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政府委員(
黒野匡彦君) 午前中の
議論にもございましたし、今戸田
先生からも
お話もありましたように、やはり空港につきましてはかなり長期を見据えて検討を進める必要があると思っております。私
ども八年度を初年度といたします七次空港
整備五カ年計画を検討中でございますが、当然この背後には十年なり二十年なりあるいはより長い需要予測を持ちまして検討を進めさせていただいておりますし、これからもそういう視点を強めていきたいと思っているところでございます。
この七次の空港
整備五カ年計画でウエートを置いておりますのは拠点空港の
整備でございまして、さらにこの拠点空港に二つございまして、
一つは国際ハブ空港、二つ目が国内の拠点空港、二つでございます。
国際ハブ空港につきましては、これから二十一世紀を迎え、
我が国だけではなくて世界全体がますます国際化する、その中において
我が国だけが国際化の窓口である空港が十分なキャパシティーがないということでは、
我が国の国際的な地位が低下することは明らかでございます。したがいまして、私
どもこの国際ハブ空港の
整備について大変大きな使命を、単に航空行政というだけではなくて
我が国の社会経済全体に対して負っているという覚悟というか意識でもって
対応しております。
具体的に申し上げますと、まず、何といいましても成田でございまして、成田は大変多くの方々の御努力、御支援によりまして、話し合いによって平行滑走路をもう一本つくろうではないかという雰囲気が醸成されております。このタイミングを我々大事にいたしまして、現在、個々の地権者あるいは住民の方々と個別に話し合いに入っているところでございまして、これを精力的に進め、一日も早く平行滑走路を完成させたいと思っているところでございます。
また、関西国際空港につきましては、今詳しく御
指摘いただきましたように、一兆五千六百億という大変大きな事業でございますが、二期事業が平成八年度から着工という
政府予算になっております。国会で
予算をお認めいただき、さらに上下主体分離方式につきます
法律をまたこれも同じく国会でお認めいただけますれば、できるだけ早期に埋め立ての会社をつくり、これももう一本滑走路をつくることを急ぎたいと思っております。
さらにもう
一つ、中部に新しい国際空港をつくろうということで、精力的に
調査を進めております。
調査結果あるいは地元における協力
体制等を踏まえまして、できますれば七次の空港
整備五カ年計画の中でも早期にこれも着工したいと思っております。その三つが我々が今持っております国際ハブ空港の構想でございます。
一つ御
認識いただきたいのは、世界的に国際ハブ空港と言った場合、面積が大体二千ヘクタール、大きいところは五千とか六千ございます。今御披露申し上げました三つは広くて千百ぐらいでございまして、国際的規模から見ますと決して胸を張れる規模ではないと思っております。
ただ、
我が国の国土
事情あるいは環境
事情から申し上げますと、一カ所で二千とか三千という大きな空港をつくることは極めて困難だと思っております。理想としては追求をいたしますが、
現実問題としてはあるいは絵にかいたもちに終わるかもしれない。したがいまして、私
どもはこの三つを組み合わせることによりまして、国際的なネットワークの拠点として
我が国の玄関にしたい、かように思っておるところでございます。
それから、国内につきましては、地方空港につきましてはほぼ展開は終わったと思っておりますが、既存空港につきまして、需要に
対応いたしまして高質化、より使いやすい空港にするということに力を注ぎたいと思っております。
また、国内の拠点空港につきましては、おかげさまで羽田が比較的順調に工事が進んでおりますが、今の工事が完成いたしましたとしますとそれ以上の拡大はなかなか難しゅうございますから、首都圏にもう
一つ空港をつくるということについて今関係方面と協議に入るべく調整中、こんな
状況でございます。
引き続き、御支援のほどを賜りたいと思います。