それから、
外務省が昨年来、核実験の関連で無償援助を
原則停止していると、それがある程度の効果があったというふうなことを言っているがどうかという御
質問がございました。
これはいろんな
考え方があると思いますけれ
ども、確かに今回の核実験を中国が国際世論の流れに逆行して行ったということは大変遺憾でございます。しかし、中国側の
考えあるいはその意図ということをそんたくいたしますと、こういうことが言えるんじゃないかと思います。
確かに中国は依然として核実験を行いましたし、また九月にもやるとは書っておりますけれ
ども、従来はいつやめるとは言っておりませんでした。強いて言えば、CTBTがきちんとできるならば、それが
締結か発効かというところは若干あいまいでございましたが、ともかくCTBTがちゃんとできたらやめるよということは言っておった。それを今回は、九月にもう一回やる、それでもうやめるんだと、こう言いました。そういうふうに時間を
特定したということは、それを我々として
評価することは決してできませんけれ
ども、中国側の意図としては、そこは少し明らかにしたんだぞということはあるかもしれません。
それからまた、
委員も御承知のとおり、CTBTにつきましても、従来、小規模の平和的爆発と称するものは
対象外にする等の主張をしておりましたけれ
ども、これを取り下げてまいりましたですね。そういったことで、核に関する中国の態度に最近ある程度の変化があるということは事実でございます。
その変化の背景を
考えてみますと、やはり
我が国を
中心とする国際世論のいろいろな主張、申し入れあるいはその無償の
原則停止といった措置も含めて、そういったものを中国側が勘案してこのような政策変更をしたということはあり得るんじゃないかなと。そういったことを
考えながらあのような発言になったんだと思います。しかし、その因果
関係をきちんと説明しろと言われますと、これはなんでございますけれ
ども。