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筆坂秀世君 今の局長の答弁を聞いていまして、この法案の目的である
ダンピングの
防止と公正な国際競争の確保というのがなかなかこれはおぼつかないというふうに私は言わざるを得ないと思うんですね。過去にあったかなかったかはっきりしないというぐらいなわけですから。
私ども聞きましたら、どうやって
ダンピング契約かどうかを判断するのかと、一応
三つの基準があるというんですね。同一の
船舶をまず国内
価格と比較をする。二つ目には、第三国に
輸出した
価格と比較をする。
三つ目には、コストを比較する、調べる。こういう順序で比較をして、その差が二%以上なら
ダンピングと判定する、こういうふうに
運輸省から説明を聞きました。それはその範囲でよくわかるんです。しかし問題は、今御指摘もありましたが、いかにその
実効性を担保していくかということだと思うんです。
比較といったって、これはなかなか簡単じゃないと思うんです。全く同一の船というのもあるでしょうけれども、大きな船になればそれぞれが個性を持った船で、同一の船というのがそんなにあるのか、実際問題として。その場合どうやって比較するのか〉これ
一つ問題があります。
あるいは、二%以上の差があったということが
一つの基準になると聞いておりますけれども、為替変動によって二%ぐらいは幾らでも上下するわけですね。この為替変動なんかをどう見込んでいくのかという問題が生まれてきます。
あるいは、同じような型の船でもどういう資材を使ったのか、使う資材によってもこれは当然コストが違ってくる。あるいは、
設備される機材がどういうものか、これだってその機材によって
価格は当然違ってきます。これまで調べようと思えば、これはそれこそ船を設計するぐらいの詳細な
調査をやらなければなかなか正しい比較というのはできないんじゃないかという問題が
三つ目にある。
それで四つ目に、これは国内の取引じゃありませんから、今も話がありましたが、
外国との関係で紛争が起こるという事態もこれは当然生まれ得ると思うんですね。そのときに、じゃ
日本の言う主張が正しいのかあるいは
外国の言う主張が正しいのか、一体どこが判定するのか。
我々も、
ダンピングは
防止しなきゃいかぬ、公正な国際競争のルールを確立しなきやいけないと。しかし、そのためにはこういう問題をクリアしていかないと、仏つくって魂入れずということになってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。