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1996-02-23 第136回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年二月二十三日(金曜日)    午前十一時五十分開会     —————————————    委員異動  一月二十三日     辞任       補欠選任      齋藤  勁君     萱野  茂君  一月二十五日     辞任       補欠選任      谷本  巍君     村沢  牧君  一月二十六日     辞任       補欠選任      村沢  牧君     谷本  巍君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         成瀬 守重君     理 事                 木宮 和彦君                 楢崎 泰昌君                 風間  昶君                 萱野  茂君     委 員                 板垣  正君                 尾辻 秀久君                 高木 正明君                 橋本 聖子君                 三浦 一水君                 加藤 修一君                 高野 博師君                 福本 潤一君                 星野 朋市君                 谷本  巍君                 照屋 寛徳君                 吉岡 吉典君                 武田邦太郎君                 島袋 宗康君                 奥村 展三君    国務大臣        外 務 大 臣  池田 行彦君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  中西 績介君        国 務 大 臣        (沖縄開発庁長        官)       岡部 三郎君    政府委員        沖縄開発庁総務        局長       嘉手川 勇君        外務省欧亜局長  浦部 和好君    事務局側        第一特別調査室        長        入内島 修君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (平成八年度沖縄及び北方問題に関しての施策  に関する件)  (派遣委員報告)     —————————————
  2. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る一月二十三日、齋藤勁君委員辞任され、その補欠として萱野茂君が選任されました。     —————————————
  3. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事萱野茂君を指名いたします。     —————————————
  5. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、平成八年度沖縄及び北方問題に関しての施策について関係大臣から所信を聴取いたします。  まず、池田外務大臣から所信を聴取いたします。池田外務大臣
  6. 池田行彦

    国務大臣池田行彦君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員会開催に当たり、所信一端を申し述べたいと思います。  まず、沖縄に関する事項について申し述べます。  冷戦の終結後も東アジアを初めとして国際社会が依然不安定要因を内包している中で、我が国が引き続き安全を確保していくためには日米安保条約が不可欠であります。また、日米安保体制は、国際社会における広範な日米協力関係政治的基盤となっており、さらに、アジア太平洋地域における安定要因としての米国の存在を確保し、この地域の平和と繁栄を確保するために必要と認識しております。政府としては、このような意義と重要性を有する日米安保体制を堅持し、その円滑な運用と信頼性の向上のためにできる限りの努力を払っていく所存であります。  他方沖縄県においては、米軍施設区域が集中していることから種々の問題が生じております。私は、沖縄県の方々のこれまでの御苦労に思いをいたし、関係者方々のお気持ちを自分のものとして最大限配慮していく考えです。その意味で、沖縄における米軍施設区域整理、統合、縮小及び関連する諸問題については、日米安保条約目的達成との調和を図りつつ、昨年十一月に設置された沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会において、本年秋を目途に目に見える具体的な成果を上げるよう米側協力して努力してまいる所存であります。また、四月のクリントン大統領訪日は、この問題を解決するための大きな節目となるものであり、この機会に解決に向けた方向性を示すことが重要と考えております。  次に、北方領土問題について申し述べます。  第二次大戦が終了して後五十年が経過した今日に至っても北方領土問題がなお未解決であることは、まことに遺憾であります。北方領土問題を解決し、平和条約を締結して日ロ関係の完全な正常化を達成することは、日ロ二国間のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定のためにも極めて重要であり、私はこのため最善の努力を払う所存であります。  