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松原政府委員 四点のうち、最初の三点は私の方から
お答えをさせていただきたいと思います。
まず、健康診断についての問診の
関係でございますけれども、現在、安全衛生法及び安全衛生規則に基づきまして、
一般健康診断の検査項目の中に、既往歴ですとか
業務歴の
調査、自覚症状及び他覚症状の有無の検査といったことが含まれているわけでございます。したがいまして、こういう中で、
労働者の疲労
状況や疲労の要因等についても、医師の問診等を通じて
把握されているものというふうに考えているわけでございます。
また、今回の
法改正の中に、「健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める
労働者に対し、医師、保健婦又は保健士による保健指導を行うように努めなければならない。」という
規定を置かせていただいておりますけれども、こういったことによりまして、疲労蓄積、それに基づくさまざまな症状の危険が察せられるような
労働者については、保健指導の中でも十分対応できるというふうに考えているわけでございます。
いずれにいたしましても、
労働者の疲労
状況を的確に
把握しまして健康管理を行うということは、
労働者の健康
確保を図るという上で極めて重要なことだというふうに考えておりますので、こういったことについて
関係者に十分周知を図りたいというふうに考えております。
二番目に御
指摘がございました、
日本産業衛生学会の中に設けられました循環器疾患の作業関連要因
検討委員会
報告の中で
指摘されましたことについてでございますけれども、私どもも、過長で恒常的な時間外
労働というのは抑制していかなければいけないというふうに考えているわけでございます。こういうことから、
労働省としましては、時間外
労働の適正化指針というのをつくって、過長で恒常的な時間外
労働がないようにということで、その抑制に努めているわけでございます。
また、御
指摘ございましたバスやタクシー、トラックといったような運転者の方につきましては、さらに改善基準というものを告示で示しておりまして、自動車運転者の長時間
労働の改善が図られるようにということで指導啓発等に努めているわけでございます。
一方、この
報告は、一定時間以上の時間外
労働を禁止するということが提言をされておりますけれども、時間外
労働、休日
労働が我が国の雇用慣行の中でどういう役割を果たしているかということを考えますと、ある意味では雇用調整機能を有しているという面もある。したがって、雇用の安定に一定の役割を果たしているという面もあることから、ある
程度の弾力性を付与する必要があるということがあろうかと思います。そういうことから、時間外
労働、休日
労働の上限については労使協定の定めるところにゆだねているわけでございまして、一定時間以上の残業を
法律をもって禁止するというやり方は適当ではないというふうに考えているわけでございます。
恒常的な長時間
労働が行われることのないようにということは極めて重要な点でございますので、四月の初め、日経連に対しまして、
労働時間が過重なものとならないよう所定外
労働の削減を図るといったこととか、サービス
残業等が行われることのないよう適正な
労働時間管理についての要請を行ったわけでございますし、地方
労働基準局に対しましても、この点について遺漏なきようちゃんとやるようにという指示をしたところでございます。今後とも、適正な
労働時間管理の実施には努めていきたいというふうに考えているところでございます。
三点目の
産業医活動の点でございますけれども、
産業医の
方々は、現行法制によりましても、毎月一回作業場を巡視しなければいけないということになっております。その作業場の巡視等につきましては、
事業者は
産業医に対し、職場巡視等をなし得る権限を与えなければいけないということが
規定をされているわけでございます。
そういうことから、この
趣旨が十分生かされるよう必要な場合には指導をしていきたいというふうに考えておりまして、その
趣旨にのっとった活動が
産業医の方にやっていただけるようにしていきたいというふうに考えているわけでございます。
また、健康診断結果に基づく事後
措置について医師の意見を聞くということにしておりまして、この医師というのは
産業医であることが最も適当でございますが、その事後
措置についての意見を言う場合にありましても、必要な資料が提供されるということは必要でございますので、今後、事後
措置についての指針をつくっていきたいと思っておりますが、それにおきましても、必要な資料の提供についても具体的に記述をするなど、
検討いたしたいというふうに考えております。