一九九三年十月のエリツィン大統領訪日の際に両国首脳の署名した東京宣言基礎として領土問題を含め両国関係をさらに進めていくことは、日ロ双方において繰り返し確認されております。  他方ロシア情勢は、本年六月の大統領選挙を控えなお不透明でありますが、政府としては、ロシア改革が後退することなく継続されるようロシア政府努力することを強く希望しております。  私が今次国会冒頭外交演説の中で述べましたように、本年は一九五六年の日ソ共同宣言による国交回復後四十周年を迎える節目の年であります。さきに述べたようなロシア情勢の中で、領土問題をめぐる環境は厳しいものがありますが、政府としては、東京宣言に基づき、北方領土問題を解決両国関係の完全な正常化を達成するために一層の努力を傾ける所存であり、ロシア政府もこの問題に真剣に取り組むことを強く希望するものであります。  最後に、成瀬委員長を初め、本委員会委員皆様よりよろしく御協力、御助言を賜りますよう心よりお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
  7. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 以上で池田外務大臣所信表明は終わりました。  どうぞ御退席いただいて結構でございます。  次に、中西総務庁長官から所信を聴取いたします。中西総務庁長官
  8. 中西績介

    国務大臣中西績介君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員会開催に当たり、北方領土問題につきまして所信一端を申し述べたいと存じます。  我が国固有の領土である北方領土が戦後半世紀を経た今日なおロシアの不法な占拠のもとに置かれておりますことは、まことに遺憾なことであります。  我が国対ロ外交基本方針は、両国間における最大の懸案である北方領土問題を解決して、日ロ平和条約を締結し、両国間に真の相互理解に基づく安定した関係を確立し、日ロ関係の完全な正常化を達成することであります。このため、政府といたしましては、平成五年十月に署名された東京宣言基礎として領土問題の解決に向けた努力を払っているところであります。  しかしながら、現在のロシア改革に伴う多くの諸問題に直面しており、また、本年六月には大統領選挙が予定されております。北方領土返還を実現するまでには多くの困難な局面が予想されますが、ロシアとの厳しい外交交渉を支えるためにも、引き続き国民世論の結集が不可欠と言わなければなりません。  このような中、北方領土早期返還を求める国民の声は年々大きな高まりを見せ、返還要求運動全国的な広がりを持った国民運動として定着しております。特に、昨年は北方領土返還要求運動五十年という大きな節目を迎え、全国各地で多くの皆様が参加して種々の行事が繰り広げられました。このことは、北方領土問題の早期解決を求める日本国民の心からの願いと強い決意のあらわれと確信しており、政府としてもまことに心強く感じているところであります。  本年は、北方領土返還要求運動五十一年目という新たな出発点となる年であり、また、昭和三十一年の日ソ共同宣言による国交回復後四十年目の節目の年に当たり、総務庁といたしましては、国民世論の一層の高揚を図るため、広報・啓発活動をさらに推し進めるとともに、関係団体との連携を密にしながら、返還要求運動が引き続き強力に推進されるよう支援してまいりたいと考えております。また、北方四島在住ロシア人との相互理解の増進を図るための北方四島との交流事業についても一層の充実に努めてまいる所存です。  北方対策本部長といたしまして、与えられた職責の重さを痛感し、誠心誠意職務の遂行に当たる所存でございますので、委員長を初め理事委員皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。  よろしくお願い申し上げます。
  9. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 以上で中西総務庁長官所信表明は終わりました。  どうぞ御退席いただいて結構でございます。  次に、岡部沖縄開発庁長官から所信を聴取いたします。岡部沖縄開発庁長官
  10. 岡部三郎

    国務大臣岡部三郎君) 沖縄開発庁長官として所信一端を申し上げる前に、このたび発生した一般国道二百二十九号豊浜トンネルにおける大規模な崩落事故により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方に対し心からお見舞いを申し上げます。  さて、皆様御承知のとおり、沖縄さき大戦で焦土と化し、また、戦後も二十七年間にわたり施政権が分離されるなど、多難な道を歩んできましたが、昭和四十七年五月に本土に復帰して以来、県民皆様のたゆまざる御努力とともに、三次にわたる振興開発計画に基づく沖縄振興開発のための諸施策が講ぜられ、その結果、社会資本整備は大きく前進し、本土との格差は次第に縮小されるなど、沖縄経済社会は総体として着実に発展してまいりました。  しかしながら、沖縄には今なお広大な米軍施設及び区域が存在するとともに、生活産業基盤の面で整備を要するものが多く見られ、さらには、一人当たりの県民所得格差の問題、雇用の問題、産業振興の問題など、今なお解決しなければならない多くの課題を抱えております。  このため、沖縄開発庁といたしましては、二十一世紀に向けた総合計画として平成四年九月に決定されました第三次沖縄振興開発計画を踏まえ、引き続き本土との格差を是正し、自立的発展基礎条件整備するとともに、沖縄の特性を生かした特色ある地域としての整備を図るため諸施策を推進することとしております。  私は、就任一週間後の一月中旬の二日間、沖縄を訪問し現地の各界の皆様の声を直接に承ってまいりましたが、沖縄のすばらしさ、将来へ向けての可能性を実感した一方、復帰後二十三年余りを経た今日も、沖縄はさまざまの課題を抱えていることを改めて認識いたしました。今後、沖縄県民と一体となって諸課題解決に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  また、沖縄米軍施設及び区域をめぐる諸問題につきましては、沖縄米軍基地問題協議会及び沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会において検討することとされておりますが、沖縄開発庁としてもその検討の状況を見ながら関係省庁と適宜連絡をとり、基地返還跡地が有効に活用され、沖縄経済発展のために資するよう尽力してまいりたいと考えております。  成瀬委員長を初め、委員皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げまして、私の所信といたします。
  11. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 以上で岡部沖縄開発庁長官所信表明は終わりました。  どうぞ御退席いただいて結構でございます。  本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  12. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 次に、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。風間昶君。
  13. 風間昶

    風間昶君 先般行われました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。  沖縄米軍基地問題及び沖縄振興開発に関する実情調査のため、一月十六日及び十七日の両日、成瀬委員長板垣委員齋藤委員橋本委員武田委員奥村委員及び私風間の七名が沖縄県に派遣されました。なお、島袋委員現地で参加されました。  さて、沖縄県には全国米軍専用施設の約七五%が集中しており、広大な米軍施設区域土地利用上大きな制約となっているほか、県民生活にさまざまな影響を及ぼしております。このような背景のもとで、昨年九月にはあの痛ましい米兵暴行事件が発生し、改めて沖縄県の米軍基地問題がクローズアップされました。また、沖縄振興開発につきましても、本年は平成四年度から始まりました第三次沖縄振興開発計画が五年目の折り返し点に当たりますので、前期の点検と後期展望を図る重要な年となっております。  そこで、沖縄米軍基地問題及び沖縄振興開発につきまして、現地実情を視察し、あわせて沖縄県及び地元自治体等からの要望意見を把握するため鋭意調査を行いました。  まず、初日は沖縄総合事務局及び那覇防衛施設局から概況説明を聴取いたしました。  次いで、沖縄県庁におきまして要望をお受けするとともに、県勢概要を聴取いたしました。  大田知事は、第三次沖縄振興開発計画後期を迎えるに当たり、産業振興対策必要性のほか、米軍基地整理、縮小問題や交通基盤整備が喫緊の課題であることを指摘されるとともに、十二項目にわたる県の要望の中から、米軍基地問題の解決促進那覇空港の空港使用料等軽減措置の拡充の二項目につきましては格段の支援要請をされました。  次に、県道一〇四号線を経由してキャンプ・ハンセンに入り、三〇二番砲座位置から、数ある沖縄県からの要求の中でも特に要望の強い、いわゆる三事案の一つである米国海兵隊による県道一〇四号線越え実弾砲弾演習実施現場を視察いたしました。  次に、金武町役場に移動し、吉田町長及び仲田教育長から町面積の約六〇%を米軍施設が占有していることに伴う行政上、教育上の問題について実情を伺うとともに、意見交換をいたしました。町長からは、実弾砲弾演習廃止等項目にわたる当面の課題のほか、五項自の政策的課題についての説明支援要請の発言がありました。  二日目は、那覇泊埠頭開発事業として竣工されました旅客ターミナルビル「とまりん」の展望台から泊地区を俯瞰しながら、事業概要を聴取し、進捗状況を視察いたしました。同事業は、第三セクター方式を取り入れながら進められておりますが、現在は第一期事業のうち記念公園地下駐車場等整備が進められておりました。  なお、新港埠頭で行われております外貿コンテナターミナル整備状況等も視察いたしました。  次に、米軍関係施設につきまして申し上げます。  まず、キャンプ端慶覧におきまして米国海兵隊第一海兵航空団司令官カラマコビッチ准将と、次に嘉手納飛行場におきまして米国空軍第一八航空団司令官マッカーサー大佐とそれぞれ会見し、概況説明を伺うとともに、意見交換を行いました。その際、成瀬委員長委員会を代表して、さき米兵暴行事件につきまして遺憾の意を表するとともに、さらなる米軍の綱紀の粛正と万全の再発防止策要望いたしました。  なお、嘉手納飛行場におきましては、騒音軽減の一環として、提供施設整備のための経費で設置されましたエンジン整備のための消音装置等を視察いたしました。また、普天間飛行場におきましては、那覇防衛施設局長説明とともに、諸施設を視察いたしました。  最後に、那覇東急ホテルにおきまして在沖マスコミ十一社との記者会見を行い全日程を終了いたしましたが、今回の派遣に際し御協力いただきました関係者皆様に厚く御礼申し上げます。  なお、別途詳細な報告書委員長に提出しておりますので、本日の会議録末尾に掲載されますようお取り計らいいただきたいと存じます。  以上でございます。
  14. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  ただいまの報告につきまして、別途、詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時八分散会      ——————————